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9月1日、歌舞伎町ビル火災(明星56ビル)から6年目-「天国へ旅立った44人の尊い命を無駄にしないで下さい」- [その他]

2001年(平成13年)の夏の終わり、8月最後の週末、金曜日の深夜の歌舞伎町の出来事だ。日付は9月1日土曜日、0時57分。新宿区歌舞伎町1-18-4明星(みょうじょう)56ビルの4階「スーパールーズ」の従業員2名より消防署に「煙が凄い、火災のようだ。」と119番が入る。(第一報、119番覚知 午前1時1分)

解体される前の明星56ビル(火災後、証拠保全されていた頃のもの)

出火場所:東京都新宿区歌舞伎町1丁目18番4号 明星(ミョウジョウ)56ビル 
構造:耐火4階建 地下2階地上4階 複合用途 
建築面積:83.07 ㎡ 
延床面積:497.65 ㎡
建物所有者:(有)久留米興産

◆火災の概要

3階麻雀店「一休」のエレベーター付近から出火(放火の可能性)、0時59分ごろのことだが、一休の従業員3名がビルを飛び降りたことで負傷。しかし、煙は上階へ。4階「スーパールーズ」の女性従業員の2人が煙に気づき119番通報する。上階へ避難しようにも、屋内に階段が1箇所しかなく、階段にはロッカーが多数置いてあったため、幅が狭く、その上屋上に逃げようとしたものたちを立ちふさがったのは開かない扉。消火活動の際もこれらは大きな障害となった。階段の防火扉も作動せず、開放されていた為、火炎と煙の拡散は非常に早かったと思われる。8月の最終週末、人ごみでごった返す歌舞伎町一番街での出来事である。

・建築面積 83㎡
・延べ面積 516㎡のうち、3階部分80㎡、4階部分80㎡(焼損床面積計160㎡
・2階階段及び5階(屋上)階段の内壁6㎡、天井3㎡計(焼損床面積計9㎡)

延焼防止:午前2時14分
鎮圧 :午前5時36分
鎮火:午前6時44分

死者44人(性別:男性32人・女性12人、場所:3階16人・4階28人)
負傷者3人(全員3階男性従業員)

消防の救出・鎮火作業中に4階「スーパールーズ」で拾った携帯電話には最後の発信記録が。0時57分、119番。これが第一通報者の携帯電話であった。所有者は中村さゆりさん。当時23歳、「スーパールーズ」の女性従業員である。

当時23歳だった中村さゆりさん。(亡くなる10日くらい前に自宅にて撮影)

さゆりさんの母、スイ子さん(当時53歳)は足利の自宅にいた。毎晩さゆりさんから電話が入るのに、この日の夜には電話が無い。「何をやってるのかしら・・・さゆりは。」そんな風に思っていたところに、さゆりさんの携帯電話から着信が。「さゆりだわ。」そう思って自分の携帯電話をとる。すると向こうの方から男性の声で「新宿消防署のものですが、火災現場でこの携帯電話がありまして。」それから急遽新宿に向かったスイ子さん。「とてもさゆりが死んだなんて考えられなかった。どこかでほっつき歩いてるんじゃないかとか。でも、消防の人が、いいえ、まちがいなく娘さんはここにいましたって言うので・・その後は何も考えられなかった。何を話ししたのか記憶もない。」スイ子さんがさゆりさんに会えたのはそれからかなり時間がたって、確か午後5時過ぎだったという。「43番という札がついてたから、43人目に搬出されたんだなって。でも、火傷も何もしてなくて、ただそこに娘が眠っていたという感じだった。」さゆりさんのいた4Fのスーパールーズには客と従業員を合わせ28人がいたが、全員急性の一酸化炭素中毒による死亡である。

さゆりさんは、女優になる夢を追って東京に出てきた。市原悦子に憧れ、エキストラのバイトをしたり養成所のも通い、しかし東京の一人暮らしは厳しい。生活費を稼ぐためにスーパールーズで働いていた。一時そこを辞め、足利の実家に戻っていたが、店から人が足りないので手伝って欲しいと言われ、再び東京に戻る。事故にあったのは、それから1週間後のことだという。「あの時、さゆりに行くなって言えばよかった。さゆりが乗っていった列車が、実家の窓から見える。でも、その列車を見ると悲しくなるんです。だから、見ないようにしている。」とスイ子さん。今、59歳になったスイ子さんもあのときから時間が止まっているのかもしれない。

毎年、9月1日の深夜の事件時刻にあわせ、現場となった明星56ビル跡地前には慰霊の献花台が置かれる。遺族の方々、通りすがりでも当時の記憶を持つ歌舞伎町の人たちがここで花を捧げ、また手を合わせていく。↓テントの壁面には亡くなった方たちへの遺された人たちからの手紙が張られている。

 

 

「天国に旅立った44人の尊い命を無駄にしないで下さい」~ビル火災被害者の会

今年の3月2日、東京地裁において行われていた歌舞伎町ビル火災における民事裁判が和解した。死者44名のうち33名の遺族がビルのテナント経営者、店長等を相手に損害賠償を求めての訴訟は2400万円を支払うことを条件に和解したという。昨年4月にビル管理会社である久留米興産やビルの実質的オーナーであった瀬川重雄被告らとは、遺族との間で約8億円の支払いで和解しており、今回の和解で遺族会による久留米興産および個人6人に対する総額26億を求めた一連の民事訴訟は被告側の総額8億6800万円の支払いによって終結している。なお、瀬川重雄被告らに対する刑事訴訟は続行中。この時にはすでに旧明星56ビルは久留米興産から所有権は移転しており、現在のこの土地の地権者はニュージーランドに会社籍を置くレオナルズ・プロパティズ・リミテッドにある。現在更地になっているこの場所も、近々に建物が建つことが予想され、この場所で慰霊をすることもひょっとしたら七回忌となった今年が最後になるかもしれない。

↓8月31日、夕方の5時過ぎ、新宿消防署の人たちも現場を訪れ、敬礼。その足で、この日は劇場通り一番街を中心に消防署員らが査察に巡回を行っていた。

 

「歌舞伎町一帯の一斉立入検査を何回もやり、普及啓発をさせていただいているが、立入検査をやった直後はすぐ綺麗になるんですけども、目を離すと元の状態に戻ってしまうというのが実態です。そういった立入検査を繰り返し続けていかねばならない。階段にモノが置かれていたことが被害を大きくした一つの原因ということだが、これに対して階段にモノを置いてはいけないということに尽きるのですが、その置いてはいけないというのが法律で決まっているから、消防がうるさく言うからということではなくて、建物なり事業者の方々が、その建物を利用する人たちの立場に立って、例えば階段にモノを置くといざと言うときに逃げられなくなって危ない、だから置かないんだという、人命第一という意識を持っていただいて、と考えています。」(新宿消防署予防課歌舞伎町防火安全対策係中西正浩係長)

新宿消防署の中西係長が言うように、火災予防に対する普及啓発は頻繁に行ってきたが、一方でしばらく間をおくとすぎ酷くなる、そんな建物もまだまだある。歌舞伎町の環境浄化は、たしかに少しずつであるが変化はしているとは思うが、じゃあどれだけ良くなったかと言えるほどかどうか。まだまだといわざるを得ないところも多い。

そもそも、歌舞伎町のビルオーナー、ビル管理会社、そのなかでどれほど「健全」といえる事業者がいるのか。その中の一つの明星56ビルであって、自分の利益しか考えないビルオーナーと、自分の利益しか考えない店の間に挟まれて殺された、言い方は悪いが被害者の方々は結局部分が強い。お互いに問題に気づいていても、同業者、あるいは同種類の人間と言うことで見てみぬふりをする人たちばかり。今でも、そういうビルオーナーがほとんどだし、その人たちがのうのうと息づいているのが歌舞伎町だ。そして、自分の中にグレーな部分があるから、人の黒いところ、グレーな部分を知っても黙っている。

 

↑毎週3~4日のペースで行われている客引き等迷惑行為の排除活動ボランティア、歌舞伎町商店街振興組合の下部組織で、何業であっても誰でも参加できる会議体である「よくしよう委員会」が中心に進めている。迷惑行為の排除活動というのが実質ではあるが、それ以上に来街者からの道案内や店探しといったニーズが非常に高い。

遵法営業をモットーとするホストクラブの人たちもこのパトロール活動を一緒に行っている。観光客らに「一緒に写真を撮ってください~」と声をかけられる姿も割りと頻繁に見られる。

話はややずれるが、この客引き等迷惑行為の排除活動ボランティア、これが本来目指しているものは何か?これは、最終的には二つの意図がある。一つは、民間の監視力の強化と情報共有、もう一つは「街のコンシェルジュ」、つまり来街者に対するおもてなしにある。その第一次的な地ならしが、いわば質の悪い客引き、迷惑行為等を排除することであり、それを現在、週3~4日であるがセントラルロードとコマ劇場前あたりを中心に活動を続けている。あくまでボランティア活動であるため、限られた時間、限られた場所ということになってしまう。知ってる人は知っているだろうが、かなり強硬にホストクラブやスカウト行為を排除している姿をセントラルロードなどで見かけることもあるだろう。しかし、一方で、この活動をしていくことで、彼らホストやスカウト、あるいはキャバクラの客引きらと決して喧々諤々というわけでないコミュニケーションをとり、情報を得ながら抑止をしていこうとしている部分もある。

ここから先は、やや個人的な想い、あるいは意見ということで・・・

警察にせよ、消防にせよ、行政にせよ、歌舞伎町はもはやコントロールできるような街ではない。消防の防火安全対策にしても、生活安全課の風適法違反の摘発にせよ、すべてがパフォーマンスである。つまり、法の公平性を保ち、違法なものは全て是正しましょうというのが、少なくとも現状の人員、ましてモチベーションでは不可能。6000からある事業所・店舗の中で、目立ったところだけ是正する、日程を決めてたまには大きな摘発をイベント的に行うが、現実にはその他の期間は黙認、そうせざるを得ないのが歌舞伎町だった。

さて、この街をコントロールするとすれば何か。一体、何が街のみんなのベクトルをそろえられるか、といえば「利益」しかない。そして、「利益」とは何か?つまり、歌舞伎町が来街者で溢れかえることである。

歌舞伎町に一番必要とされ、また欠けているのは来街者に対する「おもてなし」の心

例えば、来街者から見て、迷惑、居ないほうがいいホストや客引きがいる一方で、居て欲しい客引き、ホストもいる。つまり、彼らは客も引くが、来街者にとっての案内人でもあり、歌舞伎町と接する楽しみの一つでもあり、また防犯インフラと言う見方をすれば監視の「目」にもなっている。酔客を作る街である以上、客のトラブルは絶えない。そんなのを監視し、ケンカがあればとめ、無茶にはじけたがる若者達を歌舞伎町の「住人」達が抑止しているという部分もある。しかし、自分の利益、自分の店の利益だけを思うから、客の引き方もしつこくなるし、セントラルロードの入り口を客引きが大人数で来街者への立ちふさがり、自らバリケードを作って街に人が入りにくくしてしまってきた。これが、コレまでの歌舞伎町の姿。「それはマズイだろ。。」と言ったら、「僕も思ってました。」ってある客引きが言っていた。自分の利益ばかりに執着し、結局自分達の首を絞めてきた、これが歌舞伎町のほとんどの客引きやホスト。

ここでいう、客引き等迷惑行為の排除活動が実は目指しているという「歌舞伎町コンシェルジュ」って何?というと、結局は案内人、つまり一人案内所みたいなもんで、それを「利益」ではなく「おもてなし」=「街の利益」ということで、言ってみれば、現行法でいうと客引きとなんら変わらない。ちょっと微妙な言い方をしてしまったが、動機が正反対であるだけで、あるべき姿は実は同じ、というか。。

今、街に出ている客を引いてる連中がこんなことを言ってきた。「自分ら、目立たないように私服とかでやったほうがいいですか?」自分は、これに対し、「まず今は出るなとしか言えない。でも、自分らがいなけりゃどうせ出るんだろ?だったら、それは本末転倒、客を引くならちゃんとした格好でやるべきじゃないか?来街者に対する印象は、どっかのホストみたいに私服でチャラチャラしてるのは印象最悪だよ。歌舞伎町にようこそ、そうおもてなしをするつもりでやってよ。違法は違法、警察にやられるかもしれない。でも、それだって一つの正義だろ?」今、自分は、ちょっとそんな試みをし始めている。あくまで、個人的にではあるが。

なぜ、こんなことを歌舞伎町ビル火災の日に書いているか、というと、つまり明星56ビルの火災事件があって、これがきっかけになり歌舞伎町をモデルに全国の繁華街対策が始まった。それは、形の上では官民協働となっているが、実質は行政主導のものが多かった。また、歌舞伎町ルネッサンスもそうである。しかし、さっきも書いたが、繁華街自治において、警察や行政、あるいは消防に出来る部分は思ったより少なく、むしろ、彼らの職域外の部分を民間がやるべきであり、またそれを放置すれば悪い部分の歌舞伎町のように無秩序になっていく。ここを、どうせ頼ってもどうにもならないのなら、民間自らやろうよ、歌舞伎町ルネッサンスの活動が始まって約3年だが、3年たってやっとそういう機運が生まれてきた感じがする。客引き等迷惑行為排除活動のボランティア(歌舞伎町よくしよう委員会)はまさにそれであり、遺族の方々に分かって欲しかったのは、「天国に旅立った44人の尊い命」はこういう活動一つ一つに繋がっていて、そこに生きているんだということだ。また、歌舞伎町の街づくりに関わる全てのものが、この9月1日に、彼らの魂を胸に襟を正すべき日でもある。


8月最後週末の歌舞伎町景色

9月1日(土)夜9時ごろの劇場通り一番街

同じく、セントラルロード付近

 

↑あけて9月2日、朝の3時の一番街、朝3時のセントラルロード。この時間でもまだまだ人が多い。

◆9月1日(土)、新宿ミラノ1では早朝8時より「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」解禁

 

新宿ミラノ1、客席数1,064席。歌舞伎町にある映画館は14スクリーン+劇場が2あるわけだが、映画館の中では最大のキャパを誇るこの新宿ミラノ1、まして9月1日は「映画の日」(一人1,000円で鑑賞できる)ということもあり、その様子をのぞきに。

9月1日早朝。開場は7時からでそれより少し前、シネシティ広場を一周では足りなく、ミラノの南側にも列が出来ている。

開場直後の様子

 

9月1日(土)より公開された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」は、早朝8時の回(満席)にてスタート、土曜の最終回まで6回興行が満席、オールナイト興行では3回上映されそれぞれ7~8割の入場。実質、9月1日早朝よりオールナイト明けまででざっと9,000人を動員。

シネシティ周辺劇場・映画館の週末の観客動員数は、だいたい1万人/日と聞いているので、映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」は、それを一本の映画で動員したってことになる。

◆歌舞伎町スターコンテスト

 

隔週土曜で行われている歌舞伎町からスターを、「歌舞伎町スターコンテスト」(運営:新宿放送局)の第8回予選会は9月1日17時より19時で開催された。こっちの方も、観客動員が約250名程度(最初の頃の約倍)、一般審査員の参加者が72名でこっちもこれまでの約倍。

最高気温が24℃程度というのもあるのかな、涼しかったこと、週末、それも8月最後ということもあってか、普段の週末に比べてもかなり人の多かったように感じた。商店街の人が「昔の歌舞伎町の姿みたいだ」なんて言っていた。人が少ないと目立つ質の悪いホストの徘徊や客引き、スカウトらが、週末はほとんど目に付かない。というか、居るんだろうが目立たない。

結局、街を良くするというのはこういう状態のことを言うんだろう。コンテンツ、ビルの中身や老朽化、店舗内の問題など見た目では見えない問題もまだまだあるが、要するに来街者が溢れる街にすることで、例えば人が溢れればコントロールは難しいが一方で衆人監視も目もあってセキュリティは向上する。逆に言えば、どんなに見かけ綺麗な街を造っても、人が来なければ意味も無いし治安も悪くなるということだろう。歌舞伎町は来街者によって成立している街、だからこそ来街者をもてなし、愛される、求められる街でなければならない。ある人が、こんなことを言っていた。「歌舞伎町は今、『人』が現れるのを待ってるのかもしれないよ」と。


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伊藤詩織の肛門エチケット

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by 伊藤詩織の肛門エチケット (2021-03-08 21:05) 

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