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12月20日、日本コンシェルジュ協会定例会にて「歌舞伎町コンシェルジュ委員会」についてゲストスピーチ [まちづくり]

日本コンシェルジュ協会、というのがあります。

日本全国のホテルコンシェルジュをつないだ組織で、ゲストサービスの向上により、コンシェルジュの社会的認知度を高めることを第一の目的とし、観光業や各地域の振興を積極的に担うコンシェルジュをさらに普及させ、社会に貢献していくことを目指し、2005年4月に発足した組織だそうです。
この日本コンシェルジュ協会の12月定例会というのが12月20日、西新宿のヒルトン東京にて開催され、そこで、ゲストスピーチとして歌舞伎町コンシェルジュ委員会(事務局長:寺谷公一)の取組みについてゲストスピーチをする機会をいただき、しゃべってきました。

歌舞伎町における、地域ホテルコンシェルジュと街の資源とを繋ぎ、ガイドブック《Like!KABUKICHO》と、WEBサイト《ポータルサイトKABUKI町》などを運営する歌舞伎町コンシェルジュ委員会について、話してくださいと、今回当番のヒルトンより片桐基次氏(歌舞伎町商店街振興組合理事長)に依頼があり、理事長とともに、寺谷がちょっと掘り下げた話をしろとのことなので、こうした機会になりました。
当日は、会費もあるようだし、各ホテルから行ってこいといわれて来てる方もいるかもしれないし、興味を持って来たくて来てる方もおられると思いますが、ヒルトンはもとより、インターコンチネンタルやシャングリラ、帝国ホテル、ホテルオークラ、椿山荘、キャピトル東急、東京ステーションホテルとか、あと伊勢丹のストアアテンダントも来られてた。そういう超一流の"コンシェルジュ"約100名を前に、まずは片桐理事長からは、とても人が集まってに賑やかになった歌舞伎町の全体的な話からはじまり、そして、あとは実務をやってる寺谷に、ということでバトンタッチから20分くらい、その後、最後は杉山元茂氏(歌舞伎町商店街振興組合副理事長)からは、自身も一件お店を持つ新宿ゴールデン街のPRをして終了という流れでスピーチさせていただきました。

さて、歌舞伎町におけるコンシェルジュについて。

ここには表と裏、というか、アウトプット(WEBや冊子)できる情報と、もう一つ、裏、というのは、アウトプットはしにくいが、お客のニーズとしてありうる情報。というのは、例えば、いわゆる基礎情報としてのハザードマップ的なものであったり、コンプライアンス的に扱いにくい情報であったり、というのが、一通り揃えるのがまずは事務局としてのベースなのですが、そのうえで、その情報をどう扱うかという、二次的なホテル側の問題を考えましょうという投げかけもしました。

『コンシェルジュ』や『おもてなし』は、ある種の流行り、という部分はあるかもしれません。そのせいで、増加の一途をたどる観光客のニーズも高まり、マスコミ受けもいい、こうしたコンシェルジュ・サービスの充実をうたう"PR"のためのコンシェルジュであれば、ホテル上層部からはコンプライアンス重視へ、リスク回避=無難な情報提供へという現場への圧力が当然かかる。その先で何かトラブルがあったらどうするのかとか、反社の存在等、いろんな心配の結果、白黒グレーが混在する繁華街や歓楽街に位置するどのホテルも、足元の街の"魅力"を、実は活かしきれてないのが現状なのです。
しかし、そんなことはお構いなしに、お客は、情報を求めます。

では。情報はあるとして。

現場(コンシェルジュ)、まっすぐ提供すれば、コンプライアンス、あるいは、会社の方針、ホテルのブランディング上どうなのかという問題にぶつかる。しかし、情報を提供しないとしたら、お客は、客引きに引っかかり、ホテルもいわば加害側の一因をつくっていることになりませんかと。コンシェルジュの現場には、おそらくいろんな葛藤があって、ここは、とても今の日本の観光の実態を象徴しているのではないか。

責任回避のスケープゴート、ではないんですけど、それに近い、つまり、第三者の信頼できる情報を持つ"公式"に扱えるスキームを組めるとしたら、その問題は一気に解決しませんかと。
実は、そのスキームを、無論ホテルと地元企業、商店街振興組合、社交飲食などの公的機関の協賛や理解を得ることは、その街の意志がどこにあるのかという確認であり、地域にある全業態ごとに代表的なお店の少なくとも各一店舗以上の協力は必須ですが、これをよって"第三者組織"という責任の受け皿として作ったのが、歌舞伎町コンシェルジュ委員会という形なのです。

少々の危険やリスクをかいくぐってでも、その土地の深いところをさわりたい観光客の要望はわかります。また、そういうリスクが現に存在するからこそ、歓楽街の情報や、それを持つコンシェルジュの価値は高まる。しかし、現場の人材は優秀でも、リスク回避マインドの強い日本社会だからこそ、その"扱い方"にはちょっと知恵が必要だというお話しをさせてもらいました。

歌舞伎町コンシェルジュ委員会の試みが、だからと言って完璧にうまくまわってるわけではないけれども、反響は、おそらく明日以降、個別のホテルや地域ごとにいろいろ声がかかりそうですが、歌舞伎町のこうした取組み方が、ほかの街でも、ということになれば、日本の"観光"の在り方も、少し変わってくれるかもしれません。
ただ観て、食べて、泊まって、お土産買って終わりの観光の時代は、もうそう長くないはずです。情報は、実はそう難しいことじゃない。それを扱う側の姿勢のほうに課題がある。だからこそ、地域と現場が連携し、責任回避のマインドにバイアスをかけ続ける。観光地じゃなかった歌舞伎町が、意外と、観光客向けにいろいろやってるっていうのが、なかなかいいでしょ^^

でも、お店(コンテンツ)は、もっと自由意志であってほしいし、そうそう敷居を下げて、観光客向けにしなくてもいいと思ってます。先日、ドイツから来たジャーナリストの方とも話したが、歌舞伎町は、観光地化されてないから面白い、興味をひくのだと。みんな、"らしい"歌舞伎町を感じたくて来ている。どこにでもあるような街を見たいと思ってない。
だから、お店は、歌舞伎町らしくでいてほしい。ただ、インフラは、"安全"のためにも、そこそこ観光地化の要請に応えたほうがいい。どこの歓楽街も、ボクはそれくらいでいいと思っています。

さて。

歌舞伎町コンシェルジュ委員会で発行する歌舞伎町公式ガイドブック《Like!KABUKICHO》の2017年版は、来年4月発行にむけ、現在いろいろ準備中です。関係各位、お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。


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