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4月6日(金)福島県双葉郡川内村にて「平成24年度川内幼稚園・小学校・中学校合同入園入学式」が実施。音楽家・古川琴子らとともに、新宿の仲間たちと参加してきました。 [季節]

2012年4月6日、福島県双葉郡川内村にて、3.11震災以来、福島第一原発事故に伴う全村避難を余儀なくされ、閉鎖となっていた村の保育園・小中学校が、1年ぶりに再開。1月末の"帰村宣言"に続く形で、この春「川内村教育再開式」と銘打ち、川内村コミュニティセンター大ホールにて、平成24年度川内保育園・小学校・中学校の合同入園・入学式が実施された。
東京から音楽による支援として駆けつけた、音楽家・古川琴子が入退場を演奏。なお、式に続いて、合同入園・入学式の入退場を演奏した音楽家・古川琴子のミニコンサートが行われた。古川琴子(ピアノ・ヴォーカル)、あんり(パーカッション)、駒井朗(コントラバス)の3人編成、演奏曲は、「素敵なともだち」、ジブリメドレー、そして古川琴子のオリジナル曲「どんな未来も」「灯火」、最後に、来場の皆様や子どもたちとともに、遠藤雄幸川内村村長のリクエストでもあった「ふるさと」を合唱した。

4月6日、この日入学・入園したのは、川内保育園8人、小学校3人、中学校5人の計16人。原発事故前の入学予定者は小学校14人中学校17人の予定だったと聞いた。かつて、170名ほどの子どもたちがいた川内村、今年度、新入生を含めての児童・生徒数は保育園8人・小学校16人・中学校14人の計38人でのスタートとなる。川内村の人口はもともと約2,800人ということだったが、2月に訪れた時は約200人と言われていた。だが、この春、“帰村宣言”に伴う村役場や学校の機能復帰によってか「帰村人口は約500人を越えた。」と遠藤村長。

2012/4/6 平成24年度川内保育園・小学校・中学校合同入園入学式

[INDEX]
00'02"新入生入場 ♪Summer 演奏:古川琴子
01'42"開式の言葉~川内村小学校教頭
01'58"国家斉唱
03'00"入園・入学生徒 川内保育園8名
03'29"入園・入学生徒 川内村立川内小学校 3名
03'48"入園・入学生徒 川内存立川内中学校 5名
04'14"教育長 励ましの言葉 福島県川内村教育委員会 教育長 石井芳信
08'00"校長挨拶 川内村立川内小学校 高島仁校長
10'05"校長挨拶 川内村立川内中学校 高浜俊彦校長
12'48"村長挨拶 川内村村長 遠藤雄幸
18'15"職員紹介 川内保育園
18'58"職員紹介 川内小学校
21'12"職員紹介 川内中学校
22'49"誓いの言葉 川内中学校1年 遠藤遙奈
24'11"校歌斉唱 川内小学校
26'01"校歌斉唱 川内中学校
28'21"新入生退場 ♪エトピリカ 演奏:古川琴子

2012/4/6 古川琴子ミニコンサート 於:川内村学校等再開を祝う会

[INDEX]
01'24"♪すてきな友達
04'20"メンバー紹介(Percussionあんり Contrabass駒井 朗)
06'07"♪ジブリ・メドレー
14'35"「どんな未来も」 作詞 古川厚子 作曲 古川琴子
19'04"「灯火」 作詞・作編曲 古川琴子
25'00"♪ふるさと (合唱)

福島県双葉郡川内村は、村の中心が福島第一原発から約20kmのところにある。3.11の震災に伴う福島第一原発事故により全村避難を余儀なくされるも、昨年9月には一部警戒区域の指定も解除された。
福島第一原発から30km範囲内に全村が入っているものの、“村中心部(福島第一原発から約20km)の空間放射線量は毎時0.1マイクロシーベルト、福島市や郡山市の数分の1程度と低く、他市町村より帰還への環境は整っている”ということで、今年1月31日に、村は“帰村宣言”を出した。福島県郡山に一時的に移されていた行政機能や教育・学校機能を川内村に戻し、帰れるものから村に帰ろう、という声かけだった。全域が警戒区域と緊急時避難準備区域に指定されていたが、4月1日には警戒区域が解除、それまで村の半分近くを占めていた警戒区域が、住民に引き続き避難を求める「居住制限区域」と、早期帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」の2つに見直されることになり、いずれも立ち入りは自由となった。
「必然と言うには余りにも酷」(遠藤村長)と、過酷な試練を受けながらも、着々と“帰村”環境を整えようとする川内村から、心温まるニュースの発信をしよう、ということで、この4月、震災以降閉鎖となっていた各教育施設(川内保育園・小学校・中学校)が再開するにあたり、6日、「合同入園・入学式」及び「川内村学校等再開を祝う会」が催された。

話は戻るが、つい2月7日8日と我々は川内村に訪れた。昨年10月、歌舞伎町で開催された「第4回歌舞伎町農山村ふれあい市場」で川内村の商工会長である井出茂氏と知り合い、その中で、これからのことを含め、「鍋でも突きながら話そうよ。」ということになって、川内村へ足を運んだ。その時のことをきっかけに、我々のチームの一員で音楽家の古川琴子に、川内村教育長の石井芳信氏から合同入園・入学式での演奏の依頼を受け、というわけで、改めて新宿の繋がりでチームを組み、式及び会を支援するために4月6日、川内村を再び訪れることになった。

[合同入園・入学式支援チーム・メンバー]

「川内保育園・小学校・中学校合同入園・入学式」を終え、川内村村長室にて遠藤雄幸村長と今回のプロジェクトスタッフ。

◇演奏スタッフ
古川琴子(ヴォーカル、ピアノ)※2007年から歌舞伎町ミュージックプロムナードなどで演奏
あんり(パーカッション)※彼女のブログlife&spice
駒井朗(コントラバス)
◇バックヤード
橘川徳生(宣伝、メディア対応)※株式会社ウィンダム、2009年まで新宿エイサーまつりをプロデュース。ウィンダムに勤務する前は、日本原子力発電本社に勤務という異色の経歴をもつ。東海村の放射性廃棄物におけるバックエンドを担当したこともある。
弓田一徳(Ustream、VTR)※イグニッションllc代表、以前は新宿放送局のプロデューサー・ディレクター、2007年新宿区議選ネット政見放送仕掛け人。Ustremは先駆者のひとり。
大澤真輝(AD)※NPO法人グリーンバード副代表、グリーンバード歌舞伎町チームなどでお世話になってます。
高千穂純(PA、照明)
◇企画・製作
寺谷公一古川琴子

4月6日当日の取材マスコミは、宣伝を担当した橘川氏のおかげもあってか、50社を超えた。所謂“仕事”としてやったわけではないのに50社のマスコミの仕切りは大変だっただろう。自分の、新宿関係で培ったマスコミ各社も東京から足を運んでくれた。過酷な運命に晒され、だが、なおもそこから立ち上がろうとする川内村、「だからこそ、この福島から、明るいニュースがたくさん流れるようになれば、悩んでいる県や、世界で悩んでいる人たちに、必ず勇気を与えるはず。」(古川琴子)、これがボクらの今回のプロジェクトの目標。また、音楽は人を繋ぐツールになればいい、そこに多くの智慧やマンパワーが集まって、それらが必ず、まだまだ多くの課題を抱える川内村や双葉郡で生きるはず、だからこそ、今回のプロジェクトはその第一歩になればいい、と考えたものだ。

いつからか、ボクは、若い人たちに見せる『背中』を意識するようになった。ボク自身、自分がどんな人間であるかとか関係なく、自分の欲望に関係なく、ただ『正しく』生きること、それでもちゃんと生きていける証をたてようと、心に決めた時期があった。今、この国の未来に、あるいは世界の明日のために、ただ『正しい』ことをする。この国の未来、世界の明日はどこにあるのか、明らかだ。
「今日という日を迎えるまで、避難を余儀なくされ、辛い日々を送ってこられたことと思います。おそらく、家庭のこと、学校のこと、そして、自分たちの生活のこと、とても、いろいろ葛藤があられたことと思います。しかし、川内村で生活をする、川内村で生きると決めたからには、どうかお子さんには、今を生きている幸せ、そして、家族が一緒にいる喜び、支え合う大切さを、しっかりと伝えてほしいと思います。不安の中で生活してきた子どもたちは、家庭にとっても、そしてこれから、川内村の将来にとっても、不幸なことだと思います。子どもは、未来からの贈り物です。学校、家庭、その地域が一体となって、贈られてきたお子さんに、凛として軽やかな気持ちを育んで、近未来へと贈りかえしてあげようではありませんか。」遠藤村長は挨拶の中でこう述べていた。また、子どもたちが、将来ある若者たちが見つめている我々大人自身が、その、生きる手本であらねばいけない。
今回のプロジェクト、その結果に対する評価や賛否もいろいろあるだろうとは思う。遠藤村長が言うように、「一歩目を踏み出すことが大事。」な半面、やはり、川内村の経済活動をはじめ、環境はまだまだ厳しい。除染事業も子どもが帰ってくる家の周辺を優先するなど、まだ途に就いたばかりだ。だが、大阪府ほどの広さをもつ双葉郡の中で、客観的に言って、最も機能している川内村は、或いは、双葉郡再生の拠点化していくことも感じている。そして、この地域の「再生」は、制度疲労日本の本質的な再生とリンクしていると思っている。ひとまず、報告として、このブログにアップしておく。前回の2月と同様に、“次の約束”は出来ずにまた、川内村を去ったボクらではあるが、デキルカギリを若干超えた面もあって、なので少し体力を戻し、改めて、再び次の機会を作れたらと思っている。

最後に、ボクらにとっては川内村の入り口となった、また、今回のプロジェクトの実現に奔走、スタッフの宿泊や食事の面倒までしていただいた川内村商工会・観光協会の会長井出茂氏(写真左端、井出さんが経営するお蕎麦酒房「天山」前にて)に感謝申し上げます。3.11以来、この春、このような形で再開を迎える学校等も多くあるかと思います。また、その場で何人かの音楽家たちが、似たような形で各所で明るいニュースを発信しようと演奏をしたかもしれません。その『何人か』の中に、古川琴子やその仲間たちを加えることができたこと、そういった機会を与えていただいた井出さんをはじめ、石井教育長、遠藤村長、何より、至らない我々のチームを寛容に迎え入れていただいた川内村の皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。
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