SSブログ

12月7日 歌舞伎町まちづくりプロジェクト 準備会(第二回) 会議より [まちづくり]

12月7日、歌舞伎町まちづくりプロジェクト準備会(第二回)が新宿区役所6回第二委員会室において開催された。出席者は、歌舞伎町商店街振興組合・歌舞伎町二丁目町会、四葉会からは東亜興行から、そのほか区役所の関係部署、歌舞伎町1・2丁目にビルをもち区議でもある下村氏ほか。

来年一月中旬に予定されている「第三回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会」にむけての、ルネッサンス関連に関する活動報告、また現在進められている歌舞伎町現状調査についての中間報告、そして全体を通してのディスカッションの場となった。

まず、この歌舞伎町まちづくりプロジェクトの位置づけは、ルネッサンス推進協議会の元にある3つのプロジェクト(クリーン作戦・地域活性化・まちづくり)の一つで、歌舞伎町の主にハード面から見た現状調査(目的・調査方法・分析)と今後のまちづくりに関する意見交換・提案などを経て、まちづくり計画策定へと向かう会議。活性化プロジェクトや、KIHEIプロジェクト(白看板対策特化家守事業の推進)も関連性があるので相互に調整しながらすすめていくことになると思われる。会議に出席しているメンバーの中には有識者や行政の関係部署らも含まれるが、実態把握において個人差が多いためその辺を埋めていくことが、まだまだやや必要な状況ではある。

仮にまちづくり計画策定までもっていったとしても、それについて強制力はないわけだから、あくまで政策的誘導になっていく一種インサイダーな世界ともいえないことはないかな。。

とりあえず、方向性について書いておくと、

①駐車・回遊路の調整

新宿駅からの歩行によるアクセス、職安通り側からの車によるアクセス、再来年開通のメトロの駅からの歩行によるアクセス、導線などをどうするか。開発における不安定要因(駐車場など)やラブホテル郡(二丁目四番通りなど)をどう誘導し、変化を呼び込むか。地下街延伸や大型バス専用駐車場(大久保公園などが候補地?深夜バスのターミナルになんていうアイディアも)の可能性。回遊性を誘導して人通りを変化させ、自発的にコンバージョンや建替えを促進させる。

四葉会の再開発も、回遊性が今後どうなるのかといった部分での情報・意見交換は重要。

②建替え意向

地域全体を一度にというのは不可能でしょう。ただ、一区画とか通り一本とかそういう単位でのまとまりをつくれる可能性があるのかないのか。現状、歌舞伎町には振興組合以外にいくつかの町会があるのだが、実質機能していないところも多く、そのため組合・町会の組織改変もやや視野に置きつつ地主・ビルオーナーからの意向を吸い上げていく。

③居住環境

歌舞伎町、とくに二丁目の居住環境を考えてみる。ホテル街をコンバージョンしたとえばデザイナーズマンション街みたいなイメージにできないか。根本的に、人が住まない街はよくならない。また人口が増えれば物販のニーズがでてくるのではないか。

④風俗(ホスト・キャバクラ)・性風俗(ヘルス・ソープなど)

クリーン作戦による時間外営業や未成年・違法風俗・無許可ヘルスの摘発・規制をつづけているが、今後これはさらに強化していく。特に、許可店舗やホスト・キャバクラであっても法令・条例遵守のみならず納税義務(2年ごとに会社をつぶして脱税しつづけるキャバクラとかは問題)やまた貸しなどを含めて改善を徹底していく。

一方で、合法であること、そのほか違法行為がない、納税をきちっとしてる風俗店舗・性風俗店舗について。これを観光資源とみるべきという意見も強い。

観光資源である、歌舞伎町は健全な歓楽街である、そこには風俗アリキということになるのであれば、これらに自浄機能をもつことを前提にある種の規制緩和もあってもいいのではないか。(特区構想)

とくに既得権をもつ許可性風俗店舗は、風営法上移転新設が不可能で現状のビルが朽ちたら終わりであるとともに、また貸しの温床である。ビルのリニューアルができない、つまり地域再生の足かせともなっているのではないか。実態は昭和60年の風営法改正前後とほとんどが実質経営者が変わってしまった。ここで暴力団・周辺関係者が関与(また貸し、名義貸し、会社売買など)、不当に高い家賃を払い続ける事業者、またビルオーナーには低い賃貸料しか入らないという構造が放置されている。たとえばリプレース可能な場所を作り、このまた貸しの実情を排除することも健全(^^;といっていいいのかな。。)な風俗業界にするために必要な作業。

⑤広告・看板等に関する規制

景観条例のようなものかな、たとえばまちづくり協議会なりTMOなりが景観を規制しながら見た目の街の景色を誘導する案。ここは収入源にもなるかもしれないが、とくにビル壁面広告なども含めTMOなどが全体に関与し、審査。たとえば映画や大手企業・飲食店などの看板広告についてはよりハデにしなくてはいけない、逆にサラ金や風俗(求人・営業)は出せないとか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

個人的に言うと、歌舞伎町ルネッサンスの最大の柱は、治安対策とクリーン作戦であるのはいうまでもない。が、上記ディスカッションにおいても行政が関与している以上議事録にも載らない議論があるのはやむおえないかな。ルネッサンスはルネッサンスで安全で安心できるまちづくりを進めていくとして、それとは別に「ルネッサンス」に発想の起点を持たない、もっとシンプルに地域全体にコンセンサスのとれる実態にあった民間主導のまちづくり案を策定、発信していける組織作りも必要かなと。そういった組織をどこでつくるのか、誰が主導するのか、組合なのか町会なのか、はたまたまったく別のLLPなのか、ここが課題。

 


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

12月15日 中山新宿区長、歌舞伎町「風俗案内所」を規制する条例の制定を求める要望書を警視庁に提出 [まちづくり]

警視庁園田一裕生活安全部長に要望書を提出する中山弘子新宿区長。(撮影:新宿区 区政情報課 木全課長)

12月15日、新宿区 中山弘子区長は警視庁を訪れ、新宿区議会で議決された歌舞伎町「風俗案内所」を規制する条例の制定を求める石原都知事あての要望書を提出した。

中山区長は、千代田区霞が関の警視庁で園田一裕生活安全部長に石原 慎太郎都知事あての要望書を手渡し、その後、奥村萬壽雄警視総監とあいさつを交わした。区長は、「地元では、歌舞伎町ルネッサンス協議会を立ち上げ、国や都・警察などと連携を強める中で、多くの人が安心して楽しめるまちづくりを進めていますので、ぜひご協力をお願いします」と口頭で述べ、奥村総監は「新宿らしさを生かした安全・安心の街づくりに継続的に協力していきたい」と答えた。

    

以下、要望書文面

 

歌舞伎町「風俗案内所」を規制する条例の制定を求める要望

最近、歌舞伎町地域では、ファッションヘルスやキャバクラ等を利用しようとする者に対しての情報を提供する、いわゆる風俗案内所が増加しています。

この風俗案内所は、歓楽的な雰囲気を過度に助長し、周辺店舗との調和を無視した華美な装飾電球の点滅や、店内案内の騒音などで、来街者や住人に不快感を与えています。また、これら風俗案内所は、店内にホステスの写真等を掲示し、一部ではそれが外部から見えるなど、青少年の健全育成や安全安心のまちづくりの観点からも大きな問題となっています。

こうした現状に対し、地域住民や来街者からは、多くの苦情が寄せられております。これをこのまま放置すれば、違法な風俗営業を助長し、歌舞伎町の安心・安全を阻害するおそれがあります。

しかしながら、現在、これを有効に規制する条例がないことから、新宿区役所の周辺にも風俗案内所が開設されている状況です。

新宿区役所には、教育委員会や福祉部など青少年の健全育成や子育て支援を所轄する中枢組織があり、図書館分室もあります。こうした点を考慮すると、新宿区役所周辺を風俗案内所の開設の規制区域に指定することがぜひとも必要です。また、これとあわせて、学校、図書館、児童福祉施設、病院などの施設周辺についても、風俗案内所の開設の規制区域に指定する必要があります。

そこで、新宿区では、地元商店街や関係行政機関等と一体となって進めている「歌舞伎町ルネッサンス」を協力に支援するためにも、風俗案内所の開設を規制し、青少年の健全な成長に寄与する条例の制定を、東京都に要請するものです。

平成17年12月15日

                                  新宿区長 中山弘子

東京都知事

石原慎太郎 様

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11月19日に警視庁がHPで無料案内所規制条例の制定に関する意見募集をおこなっていた旨(警視庁の意見募集リンクはすでにきれているようです)についてこのブログでも書いたが、これにつづく新宿区および区議会からの要望書をだすということだ。

文章をみてわかるのは、風俗・性風俗(風俗関連営業)に関する規制・禁止区域についての基点に区役所を含むという部分が新しい。文章中には明記されていないが、区役所から200m範囲内を規制区域にしたいという意向もあるという。

現在、案内所の多くがキャバクラ・ホストクラブ・ヘルス・デリヘルの広告を掲示している。まず、主たる繁華街では客引き規制が厳しくなり、客引きによって営業を成り立ててきた風俗店(キャバクラ・ホストクラブの一部等)が従来からあった風俗チケットセンター(割引チケットブース)に着目、いわば脱法的に客引きをする手段として案内所が氾濫した。もう一点が、デリヘルの場合、当初WEBによる宣伝が主であったが宣伝効果が薄く、先日風営法違反で逮捕された森下グループの森下景一容疑者が発想したといわれる案内所=電話番号告知・受付所、レンタルルーム・個室つき漫画喫茶=サービスルーム、サービス嬢の待合室=事務所・漫画喫茶といった脱法ファッションヘルス(とはいうものの本番率7割以上といわれている、むしろ脱法ちょいの間。。)が現行法で規制しにくい事情によって爆発的に増殖、受付所である風俗案内所も氾濫した、という経緯がある。

案内所の規制は、とくに地域・地元商店街で「なんだ?あのけばけばしい下品なのは?」という景観からくる不快感を与えたことが最大の要因、さらに、そこに客引き・ぼったくり店や違法・脱法風俗の片棒担ぎというのでは、排除されるほうに向かうのはしょうがないだろう。

むしろ優良なキャバクラやまともなハコヘルなんかは案内所がない時代から悠々やってこれたわけで、案内所規制や排除の動きはそういった健全(^^;な風俗の減衰にはつながらない。

警察による森下グループ摘発に触発されたのか、新宿区のこの動きも、もし条例に反映されなかったら、やや行政パフォーマンスとも見れないでもないが、実際に区が「風俗案内所は容認しない」と宣言するわけだからそれはそれで評価していいのかもしれない。

ただ、最近思うのは、条例制定や改正はともかくもっと先に現行法でやるべきことがあるだろうと、、、

なんといっても1つはアフリカ系外国人の客引きがやたらと多い(これも区役所近隣、あずま通り中央あたり、常に20名くらいはいるのでは?話を聞くと日本人と結婚してたり大使館関係者だったり^^;)、もう一つは居酒屋のキャッチ。カラオケ業は法の網(深夜酒類提供や個室営業=風俗営業などの規制を受けるという可能性)をかけられる前に自主規制しようとしているが居酒屋は野放図、歌舞伎町全体でキャッチはざっと300人くらいはいるのではないか?なかにはミニボッタクリとよばれる料金不明瞭店舗もかなりあると聞く。そして深夜から早朝にかけてのホストクラブのキャッチ、主として関西から進出してきたホスクラの連中多いようだ。

カラオケ業防犯協会の参加店には居酒屋も多数経営している企業もある。カラオケの客引きを減らして居酒屋にキャッチがシフトしてた・・なんてことがあったらシャレにならない。

以前凶悪犯罪が非常に多かった時代のニューヨークでジュリアーニ市長が、重大犯罪を抑止するために徹底的に軽微な犯罪の取締りを行って成果を挙げたという事例がある。たしかに犯罪組織や暴力団・犯罪インフラの根幹をたたくのも大事だが、ちょっと考えてほしいなと。

 

 

関連記事

11月19日、警視庁 無料風俗案内所規制条例を都議会に提出へ

11月23日 歌舞伎町の違法風俗店摘発、経営者の森下景一容疑者(54)ら風営法違反の疑いで逮捕

なお、上記は条例施行に関してですが、これに関連して警察庁のHPで「風俗営業等の規制および業務の適正化に関する法律施行令改正試案」に対する意見の募集結果について以下よりPDFがダウンロードできます。今回の風営法改正は主としてデリヘルの事業形態の規制を念頭においたものであり、またデリヘルの受付所とみなされる無料案内所のあり方についても規制の範囲にはいってくると思われるので、法令の運用に関するガイドラインとして参考になると思います。

http://www.npa.go.jp/comment/result/seikan2/huuzokusian.pdf

ここで、無料案内所の掲示されているデリヘルの広告は、条例等で規制されている広告禁止区域内において違反(100万円以下の罰金)になることが明記されています。過去、無料案内所内のデリヘル広告は屋内掲示物で外から見えなければ違反ではない旨の運用判断で規制されてこなかったわけですが、この風営法改正後(2006年5月施行予定)は屋内であっても無料案内所は実質公共性をもつ場所として判断し、広告宣伝方法に関する規制の対象になるということです。

なおデリヘル等の広告宣伝の規制地域は、図書館・学校・病院・福祉施設等より200m範囲内を禁止区域としていますので、法律上歌舞伎町では実質西武新宿駅前のえび通り周辺界隈の一部のみということになると思います。もっとも、都条例でも規制されるので、実質「デリヘルの広告を掲示する無料案内所」は歌舞伎町には営業できないことになるとは思いますが。

条例などで網をかけない地域も都内にはありそうです。たとえば、台東区。鶯谷、ここのホテル街は私有地で地主(住民)と暴力団とデリヘル業者がタッグになっている(ある意味地域と風俗のコンセンサスがとれてしまってる)ので条例による規制はかかりそうもありませんが、もっとも所轄飛び越えて本庁の組対あたりにマークされるかもしれませんが。

 

12月12日 イタリアでポルノ税、下院予算委員会は承認

CNNで見たのですが、イタリアの議会で今、「ポルノ税」という議論があるそうです。イタリア下院の予算委員会が「ポルノ製品」に20%の課税をする法案を承認、12月中旬には本会議で審議されるという。法案が成立すれば、ポルノ映画、ビデオ、雑誌の販売などに20%の税を課す計画で、「ポルノ税」提唱者の与党議員ダニエラ・サンタンケ氏は2億2000万ユーロ(約313億1700万円)の追加税収が見込め、国家の財政赤字緩和、世帯向け減税の財源にもなるとしている。タバコの増税や酒税改正などがありますが、日本でもこういう考え方あってもいいかもしれませんね。日本でやるなら、ポルノ製品ということだけではなく性風俗産業全体を考え、たとえば箱ヘルやソープ等の規制緩和(たとえば歌舞伎町など主要繁華街の一角に新規開店ができる特区をつくる、特区エリアは行政かTMOが管理)によって既得権を排除、また貸しなどをなくすことを前提に、風俗テナントのある建物・土地の固定資産税の増税と営業に対するプラス特別税とかサービス課税あたりを念頭に議論してみたいかなと。都が規制緩和・課税権を持つ範囲なので都に話してみようかな。風俗業者が一定の社会貢献をしている図が描けるのであれば、社会的地位向上と営業モラルも改善されるかもしれませんし、税収ということで地域とのコンセンサスもとりやすくなるかもしれない。


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(1) 
共通テーマ:ニュース

12月15日 第9回 歌舞伎町地域活性化プロジェクト会議報告 [まちづくり]

中山弘子新宿区長が警視庁に風俗案内所を規制する条例の制定を求める要望書を届けに行かれていた同じ12月15日、新宿区役所3階庁議室において第9回歌舞伎町地域活性化プロジェクトが開催された。

今回の会議出席の活性化プロジェクトメンバーをざっと書いておくと、新宿区役所企画政策部から香西氏、歌舞伎町商店街振興組合からは事務局長の城氏、副理事長でKIHEIプロジェクト・まちづくりプロジェクトのメンバーでもある新村氏、日本政策投資銀行からは首都圏企画室の大西氏、歌舞伎町で不動産業を営む㈱スペーストラストの藤田支店長も活性化・まちづくり・KIHEI各プロジェクトに参加、四葉会関係では東急レクリエーション(TOKYU MILANO)の横田総支配人、HUMAXからは広報室の野崎氏、コマ劇場の小林支配人、ゴールデン街商業組合の外波山氏(椿組、クラクラ)や三光商店街振興組合の松本副理事長(ブイ)、C'sグループ(MANZOKU)からは岩崎氏(シーズエステート代表)、カラオケ業防犯協力会副会長でシダックス歌舞伎町店の杉本店長、博報堂から工藤氏、立教大学学長補佐・大学院教授で歌舞伎町ルネッサンス推進協議会委員でもある廣江彰氏、そのほか自分と、あと今回初めて会議に参加したF-Stageの代表深谷氏など。

メンバーを見ると、現在KIHEIプロジェクト・まちづくりなどの構成員でもあって重複参加しているメンバーが実は非常に多い。会議ごとに協議・すすめているプロジェクトが違うとはいえ、実行メンバーにおいてはほとんど同じ数名が進めているという実体があり、会議ごとの特徴が最近あいまいになってきている、ということで、今後の活性化プロジェクトのありかたについて議論をおこなった。

活性化プロジェクトは、文字通り歌舞伎町における経済活性化のためのイベントの誘致と地域の合意形成、フリーペーパー発行、などをやるために発足したものであり、とはいえ予算はない。(基本的にボランティア運営)。さらに実は、このプロジェクトの母体になったものが歌舞伎町よくしよう委員会である。

歌舞伎町よくしよう委員会というのは、歌舞伎町商店街振興組合内の組織で、シネシティ広場におけるイベントなどを運営、また地域のPR事業(フラッグ・組合CM製作・歌舞伎町マップ製作)を中心におこなっている。ここは組合外からも自由参加型の組織で、組合からの予算を持つ。もちろん、今でも実体はこのよくしよう委員会が歌舞伎町の地域活性化をひっぱっているわけで、歌舞伎町地域活性化プロジェクトはよくしよう委員会に二丁目町会・ゴールデン街、つまり歌舞伎町商店街振興組合が一丁目だけであるのに対し歌舞伎町1・2丁目の全体をまとめる活性化組織であり、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会の下部組織として行政上オフィシャルな組織であるという違いがある。

よくしよう委員会と同じような協議だけでは活性化プロジェクトは単に行政の手続きというかアリバイ的会議にしか過ぎない。本来、もっと1・2丁目全体感であったりゴールデン街とのコラボであったり、できれば行政が関与して規制緩和や許認可についてもっとつっこんだ議論をしたりという必要があると思われる。

今回の会議で、いろいろ議論した中で、ほぼ全員が「それはおもしろいかもしれない」と言った話がある。それは歌舞伎町発ローカルFM局(仮称 FM-KABUKI)をつくってみないか?という話である。

このアイディアは、F-Stageの深谷氏が持ち込んだものである。深谷氏の会社ではロック系のフリーペーパー発行やイベント運営、TVやラジオ番組制作をおこなっており、インディーズ系の音楽業界に広いチャンネルをもつわけだが、実は先日自分のブログを見てくれて「一緒になにかやりましょう」というメールをもらって初めてお会いした。ちなみに深谷氏、歌舞伎町ではたらく社長のblogなんてのを忙しい仕事の合間に書いてます。

当初は、歌舞伎町にある10~20箇所のライブハウスをネットワークし、One-Dayイベントですべてのライブハウスを周遊できるパスを発行、そういった歌舞伎町アートステージのようなイベントをオールナイトでやりたいという話だった。この話もできそうだなぁと思えるが、さらに「歌舞伎町は豊富なコンテンツを持つ、許認可さえいければFM局運営に勝算がある」という彼の話を聞いて、ならばということで活性化に持ち上げてみた。また、空き物件をうまく使ってBANDアパート(ツアーで歌舞伎町でライブをやるバンドの人たちへの安価なマンスリーやウィークリーの宿泊施設)なんてアイディアもあった。

日本政策投資銀行の大西氏も興味をもってくれたようで、「KIHEIプロジェクトとも関連付けしてみたい。面白いと思う。」とか、東急レクリエーションの横田総支配人は「映画コンテンツもあるし、かかわれるかもしれない。また、許認可が絡み、行政が関与する活性化で揉んでいくのはいい事業かもしれない。」という好意的意見も多かった。一方、「そういう若者向きのまちづくりが、この街に合うのか?歌舞伎町はもっと大人の街だ。原宿や渋谷みたいになってはどうかと思う。」(新村氏)というやや後ろ向きの発言もあったが、これは少数派かな。ということで、とくにFM局開設については今後の会議で揉んでいくことになりそう。FM-KABUKIのコンテンツを考えると、インディーズミュージックとお笑いを昼間やって、深夜にはキャバクラ・ホストの番組みたいな感じかな^^

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新宿花園神社で20年続けている椿組野外劇の後援団体、支援企業、協力団体を探しています

椿組06年夏・花園神社野外劇「四谷薬缶坂下メゾン近松」

場所:新宿花園神社境内特設ステージ(客席テント有 350席~ ・小雨決行)

日時:2006年7月13日(木)~23日(日) 19時開演

鶴屋南北「四谷怪談」、近松門左衛門の心中作品の登場人物をモチーフにした本格時代劇。江戸末期の混乱と退廃を、現代に通底するものとして鋭く描き出す。

企画制作:椿組 外波山 文明

東京都新宿区新宿7-19-2  tel 03-3202-1350

椿組ホームページ 椿の小屋

椿組メール tubakigumi@nifty.com

2005年の椿組 新宿花園神社野外劇は「新宿ブギウギ」だったのですが、なかなか大盛況でした。だいたい350名程度の入場で約2週間、4000名程度の動員だったようです。

演劇というのは大体ですが、一芝居作るのに企画・脚本を書いてから約1ヶ月くらいの稽古、稽古場などのコストとメイク関係・衣装・道具類製作とかでキャッシュが300~400万円くらいかかるかな。まぁ芝居にもよりますが。花園神社の野外劇は、芝居を作る以外にプラステントを建てるのですが、このテント建設分のコストを今までは文化庁の芸術振興の補助金でやってきたらしい。2006年もやる方向で準備を進めているようですが、外波山氏の話だと今回の文化庁からの補助がどうも難しそうらしく、「20年続けてきたことだけに、この灯を消したくない。後援団体・企業などの協賛を集めたいので協力してほしい」ということなので、とりあえずここに書いておくことに。もし、興味を持ち、支援・協賛など考えていただける方・企業・団体等ありましたら直接上記椿組宛に連絡お願いします。

 


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(2) 
共通テーマ:ニュース

12月19日 新宿モア四番街でユビキタス情報配信システムの社会実験を開始 [まちづくり]

新宿モア四番街におけるucodeタグ等を活用した情報配信システムの社会実験を開始

新宿区(区長:中山弘子)、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所(東京都品川区、所長:坂村健東京大学教授)と株式会社キュービット(東京都豊島区、代表:南部耕)は、新宿区がおこなっている社会実験の一環として、街路灯等の情報プレートにユビキタスIDセンター(会員:約500組織)が標準化を推進しているユビキタスID(uID)技術を用いたucodeタグを埋め込み、情報提供を行う実験を開始した。

 

・RFID(ucodeタグ)を埋め込んだ街路灯等の情報プレートから情報を取得することができる。

・新宿区の社会実験の一環として行われる。また国土交通省が推進する「自律移動支援プロジェクト」と同一システムである「ユビキタス場所情報システム」を利用する。

ユビキタス情報配信社会実験

街路灯にucodeタグを埋め込んだ情報プレートを設置し、新宿区内の公共情報やイベント情報、刊行情報等を提供。ucodeタグの情報はユビキタス・コミュニケーションと呼ぶ携帯端末で取得することができきるほか、情報プレートにはQRコードも埋め込まれており、携帯電話を利用して情報を取得することも可能。情報プレート街中に設置されると、利用者は不慣れな場所においても、その場所に応じた必要な情報を取得することができるようになり、駅やトイレなどの公共施設への移動、観光・ショッピング情報、また災害時には避難経路等、安全に役立つ情報等も取得することが可能になる。また、ucodeタグは、公物管理などにも利用することが可能で、今後、さまざまな用途に利用することが期待される。

ucodeタグを埋め込んだ情報プレートは、新宿3丁目一帯に設置され、その後エリアを新宿東口・西口へと順次拡大し、新宿区全域に広げることを目指しているとのこと。

なお、新宿モア4番街通りにおいて行われているユビキタス・コミュニケーターを利用した場所情報に関するモニター実験は12月19日~28日までの期間で実施され、携帯端末の貸し出しも行われる。

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 http://www.ubin.jp/

 

新宿モア四番街におけるオープンカフェの社会実験は今月末の12月30日まで、時間は12時から20時までに開催されている。期間中はミニコンサートなどのイベントも行われる予定。

主催:新宿区役所

共催:新宿駅前商店街振興組合

協賛:JTB東京新宿支店 ㈱キュービット ㈱バーニーズ ジャパン ㈱スティルフーズ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

12月19日 第7回KIHEIプロジェクト 会議報告

第7回KIHEIプロジェクトは、12月19日新宿区役所第二庁舎(四五小102会議室)にて行われた。今回の会議にはNHKのシュトケンネットワークが取材に入っており、会議の様子をカメラが収録していた。12月22日に開催される歌舞伎町ライブミュージックプロムナードが風林会館の空きテナント(5F元キャバレー・ニュージャパン)などを活用してのイベントであることから、その関連付けを意図したもの。

そのほか、先日一番街の町会にて行われたビルオーナーを交えての家守事業に関するヒアリングについての報告、および問題点などについて話あわれた。

とくに一番街における問題物件(火災で44人の死者を出した明星56ビル、先日風営法違反で逮捕された森下グループの違法風俗ビルの上高地・現在閉鎖中、そのほか違法風俗・無料案内所などがはいっていた数件のビルなど)のビルオーナーとKIHEIプロジェクトの間にまだチャンネルがないことが、議論を空回りさせているという点をどうするか、また行政主導でたとえば上高地のビル壁面の看板をはずしたり明星56ビルを覆うカバーなどできないか?といった話も出た。

アフタヌーンソサエティの清水氏は、「違法な風俗、無料案内所がいまだに残っていることが他の業種・事業者誘致において可能性を失わせている」ということもあり、今後より徹底した違法風俗・無料案内所の排除が必要だという意見が強い。

一方、今後空きテナントの再利用、コンバージョンにおける消防とのコンセンサスも重要であり、警察・消防からの会議オブザーバーとしての出席も要望していこうという話になっている。

歌舞伎町全域に言えることではあるが、20~25坪程度の小さな建物により多く空きテナントが多いという現状にかんがみ、たとえば25坪を集めて50なり100坪なりにして床の大きな共同ビル建設・建替えを促進させる政策誘導を行うべきでは?という意見もある。背割り道路の有効利用が可能になれば、道路幅による容積率規制が緩和されるメリットを産む可能性もあるし、床が大きいほうがテナントが誘致しやすいということもある。反面、地域・区画ごとに合意形成が難しいということもあるが、そのために地主・ビルオーナーに対してヒアリングや情報抽出を行うべきだという話。これによって、建替え前の期間を短期賃貸ということで家守事業をリンクしやすくなるのではという考え方。

ただ、業種によって、たとえば風俗関連営業店における既得権が建替えの足かせになってくることも考えられ、これを行政がどう考えるかが一つの課題になる可能性もでてくる。実質的には、区画内で小坪数の物件で建替え意向があるところがうまくつながり小規模再開発の合意形成が可能なところからしか手の付けようはないかもしれない。

 

 


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

中心市街地のインフラ老巧化に伴う地域再生新法を [まちづくり]

今日は取材記事ということではなく、個人的な意見ということで。

中心市街地のインフラ老巧化に伴う地域再生には、行政の強制力強化のための新法を。

たとえば戦後のように、焼け野原だったところを区画整理し建物を建てて開発するのと、現在の繁華街の再開発とはまったく異なるわけで、高さは容積200%のものも900%なんてのもあるがいろいろなビルが不連続に建ち並び、テナントがはいっている建物は建替えようにも保証金返還や営業保証などを考えるとバブル期ならともかく今のご時勢、まず困難。まして歌舞伎町は戦後の区画整理の名残で20~25坪のペンシルビルばかり。この広さでは、たしかに風俗店や案内所くらいしか使いようがない、なんてのもわかるような気がする。しかも、1Fに風俗とか案内所が入ってしまえば2Fから上にまともな飲食店がはいるか?といえば、それはありえそうもない。

悪循環の原点は、ここにあると思える。まず広さ、25坪の土地を共同ビルにして100坪に。そうすれば、物販や劇場誘致も含め、もっと多業種への可能性が生まれてくる。次に、テナントを土地・ビルオーナーに負担がかからないよう移設または出てもらえる方法。テナントを出し、土地を合体して最低50~100坪のビルを建てられれば、今のようなわけのわからないようなテナントはなくなる。歌舞伎町の場合、背割り道路(区有地)をあわせることで道路幅の拡張に容積率緩和も可能となり、実質資産価値は増加することになる。

戦後の開発で建った木造がビルになったのが昭和30~40年代、そのビルがそろそろ築40年を越え、老朽化、建替えをしなければならない時期が来てるにもかかわらず手を付けにくい、このままでは商店街は老衰状態でやがて朽ちていくのを待つばかり。そんな状態は、歌舞伎町に限らず全国の中心市街地・繁華街にある。戦後の高度成長にひっぱられて無計画に繁栄してきた中心市街地は、時を同じくして日本中で再生の足踏みをしている、ということだ。ある意味、今後もインフラの老巧化によって40~50年毎に繁華街再開発の必要性が発生してくるその最初の壁が「今」なのかもしれない。

そこで、たとえば中心市街地のインフラ等老巧化による地域再生特区に指定された場合、行政の土地建物に対する収容などを含む権限の強化が可能な新法を含む法整備がそろそろ必要なのではないか?

テナントは最終契約で更新不可(建替えまでは短期賃貸可能)、ビルオーナーは営業保証などはする必要なし。再生計画に基づく一種の区画整理を伴い、共同オーナーによる再開発の場合は権利を証券化などし、再開発後は利回りを支払う。出されたテナントは一時的に移設(歌舞伎町で言えば区役所や大久保公園、ハイジアなんかを種地にして代替地に使用とか)によって保護。

再開発中、ビル・土地オーナーはコストがかかる上に家賃収入も無いため、たとえば固定資産税免除とか、この時期に相続する場合は相続税減免とかがあってもいい。

こうして中心市街地について、まっさらな状態から計画を検討できる土壌作りを行う。地域再生は、常に40~50年サイクルで必要になると思われるので、こういったことが可能になる法整備がほしいと思った。

歌舞伎町の場合、1・2丁目がもしまっさらな状態から考えるのであれば、たとえば映画館街がいまある場所になくてもいい。むしろ2丁目の職安通り側にあってもいいくらいだ。太い幹線道路に面して作れば、駐車場も含め、車需要のターミナル的な施設も意識できるだろうし、集客力のある施設は奥の方がいい。メトロの開通で新しい駅ができるが、そこを起点駅にして新しい回遊路を誘導してもいい。2丁目5番通りからさくら通りをつなげて一本のメインストリートにし、ここを劇場通りにする。これを進めるのであれば、今あるシネシティ広場周辺はテナント移設の代替地として種地になるかもしれない。今でも、シネシティ広場はミラノ座とグリーンプラザとの関係や地球会館とその裏手との関係などあるように地型がわるく頭を悩ませる。しかし、劇場街を二丁目に持っていけば地型が良い上サイズもあり再開発はしやすくなる。

ポイントはテナントはインフラ老巧化に伴って出なければならなくすること、その上で痛みを伴う地権者やビルオーナーにとって受け入れ可能な「お土産」、つまり固定資産税や相続税などの負担軽減や低利融資がセットになってることだ。再生特区の土地はすべて証券化し(権利は路線化によって)、したがって等価交換や売買なども可能。そして合意形成にもめるのは予想ができるので、ここは再開発案をコンペや公募形式で集め、それを民主的(多数決)で決定、決定したものには強制力が伴うというものにすればよい。

たとえば、こんな方法によって老朽化した日本中の中心市街地や商店街が再生することが可能になるのでは。クリーン作戦など街の浄化と、その後の地域再生・再開発のイメージの間にある非常に高いハードルをどう越えればいいのか。。。。あくまで、個人的な意見です。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

12月22日 歌舞伎町を含む新宿駅周辺のクリスマス・クリーン作戦を実施 [まちづくり]

12月22日、早朝の7時30分集合、新宿駅周辺において「新宿駅周辺クリスマス・クリーン作戦」が実施された。新宿区内に住む人や在勤者、区を訪れる人が気持ちよく安心して買い物などを楽しんでもらえるよう、新宿駅周辺を清掃するもので、昨年に続き今年は2回目。

毎週水曜日の歌舞伎町クリーン作戦では、新宿区職員や地元商店街関係者、およびテナントの各事業所の従業員が中心になっての清掃活動を行っているが、今回は早朝の新宿駅東口周辺、歌舞伎町一丁目・二丁目、新宿駅西口周辺の3か所で合同で実施された。

歌舞伎町シネシティ広場では7時30分、新宿区助役の挨拶の後、一番街や中央通り、二丁目方面へと4班にわかれて地域清掃を行った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

クリーン作戦つながりといえばいえなくもないが、この日、新宿警察署組織犯罪対策課によって歌舞伎町内にある暴力団事務所ビルの強制撤去が行われた。

 

このビルは、歌舞伎町二丁目にある「東都ビル」。ここのビルには、山口組系・山健組系・極東会系、また住吉系の暴力団がビル全体に事務所を構え、近隣からは一種の迷惑施設として問題になっていたビル。まさに暴力団博物館とでも言いたくなる。3次とか4次団体ということもあるかもしれないが、歌舞伎町地域を中心とする地域浄化作戦においつめられたのか、それぞれの組事務所も資金繰りが悪化、東都ビルではいわゆるライフライン関係の支払いも詰まる状況だったよう。

←組長の部屋に使われていたと思われる室内、一見綺麗だが雨漏りがあったようで床のフローリングが浮かび、ビルの現況はかなりひどい。

東都ビルは、デザイナーズマンション形態の内装で2フロアぶち抜きのいまどきの部屋もあったり(その一つは組長部屋だったり)、テキヤの荷物が散乱していたりしていたが、固定資産税も払われておらず、結局ビルごと差し押さえを受け、今回中に居座る組事務所ごと強制撤去となった。

←外の通路側窓には弾除けと思われる鉄板が。

 

ビル周りは大量のゴミが散乱、ゴミ屋敷ならぬまさにゴミビル。右は3Fの事務所内、テキヤ物資が散乱。

歌舞伎町の組関係も、それぞれ資金繰りが厳しいところが多いようだ。山口組に金をかりて返せなくなって住吉にかりて、それでも詰まってとか、そんな話は噂としてよく耳にする。一方で、無料案内所の広告看板代のたとえば10万が掲出料金だとするとそのうち3万が某組関係にながれてたりなど、違法風俗や無料案内所が暴力団の資金源になっているという話もあり、相変わらずインフラの完全排除の必要性を感じる。先日、11月23日に風営法違反で逮捕された森下グループの経営者、森下景一容疑者もある意味こういった暴力団連中にいいようにたかられたという側面もあるだろう。

森下グループに限らず、他の違法風俗店グループ(たとえば元かに道楽前にあるYビジネスホテルはデリヘルレンタルルームであり、山口組系組織がかかわるといわれている)、カラオケや居酒屋であろうと暴力団インフラやマネーロンダリングにかかわっているグループもあると思われ、こういった業者の情報を調査しながら今後も徹底排除の構えを、地域や警察が一体になって進めていく必要性を感じる。

暴力団のインフラで、不動産関係(また貸しやファンド)は大きい。ファンドなど動く資金が大きく、資金洗浄につかわれているケースもある。また既得権風俗店の会社売買やまた貸しブローカーの存在。一部カタギの人がヤクザのマネをして介在しているのも数例あるようだが、これらは賃貸契約書にまた貸し・用途変更使用について禁止をうたっているにもかかわらずなかなかなくならない。仲介する不動産業者も相手が暴力団関係だといいにくいのか、もしくは結託しているのか。こういった業者を放置するなら宅建法違反なり免許停止や営業停止の処分をして圧力をかけ排除、是正するようなもうすこし強権的なことも必要なのかもしれない。

いずれにしても、今回の強制撤去のように下から詰めていくことによって上の資金源を詰めていくことも大切だが、もっと大きな資金を動かしている上のほうの流れも詰めていくことが求められる。今回の東都ビルは、近々競売物件としてでてくることになる。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(1) 
共通テーマ:ニュース

1月18日 新宿警察署管内カラオケ業防犯協力会連絡会議 [まちづくり]

1月18日、新宿警察署管内カラオケ業防犯協力会連絡会議(総会)があるというので会場の新宿警察署7Fの講堂によってみた。歌舞伎町で今、来街者からの苦情110番入電がやや多数はいり問題になっている客引き(外販)を行っている店舗はカラオケ業のほか居酒屋、風俗店(キャバクラ等)やホストクラブなどに分布している。カラオケ業(飲食店営業)店舗は、歌舞伎町には約30件程度でその多くが外販と称しての客引きを出している。カラオケ業の出している客引き歌舞伎町全体でピーク時総数約200名、ウチ数件はまったく出していない店もあるが、実際特に靖国通り沿いから中央通りを中心に、コマ劇場前、さくら通り、区役所通りなどに広く分布している。居酒屋などから出てきて二次会を模索する団体客が一番「ねらい目」ということもあり、とくに居酒屋の集中する靖国通り沿いには二丁目の奥の方からもキャッチにやってくる始末。キャッチを行う従業員は基本的にバイトであり、また入れた客の売上などによって歩合が乗る給与システムのところが多く、歩道や通りの通行を妨げてもやや強引目なキャッチの姿が目立っていた。また、近所の店舗がキャッチを出すと、防衛手段として近隣店がキャッチをだし、あふれたキャッチ同士が客を取った取らないといったトラブル、オーバートークによる料金トラブルなどが毎日のように繰り広げられている。この状況は歌舞伎町に限らず池袋や渋谷などでも同じ、場合によってはケンカになったりするケースもまれではない。結果、サービス業にはおよそ似つかわしくないマナー(路上タバコや通りの真ん中で人数でタムロってたり)の者も多く、スタッフ教育という課題もかかえる。

一方で、客引きをまったく出さない店、出さざるおえない店というのがあるのも現状だという。個々にビジネスであり売上は企業としての死活問題であるわけで、とくに小資本の店や場所のあまりよくない(二丁目だとかビルの空中階だとか)店舗の事情もあり、過去5年前にも同協力会を一旦は立ち上げたが自主規制を前に出しすぎて脱退者が相次ぎまとまらず空中分解した経緯がある。

警察としても、歌舞伎町ルネッサンスの地域浄化という視点からいっても、本格的に一切の客引きを規制・または現行法でも検挙という方向へ進むか進まないかという実は最後通告の一歩手前だった。一つの試行として今回の同協力会立ち上げによる自主規制を行い、仮に自浄作用が機能するような状態に向かうようであればせっかくの地域の経済的あるいはコンテンツとしての一面を担うカラオケ業を衰退させなくてすむのではないか、ということである。

同防犯協力会としては、カラオケ業の外販を行うスタッフは誰からも人目でわかる防犯協力会のタスキをかけ、所属店舗等を明記した身分証明カードを常時携帯、外販エリアを他店と共存共栄の関係を築きルールをつくってトラブルをなくす。路上喫煙をしない、道路の通行を妨げることを極力しない、といったサービス業としての当たり前のマナーを守り、さらにたとえば犯罪等の場合の警察への通報、歌舞伎町の道案内などもする。このことで、地域商店街にコンセンサスを得て、地域の安全安心と活性化にも寄与することが外販スタッフが本来「歌舞伎町ルネッサンス」の目指すまちづくりのベクトルに合うものであるならばそれを自主規制として受け入れようという考え方にある。

とはいえ、数回の会合の中、まだまだ調整中の案件が多い。一店の脱落者もだすことなく進めるための産みの苦しみがここにはある。全体の半数の店舗が「人件費削減もできるし、一切客引きをなくしてもいい」といっており、また警察にしてみれば一切認めたくないキャッチであるが、防犯協力会が目指すことも理解をしている。残り半数のどうしてもキャッチを出すという店がある以上、今全体で200名ほど出ている外販を100名にできないか、一店2名までに抑えられないかといった総量規制などについても地域ごとに議論がまとまっていないため、実行はもう少し時間が、あと1・2回の会議が必要な感じかな。

現会長は金嶋総業(747グループ)の小日向専務、副会長はシダックスの杉本店長、事務局は歌舞伎町商店街振興組合内におかれている。また新宿警察署は生活安全課がオブザーブしてくれている。この事例がいい形で自浄作用として機能、ルネッサンスにもうまく寄与するものとなれば、居酒屋業界にも働きかけたいという話にはなっている。逆に、機能しなかったらおそらく一斉に規制・検挙という日がくるかもしれない。

が、居酒屋業界の全体把握はあまりよくわからない、、、どこあたりからチャンネルつくればうまくまとめていけるのか、これが最大のネック^^;

  

↑コマ前でカラオケのキャッチ、靖国通り沿いで女性連れに声をかけてるのが居酒屋キャッチ、右はさくら通りのセクキャバ系のキャッチ。

キャッチもピエロやコスプレをしたり路上パフォーマーのようにサービス旺盛な案内人ならいくらいてもいいんだがなぁと、もちろん基本的マナーを備えての話だが。また治安面においても、24時間といわないまでも一日のかなりの時間を外ですごす外販スタッフは歌舞伎町全体に及ぶ「目」として考えればいくらかはいてもいいんじゃないかと、、これもスタッフの教育必須ではあるが。ルネッサンスらしい発言ではない??^^;いえ、ルネッサンスは治安対策の上での地域活性化ですから、もちろん違法・脱法店舗・ミカジメ付きはダメですケド。<個人的意見です^^

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 逮捕以来工事が止まってる森下グループのビジネスホテル。

大分前だが、まだ森下景一氏(森下グループオーナー)が逮捕される以前、歌舞伎町で脱法風俗と無料案内所全盛だった頃、上のビジネスホテル建設の看板が立ったときに、区に行って「なんで用途が脱法風俗と思われるビジネスホテルに建築許可をだすのか?」と言ったことがある。そのとき、区の回答が「書類に不備がなければ申請は受けざるおえない。また申請の届けを出すチェックは民間の建築事務所にある。」といわれた。これも一種の小さな政府と民間にできることは民間に~という一連の流れによる規制緩和の一環だったそうだ。その後、消防検査の民間委託、違法駐車確認事務等、未成年指導員という地域巡回者の民間委託などなど、どんどんいろんな民間委託の話があって、それはどうなの?と思っていた矢先に例の「耐震偽造データ改竄」が出てきた。以前にも国交省・金融機関・建設業界の三位一体の組織犯罪、まぁ意図してかせずかはともかくそういう構造だと書いたことがあるが、とある政治家が「来年早々(政局に)なにがおこるかわからない、というのも安全安心についての見方がかわり、政治そのものの潮目がかわるかもしれない。」と聞いた。それが、今回の耐震偽造の証人喚問からみと、もう一つはファンド錬金術に引っ張られていた証券バブルの崩壊(というか、外資ファンドにしてみれば見事に偽ファンドのLD地震で証券取引所システム崩壊、証券取引所そのものが耐震偽造か?!といっちゃいたいくらいのこっちの金融問題のが大きいかもしれない、システムがまるで3国レベル以下かと・・インドでも東証の倍の400万件はフツーに処理可能だとか^^;)を予見してのものだったのか。

実は、この両者に関連する問題は「ファンド」というキーワードである。また森下グループについても以前池袋のアトリウムなる不動産ファンドからかなりの額の借り入れがあることについて明記したことがあるが、とにかくこの「ファンド」はある意味資金の流れのフィルターになっているという点が非常に問題である。民間金融機関はいまだにリスクを恐れ直接零細事業をする人たちにはほとんど融資をしない。その貸し渋りを見かけ上解消し、且つ利益を得る手段として「ファンド」というフィルターを経由してたとえば歌舞伎町のような街に流入してくる。また暴力団や違法な事業で得た収益のマネーロンダリングにこのファンドはもってこいで、実際、その多くが繁華街の商業ビル投資や株式投資に流れ込んでいる。フィンドは投資実態を意図的に見えにくくするフィルターでもあり、場合によっては2・3社かませたり海外ファンドを経由したりと巧妙な手法もありうる。この際、国内の投資ファンドを名乗るすべての企業・組合を洗いざらい調査すべきかと。

一方、そんなファンドも直接手を出さないのが特に非合法な仕事の方のひとつひとつの商売である。そこで、いわゆる街金(マチキン)や闇金(ヤミキン)が重宝される。違法のマチキン・ヤミキンの資金は、その多くが暴力団からのもので、またそのアガリも暴力団の中に吸い込まれていく、実はもっとも大きなインフラといってもいい。3年前くらいだったか山口組五菱会の事件があってから久しく見なくなっていたのだが、最近また歌舞伎町界隈に増えてきたと聞いてる。夜の遊びの使いっぷりもハデなようなのでそういう人たちは目立つとか。

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

1月19日 靖国通り地下通路延伸検討準備会 [まちづくり]

1月19日、新宿区役所第4委員会室において靖国通り地下通路延伸検討準備会(仮称)が開催。

平成20年3月開通予定の地下鉄13号線、これは渋谷から明治通り地下を通って新宿・池袋を経、有楽町線に乗り入れて和光~東武東上線に乗り入れて志木に至る。この13号線における新宿三丁目駅(仮称)コンコースは新宿5丁目の旧四谷五小・花園神社前から新宿駅南口の高島屋までの780mにも及ぶ。地下鉄の駅コンコースは通常200m+10~20mとされるのに対し新宿三丁目駅のコンコースの長さはターミナル駅になることを想定していることを表している。開通時にすぐに乗り入れされる東武東上線と西武池袋線、24年度には東急東横線も計画されており、車両のプールスペースや折り返しによる切り替えしの場所を確保するためである。

この計画にあわせ、現在歌舞伎町の靖国通りの地下に位置、区役所付近で行き止まっているサブナードを13号線コンコースと連絡させる明治通りまでの延伸計画があるのだが、この計画についての具体的な整備方針・形態・将来管理者・スキーム(負担割合)、およびスケジュールなどについての検討をすすめる会議の準備会が行われた。出席者は新宿区役所関係部署からと新宿駅周辺の商店街振興組合、町会や新駅コンコース周辺事業者(伊勢丹、松竹など)と現在のサブナードを運営・管理する新宿地下駐車場㈱。

基本的に、地元からの意見は実現を望む声が多く、その方向ですすむことになるのだが、その整備手法によっての事業費規模・維持管理費も大きくかわるためそのあたりをどうするのかが第一の検討課題と思われる。まずサブナードを延伸して単純な地下歩道にする(事業費約99億)ことから始まり、いまのサブナードアーケードを延伸しての地下街(168億)、あるいは地下街+さらにその地下に駐車場(213億)というケースが考えられる。しかし、164億を使って整備された現状のサブナードはようやく3年前に日本政策投資銀行などからの借入金を返し終えた以後黒字にはなっているが、とはいうもののテナント収入はよくても地下の駐車場経営が赤字続きで足を引っ張っているという実情もある。また、仮に地下街のみの延伸となっても事業規模約168億といわれている費用捻出をどういう形でおこなうのか。基本的には受益者負担という意味で近隣民間の負担と借り入れということになるのだろう課題は多い。

検討会では地元意向の把握と行政内における整備方針とをすり合わせ、民間主体でいくのか行政主体でいくのか、そして具体的な整備手法・形態・スキーム・スケジュールを決めていく。

↓現在のサブナード、右は区役所付近の13番出口の看板。

 

地下鉄13号線の開通にあわせ、現在地下街整備に伴う周辺の大規模な再開発(高島屋、新宿駅南口、伊勢丹、伊勢丹会館、伊勢丹パーキングなど)が動き始めている。また、大ガード下も掘って一気に西口から東口全体と明治通りまでをエリアとする巨大な地下街ネットワークの実現にも向かっていきそうだ。基本的には国も「地下街整備は都市再生に有効」という姿勢。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新宿駅の東口を中心にした活性化を念頭にした計画の準備が、いま粛々と進められている。昨年、歌舞伎町オクトーバーフェストの実行主体となった博報堂の工藤氏のアイディアで、「新宿サプライズ」(仮称)というもの。地下鉄13号線開通を一つの節目として新宿駅周辺繁華街の全体のブランドアップをねらい、周辺前商店街全体をからめてのいわば「歌舞伎町ルネッサンス」の新宿全体バージョンのようなイメージ。といっても、歌舞伎町のように治安対策・浄化というよりはイベント連動の活性化に重点をおいた計画。基本的に各地区(駅前・東口・大通り・歌舞伎町)商店街振興組合にはプレゼン済みで合意を得ており、実質的に計画の具体的な企画を検討している。19日の14:00から開かれた歌舞伎町地域活性化プロジェクトでも議事のなかで若干触れられたが、歌舞伎町を賑わせるためには新宿全体の活性化が実は最大の近道でもあるわけだし2006年度のメインテーマともなっていく。

この日の活性化プロジェクトでは、そのほか上記サブナード延伸計画以外でも今後予定されている歌舞伎町内の計画についてもいくつか議論された。

実際行うことになっているのは、シネシティ広場改修計画(ステージ、電源・水周り、およびライトアップ※構想、18年度)、花道通りの歩道拡幅(18年度)、西武駅前通りの相互通行(職安通り~花道Tまで、19年度)、大久保公園の改修(イベントスペース・バス専用地下ターミナルなどの構想、20年度)などがある。また、18年度には歌舞伎町ルネッサンスのまちづくり誘導方針案の策定なども予定される。

FM放送局についての具体的計画についてはまだ未定ではあるが、地域活性化の大きな活力になるので実現に向けて模索中。地域の安全・安心や防災に寄与し、地域みずからの持っている多様なコンテンツを発信。とくにそのコンテンツの主体であり街そのものがまさに劇場チックな歌舞伎町内においてはだいたい皆さんが口をそろえて、また中山区長も「是非実現できるといいですね」と言ってくれた。制作ノウハウもコンテンツ(歌舞伎町のみならず、新宿サプライズなどとも連動して地域全体の発信力をうみたい)もあるし、運営の方はなんとかなるだろうが、とにかく問題は許認可。総務省関東総合通信局の許認可であるが、まず関東においてFM(超短波)放送については使用可能な76~85MHz付近に11の大型FM局と32のコミュニティFM(ウチ23区内に6局)がひしめきあい実質電波割り当ては物理的にはかなり困難。過去、コミュニティFMが世間に現れた頃から、既に新宿区は区としてもFM局立ち上げを模索し、実現ができなかったという経緯があるようだが、せっかくのルネッサンスの環境があるのだし、それでもなんとかならないか。または2011年度から85MHz以上を使っているテレビの音声放送に割り当てられていた周波数がデジタル化の関係であくはずなので、これを開放する可能性はどうなのか。などなど。ルネッサンスの枠組みの中で、いろいろなチャンネルを使って、またもっと他に有効でコストパフォーマンスのいい放送システムなどの模索等含め実現の可能性をさぐっていこうと思っている。

最後にもう一つ、ルネッサンス推進協議会の委員でもある立教大学の廣江先生もこの会議に参加されていて、「今いくつかの地方都市ですすめられている経済基盤整備事業の中で、歌舞伎町ルネッサンスのまちづくりとうまく連動できるものがある」という話が出た。それは、映像・映画やCGなどのクリエイターたちを各地方都市が育てる試みを行っているので、そういう人たちに歌舞伎町をステージに使ってもらいましょうというもの。地域ごとに、歌舞伎町の持つコンテンツと人材やノウハウを交流させていくシステムを作っていくことが相互の活性化にも結びつくのではないか、一種の友好都市関係のようなもので廣江先生のネットワークでも具体的に「札幌・仙台・金沢」の3つの都市名があげられた。これに、個人的な意見を加えるならば「アジア」な要素も加わるともっと面白そうだ。実際、たとえばライブハウスのロフトなんかは実質全国のインディーズバンドのメッカでもあるし、現実にいくつもあるのだが、それをシステム化してたとえば今のKIHEIプロジェクトに結びつけるのもいいかもしれないなぁ~と。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

第三回 歌舞伎町ルネッサンス推進協議会 1月27日 新宿区役所5階大会議室にて開催 [まちづくり]

平成18年1月27日、新宿区役所5F大会議室において、第三回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会が開催される。いまさら振り返るのもなんだが、歌舞伎町のクリーン作戦(街をきれいにしていこうという趣旨のプロジェクト)がもともとのベースにあって、浄化作戦(治安対策・暴力団インフラ排除)と地域活性化、映画館街の再生計画とが組み合わさっての持続可能な歌舞伎町地域再生・活性化・まちづくりに向けての協議会として昨年1月に第一回の歌舞伎町ルネッサンス推進協議会が正式に発足、つまりそれから丸一年ということである。

←第二回(昨年7月22日開催)の様子

歌舞伎町ルネッサンス推進協議会は、会長に中山弘子新宿区長をおき、委員に有識者・地元商店街・町会・および地元地域の事業者や四葉会(シネシティ広場周辺劇場4社)、またオブザーバーとして新宿区や警察、東京都、および国の関係各省庁が参加する。歌舞伎町ルネッサンス推進協議会は基本公開であり、大会議室(とはいうものの、200人くらいしか入れないかな・・)誰でも傍聴することが可能。

第三回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会 (会長:中山弘子新宿区長) 

日時:1月27日 場所:新宿区役所5F大会議室  15:00~17:00

歌舞伎町ルネッサンス推進協議会事務局(新宿区企画政策部内) 03-5273-4032

第二回までの会議にはなかった、KIHEIプロジェクト(白看板対策特化の家守事業プロジェクトチーム)について、今までは準備会ということでいろんな議論が進められてきたのだが、このプロジェクトについてのプレゼンテーションと承認等の議事がはいってくることになる。また、前回の会議では発言の機会がなかった大規模な再開発計画がある四葉会関係(シネシティ広場周辺映画館・劇場関係4社)トップの発言があることになっているので、ここは注目したい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これに先立ち、1月13日の金曜日、新宿区役所3F庁議室において、歌舞伎町ルネッサンス推進スタッフ会議というのが行われた。と、いってもこれも毎回協議会前に行うものなのだが、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会が有識者や局長クラス、いわゆるVIPの発言の場であるのに対し、スタッフ会議はその現場スタッフバージョンとでもいうか、国関係でいうと課長・課長補佐あたり、ある意味ここが本丸といったら言い過ぎか^^;。でもまぁ実際そんな感じ。本番の会議前の議事進行の段取りと打ち合わせとして行う。

 

また、今回のルネッサンス推進協議会では新たに発足した家守事業推進のKIHEIプロジェクトについての議論が行われる準備として、改めてKIHEIプロジェクトに関するパワーポイントによるプレゼンテーションや、新宿区と都市みらい総合計画研究所によって行われている歌舞伎町の現況調査(途中経過)に関する報告も行われた。歌舞伎町1・2丁目における導線・回遊路、テナントビルにおける業態(風俗・飲食・バークラブなど)の傾向、歌舞伎町内における公共スペース分布、人口(および日本人や外国人の分布)や住宅分布などを調査し、それを元に分析、今後どういう可能性があるかを探りつつ歌舞伎町ルネッサンスのまちづくりを如何に進めていくかを練っていくことになる。

歌舞伎町は、現在徹底した暴力団のインフラ排除を行っている。景気回復がニュースで語られているが、いってみれば企業がリストラによって再生をすすめるように、歌舞伎町自身のリストラ、つまり負の遺産を排除し、そこから再生に向かおうというようなもの。違法風俗・カジノ、あるいは暴力団組事務所などの排除が目に付くが、本来目指しているのは「すべての違法な暴力団インフラの排除」であるということを強調しておきたい。排除なくして再生のために資金や投資を促進すればおのずとそれがまた暴力団の資金源になりかねない、それでは元のもくあみ、という危惧があるからこそ徹底してやるべきと思っている。KIHEIプロジェクトや活性化は必要だ、そういうこともしていかないとどんどん地域の経済が衰退しかねない。とはいえ、個人的に思うのは、ルネッサンスの議論が白看板対策や活性化にシフトしても、より一層浄化作戦はすすめねばならないということである。暴力団のインフラはまだまだ根深い。それこそ違法風俗だけじゃない、そこかしこにいろんな形で存在するし、これから生まれてこようとしているインフラまである。たとえば交通違反の民間委託が6月から可能になるが、ここにもすでに暴力団が関与しようとしてきているという話を耳にする。どこまではがせるか、だからまだまだ途に付いたばかり、なんだよね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1月26日追記:11月23日に風適法違反で警視庁保安課に逮捕された森下グループのオーナー、森下景一氏について、第一回審判が今月23日東京地裁にて行われた。基本的に容疑について起訴事実を全面的に認めた模様。森下氏は現在拘留中ということもあり、風俗から全面撤退を条件に刑務所はどうしてもかんべんしてほしい的なやりとりがあったようで、今月24日付けで、歌舞伎町における森下グループの風俗案内所は全店閉鎖、看板も取り下げた模様。ただいくつかのレンタルルーム、リンリンハウスなどのグループのテレクラ、漫画喫茶、および自社不動産(アパマン館)は営業を続行中。歌舞伎町の案内所以外にも池袋・渋谷に脱法の一体型性風俗店(案内所・受付・サービスルーム)やテレクラ・ビデオルーム・漫画喫茶などを経営しているが、こちらに関しては今の所閉鎖した様子はない。歌舞伎町における風俗からの撤退は経緯としてはあくまで自主的なものということだが、池袋や渋谷についても地元の住民や自治体などからはっきりとNoを意思表示されているだけに今後営業規模の縮小あるいは業態変更、撤退の可能性は高いとみている。閉鎖した案内所、レンタルルームについて現時点で物件の契約解除がどうなったか、ビルオーナーからの賃貸募集などの動きはないし、三光町の社長室や白鳳ビルの事務所はそのままのようだ。一部賃貸契約を解除、それを警察が裏づけ調査といった動きがあるが、閉鎖した物件、とくに所有権のあるハコもいくつかあるだけに今後どうするのかが気になる。

    

関連記事:

11月23日 歌舞伎町の違法風俗店摘発、経営者の森下景一容疑者(54)ら風営法違反の疑いで逮捕

11月16日午後5時半、森下系無料案内所の路上看板を強制撤去。(歌舞伎町元かに道楽の場所)

 

地域による規制・摘発の温度差はある程度やむおえないのかな、鶯谷や上野あたり、つまり台東区あたりは伝統的に風俗を容認する傾向が強いらしくそれほどでもない様子だが、向こうはどちらかといえば違法残留外国人、とくに中国人が多く、戸籍売買などもからんで違った問題が強烈かと思われる。一時期池袋などに多かった中国人の不法残留者も、池袋などに住んでいることは住んでいても働き場所を上野方面に移している様子。ちなみに戸籍売買、たとえば結婚の条件として月5万円とかそんなもんかな、相場は。

森下グループについては看板一枚に対し(21万/月)極東会系の暴力団などに3万/月のミカジメ、上記戸籍売買などについても手配師などに暴力団は関与しているわけだが、歌舞伎町などにおいてもこの暴力団のインフラは非常に根深い。客引きやボッタクリ、違法風俗、違法カジノなどはまぁ表面に見えるのでそのものだというのはわかりやすく、立証できたとこから徹底的に排除すればいいのだが、表面に出ないインフラ(ホームレスや無職等にいろいろな仕事を手配する組織・人材派遣会社、有線ケーブルの設備関係、民間のゴミ収集業者、リネンサービス、路上清掃業者関係、警備・探偵の類、金融、ファンド、不動産およびビル管理会社などなど、、)も多岐にわたっており、一部公共サービスにまで関与・食い込んでる場合もある。だが、これらを見て、ものによっては暴力団自体に対する利益供与などは明らかにできれば裁けるだろうが、むしろ利権とかいうことでなくまぁカタギの看板としてちゃんとビジネスをしている風にも言えるわけで、というか行政やホワイトカラーの人がやりたくなさそうな分野の仕事とその手配を暴力団が支えてきたという歴史もあるだけになんともはや。こうなると歌舞伎町だけの範囲の問題ではないだけに守備範囲外ではあるが。

とまぁ、ここのところディープな歌舞伎町を知ってる方には物足りない、ですが歌舞伎町を知らない人たちには多少知っておいてもらいたい的なスタンスで歌舞伎町の歴史やら客引きの実態、空きテナントの状況、暴力団のインフラなどについてまとめてきたわけだが、というのも第3回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会が明日開催されることもあり、有識者といわれる方々が出席されて発言されるわけだから少しでも共通の認識をもってもらおうと意図して書いてきた。できるだけ誰でも語れるような無毛な議論にではなく、生産的な話をしてもらいたいわけで、現状を知らずに語られてもなぁということだ。もっとも、有識者の皆さん、ご高齢なだけにどれだけインターネットを自分で見るかはやや不安もあるし情報の量もかなり個人差あるだろうし、はてさてどんな会議になるのか。

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:ニュース

1月27日 第3回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会 会議報告 [まちづくり]

 

治安対策とまちづくりを同時並行的にすすめ、とくに国の関係各省庁と東京都・新宿区の総合行政と地域民間事業者・商店街等が官民協働で一体になって歌舞伎町の再生をめざす「歌舞伎町ルネッサンス推進協議会」(会長:中山弘子 新宿区長)の第三回会議が1月27日、新宿区役所5F大会議室において開催された。

歌舞伎町ルネッサンス推進協議会は、実質的なプロジェクトとしてクリーン作戦(治安対策、環境美化)、地域活性化プロジェクト(シネシティ広場のイベントを中心に活性化≒歌舞伎町商店街振興組合内のよくしよう委員会)、まちづくりプロジェクト(ハードにおける現況調査から誘導方針、再開発)の3つのプロジェクトがある。今回の会議では、このBlogでもKIHEIのカテゴリーにある空きテナント対策特化チーム「KIHEIプロジェクト」が新たに正式なプロジェクトにするプロセスから入った。

冒頭、中山区長は「鈴木喜兵衛氏が目指した道義的繁華街のまちづくりにはじまったこの歌舞伎町のDNAは大衆文化・大衆娯楽です。このDNAを活かし、さらに文化の創造・企画・生産の街を目指し、その具体的な手法と実施主体の構築が急務」という発言もあり、KIHEIプロジェクトもその一環を担うことになる。

まず、実際に歌舞伎町再生に「家守事業」という手法は使えないかと提案を最初に持ち出した日本政策投資銀行から首都圏企画室長の小林成弘氏から「家守事業」についての考え方についてのプレゼンテーションが行われた。違法風俗・暴力団などを排除することで増加した空きテナントをほっといても、また家賃負担力のある風俗が新たに入ってきて悪循環を生む。風俗に変わって、街の主役にエンターティメントを押し上げ、単に大衆文化の消費・発表の場というだけでなく、製作・企画の場へ、またそういう方たちの住環境として活かすことを目指し、昨年の9月より歌舞伎町版家守事業準備会を立ち上げ、これをKIHEIプロジェクトとした。プロジェクトでは、この新しい産業を支える企業・人を誘致していく。またこの事業は、内閣の地域再生計画に認定(昨年11月22日)持続的な再生・活性化に向けた「歌舞伎町ルネッサンス」計画と命名、日本政策投資銀行の融資対象事業となることが決定している。

 

新宿警察署の木義人署長は、昨年の7月に新たに就任されたため、ルネッサンス推進協議会に出席されるのは初めて。とはいえ、この半年、ご存知の方はご存知だと思うが、柗木署長が就任して以降のここ半年の違法風俗摘発・暴力団排除等はかなりの実績を積み上げてるのは周知の事実。当初、警視庁としては歌舞伎町とならんで池袋と六本木を犯罪対策重点の3地区対策として立ち上げていたのだが、昨年12月、やや遅れてだが渋谷も加わり、今後4地区対策として犯罪予防をすすめていくことになっている。さらに「花道通りの歩道拡幅は暴力団排除と違法駐車排除の両方に有効と考え18年度に実施します。また条例改正によって風俗案内所やホストクラブの規制を今後進めていく。カラオケ業のキャッチについては自主規制・総量規制を目指す防犯協力会を設置、協議をつづけている。また暴力団の資金源を徹底的に排除していく。」ということだ。

 柗木(まつき)新宿警察署長

昨年10月13日付けで「火災予防条例」が改正され、今年の4月1日から施行となるのだが、これは内装等の修繕や模様替え、用途変更など、建築確認を要しないものも工事等の計画を事前に届け出ること、一時的に事務所・倉庫等から物品販売店舗や飲食店、ライブハウスなどの用途変更するときも使用を確認する前に届け出ることを義務付けたもの。これについて、伊藤省二新宿消防署長から「KIHEIプロジェクトにおける空きテナントの活用にも関係することなので、周知徹底し、また立ち入り検査等も順次徹底していく」とのことだ。実は、KIHEIプロジェクトを進めていく上で、スタッフにこのことに対する認識がなく消防署とのやりとりで指摘を受けた経緯が過去あったもので、会議では念をおされた感もあったり。さまざまな条例や法律が営業には絡むので、KIHEIプロジェクトでは、その定例の会議でも警察と消防からオブザーバーとしての参加を呼びかけていくことにもなっている。

福元琢磨東京入国管理局新宿出張所所長からは、「最近の摘発事案の傾向で、違反者が一箇所に集まらない、分散傾向がある。また日本人配偶者との偽装結婚や永住資格取得、その他いろいろな抜け道を使ってくるのでなかなか難しいが、今後とも違法滞在の外国人摘発は強化していく。」

警察庁からは安藤隆春 警察庁長官官房長が出席された。実は安藤氏、一番最初の歌舞伎町浄化作戦スタート時に街の人たちを説得し突き動かした人物、つまりルネッサンスにおける治安対策の原動力になっている方であるが、協議会のパネラーとして(委員ではなく、オブザーバーという立場で)参加されたのは初めて。警察庁からは、風適法改正(5月1日より施行)の件と地方警察官の増員をしていくことが報告された。まずなんといっても、「健全で魅力あるまちづくりをすすめるためには犯罪対策とまちづくりを融合させることが重要である。」ということを強調されていた。これは、この後にも出てくるが、佐々淳行氏(初代内閣安全保障室長)のおっしゃる「Piece Keeping」がまず第一であり、その上で文化の創造・都市再生がある。」という考え方と重なる。

そのほか、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会事務局からの報告の一環として、片桐基次(歌舞伎町商店街振興組合専務理事、歌舞伎町地域活性化プロジェクト座長)から活性化プロジェクトのイベント、来年度のシネシティ広場改修計画についての概要報告(ステージ新設・ライトアップ構想)を、内閣官房都市再生本部から清水郁夫事務局次長からは新宿駅周辺として全国64箇所の緊急整備地域(小泉総理が本部長)がはいっており、またそのなかで歌舞伎町は地域再生計画に認定された件と、歌舞伎町ルネッサンスの先駆的な試みを今後治安対策と都市再生本部の情報共有の中で全国展開していく旨の話があった。

 内閣官房都市再生本部 清水事務局次長

新宿区役所地区計画課の折戸課長(まちづくりプロジェクト事務局)から、現在進めている歌舞伎町の現況調査に関して、アフタヌーンソサエティの清水社長(KIHEIプロジェクト コーディネーター)からはKIHEIプロジェクトに関する実際の取り組みについてそれぞれパワーポイントで説明、報告を行った。折戸課長からは「都心居住をどう取り組んでいくのか。また歌舞伎町は人口分布で外国人が多い(約4割り、ちなみに新宿区は約1割り)ことから多文化共生にどうとりくんでいくのか、白看板対策、劇場街の再生、大久保公園の積極的活用、中小の敷地が多いことからどう活用していくのか、交通:職安通りのメインストリート化、歩行者の回遊性、サブナードなどの地下街の連続化、駐車場の配置整備が今後の課題です。今年度、街の現況・分析をおこない、来年度より、あるべき歌舞伎町の将来像を示し、まちづくり構想を策定していく。」と課題を提示、清水社長からは「KIHEIプロジェクトではすでにスタートしたClub FR(風林会館拠点化計画)にひきつづき、一番街、その他6つも7つも拠点化計画をどんどん立ち上げ、インパクトのあることをやっていきます。また歌舞伎町の空き室情報を整理・取りまとめネット配信を早急に立ち上げる予定である。」との説明がされた。

 

と、ここまでが事務局報告、KIHEIプロジェクト関連~つづいて、今後の歌舞伎町対策について委員からのコメント。

 

町田靖之委員(歌舞伎町商店街振興組合理事長)~街の現状と必要な施策について

「先日、今月の13日のことですが、二丁目にあります風林会館で喜兵衛プロジェクトのなかの1プロジェクトでありますCLUB FRというイベントが開催されました。風林会館といえば、以前は歌舞伎町でもっともディープな場所、たとえば流れ弾に当たらないよう窓際にはすわらないようになんて冗談でですが言われるほどの場所でした。ある意味このシンボリックな歌舞伎町のヘソともいえるところで、今45階が空いてり、ここを拠点化、有効活用してあらたな地域活性化の担い手になっていただけそうな方々を誘致しようと行われたイベントでした。おかげさまで約200名ほどの来場者でにぎわい、実際に吉本興行さんなどは、この場所とほかにもいくつか物件をまわられたようですが、興味をいだき歌舞伎町で新しいエンタメビジネスをはじめようかと検討していただいていると聞いております。タイムズスクエアの再生にディズニーが大きく貢献したように、なにか映画館街の再生とならんで歌舞伎町再生の核のひとつにしていければと考えております。喜兵衛プロジェクトではもうひとつ、劇場通り一番街をなんとかできないか、ということも検討に入っています。一番街は劇場街への第一の導線であり、人通りも大変多く、ですが実際には平成13年の44人の死者を出した明星ビルは現在もそのままですし、先日の風適法違反で逮捕された森下グループの拠点だった上高地ビルは現在閉鎖中、そのほかにもいくつか閉鎖された案内所と、営業中の違法風俗店、案内所が点在し、老舗の飲食店などと並んで、今の歌舞伎町を象徴するような場所です。先日、24日をもって森下グループの案内所は全店閉鎖され、見かけ上は、より空きテナントも増えたわけですが、歌舞伎町にはまだまだ空いているように見えて空いてない、いわゆるまた貸しや違法な店舗が白看板でカモフラージュしているケースも多く、一番街はこうした問題物件があふれているのです。ですが、その多くが不在オーナーであったり、権利関係が複雑且つ不明であったり、どうコンタクトをとって一緒にまちづくりを考えていったらよいか。やはり、まだまだ歌舞伎町ルネッサンスの発信力そのものをもっと高め、もっともっと広く、説明していくことが必要です。発信力という意味では、フリーペーパーの歌舞伎町るねっさんすやインターネット、そして数々のイベント開催による話題づくりによって進めてきましたが、それだけではなく歌舞伎町にはもっともっと多くの魅力のあるコンテンツがあるわけですから、それらを活かしたい。これは活性化プロジェクトの話ですが、この歌舞伎町にFM放送局をつくりたいという話がでてると聞いてます。何人か専門的な知識を持ったメンバーもいるようで、組合としても是非応援していきたいと考えております。ただ、電波割り当ては許認可ですし、物理的に非常にハードルが高いということもあって簡単な話ではないようですが、せっかく歌舞伎町ルネッサンスという組織でやってるわけですから実現に向けてご助力いただければと思います。

理事長として、この協議会に参加させていただくのはこれが二回目でして、昨年、前理事長の小松さんに代わって委員に推されたわけですが、当初、歌舞伎町再生の渦中に突然推しだされた感もあって、実はいろいろ戸惑いもありました。私自身も含め、昔から歌舞伎町にいる方々、ビルオーナーのみなさんは、高齢な方が多いんです。とくに女性の方が長生きするからなんでしょうか、未亡人も多く、また、歌舞伎町はその多くが20坪くらいの小さな区画なもので、建替えようにもなかなか無理がありまして、これをどうすればよいか。

戦後の焼け野原から鈴木喜兵衛氏や峯島氏が奮闘したまちづくりが、昭和40年代あたりから木造建築からビルに変わり、そのビルが今、もうもたなくなってきました。そうはいっても、ビルオーナーのみなさんが元気ならばまだ自分達で商売しながらがんばろうという気にもなるんでしょうが、固定資産税も払わないといけない、利益率の低い商売ではあわない、ましてや住んでは税金も払えない、そんなこんなで不在オーナーが増え、ビルを売らざるおえないという状況に追い込まれつつある人が多いのも実状です。私としては、昔からこの街でがんばっている方々がそうなっていくのが忍びない、だからなにか方法がないかな、と考えております。はっきりいって歌舞伎町は商店街として疲弊してしまっているということなんですが、そこでみなさんのお知恵をお借りしたいと思います。いま地域再生に、絶対的に必要なのは建て替えの促進だと思います。そのためには小さな区画を改めてあわせて、20坪や25坪を50なり100坪、できれば200とかもっと大きな共同ビルにしていけるようなきっかけになるようなアイディアはないでしょうか?

高齢なビルオーナーがみなさん、そろそろ相続のことを考えております。たとえば、まちづくりのビジョンにあわせて共同ビルにする場合、その対策や開発期間だけでも固定資産税を減免してもらうとか、この期間中に相続する場合、相続税の減免や免除というものができないものでしょうか?まず、今の景気で20坪やその程度の広さで成り立つ商売はなかなかありません、だからやむなく違法な営業店舗に貸したりしてしまう。リスクが高ければ急いで投資を回収しようとするから無茶な営業もでてくる、結局悪循環なんですよね。

いま行っているまちづくり、結果として皆さんの知恵をフルに活かしてできたとして、ですがそれもさらにあと40年なり50年先にはまた再生が必要になる、次の世代、新しい世代にどうこの街を引き継いでいけばよいかということも含めご助力、アドバイス、またさまざまなご支援を是非、よろしくお願いいたします。」

戸沼幸市委員(早稲田大学名誉教授)

~歌舞伎町家守事業について

「思ったよりは難しいなと思ってます。ウチの学生達も戦後から1970年代くらいまではみんなけっこうあつまっていたのですが、その後暴力団が増えてきたという印象と、最近は、やはり町田さんがおっしゃるように昔からの老舗がどんどんおやめになってしまったということで、学生達も引いてしまった。いま商店街振興組合さんががんばっていて、さらにこの街は地元が守ってるんだという空気がでてくればもうすこし学生も来やすくなるかもしれない。いろいろ、歌舞伎町で空き室があるんで、なにかやってみないかと声をかけたりもしたのだが、家賃が高い、安全性についてこの先どうなるか、とくに劇場街再生がどうなるかみえてこないと、なかなかこの街に来ようとか住もうということになってこない。」

戸沼先生は早稲田大学で「新宿学」というゼミを開催されており、とにかく学生達と歌舞伎町などを歩き回ってみている。打ち上げではゴールデン街でやったりしているので、そういう接点からなにか変化をつくれないかと動かれているようだ。

高橋誠委員(株式会社創造開発研究所 所長)~3っつのM

「最大のポイントは小さなプロジェクトを立ちあげ、成功させ、積み上げるのが大切ではないか。そういう意味では家守プロジェクトはいいのかもしれない。

歌舞伎町のブランド力は落ちてるとはいえ、まだまだ地方から見ればビッグブランドなんです。私としては3っつのMというコンセプトをもってやってはどうかと。家守事業でクリエイティブなクラスを集めようと考えているようなので、まず一つ目はメインターゲットのM、ターゲットは地方ということで、地方の東京オフィス・セカンドハウスというコンセプトで地方に波及をさせる仕掛け。もうひとつはマスターのM、地方のクリエイターを集めるときに、たとえば映画でも写真家でも師匠という人たちがいる。この人たちをネットワーク化できないか。師匠たちをネットワーク化して、その弟子達に歌舞伎町にきてもらうようなシステムはどうかと。3っつめのMがメディア。昔で言うと街頭テレビのような、歌舞伎町の街のそこかしこで見たり聞いたりできて、さらにたとえば自ら発信できるようなものを考えてはどうか。」 

 

林 瑞祥委員(株式会社ヒューマックス 代表取締役)

~ブランドとしての歌舞伎町

新宿の歌舞伎町という名前は、どうですか?ブランドとして?残念ながら良くない。たとえば、宝塚を歌舞伎町にもってこれますか?東宝でも難しいでしょう。そういう意味で、一度壊れたブランドを立て直すのは大変だが、それでもなんとかしてブランドをつくらなくちゃいけない。それは、歌舞伎町という名前をつかうかつかわないかはともかくです。ハイジアさんの例を出して悪いが、家賃はいかがですか?六本木いけば家賃普通に3万4万5万を取れるでしょうがどうですか?いかにこの街のブランド力が弱いかを現していると思う。家守事業とかいろいろやっていくのも必要でしょうが、強いインパクトのある施設が大きな目玉がなくちゃいけない。そのためにはやはり、大型のプロジェクトがあって、それを核にしてまわりに波及させていくというのが一番近道なんでしょう。

シネシティ広場の周りに、我々興行4社がたまたま土地建物を持ち、ですから4社で、そこを利用してシネコンとか劇場を中心にしたエンターテイメントセンターに変えていけないかと、小売であれば電気店とか小さなCDのプロモーションができるとか、落語があるとか、そういうことを盛んに話し合っている。新宿区、東京都、ひいては国の協力をいただいて、とくに必要なのは地元の暖かいご支援が一番大事なのです。シネシティ広場周りが生き返ってくれば、周りにもいい影響を波及していくと思う。」 

佐藤 進委員(株式会社東急レクリエーション 代表取締役会長)

 

~使命感を持って劇場再生

 

 

「いろいろな意見を拝聴いたしまして、我々の使命として、歌舞伎町ルネッサンスの地域再生に大変大きな使命だなと感じております。私どもは、以前ミラノ座の前には東京スケートというスケート場をやっておりまして、それらが起爆剤になって東京では歌舞伎町はナンバー1の繁華街になったと認識しております。ですから、歌舞伎町再生には我々4社の責務がきわめて大きいものだと思っています。私どもと、東宝、今日は山田専務が出席されてますが、山田専務は開発の責任者で松岡会長の側近中の側近、そしてヒューマックスの林会長、それから東亜興行からは先般副社長に出席された大谷氏、大谷社長のご子息です。あと、コマは東宝の親戚ということで、基本的にはこの4社が四葉会を形成している。

 

 

 この4社トップ、つまり私と松岡会長と林会長、そして大谷社長の4人が20043月にあつまって我々の映画館を再開発しようということを決めました。それぞれの映画館も建物も50年たってる、再開発をして衰退している歌舞伎町再生の推進役になろうということで、月に2回程度の専務・常務クラスで担当協議会をすすめてきたが、しかし私は今日歯切れのいい挨拶ができないという問題がそこにある。

 昨年の4月ごろ、ある問題が提起された。ただ、その問題はみんあで話し合えば解決できるはずと思って進めているが、実はその問題の解決をどうするかということででやや退行した。したがって、いろいろ周囲から歌舞伎町シネシティの再開発構想について聞かれたが、今はちょっとまて、ということで一時退行したということでした。

 先ほど、町田理事長から街の事情をいろいろ披瀝されましたが、みんなでこうして一生懸命やってるわけですから、今年は私どもも本気で取り組みたいと考えてます。近々、我々4社のトップ会談の機会をもちまして、歌舞伎町シネシティ再開発の会談をもちたいと考えています。

強力なプッシュアップ、再スタートを切りたいと考えている。再スタートというのが正しいかもしれません。力強く前進して、みなさんと歩調を合わせて進めて生きたいと考えています。」

 

 

廣江彰委員(立教大学大学院教授)

 

~歌舞伎町のまちづくり構想について

 

「まちづくりは多面性をもっていて非常に難しいところがありまして、もちろん一般論というのがあるわけではないですが、戸沼先生のお話で以前印象にあったのが、高田馬場で学生が、携帯電話を数台つかって一方で電話を話しながらもう片方でインターネットで検索しながら行きたいカラオケや居酒屋を、どこが何人で安いかを交渉して探してる、範囲は高田の馬場だけでなく新宿や歌舞伎町も入ってる、そういう行動の仕方をしていく中で、彼らが歌舞伎町にきてもらう理由はいったいなんなのか。そういう魅力をどうつくっていくか。

そういう方々が歌舞伎町に来たときに、街の構造はどうなっているかを考えると、靖国通りでせき止めるようになっている、非常に街の中に入りにくい。巨大な城壁になっていて、そこにカラオケ・居酒屋がある。その中に入ってくる仕掛け・仕組みをどうするかということだと、歌舞伎町にはクロスオーバーとクリエイティビティだろう。

クロスオーバーというのは、なにか異質なものが重なったときにちがったものが生まれてくる、たとえば音楽とかファッションというのがあります。

昨年暮れに東京入管から依頼され、在留外国人向けにベンチャービジネスのお話をしてくれというお話をいただいた。そういう依頼を入管からされるとは、ということで非常に驚きました。つまり違法なものは徹底的に戦うが、そうでない人には多くのチャンスがあるかということをきちんと見せていかないといけない。新宿、歌舞伎町は非常に外国人が多い、そういう人たちに可能性を与える街として機能しているというが重要だと思います。

 

以前、大久保公園でフットサルのイベントを行ったんですが、周辺の住民から苦情がでたということで区役所から止めろといわれまして、非常に残念だったのですが中止になったことがある。そのとき、ホストクラブの方が参加されてたのですが、たとえばホストクラブにもいろいろな種類があります。ホストクラブの方でもまちづくりを考えていこうという人たちもいる。確かに法律という尺度でどうわけていくかも考える必要ではありますが、いってみれば歌舞伎町で働いている人たちの中で、日本人同士でも顔が見えなくなってる、外国人ならなおさらなので、お互いに顔が見えないものを見えるようにしていく必要がある、その中で不法なものはなくしていくというのに力を尽くしていく必要がある。とくにスポーツはそういう場合とてもいい手段なので、新宿区でも考えていってほしい。昨年、私のゼミの学生がアジアをテーマにしたオープンカフェをやりました。そのときも、歌舞伎町のそういったお店から商品提供をしてもらったりしました。そこで顔をあわせて、顔を見える関係を築き、また彼らが歌舞伎町のイベントに参加してくる、自分達が歌舞伎町に協力していくというようなのが重要だったなぁと。異質なものをもってるからこそ、問題は多いのですが、同時にいろんなクロスオーバーという魅力がある、クロスオーバーなエネルギーをどう活かして街が変わっていく仕掛けにしていくかを考えたい。

 

クリエイティビティということについて、外の仕掛けが弱い、映画館の席数がこれだけあってまだまだ弱い、たとえば若い人たちにチャンスをあたえるとか、些細なことですが一つの方法だと思う。そういう街であるかということがまつづくりに重要だと思う。

クロスオーバーなエネルギーがある場合、今度は受け皿をどうするか、ある大手のIT企業の部長クラスの研修を歌舞伎町を舞台に行ったことがある。そこで、歌舞伎町を変えるという意味でいろんな議論をしたのですが、そこでたとえば歌舞伎町総研をつくるというアイディアがあった。これは、歌舞伎町をかえていく原動力であることも大事だし、ここが東京の中の、また新宿の中の代表的な繁華街としていろんな記憶をもっている。その記憶を、まちづくりにどう機能させていくのか。まだまだ魅力のある街だと思っているので、そういう提案をしていきたい。

この街は、巨大な消費の市場というのをどうクリエイティビティな街にしていくのか。これをどうやって生産・創造の街にしていくか、ということを考えると単に場があるだけではだめで、街が機能する装置にしていかないといけない。たとえば、広場をどう使っていくのか。今までいろいろなイベントをやってきましたが、これからは次のステージで歌舞伎町がいい方向に変わっていくような創造的な活力があふれる街、そういう人たちが集まる街にしていかないといけない。

そこで、クリエイティブな人たちが育たないのを育てようとしている地方の都市がある。札幌市・金沢市は努力している、仙台市も始めようとしている、東京は人材も豊富だし仕事もある。いろんなところで努力しているので、これをネットワークするなり企画し、歌舞伎町商店街振興組合等が主催してすすめてはいかがか。クロスオーバー、クリエイティビティの魅力を活かして、今の問題を整理しながら、街の魅力を未来に向けて形を変えて活かしていく必要がある。ソフトの仕掛けも、ハードの試みもしながら、家守事業にしても如何に歌舞伎町版家守といったかたちですすめていってもらえればと。」

 

佐々淳行委員(初代内閣安全保障室長)

 

~まちづくりと治安対策

 

「総合行政の一つの典型、具体的な問題でこういった組織が編成されたのは初めてだったと思う。クリーン作戦・地域活性化プロジェクト・まちづくりプロジェクト私がクリーン作戦、まちづくりが安藤先生、活性化が伊藤滋先生という住みわけだったように思う。その中で、クリーン作戦は暴力団検挙・違法風俗店摘発というのは、マイナスを0にするという行政です。いよいよ0をプラスにむかわせることを考えなければいけない。ホストは以前と違い、未成年や風俗の女性たちが援助交際・売春をして稼いだお金で遊びにいく、つまり未成年者の堕落につながってると考えている。ホストクラブについて、これを文化の一つとみる向きがあろうが規制・摘発はつづけるべきである。歌舞伎町において、文化の創造・生産、都市再生、まちづくりを進める上でもこの治安状況ではまだまだ危険極まりない、治安対策(piece keeping)があくまで第一、今後も続けるべきで、その上に文化の創造・都市再生がある。」

 

 

山下保博委員(財団法人 東京都公園協会理事長)

 

~地域再生の支援システムを使いこなしてほしい

 

 

「歌舞伎町の場合、全体をドラスティックに変えてしまうという再開発ではなく、ステップを追っていろんな中小な再開発が動くのではないかと考えています。まちづくり交付金・中心市街地活性化事業・いろいろ地域再生への支援のシステムがある。地域の方々が中心になってやっていただいて、これらをいかに使いこなしていくかというのがまず第一であろう。平成18年度にはまちづくり構想だけではなく、地域の人たちとどういう組織をつくって一緒にやっていくかを研究してほしい。」

 

 

伊藤滋委員(早稲田大学特命教授)~まず昼間の歌舞伎町を元気にすること

 

 

「2月早々に総理が日本で観光振興・まちづくりをやってる外国の方々と会うような機会があるようです。

総理の頭の中には、観光というものはたとえば温泉とかだけ出なくて、街の中に観光客の方々が魅力のある街にしていかなくてはいけない、必ずしも綺麗な街にするということだけではなくてノスタルジックなだとかいろんなのがあると思う。

歌舞伎町は国全体からみても、重要な、海外からの観光にきて楽しめる非常に可能性のある街じゃないかと思っている。昼間の歌舞伎町をもう一回元気にするという見方を考えますと、海外からの観光客は、浅草にもいくでしょうけど、安心して散歩ができる、安心してショーがみれる、安心して買い物ができる、そういうまちづくりを考えたらいいかと思ってます。

秋葉原の変化とかを勉強するべきだと思う。大阪の梅田とかもそうですが、駅前のヨドバシカメラはものすごい集客力を持ってます。ご商売ですから、5年先10年先の勝負で何を打って出たらいいかという非常にビッグなプロジェクトと、その周辺を取り囲むサテライトのプロジェクトと、そこにほどほどの知的なものがある、食べ物だけでなくむしろ、エキゾチックな買い物ができるとか、エキスポート・インポートのベトナムとか韓国・中国だとかいろいろな国の買い物ができる小さなコーナーとかお店があるような、そういう昼間の歌舞伎町のイメージを考えてみたらいいのではと考えています。」

 

 

中山弘子新宿区長(歌舞伎町ルネッサンス推進協議会 会長)

 

 

「今日いただいた中身の濃いご意見を、次回の協議会までに、プロジェクトとしてどれだけ推進できるかが私どもに課された課題だと思います。次回までに大きく一歩が踏み出せるよう努力することを誓いまして本日の会議を終了とさせていただきます。」という言葉で、第3回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会は締めくくられた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

歌舞伎町ルネッサンスにおけるまちづくり、議論の中心がどういった街にしていくかという点に主眼がおかれているのに対し、今の歌舞伎町の浄化・治安対策(マイナスインフラの除去)との間のハードルについてどうこえればいいのか、実はこのハードルがどれほど高いものなのかを委員のどれだけの人が理解しているのかという思いはある。いくつか、そのハードルについて町田委員(歌舞伎町商店街振興組合理事長)が言及しているのだが、やはり現状認識に難はある。

確かに、ここ約1年、東急レクリエーションの佐藤会長が言うように、実態として四葉会の再開発計画が停滞し、また地域全体の再生も、はっきり言ってしまえばその四葉会再開発によるところが大きいために(特に時間軸で言った場合、ある程度完成の目途が見えないと、どんなにこの街に関心があってもそれなりの投資を呼び込むのは難しい。だが、ここで四葉会がカミングアウトしたことで、かえって火がついた感もある。実際、会議のあと急に動きがあわただしくなってきた。

全国中心市街地の活性化において、状況や背景に差はあるものの、大体同じような課題を抱えている。実際に、再開発時の固定資産税・相続税の免除・減免についての要望が強いという話を聞いている。これも全国的なまとまりが出てきてるだけに実現性があると思えてきた。どこの中心市街地も、昭和40年ごろから一気にビル化し、建物が築35年~40年という状態、歌舞伎町に至っては建物の6割以上が築35年を越えている。地下街整備などもそうだが、民間主導で建て替えを促進するためにはどうしてもインパクトのあるきっかけが必要なだけに、委員の方たちもとくにこの辺についてもう少し話してほしかった。

佐々委員がおっしゃるように、常にPieceKeepingは必要で、それを土壌にして活性化が成り立つ。とはいえ、ではなにがPieceKeepingになるのかの認識も意見が分かれている。文化都市を目指すといっても、文化≒だいたい反社会的な匂いがあるもの、権力や秩序に否定的なもの、といっては偏りすぎかもしれないが、それを官民で推し進めようとしているところが面白いというか、どうなるか。

たしかに許容できる範囲内ギリギリの無秩序さみたいなものも歌舞伎町の魅力である。その多様、猥雑、そして懐が深い(最近はそうでもないといわれそうだが)といわれてきたこの街のいいところを如何に活かし、どう新しいまちづくりにつなげていくか。

本年4月には歌舞伎町ルネッサンス課が新宿区役所に設置されるほか、まちづくりの実施主体となるであろうTMO(タウン・マネジメント会社:形態はLLP有限責任事業組合がいいかなと考えている)も平成19年度に入る前にはつくる予定。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

実際の歌舞伎町の現状、そしてめざそうとしているまちづくりの姿(大衆文化の企画創造の街)というのを考え、その間に山積する緊急課題をどう処理していくか。今の歌舞伎町ルネッサンス推進協議会の委員構成について、街や四葉会、国からのスタッフは必須ですが、それ以外、つまり有識者という方々について、「どうなんですか?何人かについてですが、実体把握もされてない方々に来てもらって、いくら話しをしてもらっても無意味でないですか?委員をすこし入れ替えられないですか?」と事務局(新宿区)に話したことがある。だが、一回決めてしまったことについて、いまさら差し替えするのは簡単なことじゃない、といわれた。

個人的には、「エンタメの企画生産」だのといい、しかも基本的には民間主導で歌舞伎町のまちづくりを進めるわけだし、そういう意味でいえばもっとふさわしい委員がいるのでは?と言いたい。たとえば、吉本興業の吉野社長とか、アミューズの大里会長とか。

歌舞伎町というのは、実体でいえば「治安対策」と「大衆文化」が、ある意味戦っている場所なんです。かたや法益を守る側と、もう一方が文化。つまりお互いになじみにくいものが熾烈にしのぎあってるからこそ面白い街なのです。歌舞伎町の繁華街の栄枯盛衰をみれば、それが如実にあらわれている。かつてこの街の隆盛を築いたサパークラブ(江利チエミや雪村泉が歌ってた)やディスコブームを今懐かしむ人たちが多く、そういう人たちが「ルネッサンス」と言い出したわけで、しかしそれだってその時期にはブームの中で規制とぶつかり合ってきた。今、それらを踏まえ、いかに持続可能なまちづくりをしていこうかという議論が求められているのに、現状の委員のキャスティングはどんなものかと思っています。「思ったより難しい」だの「アイディアなんてないよ!」なんていまさら、サシで話すと平気で言ってくるそんな委員ははずしてはいかがかと。

 


歌舞伎町ルネッサンス推進協議会の会議録完全版は以下からPDFでダウンロードできます。


nice!(0)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース