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2023/12/13 新宿区緊急記者会見『歌舞伎町ホストクラブ高額請求問題対策』について(ノーカット/第3回・進捗状況報告)48m57sec [まちづくり]

2023/12/13 新宿区緊急記者会見『歌舞伎町ホストクラブ高額請求問題対策』について(ノーカット/第3回・進捗状況報告)48m57sec


00:00 冒頭 出席者紹介

会見出席者
・新宿区長 吉住健一
・groupdandy COO 巻田隆之(ホストクラブ連絡会事務局):(仮)ホストクラブ連絡会幹事長就任予定
・ホスト協会 会長 北条雄一:(仮)ホストクラブ連絡会会長就任予定
※ホスト協会:2006年、暴力団へのミカジメ不払い運動の一環で、警察(新宿署組織犯罪対策課)主導で暴力団との縁切りや客引き行為抑制のために立ち上げたホストクラブの会「新宿歌舞伎町ホストクラブ暴力団排除協力会」を前身とする。会は当初、クラブ愛の愛田武社長(故人)を中心に歌舞伎町には約180店のホストクラブがあり、うち約27店舗参加でスタート。愛田武氏が退いてから会は求心力を失い細々としたものの、跡を継いだ北条雄一氏が会を『ホスト協会』と改め活動を継続、現在に至る。
参照: https://kabuki-cho.blog.ss-blog.jp/2006-11-23


【報告】
00:42 新宿区長 吉住健一
会見前に行った非公開の会議にて、前回(12/5)に決めたことの詳細についての詰め、積み残した課題として20歳未満(18歳以上、民法上の成人)のホストクラブ利用をどうするのか(詳細は巻田氏より)、ホストクラブ団体設立について、準備会としては現在事務局機能を担っている巻田隆之氏を中心に数人の幹事会で進め、会発足時にあたってはホスト協会会長の北条雄一氏を連絡会会長にして活動する旨の合意がなされた。
02:15 groupdandy COO 巻田隆之
・20歳未満(18歳以上、民法上の成人)のホストクラブ利用について
来年(2024年)1月度から、新規客の入店をさせないことで合意。20歳未満の既存客は、1年の期間をめどに来店を可とするが、以降、飲酒ができない20歳未満の間はホストクラブへの出入りを禁ずる。
・ホストクラブの組合について

ホスト協会会長だった北条雄一氏を会長に。北条氏は、ホスト協会会長としてSRI(新宿社交料理飲食業同業組合、北条氏は理事)や歌舞伎町商店街振興組合との関係実績を考慮。警察関係者や行政、弁護士を顧問に迎え、参加するホストクラブ(19グループ、歌舞伎町内のほぼすべて)が協力し合って実効性のある組織をつくっていく。(現在の連絡会を準備組織とし、参加グループから選出した幹事を数名置いたうえで巻田氏が幹事長に就任、組織をつくっていく)


歌舞伎町のホストクラブにおける自主規制合意事項まとめ(前回協議を含む):
1、お客様の生活を破綻させるような営業は行わない。
2、高額な売掛被害に対しては、行政と連携し、真摯に対応する。
3、売掛は1月以降、段階的に入金率を上げて4月以降は無くす。
(会計時入金率 1月70% 2月80% 3月90% 4月以降100%)
4、20歳未満の客について
20歳未満の客については、新規はお断りし、既存の顧客のみ受け入れることで、1年後には20歳未満の客は受け入れを廃止する。
5、反社会的組織との関係は断絶する。
6、上記の目的を達成するために、業界団体を設立する。


06:29 ~質疑応答

吉住区長が強調したのは「身の丈に合った遊びをできない方には、歌舞伎町に来ないでもらいたい。」ということ。

人には愚行権(ぐこうけん)という権利があるとされる。たとえ他人から愚かで間違いだと指摘されるようなことであったとしても、幸福権を追求できるのはあくまでその個人であり、他者は実際のところそこにあまり関心はない、故に、生命や身体など自分の所有に帰するものは、他者への危害を引き起こさない限りで、たとえその決定の内容が理性的に見て愚行と見なされようとも、対応能力をもつ成人の自己決定に委ねられるべきである、という権利だ。ここで重要なのは、"対応能力をもつ成人"であることであって、自由社会における"自由"の概念において重要な考え方。

"身の丈に合った遊びをできない方"というのは、対応能力をもつ人、つまり"成人"以外の人、ということと同義ととらえるかどうか、そこは議論があるかと思うが、歓楽街には様々な危険が内在しているのだから回避する能力が欠けている人は来るべきではない、というのはその通りかもしれない。

一方で、社会全体がそもそもノーリスクであるわけでもなく、そういう中で生きる上での回避能力は、こうした歓楽街における生々しい人間模様を体感することで培われたりもする部分もあるとも思う。歌舞伎町を見ていると、本当にモラトリアムな街で、大人げない大人たちの集まる場所だと感じる。人が成長する"過程"の街ともいうか。おそらく成長し切った人(あるいは成長をやめた人)にとっては、興味などわかない街、なんだろうなと。


今回のスキームは、コロナ禍初期に、夜の街が一斉に叩かれたときに、吉住区長が興した形と経験が生きている。「今、(街で)何が起きているのか、情報共有できる団体として発展していってもらえれば、と思う。」(吉住区長)と、あの時と今回も同じことを言っている。一見、行政と一番遠いところにあるように見えるホストクラブ業界だが、2万人程度とみられる歌舞伎町の就業者数の実に3割強をホストクラブが抱えている現実を考えれば、何かと妥当な繁華街対策のスキームだと言えるだろう。コロナ禍の時は、Smappa!グループの手塚マキが区長のパートナーとして組織を回した。今回は、もう少し"腕力"がいる問題ゆえに、歌舞伎町で最大というより日本で最大のホストクラブグループであるgroupdandyのCOO、巻田隆之が中心になってことを動かした。

通常の企業ガバナンスと、モラトリアムな自由人たちで形成される歓楽街のガバナンスのコントロールはまったく違うのは誰もが想像できると思うが、結果はこれからだが、ひとまずここまで、巻田氏と彼を支えた面々が自主規制を全体合意までもってこれたことを正直、評価したいと思う。

「僕たちが責任者としてリーダーとしてしっかり倫理感や道徳であったりということを常日頃から伝えていけるかどうかだと思っている。そこがない限り、結局本質は何も変わらない。結局僕たちはお客様にきていただいて、喜んでいただいて、それで対価をいただいている仕事なわけで、それをお客様がそういったことで生活を破綻させてしまうような、そんなあり方が正しいわけはない。

もう僕たちが覚悟と信念を持ってしっかり男の子たちに伝えていけたらと思っております。」(巻田)

また「今回のルールは、あくまでも過渡期のものだと思っている。例えば二十歳未満の方の、主に酒類を提供する飲食店への出入りについては、例えば都条例であるとか、法律の改正によって、そもそも禁止をしていただければこういう問題は発生しない。成人年齢の引き下げを行ったときにこういったことが検討から外れていたのか、そこは私は議論に加わっていなかったのでわかりませんが、あらかじめそれを決めてさえくれれば、それをやる店舗は出なくなるはず。国や東京都に対してはこれは社会通念上是正しなくてはならないんじゃないかということについては、やはり改正を求めていきたいと思っている。」と吉住区長。


まだまだほかにも様々な課題が内在している歓楽街ではあるが、集娼政策上の機能的装置としての役割をもつ歓楽街の存在意義と、一方で可視化という時代の流れの中での、今回の対策事例は意味があると思って記録した。すべてを書くわけではないが、引き続き、見守っていきたいとも思っている。

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