歌舞伎町にビックカメラが進出!―シダックス×ビックドラッグ(免税店) 12月9日(水)セントラルロードにオープン [まちづくり]
送信者 Shinjuku,Kabukicho 2015 |
《シダックス新宿セントラルロードクラブ》http://www.shidax.co.jp/sc/shoplist/open/renewal/
新宿区歌舞伎町1-17-10 ブリックビル2F-10F
℡03-5287-1260
営業時間:年中無休 11:00~翌5:00
《ビックドラッグ シダックス新宿セントラルロード店》
新宿区歌舞伎町1-17-10 ビリックスビルB1F-1F
営業時間:年中無休 11:00~23:00
http://www.biccamera.co.jp/shoplist/shop-402.html
「ビックドラッグ」は従来のビックカメラよりはだいぶ狭いが、その分、これまで各店で蓄積された訪日外国人観光客の購買ニーズのデータをもとに、「売れ筋」だけを集中して品ぞろえさせたという。医薬品では、例えば外国人観光客に人気の高いサプリだけでも3千種類をそろえているとか。B1家電のフロアにはやはり人気のヘルス・ビューティ家電や炊飯器などが集中的に揃えられている。
シダックスとビックドラッグ、ともに外国人観光客に極めて重きを置いた運営設計ということもあって、英中韓国語など多言語対応のコンシェルジュを配置しているのも大きな特徴。
「新宿東口の南側には、私ども、ビックロであったり新宿東口駅前店であったり、かなり多くの外国からのお客様、日本人も含めご利用いただいてます。ただ、(新宿東口の)北側(歌舞伎町など)にもホテルがたくさんあり、限られた時間しかないお客様にとっては、なかなか、弊社店舗までお越しいただくのは難しい。また、(歌舞伎町の)中を拝見しますと、免税でお買い物をされているお客様がかなりいらっしゃる、長蛇の列もできているという現状を踏まえますと、まだまだ(歌舞伎町に)チャンスはあるのかなということで、店舗の面積は210平米とビックカメラとしてはちょっと小さい、また、ビックカメラとして出店しますと、お客様が大きな店舗を期待してお越しになられる、いざ来ていただいたときにえっ?と言われる可能性もあるのかなと。で、社内で協議をした結果、『ビックドラッグ』であれば(訪日観光客に)喜んでいただけるのではと検討し、出店に至りました。」(堀越雄氏:株式会社ビックカメラ執行役員)
「旅の最後に仲間内でパーティを開く、じゃあ東京でそういう感じのところがどれだけあるか、ホテルの宴会場では高くつく、個室を持っている居酒屋さんもそう多くはありません。私どもはこの『個室』が大きな売りですので、この『個室』で和食を楽しんでいただき、仲間と気兼ねなく盛り上がっていただき、旅の最後の思い出に、日本のアニメソングを歌っていただけるような、そんな施設を目指していきたいと考えています。そして、ショッピング、ビックカメラさんの店舗を入れることで、プラスオンの、これで訪日(外国人観光客)目的のトップ2を完璧に押さえることができるのではと確信してます。」と吉澤勉氏(シダックス・トラベラーズコミュニティ株式会社取締役事業本部長)
シダックスの"日本の食、ショッピング、そして日本のおもてなし、カラオケのエンターティンメントをワンストップで提供できる施設"としての第1号を歌舞伎町セントラルロードにオープン、「ここで外国人観光客の動向、要望をたくさん吸収し、今後の展開につなげていきたい」とのこと。
シダックス店舗スタッフのユニフォームも、女性は作務衣風の和テイスト、男性はホテルコンシェルジュを意識したユニフォーム。紹介しているのが吉澤勉氏(シダックス・トラベラーズコミュニティ株式会社取締役事業本部長)。ちなみに吉澤氏は元ヨドバシカメラのインバウンド担当責任者、シダックスにヘッドハンティングされて入社1年ちょっと、シダックスのここから始まる変化は、吉澤氏にとっても大きなチャンスでありチャレンジなのではないか。
背景には、カラオケ業態の客単価の低迷、一方で、特に中国人観光客のカラオケ人気という部分が、どちらかというと業界では保守的なシダックスを動かせたのではないか。"訪日外国人"とは言っているが、明らかに、中国人観光客をターゲットした業態変化と言える。
ビックカメラの堀越氏も言っていたが、歌舞伎町界隈に訪日外国人の宿泊するホテルが集中して開業していることから、一つには、歌舞伎町から新宿駅西口や東口駅前は若干距離がある、ホテルに帰って、買いそびれた、食べそびれた、そんな訪日外国人ニーズは確実にあり、客室数が膨張している歌舞伎町のホテル近接の"免税店"はイケると見た、ということなのでしょう。
中国人観光客の数としての伸びは鈍化してるといわれるが、一方で、買い物額自体は伸びている、さらに中国人以外のアジアからの訪日外国人の伸びのほうが大きいということなので、今回のシダックスの業態変化、ビックカメラの出店は、今後の歌舞伎町における『物販』の可能性を探る上でも、一つの目安になるだろう。場合によっては、良いイグニッションになるかもしれない。
ビックドラッグの23時までというのは、従来のビックカメラより遅いわけだが、これは、従業員の帰宅時間を考慮してのもの。眠らない街に居を構えるのだから、シダックスの朝5時までとは言わないまでも、もう少し遅くまで営業すればいいのにとも思うが、これも、大店法に掛からない小規模店舗だからこその強みを活かしてほしいとも思う。"爆買"をターゲットした名税店はまだまだ増えるだろうから、その中で埋没しないためにも、まずは営業時間を遅くまで伸ばしてほしいなと。
12月11日には新宿プリンスホテルは来年2月にかけて改装中で、その第一弾としてB1に新たなカフェバーがオープンする。(写真=新宿プリンスホテルB1「STATION Cafe & Bar」)この背景も、やはりインバウンド対応。たくさんの買い物をしてホテルに帰る訪日外国人が増え、そういった荷物を置くバックヤードが足りなくなっている。新宿プリンスホテルの場合はB1にフロントがあるのだが、その配置を変更し、バックヤードを拡張、そして、これを機にカフェ飲食のテコ入れをした『結果』がカフェのオープンである。区役所通りのシタディーンセントラル新宿東京もフロント階を改装中だし、今の歌舞伎町は、まさにインバウンド対応に向けての設備投資がすさまじい。
さて、この勢いはいつまで続くのか?という懸念もないわけではない。
二つの時系列で、二つの不安要素を提示しておこうかと思う。
一つは、これまで人民元は、その通貨量が不透明だったり、贋札が莫大に出回っていたり、さらに中国人の所得把握が進んでいなかったこと、これらがSDR加入までに大幅に規律化(=粛清)されることになる。"爆買"のベースにあるのは、この"粛清"前特需であり、あるいは中国から日本へのロンダリング的な資産移動もある。特需は間違いなくSDR加入までは続く。言い換えれば、SDR加入後、中国人特需はがくんと落ちるだろう。
二つ目、それはSDR加入後のいつか。
これは間違いなく人民元の為替の変動相場制への移行圧力は強まっている。SDR加入後間もなく中国の金融市場は完全なる自由化の時代を迎える。これまで中国は実体経済よりだいぶ元高に誘導されていたわけだから、自由化が進むにつれて下落、人民元増刷などでさらなる元安で、例えば中国内ドル建て債務企業は大幅に財務状況が悪化、中国の消費経済は大幅に落ち込むだろう。
つまり、2016年後半は中国経済の規律化による減速、そのあとの数年内に、人民元の大幅安によって、中国人による購買動向がどのくらい落ちることになるのか、合わせれば数%、というレベルではない。逆の読み、人民元の流通量が爆発的に拡大し、元が円やドルを凌駕、覇権通貨になっていく可能性もないわけではないが、可能性が大きいほうはやはり、"爆買"特需は2016年前半まで、中国人以外の各国からの訪日観光客数は増えていくと思われるので、その増加とどのくらいまで相殺されるのかによって、歌舞伎町のみならず、日本経済も大きく影響を受けそうな気がします。
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