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木を見て森を見ず。備忘録。 [その他]

先日、歌舞伎町・駅界隈から一斉にスカウトがいなくなった。その日、その瞬間だけのことかもしれないが、何かのガバナンスが効いたのはわかる。
全員逮捕されたか(多分それはない)、警察の動きに警戒してスカウト側が一斉に引かせたか。あるいは住吉が手を回したのか、住吉に所轄から圧力をかけての現象か。いずれかにせよ真相は見えにくいが。
警視庁の本丸は、ナチュラルの完全壊滅(ナチュラルの活動範囲は歌舞伎町だけではない。当然歌舞伎町以外の繁華街にも影響はある)。
記者連中も気づいてはいるのだが、ナチュラルの件は絵にとりにくい、そもそも記者もビビッてそっちの様相をつかめない故、報道の論点が絵が撮れる個別案件である"売掛問題"という「木」というより一本の「枝」に集中、それもなんだかおかしな話。

整理すると、今回の件、二つの側面があって、一つは大久保公園界隈のたちんぼ(すでにほぼ散ってしまったが)問題、二つ目は海外売春にも広がった日本人女性の人身売買構造の問題。
前者と後者、要は「売春」の話ではあるが、属性的には大きく異なり(グラデーションで重なってる部分もないとは言えないが)、前者はスカウトも手を出さない、言ってみればどこの性風俗も雇ってもらえない、あるいはシフトから外されるなんらかの問題のあるコたち。(知的障害、疾患、その他理由は多々)。
後者は、ナチュラルのインフラに属する範囲(ホストクラブ:人材供給、ホステスクラブへの経済循環、ホステスクラブ:人材供給とホストクラブへの経済循環、コンカフェ:人材供給、次世代マーケット創出、案内所:ホストクラブ新規顧客の獲得動線、金融:売掛回収、性風俗斡旋:海外も含む人身売買)

前者の対策としては、なにかしらのセーフティネットで救済を、ということになる。「売春」もセーフティネットでは?という議論はさておき、具体的にホストの一部行き過ぎた売掛「も」その理由の一つであれば、取り消しなどの支援をするのは理があるのかもしれない。立つ場所の差配のためか反社(極東会系)のケツもちはある(ホームレスと近似)ようなので、すでに散ってしまったとはいえインフラは残りそうだが。
後者の対策としては、まず、ナチュラルの完全排除を警察は掲げている。が、影響範囲や近似的な構造は全国に及ぶ(都内でいえば港区、銀座、吉原 etc.)。また、ナチュラルの代替組織もできてくるだろうし、広域指定暴力団と同等もしくはそれ以上の支配力があるのであれば、指定を含め、縁切りさせようというなら注意(警察の保護など)が必要、とか?

■「売春」をどう考えるのか。
ホストクラブにつぎ込んでも、大方の女の子たちの稼ぎの主戦場は、パパ活、港区界隈(いわゆるミニ三木谷たちパパからの収入)、次いで、もしくはかねてラウンジやキャバクラの収入、女子がさほどのリスクなく(売春もすることなく)月に100・200と稼げる環境が出来上がってるわけだが、そこだけだったらさほど問題ではなかったはずだ。
問題になったのは「たちんぼ」であれ「出稼ぎ」であれ、「売春」がそこが目に見えているからだ。
とくに、海外出稼ぎインフラはハワイ、オーストラリア、ロサンゼルス、ニューヨーク、マカオ、最近はラオスが拡大中だとか。すでに昨年ぐらいから海外で摘発されるケースも多かったので、その裏返しで国内の締め付けに繋がり、今年の春ごろから警視庁は動き出していた。
「人身売買」で犯罪そのものだし、送られるコたちのリスクも相当高い。当然対策はあって然るべきだが、一方で、コロナ禍に国にも見放され、店も弱体したコロナ禍にあぶれた性風俗の従事者たちのニーズから育ってしまったインフラでもあることも忘れてはいけない。
このコロナ禍による性風俗従事者の貧困は、「大久保公園」界隈にいた「たちんぼ」たちと共通する点ではある。

国レベルから見て、「若者へのケアが必要」という、相当雑な言い方、まあきれいごとの範疇ととらえるべきなのか、もう少し狭く、「売春によって生きているコたち」へのケアが必要≒「売春」はセーフティネットか否か、という視点も本当は議論として必要な気がする。
海外の人たちにいわせれば、日本は、事実上「売春」が合法状態の驚くべき国で、ソープランド然り、またそういうところから一定のニーズも生まれているわけだが、どういう政策をとっていくべきなのか、風営法の根本に立ち返り、議論したほうがいいように思う。もし風営法改正議論に参加する機会があるのであれば、個人的には時限的にも「売春」の合法化から入って組み立てなおすべきと考えている。
ホストクラブの売掛システム等の根底にある、風俗店の店と従業員(個人事業主)の委託関係の「委託」は、そもそも「売春」を寛容(と監視)のためにつくったまわりくどい法律構造ゆえにできたものなので、「売春」を残すのか無くすのか(無くせるのか)、また、ソープランドと書いたが、事実上、国内売買春はSNS等による個人間の取引が主になりつつある中、これが適正とはとても思えないはずなので、SNSについても風営法上の改正や運用上の論点になりうるかと。

■歓楽街のガバナンス問題

コロナ禍に店を閉めたり大量に解雇したことで大きなが穴があき、ガバナンスが大きく変容した。ヒエラルキーのトップにいた警察とヤクザ、案外この両者の影響力の低下が大きく関わっている。
見えてる故に問題になっているナチュラルだが、手法としては、昔からある通称"名古屋方式"そのものだ。入口は女性をターゲットし、スカウトし、媒体で求人し、歓楽街で働いてもらって、ホストで金を使わせて、掛けをつくらせ、性風俗・売春に呼び込む、ついでにホストにもインカジで消費させて、その上がり、全部が弘道会に、という方式。
それってやりすぎだろと、昔気質のヤクザと今時のヤクザの争いが山口組分裂へとつながった。ただ、弘道会が強い分、名古屋では表面化しにくい(ガバナンスが効いている)一方、ヤクザ(住吉)のガバナンスがそれほど効かない歌舞伎町で、自主的に「暴力」というガバナンスを強めたナチュラルゆえに、傷害等の事件から可視化されてきてしまった、というのが今。
今回メディアに露出した最初の事件「頂き女子りりちゃん」は実は名古屋の案件からはじまった。名古屋の女子大生がパパ活でおじさんからお金を巻き上げ、その被害者も愛知の人で、女子大生が「頂き女子りりちゃん」から指南をうけていたのだから、ということで愛知県警は「頂き女子りりちゃん」を逮捕、そしてりりちゃんに貢がせていた歌舞伎町のあるホストも「犯罪収益と知って貢がせてたならけしからん!」と逮捕、実質起訴まで行ってないにもかかわらず、ニュースでは大きく取り上げられた。倫理的には兎も角、これまでの法の運用を覆す、愛知県警的には画期的、横取りされた警視庁的には「イラっ・・ムカッ・・」な事件。愛知県警と警視庁のメンツ争い、という側面も今回の件で背景にある。

警察庁は、長官がナチュラル等、売春に紐づく人身売買の全容解明を掲げているが、そんなことは実際には無理だろう。
「流動的」というように、構造は組織的ではなく、あくまで「人」に依存したものであって、入れ替わりも激しい。
もし、通貨紙幣をなくして、一切、電子化できるのであれば、違っては来るかもしれないが。ここは世界から袋叩き状態の日本の「円」。マネロン自在なこの国の状態を財務省が一番よく知ってるわけだが、一方で、意識も含めて警察が一番弱いところでもあり無頓着でもあり。(よって最近は警察庁から財務省への出向も増えているとか)
六代目山口組もそうだが、この「匿名・流動型犯罪グループ」の一番の稼ぎは、本当はここじゃなくて詐欺なわけで。
詐欺の金が流入することでホストクラブやキャバやクラブの"単価"の異常な高騰につながったと私は感じてきたし、そのあおりで、世間知らずなコが身の程知らずの借金をつくる土壌になってしまった、ということを念頭におくべきだし、そもそもお金に色はないという日本社会を根本から変えるつもりがないと、どうにもならないしできないのではないかと思う。まあ、いつかは、10年後くらい?にはできてるかもしれないが。

スカウトが一人もいなくなった歌舞伎町は静かで平和だった。
女の子は「誰も声をかけてこないんで歩きやすい」と喜んでいた。

騒いでいる大人たちより、ここで生きてる若者たちのほうが全体像を知っているんですよ。リアルなのでね。
で、みんな注目してる。酒の肴?的にも。今回の動き。「またか・・」というのが本音でしょう。そして表層のセンセーショナルなところだけを拾って対策したとかうまくいったとかいうのでしょうが。
実際は、売名?手柄の取り合い?まあなんでもいいが、中途半端な対策になるだけで(もしくは余計な闇をつくっちゃったり)、これまで通り、歓楽街で生きる人たちは、その処世術でやっていくしかないのだろうと。そういう意味での自粛モードに入った今、すでにガバナンス、効き始めている歌舞伎町でした。

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2023年11月17日 新宿区緊急記者会見「歌舞伎町におけるホストクラブやメンズコンセプトカフェでの高額請求被害対策について」 [まちづくり]


/KABUKICHO OFFICIAL ARCHIVE/ 2023年11月17日 新宿区緊急記者会見「歌舞伎町におけるホストクラブやメンズコンセプトカフェでの高額請求被害対策について」(ノーカット)


令和5年11月17日(金) 午後3時30分より 於:新宿区役所大会議室

新宿区緊急記者会見「歌舞伎町におけるホストクラブやメンズコンセプトカフェでの高額請求被害対策について」

出席者:
新宿区長 吉住健一
歌舞伎町商店街振興組合 理事長 杉山元茂
一般社団法人青少年を守る父母の連絡協議会 代表 玄秀盛
同 事務局長 田中芳秀
新宿警察署長 永野雅通

00:00 新宿区長吉住健一より概要説明
04:55  歌舞伎町商店街振興組合理事長 杉山元茂より 組合の今後の取り組みについて
06:50 一般社団法人青少年を守る父母の連絡協議会 代表 玄秀盛
14:32 新宿警察署長 永野雅通 挨拶
15:20  記者からの質疑応答
58:40  新宿区長吉住健一より閉会の挨拶

■新宿区の取り組みについて

吉住区長「区内でおきている消費者被害であり、時に、犯罪的行為もみられる。新宿区は、消費者保護の観点から、被害者や被害者家族からの法律相談をするとともに、関係協力機関との連携をする。今後、キャンペーン活動を通じて、支払い不能なつけ払いでの飲食を未然に防ぐと同時に、無理な請求を受けた人が、安心して相談をできる体制づくりを進める。」

として、以下取り組みについて説明があった。

①法律相談

通常法律相談は住民を対象に行っているが、新宿の繁華街で発生している売掛問題で苦しんでいる方々の相談を受け付ける。

従来は30分の1回のみという形だったが、今回は1時間かけて2回まで相談に乗ります。場合によっては、その相談をいただいた方が、弁護士さんと相性があった場合には受任をしていただく、ということまで進めていく体制をとる。

②ホストクラブをはじめとする繁華街で営業する皆さんへのお願いとして、売掛システムの自主規制の要望

ホストクラブをはじめとする繁華街で営業する皆さんへのお願いとして、問題となっている売掛制度の自主規制を求めていく。

現在、ホストクラブ経営者と自主規制の業界ルールをつくるべく話し合いをすすめている。ただし、その場しのぎでは困る。実効性のあるルールをつくり、多くの店舗で守られることが確認できたうえで公表をする予定。業界として、自主規制のルールを横並びとするために、業界団体の結成を要請している。組合、あるいは連絡会に入ってしまってルールを守っていると儲からないので、自分だけ自由放題にやるという状況は避けていきたいと考えている。未成年を対象としたメンズ・コンセプトカフェについても憂慮している。こちらについては、今後警察署と情報共有を図りながら、判断能力が未熟な若年者に対しての支援方法を検討していく。

③繁華街へいらっしゃるお客様へのお願い

・本当に好意をもっているなら、常識を超えた高額な請求をするわけがない、という恋愛の基本的なところを理解していただきたい。将来交際をするとか、結婚をするという間柄で、売掛金を払わせるために暴力をはたらいたり、過剰な労働をさせる人はいない。

・恋愛感情を持つ女性を性風俗に従事させて売掛金の支払いをさせる男性はいません。そうした男性は、そもそも恋愛詐欺師であるということを認識してほしい。

・常識的に支払い不能な売掛金を背負わせ、家族のところに請求、もしくは取り立てに行くような人間を信用しないでください。

お子さんの支払いが滞って請求をされているご家族の皆さんは、恥ずかしがることなく、区役所や歌舞伎町商店街振興組合、あるいは青母連さん(青少年を守る父母の連絡協議会)、あるいは警察署に相談をしてください。相手はマニュアルを持っていて騙してくるプロです。そのプロが相手ですから、騙されたことを恥ずかしいと思わず、困ったときは必ず相談をしていただきたいということを訴えたい。


■歌舞伎町商店街振興組合としての取り組み

弁護士らによる相談窓口の設置と、安易な売掛行為を行わないよう街頭放送などを通じて注意喚起・啓蒙活動を行っていく予定

「地元の商店街振興組合として、相談窓口の設置を考えている。過去7年前、東京弁護士会の協力を得て、当時「ぼったくり110番」を執行組合内の事務局に設置、実施した事例を参考に、今回も同様な取り組みをすすめたいと考えている。

今後のさらなる被害を未然に防ぐためには、注意喚起、啓蒙活動を行いたいと思っている。いわゆる売掛行為を安易に行わないよう、とくに知識や経験の乏しい若者の方々に、例えば今も客引き防止などの街頭放送を通じて注意喚起をしている。あるいは、店舗にポスターの掲示などをして、注意喚起・啓蒙活動ができればと考えている。」(杉山理事長)


■新宿警察署

「歌舞伎町におけるホストクラブやメンズコンセプトカフェでの高額請求事案が犯罪行為に該当するケースは、警察が関与するものとして事件化を図るなど対応していく。ホストクラブやメンズコンセプトカフェ店舗に対する立ち入りを通じ、行政指導、取締を行うなど、引き続き違法営業店の排除を進めていく。」(永野新宿警察署長)


なお、会見を締めくくって吉住区長は、「歌舞伎町の歴史についても触れつつ、この街で、社交飲食業に類する営業をされている皆さんに訴えかけていきたい。この街は、第二次世界大戦によって破壊しつくされた状態からスタートした。その復興協力会の総会の席上で、歌舞伎町の生みの親ともいえる鈴木喜兵衛氏が述べた言葉があります。

"道義的繁華街を設立したい。ものを売るにも、お客様の立場になって商売をする、これを道義商道という。この道義商道に基づく繁華街を建設したいと考えています”

東洋一の繁華街として、また歓楽街として、多くの方に夢も持っていただいたし、楽しんでいただいてきた街です。しかし、今起きていることは、この状況を見た時、これまでの先人たちの努力、あるいは志と言ったものが本当に生かされているのか、そういったことを現在この街で商売を営んでいる皆さんには再認識をしていただきたい。こんな街を造りたいと思っていなかった・・そういう思いをきっと、先人たちはもつと思います。

歌舞伎町で社交飲食に類する営業をしている、賢明なる、また、プライドをもって仕事をされている方々がいるのも事実です。そうした方々とともに、この街が再生するには、今が最後のチャンスであるという認識をしていただいて、ちゃんとしたルールを自分たちでつくって、自分が儲けたり金を集めるために、他人を不幸にしていいなんていうことを、この街の商売のルールにしてもらいたくない。」と訴えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
所詮、幻想を売る街、酒の原価は1割ってとこだろう。この街はただ酒を売っているわけではない。10倍の価格で酒を売る、そのためには相応の付加価値が求められるのは当たり前だ。それこそバーであれホステスクラブであれホストクラブであれ。そのための嘘と幻想にまみれた物語の中で、自分が何者であるか、その金がどういう出自のものか、本当のことは誰も問わない。
物語だからこそ、特異な人生話は酒の肴になる。雄弁に語るその話、でもそれ、本当ですか?
そもそもこの街で、大半の人は、他人の話をまともに信じたりしない。そもそも聞いていない。のらりくらりと、ただ楽しければそれでいい。そして自分の人生に深手を受ける手前でひらりとかわし、夜の街を退散するのが、こうした歓楽街を楽しむ、持つべき当たり前のスキルだ。
だが、そうした与太話をまともに信じちゃう人が出て来ると、波風が立ったりもする。これが厄介。コロナ禍以来、どうもその"厄介"が広がった気がする。適当なところで、じゃ気が済まない人たちが増殖した。推しにハマるコたちだけではない。マスコミも含めて。どこか社会に"余白"のようなものが無くなってきているのだろう。とはいっても、人は誰とも繋がらずに生きていくほど強くはないし、恋もする。ちょっと深みにハマる入口あたりが面白いのだが、そこはなかなかコントロールは難しいかもしれないなあとも思う。
会見はどこか気持ち悪さが残った。ホスト業界側にも問題があるのは事実だが、どこか感情がホスト側に持っていかれる。それはたぶん、昭和な価値観の押し付けのようなところがあるからだろう。性風俗で働くコたち、好んでホストクラブで遊ぶコたちの尊厳をどこか平気で傷つけているように感じてしまう。個々人や一NPOの単体の思想は自由だが、そんなパターナリズムに「公」が乗っかるそのたりは、まあ一理はあるにせよどこか気分が悪くなる。また倫理感と犯罪をごっちゃのしているところも雑すぎる。
ホストクラブ等における行き過ぎた売掛け(※ここでいう売掛とは、一般的な商法としての売掛ではなく、昔からホストクラブやホステスクラブにある独特な売掛システム。要は、お客の支払いが足りない分をホストホステスが立て替え、お店とではなく、客とホストホステス間の貸借とする。売り上げの割合として2~3割が店側、残りはホストホステスと客側の裁量なので、店側の売りが200万なら見かけ上1,000万の売り上げになる。これがアドトラックなどにみられる誇大広告になってる。)というシステムは、歓楽街慣れしていない、また判断能力が足りない若年層等にとって闇落ちする危険があるから抑制しなくてはいけない、という取り組み。かつて「ぼったくり110番」設置時にフィールドワークという名目で被害者相談をボランティアでやってくれた東京弁護士会であるが、その所属する弁護士たちにしても、今回のケースは悩ましいようだ。
法的な立場からでも両サイドいて、話題にはなるが、なかなかまとまって動けるかどうか不透明な感じもあるようだ。現実には、民事の個人間の貸借だし、ただ、一部見受けられるように回収行為に違法性があれば、取り消せるかもしれないが、一方で回収される側も支払う条件として色恋を求めるケースもある。問題はそこら辺にある。
ソープランドではよくある話だが、やめさせたい女の子がいて、しかし簡単にやめさせられないという問題がある。やめさせようとすると逆に「管理されてた」と訴えられてお店が売春防止法で摘発されるというおかしな逆転現象が起きる。それが怖くて女の子をやめさせられずにいたが、コロナ禍、客足が引いて休んだり店を閉めることで、これまでやめさせられなかったコたちを堂々とやめさせられた。そのことで一斉にあぶれた性風俗のコたちが行き場を失って、例えばたちんぼに、という側面もあるわけで。訴える売春嬢たちにはだいたい同じ匂いがつきまとう。
本丸は、ちょっと違って、もう少し闇深い、先日、警察庁長官は「ホストクラブの(女性)利用客が高額な料金を請求されて支払い資金を捻出するため売春をさせられる事案が発生している。匿名・流動型犯罪グループ(旧準暴力団)が背後で不当に利益を得ている可能性がある」と言及、念頭にあるのは、スカウト組織ナチュラル。回収業者+スカウト+性風俗斡旋行為の連携部分がシンジケート化し、海外業者を通じての人身売買などで反社資金源になっているのではないか、と。通達は今年の春にあって、警視庁はこの件で重点的に捜査を重ねていた。これまでの暴力団排除の中で明確になっているのは案外経営側はクリーンなケースが多い反面、昔から、プレーヤー(ホスト)側が独自の反社との関係を持っているケースは確かにあった。ここが回収・スカウト・性風俗というルートをつくっていて、いわばミカジメの形になっているのではないかという見立て。
かつてはスカウトのコなんかとお茶を飲みながら話を聞くと、実際にいろんな女の子から連絡が入ってくる。やれ整形したいからいいところしらないか、マンション探してとか、AVにでたいとか出稼ぎしたいとか、無論推しにつぎ込むため、いい仕事ないかとか。まさにスカウトは歓楽街で働く女性たちの万相談所の体だった。印象としては、女の子のほうから相談してくるイメージで、スカウトはその対応に追われている印象。良くも悪くも緩さがあったし、確かに歓楽街のインフラを繋ぎ合わせれば警察庁のみたてのようなことは可能かもしれないが、普通に考えればこれって組織化するのはだいぶ面倒だしリスクも高い。海外出稼ぎなんかは事実上人身売買、確かにコロナ禍に仕事にあぶれた風俗嬢たちのニーズから生まれた副産物に見えるが、今時無理やり売れるわけでもないし、見てきた歓楽街の景色はどちらかと言えば女性主導な社会。ただ、コロナ禍以降、実はこのナチュラルの登場以来スカウト界隈は大きく変容したようだ。とみての警察の捜査。確かに表面に出て来る犯罪事例は過激ではあるが、どちらかというと暴力による内ゲバというか、反社側のガバナンス強化による事件と見える。かつてのエージェントやその他のスカウト組織とは違う強い支配力があるように見えるのだが、どうだろうか。
キャバ嬢、性風俗だけでなくホストにも人材を供給、加えて回収、金貸し、ホスト初回客向けの案内所、海外に性風俗(売春)店舗を複数もち、おそらく歌舞伎町内にも事実上の傘下の店(コンカフェやネットカジノ等)を複数持っていると見られる。つまり、自分でホストをいろんな店に供給し、自分たちが供給したホステスをホストクラブに行かせて売掛をつくらせ、自前で回収、金に詰まると闇金、さらに傘下に派遣できる性風俗を国内外にもつ。コロナ禍の隙間に入り込んで、ヤクザをも抑えて肥大化した、警察の本丸は、ここの切除手術。完全除去ができるならそれにこしたことはないのかもしれないが、どうだろ。そもそも彼らの主戦場はここじゃない気もするし。
話は戻るが、売掛の話。全体を見るとそうとう薄っぺらい表面の話であることはわかるかと思うが、経営側は所謂売掛抑制に動くのはそう難しくない(元々大半の店側は抑制的)、問題は業務委託側の個々のホストが貸借で呑ませる仕組みを放棄するかどうか。またこれまでの債権はという問題、しかし、ここで前例をつくると問題は銀座や祇園に一気に飛び火してとんでもないことになる。元々、棒弱無人なクレーム客ってのは一定数いて、その対応に苦慮してきた夜の街。ストーカー客とかその棒弱無人ぶりが増長されるんじゃないかなと思ったり。
もう一点、資金洗浄。来年新札発行を控え、だぶつくグレーな現金の洗浄が急務で、歓楽街の犯罪インフラに脆弱な会計構造に流入しているのではないか、という点もあると聞いている。
確かに、自分が何者であるか、お金の白黒に無頓着どころか誰も気にしない歓楽街ではあるが、例えば、ホストクラブで若い女性が持ち込むその現金5,000万、一般論としていったいどういうお金?ということにはなるだろう。
「株や投資で儲けたコが最近増えてる。」なるほど、そういうこともあるかもしれない。キャバクラで毎日何百万と豪遊する若者もいるようだが、彼らはその数か月後、ぱたりと来なくなって、しばらくしたら詐欺で逮捕されて新聞にでてたとか、そんな話も耳にする。クレカやコード決済が主流になりつつある中、お金に色はないという時代も終わりに近づいてきているが、出自と記録の面で匿名性を求める故、現金経済の歓楽街にはまだまだマネーロンダリングのインフラが存在している。かつてカジノ誘致の件で、故石原都知事と話したときに、「グレーな資金との付き合い方をどう考えるかが問題だ。」と話していた。そう、マカオなどカジノでの現実は、犯罪収益の洗浄にカジノが使われている。日本のみならず世界の株式など投資に流入する資金の相当の割合を犯罪収益が支えていることにも触れて、これをどう考えるか、ということ。いくつかのマネロンらしき事例を所轄の警察との懇談で話をしたことがあるが「奴らはそんなに賢くない」と言っていた。確かに末端には見えないかもしれないが、全体として、どういう構造になっているのか、所轄レベルでももう少し想像を働かせたらと思ったものだ。
ルフィの案件で、これは2課とだが、歌舞伎町の客引きを捕まえてみたら?とアドバイスをしたことがある。いわゆる闇バイトのインフラに含まれる、属性的な共通点と、また、2010年代に吹き荒れたぼったくり事件の背景にある"思想"、こんなやつらに制裁をという、いわゆるおやじ狩り的な部分で、ルフィの案件と共通点が多いことからだが、案の定、その後、歌舞伎町から一気に客引きがいなくなった。
とは言え、原価売り等ホストホステスが見かけの売り上げを買える仕組みなど、店側に悪意があろうとなかろうと、コロナ禍以降に変容した歌舞伎町。容易に組織犯罪に組み込まれやすい歓楽街独特の構造は、もう少し防御機能があるシステムにしていかないといけないのだろうな、とは思う。
コロナ禍以降、夜の街の住人達の間でも、格差は極端に広がった。SNSが個人営業化を可能にしたことが大きい。店に手数料を取られずに、自前でキャバクラまがいの営業や、ギャラ呑み、パパ活、投げ銭。何千万も稼ぐコもいれば、肩や、性風俗店にも雇って(近年、容姿レベルがあがり相当競争が激しい)もらえず、パパ活も拾えず、やむなく立ちんぼになる子たち、立ちんぼはリスクも高いしそもそも大して稼げない。日本は法で調整されてはいるだけで、売春は事実上OKなのに、赤線(現代的に言えばソープランド)はよくて青線(大久保公園界隈)はダメというのも理不尽だと思うが、その両者がテーブルを隔てて同じ店内にいて、お気に入りのホストのエースを張り合う。そりゃ、事故も起きるだろうと。
甘い罠と幻想にまみれた夜の街、その中で、それでもプロフェッショナルサービスを志し、まっとうな事業にしたてようとする経営者が大半なのは事実だと思う。そのほうが多分気楽だし、そこでやっていけるコたちはまだよい。とはいえ、まっとうに稼ぐ場所から退場させられたコたちはどうすればいいのか。それでも生き抜こうとするなら、多少危うい罠にもはまらないと、現実、持つもの、持たざる者の格差を乗り越えて行くのに、人生は時間も足らないし困難、というのも一理ある。
今回の件に限って言えば、「調子に乗りすぎたんです。反省はしないといけない。」とあるホストクラブ経営者が話してくれた。「でもあいつら(他の経営者ややんちゃなホスト)いうこと聞かないんです。」と嘆いていた。割と吉住区長はコロナ禍の連絡協議会等で経営者からは信頼されている。警察や行政がはしごを外さなければ、そして警察が頑張ってNと縁切りさせられれば、念願だった自浄機能を発揮しやすくするための組合的な組織づくりも可能になるかもしれない。個人的には、ホストを委託の個人事業主っていうの、いいかげんやめたら?と思う。従業員としてちゃんと管理したらと。
歌舞伎町に限らず、歓楽街という場所は、キラキラした幻想とともに危ういインフラも触れるぐらいの距離感で内在している。いろんな周辺を想像したうえで、投資家は、経営者は、従業員は、そして来街者の心構えも含めて、上手に歌舞伎町を楽しんでもらえたらなと思う。

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【2023/11/3-4開催】 街中パフォーマンス&ダンスイベント「歌舞伎超祭」 [イベント]

2023年11月3日(金・祝)、4日(土)の2日間にわたり、歌舞伎町シネシティ広場(旧コマ劇場前)及び東急歌舞伎町タワーの屋外ステージにて「歌舞伎超祭」が開催されました。

コロナ禍も冷めやらぬ2021年に誕生したこの「祭」は、今回が3回目。来街者がイメージするであろう歌舞伎町への幻想は案外この街に足りない部分なのではないか、やがて10年後20年後の街の姿はどういう姿が望ましいのか、そこに街を"寄せていく"、「歌舞伎町に"色"をつける。」(プロデューサー手塚マキ)と、街づくりの一辺となりうる新たな「祭」として位置づけ実施している。




■歌舞伎超祭

■日時:2023年11月3日(金・祝)開場16:30/開演17:00/終了20:00 2023年11月4日(土)開場15:00/開演15:30/終了20:00?

■内容:広場・ステージ上でのダンスやショーなどのパフォーマンスイベント

■場所:シネシティ広場 (東京都新宿区歌舞伎町1丁目19番先)/東急歌舞伎町タワー KABUKICHO TOWER STAGE・KABUKICO TOWER VISION(東京都新宿区歌舞伎町1丁目29番1)

■入場料:無料

■主催:歌舞伎町商店街振興組合

■後援:新宿区

■協力:一般社団法人歌舞伎町タウン・マネージメント、東急株式会社、株式会社東急レクリエーション、Smappa!Group



【出演】

11月3日(金・祝)
東京QQQ(アオイヤマダ / かんばらけんた / 高村月 / 平位蛙 / KUMI / 山田ホアニータ / ちびもえこ / Kily shakley / MONDO)+???
清水舞手+平位蛙
もしもしチューリップ(KUMI / 山田ホアニータ / ちびもえこ)
DJ Shoma fr.dambosound
11月4日(土)
スティーヴ エトウ+アオイヤマダ
もしもしチューリップ(KUMI / 山田ホアニータ / ちびもえこ)
ブイヤベース
Kz CREW(ChiKa / AOHA / amane / Rio)
五十嵐ゆうや
月ニ蛙(平位蛙 / 高村月)
HIROSUMI&YOSHIYUKI feat マーガレット+ちびもえこ&Chibita
KUMI
かんばらけんた / 高村月 / 平位蛙
レイチェル・ダムール
KABUKICHERRY(momoMc / Jacky / Lune Glitter / Kily shakley / acha / ELLES / SHERI / AYA AVA)
枝豆順子 with KENSUKE / KUNI / SATORU / くまもん
肉襦袢ゲブ美
Kazane×Kengo
弁財天KUMI+月
DJ MONDO
DJ 徳永啓太


■Cast Director

Oi-chan(OIP)

アンダーグラウンドで眠ってる人材をミュージックビデオやCM などのメジャーシーンに送り出す事で、見る人、関わった人の固定概念をぶち壊し、出演者の心と未来を広げる為に活動するキャスティングディレクタ

■Producer

手塚 マキ(歌舞伎町商店街振興組合常任理事)

歌舞伎町でホストクラブ、BAR、飲食店、美容室など20数軒を構える「Smappa! Group」会長。

主催する歌舞伎町商店街振興組合理事の手塚マキ(46・Smappa!Group会長)プロデュースによる、ダンスやショーなどの芸術文化を楽しむイベントとして実施。

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歌舞伎町冬の風物詩〜令和5年度の第18回新宿区役所通りイルミネーションが点灯。11月1日より来年2月末まで、夕方から翌朝の間、 "夜の街"を優しく灯します。 [季節]

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令和5年11月1日(水) 18年目となった歌舞伎町区役所通りイルミネーションが点灯。来年2月末まで、午後4時半より翌朝まで街に光を灯します。

今年も、新宿・歌舞伎町、冬の風物詩、区役所通りの約90本のカエデやイチョウの街路樹に、約12万個の発光ダイオードが灯されました。点灯式に先立って、今年は、16時すぎより東京消防庁の音楽隊の演奏が行われ、17時に点灯、点灯式後はデキシーパラダイスの演奏が街を彩りました。_DSC6461-強化-NR_blog.jpg
このイルミネーションはNPO法人 新宿歌舞伎町区役所通り3Aの会、チェックメイトビルのオーナーでもある藤澤薫氏(76・理事長)が主催、平成18年の第1回目のイルミネーション以来、彼女が中心となり、近隣有志の寄付によって費用を捻出、実施されています。

街路樹にワイングラズをモチーフにした"夜の街"らしいデザインが、優しく歌舞伎町を灯します。 



第18回新宿区役所通りイルミネーション

がんばろう 日本 〜元気を歌舞伎町から〜

私共「NPO法人新宿歌舞伎町区役所通り3Aの会」は2006年11月より毎年新宿区役所通りの樹木約90本にイルミネーションを装飾する活動をしてまいりました。

お陰様でこの度第18回目を迎えることとなりました。

2019年暮れに中国武漢から発生しました「新型コロナウイルス」が今や新型のウイルスとなって世界中に猛威を振るい、早3年が過ぎようとしております。 また、ウクライナを初め戦争や紛争、自然災害等で世界中の人々が犠牲になっている現実は本当に痛ましいとしか言いようがございません。

今までの常識が覆されて、一体何を信じて生きてゆけば良いのかわからなくなってしまう不透明な時代となってしまいました。

このような中で、コロナ禍に於いてイルミネーション装飾事業は続けていかれるのか心配をしておりましたが、皆様の温かい貴重なご寄付を賜り、今回もイルミネーションを点灯する運びとなりました。心より御礼と感謝を申し上げます。

11月1日より来年2月末日まで区役所通りを温かく照らします。ワイングラスを型どったイルミネーションを是非見にいらしてください。

特定非営利活動法人 新宿歌舞伎町区役所通り3Aの会


理事長  藤澤 薫

【ご寄付に関して】

■郵便振替口座を利用 (所定の払い込み手数料が別途かかります。)

口座番号 00150-9-262182

口座名義 特定非営利活動法人  新宿歌舞伎町区役所通り3Aの会

通信欄:「寄付金」とお書きください。

受領証をご希望の場合は、お名前とご住所を明記の上、通信欄に「受領証希望」とご記入ください。

■銀行振り込みを利用(所定の振込み手数料が別途かかります。)

金融機関名 三井住友銀行

支店名 新宿支店

口座種別 普通

口座番号 3864302

口座名義 特定非営利活動法人  新宿歌舞伎町区役所通り3Aの会

〔お問合せ先〕

特定非営利活動法人  新宿歌舞伎町区役所通り3Aの会

東京都新宿区歌舞伎町2-23-12 チェックメイトビル

TEL 03-3209-2238  FAX 03-3209-2459 

(TEL・FAXともに株式会社チェックメイトとの共有になります。)

メールでのお問い合わせはホームページよりメールフォームから送信をお願いします。

来賓挨拶

新宿区・吉住健一区長

新宿警察署長・永野雅通署長

新宿消防署・渡邊薫副署長

東京商工会議所新宿支部 高野吉太郎会長 (株)新宿高野社長

歌舞伎町商店街振興組合・杉山元茂理事長(株)すずや代表取締役

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主催:特定非営利活動法人 新宿歌舞伎町区役所通り3Aの会(新宿区役所通りイルミネーション実行委員会)

藤澤 薫 理事長(株式会社チェックメイト代表取締役)

演奏 東京消防庁音楽隊・デキシーパラダイス

歌舞伎町冬の風物詩〜令和5年度の第18回新宿区役所通りイルミネーションが点灯。11月1日より来年2月末まで、夕方から翌朝の間、 "夜の街"を優しく灯します


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