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歌舞伎町のホストなど客引き・スカウト等迷惑行為撲滅活動から、歌舞伎町の問題を見てみぬふりをしないために [まちづくり]

歌舞伎町商店街振興組合(よくしよう委員会)、新宿社交料理飲食業連合会、新宿歌舞伎町ホストクラブ防犯協力会、および有志ボランティアら民間主導による客引き・スカウト等迷惑行為の排除・撲滅の直接的なパトロール活動がスタートしてから約50日がたった。特に、歌舞伎町の玄関口にあたるセントラルロード入り口にカラスの群れの如くたむろしていたホストクラブ等の客引き(ナンパと称するものも含む)は、来街者の流れまでも変えてしまう深刻なものであったため、セントラルロードからシネシティ広場に至る範囲を客引き排除・撲滅活動の重点地域とみなし、この範囲内ではホストクラブやメンキャバ、あるいは居酒屋、カラオケ、もちろんその他の風俗店や出会い系店舗の客引き、スカウト行為も含め一切を排除、目に余る行為はそのまま警察に渡すという活動を進めている。

 

概ね週3~5日程度、1日2~3時間の活動ではあるが、客引き行為の稼ぎ時となる時間、客を拾い易い場所を見極めての活動が効を奏し、既に数軒の客引き行為を行うホストクラブ・メンキャバ等を摘発、近く廃業に追い込むという成果を上げている。しかし、この活動のポイントとなるエリアを“庭”とする暴力団の範囲はセントラルロードを渡ったMOA2番街入り口の通行バリケードまでということもあって、↓の様にMOA2番街靖国通り側出口付近の歩道幅範囲に客引きをするホストらがたまるという現象も起きている。

 

ホストクラブ・メンキャバで言うとタテハナビルにある「ラファエル」、2丁目にある「ユニバース」、星座館ビルの「プリンス」、2丁目メトロプラザにある「ジュエル」、1丁目にある「クレスト」などの客引きが目立つ(約150人程度)。居酒屋で言うと、圧倒的に「戦艦大和」「海の家」のグループが多く、約30名以上がメニューを持って客引き行為を繰り返している。また、セントラルロード入り口にあるピックペックビルに入る居酒屋は全店)つぼ八・月丸・星丸・虎の子)も客引きに出ている。ここは、横断歩道からMOA2番街にまでその範囲が広い。その他、セントラルロード近辺にあるキャバクラ・昼キャバ、出会い系の店舗(アダム&イブやJ1ビルにある店舗)もキャッチ・客引きなどを行っていたが、一応パトロール活動中は各自店舗前に戻り路上での客引き行為はなくなってきている。ただし敷地内および敷地近辺での呼び込みスタイルのキャッチ行為は今のところ排除対象にはしていない。スカウトについては2~3社が存在しているようだが、特に大手スカウト会社のエージェントあたりはかなりの人数(2桁)を出している。エージェントに関しては、「ウチはどこでやってもいい」と言われているようで、既存暴力団の庭の範囲を超えて自由に動けるために、排除パトロール中はセントラルロード付近を避けて新宿駅構内やMOA2番街などで声をかけている。

民間に拠る客引き・スカウト等撲滅・排除活動は日に概ね2~3時間程度ではあるが、それ以降も警察が摘発に動く場合もあり、週に2~3件の検挙ペースで進められているためにこれが抑止力となり、パトロール以外の時間帯も徐々にではあるが客引きが全般的に少なくなっている傾向はある。↓これは、パトロールの無い日のセントラルロードであるが、目立つのは居酒屋やカラオケ店でホストの客引き自体は以前に比較してかなり減少している。

なお、この活動に関する法的根拠は1.迷惑防止条例違反(交通や歩行者の多い場所での立ちふさがりや迷惑行為)2.風適法違反(あらゆる風俗営業店は路上での客引き行為は認められていない。なお、25時以降は風俗営業店に限らずあらゆる職種において風適法違反になる。またナンパと称する行為も、風俗営業経験のあるものは全て客引き行為に準ずるという法律運用があるため、これもあてはまる。)3.道路交通法違反(客引き行為に限らずチラシ配布、スカウト行為など道路使用許可を持っていない場合は全て)。また、スカウトに関しては、労働大臣許可が無い場合や、風俗店や性風俗店(風俗関連営業店)への就業斡旋などを行った場合は労働基準法違反に問われる場合もある。エージェントなどのスカウトは労働大臣許可を持っているが、一方で現実に風俗店や風俗関連営業店舗への斡旋も行っているのは明らかで、所謂芸能プロダクションに認められたスカウト行為の範囲外とみなしこれを排除している。


パトロールを行っているときとそうでないときの差を見るために、パトロールの無い日の新宿駅周辺から歌舞伎町にかけての検証を行った。(7月24日は歌舞伎町商店街振興組合内の組合行事の関係でパトロールは中止)

A.新宿駅東口構内

  

駅構内はスカウトが約10名程度目視で確認。上の右の写真は改札口前にたむろしていたスカウト連中。警察によると、新宿駅構内を縄張りとしている暴力団が存在するという。この日に関しては、駅構内でホストの客引きは見られなかったが、遅い時間になってくると数人が出てきて、切符を買おうとする女性にまで声をかけているのを見かけるときもある。スカウトは東口の北側の改札にいるのだが、小さめのブランド物のセカンドバッグや アタッシュケースを持っているのが特徴。

B.新宿駅東口出口~駅前広場

 

新宿駅東口のルミネエスト出口付近はスカウトが少々と、あとは居酒屋のメニューを持った客引きが約20名近くいる。「彩家」「吉庵」「風飛」「暁」などの店舗(歌舞伎町の靖国通りに面したさくら通りに面した石塚ビル内などに数軒)なんだが、一人で何件ものメニューを持っているのが特徴。一人2,000円で飲み放題(時間内)といってこの場で現金を受け取る(↑右の写真は6,000円を受領)。主に個室型の居酒屋などが多いのだが、店に行くと飲み放題といいながらオーダーを取りに来ないといった所謂プチボッタクリといわれる小額の事件化しにくいぼったくり営業を続ける居酒屋が多く、実際に苦情や110番通報も多い。しかし、問題なのは、これの客引きを行っている目の前はJR新宿駅交番があるのにまったく機能していないということ。

 

新宿駅東口駅前にはホストクラブの客引きが出ていた。上の写真の6名は私服だが、よくコマ前にもいるホストのキャッチ。セントラルロードやコマ前の客引き排除・撲滅活動がきつく、一部店舗が駅前に移ってきたのが分かる。歌舞伎町内の客引きをするために彼らが話をつける暴力団(極東会系など)とは異なる暴力団の影響範囲であるため、出てきている店舗は別の暴力団と話をつけたのが推測できる。新宿駅東口広場周辺は、この時間帯より朝方からの方がホストの客引きが濃くなる場合もある。人数的にはだいたい10~30名程度か。

C.MOA2番街付近

MOA2番街、通称スカウト通り。まず入り口のアルタ横交差点でスカウト↑。MOA2番街ではホストは客引きが出来ないことになっている。これも、暴力団の縄張りの関係。

 

↑拾ってきた漫画・雑誌類を路上販売しているスペースがMOA2番街にある。漫画本は拾ってきたものを一冊50円で仕入れ100円で売るのが大体の相場。路上生活者等の収入源となっている一方、これを仕切る暴力団が存在するのも事実。↑右、オカダヤ前にあった路上販売スペースは新宿区と新宿警察署が閉鎖して締め出したが、↑の様に他の場所で販売は継続されている。ハイジア横の売春エリア閉鎖などでも同じことだが、行政はどうもこんなやり方ばかりしか能が無いのが非常に残念。閉鎖しても他の場所に動くだけの話、以前の大久保公園(路上生活者対策)の閉鎖などと同じように、開けられなくなる。

D.MOA2番街出口~靖国通り近辺

  

エリアとしてはCの延長で兎に角スカウトが多い。風俗店の出勤女性を中心に目を付け、やはり同様に風俗店や風俗関連営業の店舗に就業斡旋をするものが多い。丁度、靖国通りを渡る前に横断歩道で一旦立ち止まるため、ここ(銀蔵前付近)が最大のスカウトポイントとなっている。

E.セントラルロード入り口近辺~セントラルロード内

この日は客引き排除・撲滅のパトロールが無いということで、セントラルロード入り口付近はホストクラブの客引きのみならず、居酒屋(ピックペックビル内)やカラオケ店(747やビッグワン)の外販が集まっている。なお、右のアタッシュケースを持っているのはスカウト。

横断歩道を渡るのかと思ったら、靖国通りのど真ん中で飲み物を飲みながらしゃべっているホストたち。一種の目立ちたがりというか・・↓車が来ても平気で、道の真ん中でしゃべっている。

そして、そのまん中にいた連中がこの後狙いを見つけ客引きをする様子。

  

 

セントラルロード入り口のピックペックビル隣のJ1ビルには数軒のお見合いパブ(出会い系の飲食店)がある。実はこのうち一軒はホスト連中も敬遠する暴力団なんだが、とりあえず↑の看板は完全に違法なので早々に撤去しないと。パトロールが無いと思うと、安心して女の子に声をかけようと通りに出てくるお見合いパブのスタッフ。↓マクドナルド前は、大抵ユニバースあたりのホストが多い。ここは客引きというよりは、「客引き待ち」の初回狙いの女の子が目に付く場所。初回2,000円で飲み放題となると下手な居酒屋なんかより安く飲めるとあって声をかけられるのを待っている女の子がセントラルロードには多い。↓右は「海の家」のメニューで客を引く居酒屋の従業員。

 

F.コマ劇場近辺

さすがにセントラルロードからコマ前にかけては、自分がいて写真を撮っているのは見え見えだったので、客引きをしている写真はほとんど撮れなかった。「店には客を引いて来いといわれ外にはでるが、リスク(警察や地域の監視がきつい)が高くて(客を引く)やる気になれない。」と嘆いていたホストもいた。とりあえず、やること無いんで外にいるだけ・・と言いたいようだったが、まぁ自分らが見えないところでは↓

現実は、まだまだと言ったところである。客引き・スカウト等迷惑行為撲滅活動は今後も続くわけだが、我々が手を抜けばこの有様だという認識が必要だろう。また、上の地図にもあるように重点地域としてセントラルロードからコマ前の範囲をあげているが、現実には蛇口は新宿駅であり、駅構内~駅前広場~MOA2番街~セントラルロード~シネシティ広場がいわば歌舞伎町の導線の背骨に当たる。本来であれば、新宿駅構内から背骨にあたるところをまず重点的に客引きやスカウト等の排除活動を行うべきなんだが、この範囲で新宿駅東口の四つの商店街をまたぐ上にJRも話をしていかなければならない。 シンポジウム「にぎわい先導都市・新宿を語る-都市間競争の時代に-」でもこの新宿駅東口四商店街を横軸で繋げたまちづくりの議論の必要性を中山区長も言っていたが、こうした目の前の緊急の課題に対する対策でさえまだまだの状態であるということを思い知らされる。先日、東京都の治安対策本部長である舟本馨氏と話す機会があったのだが、「歌舞伎町対策は進んでいる、街は随分きれいになったと聞いているが、実はまだまだということなのか?」と聞かれ、実際その通りだと答えざるを得なかった。

確かに、例えば毎月20日あたりをのぞけば歌舞伎町から暴力団が徒党を組む姿はほとんど見られなくなった。所謂暴力的な犯罪といった部分においては歌舞伎町はある意味安心で安全な街にはなってきた。しかし、現実には、目に見えるところにまだまだ客引きやスカウトが今尚、というより以前以上に大量におり、地域が少しでも息を抜けばそれがスグに悪い影響となって染み出し膨らんでくる、まだまだそんな状態である。

 

ホストクラブや風俗店の看板が駐車場(三山不動産)やビルの壁面(ホクト不動産)を埋め尽くしているという現実。屋外広告物条例や景観条例でこれをはずすことも出来ないはずはないのだが、行政はまったく手付かずの状態。

「歌舞伎町は綺麗になったでしょ」「安心で安全な街になったでしょ」と事あるごとに中山区長も言ってきたが、現実はこんな状態だ。舟本本部長に「対策としてどういう方法があるのか、策はあるか?」と聞かれ、自分が答えたのは以下の方法。

  1. 風適法における欠格事由に「場所」という概念を設ける。風適法違反で摘発を受けた場所(テナント)は以後例えば2年とか風俗営業許可を与えない。摘発を受ける建物はこれまで大抵ほとんどが同じ場所・建物が多い。したがって、違法な営業行為を出来る場所そのものを物理的に減少させられる。
  2. ビルオーナー条例(違法行為をするテナントがあった場合、ビルオーナーにもその責任を問うもの。現場では性風俗店や違法DVD店に限られている)を強化し、法律化する。ビルオーナ責任を問う範囲を風俗営業全般とし、違法行為があって摘発を受けた場合契約を解除できる旨を賃貸契約書に謳うことを義務化する。その上で、ビルオーナーや仲介した不動産業者には幇助罪を課する(直罰、つまり知らなかったが通らないようにし、罰金を1,000万とかの高額にする)。違法行為のあったテナントにはビルオーナーは損害賠償請求が出来るようにし、賠償額を保証金から差し引くことを出来るようにする。これによって、無許可営業に対する抑止効果となる。
  3. 売り掛けに対する回収業務を違法とする。店舗での売り掛けはクレジットカードか、あるいは売り掛けの上限額を設け、この範囲以上のものは一切支払い義務は無いものとする。
  4. 迷惑防止条例違反(ナンパや客引き)を軽犯罪ではないカテゴリーに分類し、罰金ではなく直罰で罰金(個人と店舗)プラス禁固刑とする。
  5. 風俗営業のナンバーリング制度。広告宣伝や看板への付記義務。これによって許可・無許可が一目でわかる。無許可店舗はもちろん全ての自家・屋外広告物や媒体(紙・WEB・案内所)広告一切が違法。その上で、媒体側のは違法業種の掲載を断る義務を与える。これを違反した場合、媒体側にも罰金等を課する。

現状の制度が機能していないかどうか、もう一度精査しつつ、そして機能していないものを機能できる方法を探し、その上で必要とあれば制度改革ということに繋がっていく。ただ、現場の警官自身が、おそらく今の風適法関連の制度が現実的でないと感じているのかもしれない。「労力に比べて割に合わない」、よくそんな声を耳にする。ただ、今の風適法を厳格に適用しようとして、結局ホストクラブの1部2部営業(日の出から昼まで、夕方から深夜1時まで)や昼キャバが現れ、むしろ昼から酔っ払いや客引き、ドレスのキャバ嬢が街をうろうろする景色を生んでしまったということも考えると、例えば風適法上の営業時間の規制をむしろ昼間はダメでも深夜(日の出まで)はOKとかそういう状態(いわゆる営業時間の規制緩和)にする方がよっぽど現実的だろうし、時間外営業が減る分税収もあがるのではないか。

ただし、制度的な改革はまだまだ時間がかかる。その間に出来ることは粛々と進めていかなくてはならない。現状認識をせず、見たくないところを見えないふりをしている「新宿区」は、今まさに歌舞伎町TMO(タウンマネジメント組織)を作ろうとしている。そして、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会のスタッフ会議がこれからまさにTMOの話で行われようとしている矢先でもある。TMOを作ることには決して反対しているわけではない。しかし、見るべき問題を見ず、見えないふりをしながらきれいごとだけを並べてありばいだけのTMO設立に猛進するのだったら、これは絶対に止めるか、あるいは修正しなくてはならない。自分の力で出来るかどうかはわからないが、少なくとも自分はそう考えている。

セントラルロード入り口脇にある無人の歌舞伎町交番臨時派出所。歌舞伎町商店街振興組合が650万を拠出して警察に寄付したもの(現在は東京都公安委員会)。オウムのサリン事件以来人員確保が出来なくなり無人化した。今再び、警察と再使用について交渉を行っているが、やはり人員確保の問題で先送りされている。パトロールをやっていると思うのだが、やはり道案内等のニーズが高い場所なだけに、例えば官民協働でこの場所を使うことを実現できないものだろうか。新宿駅東口駅前の交番は客引きについてまったく機能していないが、とはいえここが官民協働で客引き等の排除活動・パトロールやインフォメーションブースの拠点化すれば、そして今の歌舞伎町の地域のモチベーションがあればかなり機能するように思えるのだが。


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コメント 3

アヴリル

毎日本当にお疲れ様です。

よくしよう会さんたちが、こんなにコツコツ努力されてたなんて、話に聞いていただけでは分かりませんでした。
by アヴリル (2007-07-26 00:40) 

NO NAME

スカウトは、エージェント、ハーツ、改札前で↑の写真に載っているのはネクスト、マンチェスター、ABC、真プロモーション、関西からきたトゥルース&スクエア、ルーツ、などなど沢山ありますよ。

毎日毎日声かけてきてうっとーしーので早く撲滅してください。
中には薬を誘ってきて強姦しようとするやつもいます。

警察は裏金受け取っているか知らないけど見てみぬふり!!
ヤクザもいっぱいなのに何もしない。

こんなんで警察の意味はないよ
by NO NAME (2007-11-02 03:25) 

jiji

スカウトがいなくなると新宿の経済が回らなくなると聞いたのですが本当ですか?
by jiji (2015-07-29 15:08) 

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