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12月22日(金)警視総監が歌舞伎町を巡視― 年末年始の特別警戒 2023/12/22 [季節]


警視庁は、令和5年12月15日から令和6年1月3日までの間、20日間、延べ20万9000人を動員し、全庁を挙げて都内全域で年末年始の特別警戒を実施しています。年末年始における都民の生活の安全と平穏を守るため、また、特に人の流入出量の多い「盛り場」では、盛り場地区特有の被害を防止するために、環境浄化のための対策に力を入れています。一斉警戒日の22日(金)には、小島裕史警視総監が歌舞伎町を視察しました。
午後5時ごろ、小島警視総監が歌舞伎町に到着、最初に歌舞伎町交番勤務の警察官らに街頭犯罪への警戒の徹底を指示、その後、新宿警察署・永野雅通署長と向出和雄地域課長の案内で、新宿署管内の警察協議会、防犯協会、歌舞伎町商店街振興組合ほか約100名の地域ボランティアとともに歌舞伎町内を巡視しました。巡視は歌舞伎町交番からシネシティ広場、劇場通り一番街、ゴジラロード、新宿東宝ビル東面側から回って交番に戻るコースでした。
小島裕史警視総監(コメント)
「年末年始特別警戒の一環として、本日、「一斉警戒」と銘打ち、警視庁を挙げて「見せる警戒活動」により街頭警察活動の更なる強化を図っているところ、日本屈指の繁華街である新宿歌舞伎町を巡視いたしました。新型コロナの5類移行後、初めての年末年始となり、多くの人出が予想されることから、街頭犯罪の増加や盛り場環境の悪化、重大交通事故の発生が懸念されます。
警視庁といたしましては、今後も、各種犯罪の防圧検挙に努めるとともに、悪質な客引きやぼったくりのほか、昨今問題となっているホストクラブの売掛金に起因する違法行為の取締り等、歌舞伎町をはじめとする繁華街の環境浄化対策や、重大交通事故防止対策、殺到事故防止対策を推進し、都民の皆様が平穏のうちに明るい新年を迎えられますよう、引き続き、首都東京の治安確保に全力を尽くしてまいります。」

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2023/12/13 新宿区緊急記者会見『歌舞伎町ホストクラブ高額請求問題対策』について(ノーカット/第3回・進捗状況報告)48m57sec [まちづくり]

2023/12/13 新宿区緊急記者会見『歌舞伎町ホストクラブ高額請求問題対策』について(ノーカット/第3回・進捗状況報告)48m57sec


00:00 冒頭 出席者紹介

会見出席者
・新宿区長 吉住健一
・groupdandy COO 巻田隆之(ホストクラブ連絡会事務局):(仮)ホストクラブ連絡会幹事長就任予定
・ホスト協会 会長 北条雄一:(仮)ホストクラブ連絡会会長就任予定
※ホスト協会:2006年、暴力団へのミカジメ不払い運動の一環で、警察(新宿署組織犯罪対策課)主導で暴力団との縁切りや客引き行為抑制のために立ち上げたホストクラブの会「新宿歌舞伎町ホストクラブ暴力団排除協力会」を前身とする。会は当初、クラブ愛の愛田武社長(故人)を中心に歌舞伎町には約180店のホストクラブがあり、うち約27店舗参加でスタート。愛田武氏が退いてから会は求心力を失い細々としたものの、跡を継いだ北条雄一氏が会を『ホスト協会』と改め活動を継続、現在に至る。
参照: https://kabuki-cho.blog.ss-blog.jp/2006-11-23


【報告】
00:42 新宿区長 吉住健一
会見前に行った非公開の会議にて、前回(12/5)に決めたことの詳細についての詰め、積み残した課題として20歳未満(18歳以上、民法上の成人)のホストクラブ利用をどうするのか(詳細は巻田氏より)、ホストクラブ団体設立について、準備会としては現在事務局機能を担っている巻田隆之氏を中心に数人の幹事会で進め、会発足時にあたってはホスト協会会長の北条雄一氏を連絡会会長にして活動する旨の合意がなされた。
02:15 groupdandy COO 巻田隆之
・20歳未満(18歳以上、民法上の成人)のホストクラブ利用について
来年(2024年)1月度から、新規客の入店をさせないことで合意。20歳未満の既存客は、1年の期間をめどに来店を可とするが、以降、飲酒ができない20歳未満の間はホストクラブへの出入りを禁ずる。
・ホストクラブの組合について

ホスト協会会長だった北条雄一氏を会長に。北条氏は、ホスト協会会長としてSRI(新宿社交料理飲食業同業組合、北条氏は理事)や歌舞伎町商店街振興組合との関係実績を考慮。警察関係者や行政、弁護士を顧問に迎え、参加するホストクラブ(19グループ、歌舞伎町内のほぼすべて)が協力し合って実効性のある組織をつくっていく。(現在の連絡会を準備組織とし、参加グループから選出した幹事を数名置いたうえで巻田氏が幹事長に就任、組織をつくっていく)


歌舞伎町のホストクラブにおける自主規制合意事項まとめ(前回協議を含む):
1、お客様の生活を破綻させるような営業は行わない。
2、高額な売掛被害に対しては、行政と連携し、真摯に対応する。
3、売掛は1月以降、段階的に入金率を上げて4月以降は無くす。
(会計時入金率 1月70% 2月80% 3月90% 4月以降100%)
4、20歳未満の客について
20歳未満の客については、新規はお断りし、既存の顧客のみ受け入れることで、1年後には20歳未満の客は受け入れを廃止する。
5、反社会的組織との関係は断絶する。
6、上記の目的を達成するために、業界団体を設立する。


06:29 ~質疑応答

吉住区長が強調したのは「身の丈に合った遊びをできない方には、歌舞伎町に来ないでもらいたい。」ということ。

人には愚行権(ぐこうけん)という権利があるとされる。たとえ他人から愚かで間違いだと指摘されるようなことであったとしても、幸福権を追求できるのはあくまでその個人であり、他者は実際のところそこにあまり関心はない、故に、生命や身体など自分の所有に帰するものは、他者への危害を引き起こさない限りで、たとえその決定の内容が理性的に見て愚行と見なされようとも、対応能力をもつ成人の自己決定に委ねられるべきである、という権利だ。ここで重要なのは、"対応能力をもつ成人"であることであって、自由社会における"自由"の概念において重要な考え方。

"身の丈に合った遊びをできない方"というのは、対応能力をもつ人、つまり"成人"以外の人、ということと同義ととらえるかどうか、そこは議論があるかと思うが、歓楽街には様々な危険が内在しているのだから回避する能力が欠けている人は来るべきではない、というのはその通りかもしれない。

一方で、社会全体がそもそもノーリスクであるわけでもなく、そういう中で生きる上での回避能力は、こうした歓楽街における生々しい人間模様を体感することで培われたりもする部分もあるとも思う。歌舞伎町を見ていると、本当にモラトリアムな街で、大人げない大人たちの集まる場所だと感じる。人が成長する"過程"の街ともいうか。おそらく成長し切った人(あるいは成長をやめた人)にとっては、興味などわかない街、なんだろうなと。


今回のスキームは、コロナ禍初期に、夜の街が一斉に叩かれたときに、吉住区長が興した形と経験が生きている。「今、(街で)何が起きているのか、情報共有できる団体として発展していってもらえれば、と思う。」(吉住区長)と、あの時と今回も同じことを言っている。一見、行政と一番遠いところにあるように見えるホストクラブ業界だが、2万人程度とみられる歌舞伎町の就業者数の実に3割強をホストクラブが抱えている現実を考えれば、何かと妥当な繁華街対策のスキームだと言えるだろう。コロナ禍の時は、Smappa!グループの手塚マキが区長のパートナーとして組織を回した。今回は、もう少し"腕力"がいる問題ゆえに、歌舞伎町で最大というより日本で最大のホストクラブグループであるgroupdandyのCOO、巻田隆之が中心になってことを動かした。

通常の企業ガバナンスと、モラトリアムな自由人たちで形成される歓楽街のガバナンスのコントロールはまったく違うのは誰もが想像できると思うが、結果はこれからだが、ひとまずここまで、巻田氏と彼を支えた面々が自主規制を全体合意までもってこれたことを正直、評価したいと思う。

「僕たちが責任者としてリーダーとしてしっかり倫理感や道徳であったりということを常日頃から伝えていけるかどうかだと思っている。そこがない限り、結局本質は何も変わらない。結局僕たちはお客様にきていただいて、喜んでいただいて、それで対価をいただいている仕事なわけで、それをお客様がそういったことで生活を破綻させてしまうような、そんなあり方が正しいわけはない。

もう僕たちが覚悟と信念を持ってしっかり男の子たちに伝えていけたらと思っております。」(巻田)

また「今回のルールは、あくまでも過渡期のものだと思っている。例えば二十歳未満の方の、主に酒類を提供する飲食店への出入りについては、例えば都条例であるとか、法律の改正によって、そもそも禁止をしていただければこういう問題は発生しない。成人年齢の引き下げを行ったときにこういったことが検討から外れていたのか、そこは私は議論に加わっていなかったのでわかりませんが、あらかじめそれを決めてさえくれれば、それをやる店舗は出なくなるはず。国や東京都に対してはこれは社会通念上是正しなくてはならないんじゃないかということについては、やはり改正を求めていきたいと思っている。」と吉住区長。


まだまだほかにも様々な課題が内在している歓楽街ではあるが、集娼政策上の機能的装置としての役割をもつ歓楽街の存在意義と、一方で可視化という時代の流れの中での、今回の対策事例は意味があると思って記録した。すべてを書くわけではないが、引き続き、見守っていきたいとも思っている。

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2023/12/5 新宿区緊急記者会見『歌舞伎町ホストクラブ高額請求問題対策』について(ノーカット/第2回・進捗状況報告) [まちづくり]


2023/12/5 新宿区緊急記者会見『歌舞伎町ホストクラブ高額請求問題対策』について(ノーカット/第2回・進捗状況報告)


00:00 冒頭 出席者紹介/会見概要説明
00:57 吉住新宿区長(ここまでの進捗状況、経緯について報告)

「社会一般の通念と繁華街の常識とのギャップを感じている。(青母連が代弁している被害者側が何を望んでいるのか、ホスト側に共有してもらう中で)今(先日の会見後、ホストクラブ業界と何度か協議したが)この状態では発表できる段階ではないと判断した。

今(ホストクラブ業界の)社会的評価はどうなっているのか、女性を食いものにする卑劣な業界、(全体ではないが)反社会的組織と結託した凶悪な業界である、未成年をはじめとした若年者までも金稼ぎの道具にする(保護者の視点から見ると許されざる業界)、という評価であると区長自身がホスト業界に伝えた上で、ホスト業界が危機感を感じてもらい、今後どうしていくのか、独自に検討してもらった。

(青母連からの主張について)

相談者のほとんどは(ホストクラブ女性客の)家族である、保護者側が口々に訴えているのは"娘を返して”という一点である。"(娘はホストに)恋愛感情を持って、あるいは洗脳された状態になってしまって、娘がどうしても親と向き合ってくれない。”

こうした事象の原因は、成人年齢が18歳に下がったことが非常に大きなファクターであると、青母連は主張している。また、一方で、ホストクラブの(業務委託を受ける側の)ホストも(店内ルールや売掛システムによって)追い込まれているのではないか、という主張もしている。

売掛回収に書面での催促が家族側に行われる際、国家資格をもつもの(弁護士等)が脅迫的な形で加担している可能性も指摘されていると、こうしたことにより、家族が大変苦しんでいるという"訴え"もあると主張していた。
こうした"主張"を受けて、ホスト側の代表として、最大手であるgroupdandy のCOO 巻田隆之氏(今回のホスト側の連絡会の事務局機能を担っている)から、「大変申し訳なかった」と業界として反省するとともに、今後業界をどう修正していくのか、各グループごとのホスト教育の取り組みを進めつつ、自主ルールの検討に入った。

(吉住区長からホスト業界側への検討要請)

新宿区としては、以下概要をホスト業界側に求め、検討をしてもらっている。

①すでに発生してしまっている高額な売掛について、どのように対応していく方針なのか
②行政機関、警察とどのようにやり取りをするのか(業界団体設立に向けて)
③暴力を使って取り立てをする、あるいは親元に請求に行く、そのようなことを本当に行っているのかどうか。調査の上、そういったことが起きないようにするにはどういう取り組みができるのか
④高額な請求が頻繁に発生する"理由"について、そしてそうした事例が起きないようにするにはどのような対策ができるのか
⑤20歳未満の人、あるいは、20歳以上であっても学生・専門学生等方々に高額な請求が発生してしまうことがないよう、どのような取り組みができるのか
⑥反社会的組織との関係性について(区長が質問はしたがさすがに"関係しています"という人はいなかった)、つまり、性風俗や犯罪に加担するよう教唆をしたり斡旋をするといったことがおきないようにするためにはどのようなことができるのか

この日、12月5日の会議では、関係各行政機関立会いの下、冒頭の概要説明後、
・被害者と訴えている方たちへの対応について
・業界ルールについて
・業界団体の設立について
を協議。(協議は非公開)

 

08:57 内閣府消費者庁(消費制度課 課長補佐 奈良陽一):消費者契約法所管

11月30日付けで、いわゆるデート商法に関する消費者契約法で定める取り消し権がホストクラブなどの飲食にどのように活用できるのかを消費者庁のwebサイトで公表した。
(参照) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/other/assets/consumer_system_other_231130_0001.pdf

【ホストクラブなどにおける不当な勧誘と 消費者契約法の適用について(周知)】
令和5年11月30日 消費者庁 消費者制度課 
近年、一部の悪質なホストクラブなどにおいて、その従業員であるホストが若年女性に対して、その好意の感情を不当に利用して、困惑させ、飲食などの提供を受ける契約(以下「飲食などの契約」という。)を結ばせるという事例が報告されています。消費者契約法(以下「本法」という。)では、消費者の利益を守るため、消費者契約について、不当な勧誘による契約の取消し等を規定しており、好意の感情を不当に利用した契約、いわゆる「デート商法」については、第4条第3項第6号に取消権を定めています(別紙1参照)。
 ホストクラブなどにおける飲食などの契約も本法上の消費者契約に当たり得るため、本法で定める要件に該当する不当な勧誘により締結した契約について、消費者が契約の相手方である事業者に対して取消しの意思表示をすることで、その契約を取り消すことができる可能性があります。
※年齢18歳未満の者(未成年者)が、両親などの法定代理人の同意を得ずに結んだ契約については、民法第5条に基づき、原則として取り消すことができます。   具体的には、ホストクラブの従業員であるホストなどが、消費者(以下「客」という)に飲食などの契約を勧誘する際に、○ 客が社会生活上の経験が乏しいことから、 ① ホストに対して恋愛感情など好意の感情を抱き、かつ ② ホストも客(=自分)に対して恋愛感情など好意の感情を抱いていると誤って信じていること を知りながら、 ○ これに乗じ、飲食などの契約を締結しなければ(例えば、酒類などを注文してくれなければ)ホストと客の関係が破綻することになる旨を告げることにより、 ○ 客が困惑し、飲食などの契約の申込み等をしたときは、 本法に基づき、この契約を取り消すことができます。なお、仮に、ホストが恋人間の個人的なやり取り(売掛金の立替えなど)だと主張している場合でも、ホストが本法上の事業者に該当する場合で、本法の要件に該当する不当な勧誘をしていれば、その契約は取り消すことができます。 また、ホストクラブの従業員であるホストなどが、客に飲食などの契約を勧誘する際に、価格や内容を偽って結ばせた契約や、客が店から退去する意思を示しているにもかかわらず退去させずに結ばせた契約なども、同様に本法で定める要件を満たせば、取り消すことができます。
※本法は民事ルールであることから、客である当事者が契約の取消しを主張した上で、当事者間で解決していただく必要があり、最終的には、個別具体的な事案に即し、司法の場で判断されることになります。

10:29 厚生労働省(東京労働局需給調整事業部長 田中里枝) :職業安定法所管
・ホストクラブの飲食代などを返済させるために、ホストやスカウトが、性風俗や売春などの仕事を紹介すること、また、マインドコントロールの手法を用いてこれを行うことは、職業安定法で禁止されている。これに違反したものは、1年以上10年以下の懲役、または20万以上100万円以下の罰金の対象となる。
(参照) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/index_00037.html

○職業安定法(昭和22年法律第141号)(抜粋)
第六十三条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
一 暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。
二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。
※検挙事例

職業安定法第63条第2号(有害業務に就かせるための職業紹介)による検挙事例
(事例1)当時ホストクラブ従業員であった者が、店での売掛金の返済名目で客の女性に現金を要求し、スカウトマンを介し、ソープランド従業員に紹介して売春をさせた事案。(同ホストクラブ従業員であった者、同スカウトマンその他関係者について、職業安定法違反等で検挙した。)
(事例2)ホストクラブの店長らが、店での売掛金を支払わせるため、客の女性をソープランド経営者に売春婦として紹介した事案。(同ホストクラブの店長その他関係者について、職業安定法違反等で検挙した。)
Q&A

Q ホストやスカウトが、売掛金(いわゆる「ツケ」)の回収のために、客の女性に、性風俗や売春の仕事をあっせんした場合、職業安定法に違反するのではないか。
A 一般に、性風俗や売春などの業務に就かせるための仕事の紹介等は、職業安定法違反に該当すると考えられます。
Q 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務とは、どのようなものを指すのか。
A 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務とは、社会共同生活において衛生上他人に危害を与えるような業務又は社会共同生活上守られるべき道徳を害する業務を指します。
例えば、店舗型性風俗特殊営業店(いわゆる「ソープランド」など)において、女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫、口淫等の性交類似行為をする業務や、わいせつビデオ映画の製作販売会社が制作するわいせつビデオの女優として稼働する業務がこれに該当するものとされた裁判例があります。
Q 恋愛感情の利用など、女性を支配下に置く手法(マインドコントロール)を用いて仕事を紹介することは、職業安定法に違反するのではないか。
A いわゆるマインドコントロールも含め、客の正常な判断力を損なう手法を用いて仕事を紹介することは、精神の自由を不当に拘束するものとして、職業安定法違反となる可能性があります。

11:48 東京都(生活文化スポーツ局次長 久故雅幸)

警視庁・新宿区と連携し、相談事例や、繁華街に含まれる危険性について注意喚起・相談窓口案内(チラシ・SNS)
悩みがあったら、すぐに相談を!ホストクラブ等での過度な「売掛」に注意!https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/12/01/08.html
(相談センター)
東京都女性相談センター(23区居住の方)電話 03-5261-3110
女性相談センター多摩支所(多摩・島しょ地区居住の方)電話 042ー522ー4232
高額請求や多重債務で困ったときは、消費者ホットライン188や、自治体の無料弁護士相談などに相談しましょう。
消費者ホットライン 電話 188
東京都消費生活総合センター 電話 03-3235-1155
若者の悩みや困りごとは・・・ 東京都若者総合相談センター 若ナビα 電話 03-3267-0808

13:18 歌舞伎町ホストクラブ 代表/連絡会事務局 巻田隆之(groupdandy COO)
今後のホストクラブの自主規制ルールについての方向性(協議中の方向性)概略を説明
「今日ここに集まりましたのは、歌舞伎町の13グループ200店舗以上の代表者たちになります。こちらを代表しまして、お話をさせていただきたいと思います。歌舞伎町のホストクラブにおきまして、最近の報道に取り上げられました不適切な出来事に関しまして深くおわび申し上げるとともに、真摯に反省の意を表明いたします。今後、同様の問題が再発しないよう、歌舞伎町のホストクラブ業界全体で以下のような取り組みを検討し、この後しっかり話し合いをさせていただきたいと思います。」

①ホストクラブはお客様に幸せな時間を提供し、生活が破綻するような営業を行いません。
②既に発生してしまっている高額な売り掛け被害に関しましては行政機関などと連携し、真摯に対応してまいります。
③売り掛けについては店舗で管理し、ホストとお客様との個人間の貸し借りをなくしていきたいと思います。
④次は高額な売り掛けを発生させないために、来年より支払い時の入金率を段階的に調整し、1月度70%、2月度80%、3月度90%、4月度を100%として売掛をなくす方針を採用していきたいと思います。
⑤20歳未満の入店はお断りし、20歳以上であっても、学生や生徒様には高額な請求にならないようにいたします。
⑥高額の支払いをするために、過酷な勤務を斡旋するなどトクリュウ(匿名流動型犯罪グループ)と呼ばれる反社会勢力との関係を断絶いたします。

「上記の目標を達成するために業界団体を組織し、警察や行政の方の指導をいただき、従業員スタッフの教育や相互の情報交換意識啓発に努めていきたいと思います。お客様、お客様のご家族、近隣の地域住民の皆様、関係機関様、そして世間の皆様にご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。今後は透明性を高め、お客様が安心してご利用いただけるよう一段と努力してまいりたいと思います。」(巻田)

非公開協議を挟んで、協議後の報告・記者質疑


16:05 吉住新宿区長より

〇高額請求で被害者という方々に対する救済措置について、どのように取り組むかということについて、ホストと客の個人間ではなく、あくまでホストクラブ側は企業としてこの債権整理に対応する。

「それぞれのホストクラブでお客様相談室のようなものを作っていますが、ホスト個人とお客、あるいはそのご家族とのやりとりになると非常に曖昧になってしまったり、さまざまな弊害も生じることが考えられることから、基本的にホストクラブ側は企業としてこの債権の整理についてきちんと会社として対応すること。ただし、それがトラブルとして長引いている場合、あるいは難しい案件となった場合には、区の方にも報告をいただいて、区の法律相談窓口なども活用しながら法的な整理を行っていくということで一つ(区も)ご用意いたしました。」

〇売り掛けの制限については、先ほど冒頭、業界の方で自主的に話し合った中で合意
1月以降は70%から10%ずつ入金率を引き上げていき、4月からは売掛金を締めるというふうなルールを業界としてまとめた。
▲20歳以下入店禁止について若年者に対する配慮についてはそれぞれ違う考え方があり、これについてはもう少し考えていただくということで積み残しになった。基本的には20歳以下は入店させないということを業界でも考えていただいていましたが、一方で従来お店に通ってきていた18歳19歳の人たちが今と違って違う業態(コンカフェ等)、あるいは個人店に流出してしまうことによって、かえってコントロール不能になってしまうという課題がありますので、そうした対策も含めて検討する必要があると。

〇反社会勢力との断絶

「性風俗であるとか、あるいは犯罪行為の手はず仲間としてやスカウト集団を初め、薬物の受け渡しですとか、そういったことも含めて反社会的勢力とは関係を断絶するということは合意されていましたので、その点については確認をさせた。」
〇被害者家族とのコミュニケーション

青母連に相談で来ていた一つが、いわゆる洗脳状態になってしまって、(客女性)本人と親もなかなか向き合って話すことができない状態というのがあり、そうした案件があった場合には会社として介入をしてその話し合いの場をセッティングするしていただくということについて、合意。親元、あるいは第三者に取り立てに行く債権の取り立ては各社しないということで、あくまで本人とのやりとりであって、そしてそれが大きな問題になる場合には、きちんと法的な整理をしていくということで合意。
〇業界団体設立について

これら約束事をこれからも業界として守っていくことを担保していくために、業界と連絡会という組織をつくるということになった。前回(11月17日)と今回とを合わせて18グループ(約220店舗)は連絡会に参加する同意を得ている。歌舞伎町内には約300店舗(警察署の許可件数からの推測。重複や廃業もあるため実数ではない。)があるので、参加してないグループ・店舗にも声掛けをしていく。一方で、あまり厳格なルールをつくった時に、連絡会を離脱して独自の営業する可能性が出てくる。脱落するものがなるべく多くならないように、どのようなメリットをつくるかということについて今後(次回会見時までに)業界で話し合っていく。団体設立時期・構成については今後協議。

 

20:44 歌舞伎町ホストクラブ 代表/連絡会事務局 巻田隆之(groupdandy COO)

「今回、自分たちホストクラブの業界の中で、とにかくこういった皆様におかけしたご迷惑と、こういった大変な騒動になっているということで、一刻も早くこの状態を穏やかに普通に営業できるような、お客様皆様に楽しんでいただけるような状態を作りたいという思いから、しっかりと店舗やグループの垣根を越えて話し合いをさせていただきました。ただ、決めたことが結局継続していかないというような状況になってしまったら、こういった努力も無駄になってしまうので、しっかり継続して効果が上げられるような形をみんなでつくって話し合っていきたいと思っておりますので、どうか皆様、これからもよろしくお願いいたします。」
 

21:38 記者質疑

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コロナ禍に"眠らざるを得なかった"歓楽街のガバナンス"。同時に"自浄機能"も眠ってしまっていたのかもしれない。ある意味、国会で塩村さんが騒いでくれたおかげで目を覚ました、という"功"はあったのかもしれない。歓楽街自治に関心を持ってもらって感謝はしてますと。

一方で、未成年等の徘徊、街娼(女性だけでなく、タイ人街娼など)、ホームレス、薬物取引、違法スカウト、客引き、ぼったくり、また貸し、脱税、反社等々・・・何十年も前からの課題ではあるが、ここにきて突然のホストバッシングは、どこかスケープゴート感もあって、正直、気の毒なところもある。直接の要因は、ホストクラブに限らず水商売全般に言える客単価のコロナ禍以降の急騰による弊害という要素が濃い。背景はいろいろあるが、売掛問題に特化しすぎてた昨今の報道にはそこじゃないでしょの違和感しかない。
ただ、今、こうして可視化される時代にあって、バッシングによってお披露目されてしまった様々な”歓楽街”事情、その中の一つとして、ホストクラブの業態の"自浄"がまず先に求められている、今ここ。
思い返せば、ここに繋がった歓楽街問題の最初の可視化の入口は、新しい歌舞伎町の象徴でもある東急歌舞伎町タワーのまさにおひざ元で起きてる”トー横”、そして大久保公園界隈の"たちんぼ"問題だった。歓楽街には古くから内在する常態化した課題の今時の表面現象はであるが、あえて"トー横"などというキャッチ―なくくり方をすることで週刊誌メディアやYoutuber、そしてNPO界隈には格好の"ネタ"を提供してしまった。
常態化がさらに可視化され、むしろ有名になったことで街娼があふれ、買春客も堂々と集まるようになった。コロナ禍初期よりこの問題は指摘され続けてきたものの、無論新宿警察署も新宿区も3年間、策を講じてはきたのだろうが、今をもって変化なし、事態は継続中。行政や警察力の無力を証明、この非常に"不都合な現実"露呈の背景には、売春を違法としながらも寛容せざるを得なかった戦後以来、"集娼政策"を選んできたこの国に内在し続けている事情と法体系によるのは明らかで、じゃあどうするんだ?という議論が置き去りにされてきた事実を国自身、反省はないのか?とも言いたくはなる。また、コロナ禍の3年という特殊な背景も加わって、学校に、バイトにも行けず、友達もできず、貧困・孤独・知能知性の低下、それとSNS時代がかけ合わさったことで、より若年層に特化した形で問題が拡大した側面もある。
ホスト業界がSNSに目覚め始めたのが2016年あたりだった。リアルこその街故か、一般社会より若干遅め。多分それまではこの分野で自分が先頭にいた。そしてコロナ禍、集客どころか稼働すらままならぬ中で、一斉に夜の街もSNSに力点を置く業態の変容が起き、そこで生き残りをかけてエネルギーを注ぐ結果が、ホストたちのアイドル化であったり、それを見て会ってみたい、とくにホストクラブの営業時間が終わる深夜に出待ちする未成年者の増加が起きた。もちろんホストクラブ側も、かつてのアングラ陰キャなイメージを払拭し、アイドル的、あるいは事業者によっては教養重視とか、日陰から日の当たる存在、故に反社とも切れて社会性のある一般的な中小企業化を目指していたこと自体は間違っていなかったと思う。
その表裏というか、今、売掛問題がことさらフューチャーされているが、「売掛けをなくすというだけでは、問題は解決しないと思います。こうした機会を設ける前から、それぞれでまずそれぞれ売掛を規制するとかなくすということを宣言しようというふうな話は出ていたんですね。ただ、それでは問題の解決にはなかなかならない。じゃあ本質的に解決するためにはどうすればいいのかということで、ほかの部分も対処していかなければいけないというふうに思っているので、そこを含めてしっかり考えていきたいと思っております。」(巻田隆之:歌舞伎町ホストクラブ 代表/連絡会事務局 groupdandy COO)
夜の街における、とくに若年層の金銭感覚の異常な高騰について。
吉住「お金の使い方がだいぶ変わったなというのをつくづく感じました。それがごく普通の取引として行われているという現状もお話を聞くにあたって、いわゆる若年者に対して保護しなきゃいけないという観点があると同時に、若年者がそれだけのお金を遊興に使っているという事実もあるということで、今後僕としてはそれに対する対策として高額な支払いをするところにあまり出入りするべきでないというそういうキャンペーンをやっていこうと考えています。」と吉住区長。会見の最後、区の施策としてもまず最初に「私の方からも本当に売掛金をなくす。それなくしたら、この問題がなくなるものではないというふうに認識しています。そういったことを防ぐには、これはやはり先ほどちょっと金銭感覚の問題でお話し申し上げたんですが、やはり身の丈に合った金額ではない契約をしてしまうことをまず防がなくてはならないと考えています。
そのためのキャンペーンも今月行う予定でいるんですが、やはり消費者の側も高額なお店に行って、自分の生活が破綻するようなことはやめてもらわなくちゃならないんですね。そのことは、やはりどうしてもきらびやかな世界なので、ちょっと足を踏み入れてみたいなと思って一歩入って二歩三歩とだんだん深みにはまっていくというのがと大体言われている被害者という方々の話ですので、そういったようなところにまずそういったお支払いできないあるいはもともと行かなくても済むような心持ちを持てればいいんですが、どうしてもその楽しさ、きらびやかさを求めて繁華街には人が集まってきますので、そこで身の丈に合わない遊び方をしないような啓発をやっていきたいと思っていますので、その辺についての広報も、ホストクラブだけが悪いということを強調することも、必要かどうか皆さん(報道)の価値判断だと思うんですが、同時に支払い不能な金額のお店に入ってしまう人が減っていくような、そうしたメッセージも発信していただければありがたいなというふうに考えています。」と区長は報道各社にむけて訴えていた。
区長は言及しなかったが、"パパ活"の問題に起因する部分が多い。売春もあるにはあるだろうが、どちらかと言えば、売春せず、若い子らが低リスクでお金を稼ぐ手法が定着してしまった、という現実がある。愛知県警が逮捕・起訴した案件で、"パパ"から被害届があって女子大生がパパ活で得たお金を詐欺として立件されたわけだが、というように、そこに嘘や詐欺的な要件があっての"被害"として立証されれば犯罪になりうることも明らかになった。ホストクラブ自体の単価高騰については、ドンペリが7万とか言ってたのはつい数年前、いまでは30万とか60万とか。一つに円安もあるが、高額な酒類が希少になったり、またラベルを変えてどんどん発売される背景には、中国の成長もある。かつて10倍(酒原価の10倍)が水商売の料金だったものが、例えばホストクラブはその高騰した原価に対し、今は13倍が相場だとか。
端的に言えば、パパ活だけでなく、詐欺のお金の流入がある、と自分は感じてきたし、そう指摘してきた。だが、現に高額な支払いを現金でする客が増える以上、高額なメニューを用意するのは機会損失をしないためには必要な手段でもある、という見立てもできる。
また、自浄機能で多分補えない(届かない)いくつかの課題、むしろここが本丸。古くなった風営法や売春の法的な考え方、そして行きつくところ、経営の透明性。とは簡単に言うが、透明性を担保する、市民感覚とは逆行するそこは国の持つべき権能である。国の在りようともかかわることなので、新紙幣発行前に、例えば追跡可能な紙幣技術と異常な現金取引を検知するAIシステムなどについて与党幹部に議論を投げかけてたところ、途端にパーティ券の裏金問題が噴出し、おやおやと・・同じ課題に突き当たる国と歓楽街のてんやわんや、という構図、なんだかなあと。政治の自浄機能と歌舞伎町の自浄機能、会見を見てても、どこか似て見えてしまう昨今です・・・
さておき、ホストクラブ300軒、就業者数6,000人(年間で約700億市場。ちなみに歌舞伎町全体の就労者数は2万人程度)、年間延べ人数100万人(歌舞伎町全体から見ると来街者数の1%強、ホストクラブの顧客ユニーク数は2万人くらいと推察)のお客を抱える歌舞伎町のホスト業界。全国比でも50%弱のシェア率を誇るこの街の基幹産業でもある。さらに、ホスト事業者の多くは、その抱え込む従業員数からくる多彩さから、ホストクラブだけではなく、飲食、美容室、アパレル、クリエイティブ、文化・エンタメ等様々な事業も展開している。ホストクラブから、歓楽街のガバナンスを適正化していこうとする試みは、街全体にとっても十分大きな影響力と責任を持つ。
コロナ禍に眠りについた歓楽街が目覚め、さて、どこまで、というか程よいところに向け、自浄機能が働けるかどうか、やっと今、一歩目というところです。

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