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謹賀新年 2009年元旦 [季節]

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2009年元日、初日の出(自宅より)

2009年元旦 謹賀新年

新しい一年の始まりは、新しい朝日を浴びてスタート。昨年の元旦、偶然ではあったのだがたまたま通りかかったところで元旦の初日の出を体に浴びてなにか心機一転的な強い衝動を受けたもので、では今年も初日の出を浴びてみよう、その新しい陽の光に照らされて自分が何を思うかを楽しみに正月を迎えた。日頃朝日を浴びることなどそう滅多にない生活をしているだけになおさらなのかもしれないが、太陽の光はなんとなく凄い。何かを突き動かす力がある。

さて、恒例となった大晦日から元旦にかけての歌舞伎町めぐり。

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▲大晦日夜から元旦にかけて、区役所通りのイルミネーション(点灯は2月末まで)

さすがにこの時期、普段の深夜に比べれば人は少ないものの、都心を巡って歌舞伎町にやってくるとやはり格段に明るい。2009年の元旦0時0分は新宿駅前にて。なにやら東口駅前の広場には「何かあるのかな?」と思わせる人だかり。アルタのビジョンでカウントダウンでもあるのかな?的な期待を一瞬したわけだが、2001年あたりから都心でのカウントダウンは自粛傾向にあってそれはないだろうなと。でも、しばらく人ごみにまぎれて様子をみていると、案のじょう何もなく、ただ集まった千人くらいが一斉にカウントダウンを唱えて「ハッピーニューイヤー」というだけのことに。おそらく、ここにいたほとんどの人がなにかあるかも?という期待感だけで人だかりに吸い寄せられるように集まっただけのことなんだろうが、それでもなんとなく正月らしい気分にはなってくる。新しい一年を迎えたるにあたってやはり誰もが何かを期待しないではいられない、人はそういうものなんだろう。

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この人だかりで足止めされてたせいでか、街には0時過ぎてからのほうが若干人の姿があったように感じた。

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▼初詣参拝客(左:歌舞伎町二丁目鬼王神社、右:花園神社)

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昨年後半の不景気風もあってか、初詣客は例年より多く感じた。苦しい時の神頼み、ってところかもしれないが、こういうところも人の常というか、人間らしさかと。

2009年 己丑(つちのと・うし)

占い好きでもなんでもないのだが、たまには古人の教えに耳を傾けてみる。2009年の干支は己丑(つちのと・うし)、文字から感じる今年一年の姿を想像してみよう。まず己という文字、感じとしては腰の曲がった姿が背筋を伸ばそうとしてまっすぐに立ちあがろうとする図。一方、丑であるが、象形文字としての丑の語源では、妊婦から生まれてきた赤ん坊が手を伸ばして必死に「何か」をつかもうとするその手の形に由来すると聞いたことがある。これまで腰を屈めて耐えてきたものが「オノレ!」と立ち上がろうとし、そして藁をもつかむ思いで何かをつかもうと手を伸ばす、そんな意味と解釈すれば、文字としての己丑はかなり激しい意味を持つ。

時代は少子高齢化社会、企業の姿もかつてとは一変し、非生産的で高齢な役員らがその高給故に負荷を大きくかけながらその既得権の上に胡坐をかき、一方で、働き盛りや生産的な若い社員らが低給にも関わらず首を切られるご時世。どう考えても企業そのものの生産性は低下し、内需の要であり希望でもある若い世代が仕事を失えば当然社会経済は冷えていく。となれば、やむを得ぬとはいえ、極論ではあるが既得権の中にいる団塊世代のがもっとも重い負荷を社会全体に与えているということになる。これを取っ払えば社会全体の負荷が軽くなる。もちろん、そんなことはありえない、いわば解決には時間を要するわけだが、とは言っても、昨年後半の状況から考えれば、世代間格差や既得権の持つ者持たぬ者との間のストレスは強くなっていくだろう。社会構造の変革において、このストレスがどういう風に表出してくるのか、これが要であり、ガス抜きの少ない現代社会においては必ず治安面に亀裂が生まれやすい。ストレスは、変化を望むものと変化を望まないものの間で徐々にエネルギーを増し、変化を望まぬもの=既得権側は「規制強化」「治安維持」へ、一方変化を望むものは「既得権破壊」あるいは「秩序無視」へと向かう。2009年、この両者のベクトルがどう引き合うのか。既得権側のベクトルが強ければ当然変化は少なく、社会に失望感が溢れる。一方で変化が強ければ希望は高まるが無秩序、あるいは既得権破壊によって混乱を生む。どちらがマシか?あるいは智恵をもって上手にバランスをつくることができるか。干支の己丑は、どの世代から見るかによって時代の見え方はかなり違う感じはするが、どちらに向かうにせよ激しい一年を示していると感じる。

何も厳しい人たちへのセーフティネットはある程度必要でそれを否定するわけではないが、ただ金を刷って配るだけで経済力は伸びるわけもないし、もともと苦しい状況の人の生活にいくら金を配っても消費は拡大しない。国民の財布は固く閉ざされ、これまで蔑ろにしてきた内需をいかに拡大するかが必要とされているにも関わらず麻生内閣はあまりに無策。そんななかで、知人を通じて国政に対して二つの提案を投げかけてみている。一つは鉄道・交通網の一部24時間稼働、もうひとつが住基ネットを活用した国民全員がお金を借りれる少額クレジットの実現。

①鉄道・交通網の一部24時間稼働

羽田など飛行場の24時間稼働、主要なJR・地下鉄などの24時間稼働。住民などへの騒音への配慮などを考えれば、羽田空港と、地下鉄の一部(メトロ・都営地下鉄の一部路線)くらいが現実的と思われるが、これらの稼働は経済効率を高め、眠っている市場を興し、新たな雇用を生む。環境配慮をしなくてはならないご時世ではあるが、飛行機の待機時間や深夜電車が走っていないことが交通・生活障害ととらえるなら経済効率上のロスから言えばむしろ環境負荷は軽減される部分もある。

②住基ネットを活用した国民全員がお金を借りられる少額クレジットの実現

例えば、住居を持たない者、あるいは銀行融資がブラックであっても、住民票とか住基ネットの登録さえあれば10万位からを上限に低利で少額の借金が出来るというもの。これに、選択制で年金や保険料の引き落とし機能を併せ、インセンティブ(金利や借入限度額等)を与えれば回収率は大幅に上がる。金をただばらまくのではなく、借入が出来るようにした上で、それによって生まれる未収に対して国が負担し、、たとえば日銀がお金を刷るイメージ。行政のデーターベースの統一化を促し、また民業圧迫の恐れがあれば民間クレジット会社と提携すればいい。それこそ、新銀行東京のような三セクの金融機関がこれをやってもいい。セーフティネットを有効に、且つ内需拡大策にも通じる。

大雑把に言うとこんなアイディアを投げている。今年早々に衆院選、あるいは夏には都議選などがあるので、あながち不可能ではないかと。どこかの政党のマニフェストの端っこにでも出てきたら、結構実現することもあるかもしれない。

前項、鉄道・交通網の一部24時間稼働については、基本的には歌舞伎町24時間特区構想とロジックは近い。地域の活性化のために、眠っているマーケットを興そうという話であるが、どちらが先に現実に向かうかによって状況はやや変化するかもしれない。仮に地下鉄やJRの一部24時間稼働が先になった場合、繁華街では何が起こるかというと、24時間営業できる業態、たとえば飲食店や深夜酒類提供店の店舗のほうが儲かる可能性も出てくる。となると、たとえば歌舞伎町の場合、風俗営業よりも飲食や深夜酒類提供店等の出店が増え、あるいは望むべき街づくりの方向性を促す可能性もある。つまり若干語弊はあるが極端にいえば風俗色一辺倒だった街の経済構造が是正されもう少しバリエーションが生まれてくるのではないか。となると、仮に一部とはいえ電車が24時間動くのであればむしろ歌舞伎町は24時間特区を取りに行かない方がいい、なんて場合もある。ということもあって、この案の経過については自分の動きの上でも要チェックだったりする。まぁ、何にしても歌舞伎町だけが元気になればいいのではなく、国全体が元気になれば歌舞伎町も必然的に元気になるわけだから、どちらがプライオリティが高いかが明白だろう。

正月早々というのもあって、まぁ与太話でした。言って損はしないからね、上手くいけば儲けもの。街づくりや治安回復でよく持ち出されていた「割れ窓論」はもはや死語というのが常識になった今、何にもまして景気がすべての問題を解決する最善の手段であることは誰もが認識しているはず。干支の己丑は激しい一年を表しているけれども、個人的にはともかく、それを望まない人も多いだろうし、急激な変化は犠牲も多い。変革は避けられないにしても、時間をかけ、変化に対しバランスを取りながら少しでもソフトランディングをした方が多少は平和だとするなら、いくらかでもそんなことに対して貢献はできる環境を持っている自分としてのやり方である。


12月25日、歌舞伎町商店街振興組合は東宝に対して「新宿コマ劇場並びに新宿東宝会館建替に関する事業計画・工事計画についての要望書」を提出

DSC04586.JPG2008年12月31日をもって閉館となったコマ劇場

2008年末、特に新宿コマ劇場の閉館に関連するニュースがメディアを賑わせていた。オープンな情報としては11月26日(水)よくしよう委員会-コマ劇場跡地再開発についてなど-にある通りであるが、若干補足情報を。新宿コマ劇場は二つの会社で運営されてきた。コマ・スタジアムとコマ・プロダクションである。コマ・スタジアムは劇場運営を、コマ・プロダクションはコンテンツ制作と営業を行ってきたわけだが、コマ劇場閉館にあたってこの二社は合併し、コマ・スタジアムとなった。コマ劇場は閉館したのだが、会社は存続することになっている。もちろん東宝の子会社である。さて、この会社はこれから何をするのかと言うと、例えば青山劇場であったり銀座テアトルなどを借りてここで演目をプロデュースする。あるいは、今後、どこかの劇場に資本参加をしてコンテンツ制作を手掛けていく計画があると言う。

これまでは自社資本の劇場を持っていたわけだから、それに比較すれば当然利益率は格段に落ちてく。これまで同様のコスト感覚では企業として立ち行かない。そこで、社員や多くの契約社員らは首を切られたのが現実ではある。が、しかし劇場運営とコンテンツ制作のノウハウは残していくことになる。一方で、東宝側のざっくりの計画は「オフィス、ホテル、物販、飲食、こういったところの複合ビルという表現」、つまり劇場などエンターティメントは置かないという趣旨の説明。この点から何が思い浮かぶか?

あくまで個人的な憶測ではあるが・・・

実は、東宝側としては、コマ劇場跡地の再開発において劇場運営ということに若干色気は残しているのではないか。一般的に、東宝とCX(フジテレビ)の資本提携関係、そしてCXが劇場を持たない企業であることなどからも想像できるのであるが、仮にコマ劇場跡地の活用にCXがかむ可能性は0ではないかもしれない。そして、CXとすれば、自社資本の劇場は欲しい。となると、まんざらコマ劇場跡地にCX資本の劇場が入る可能性も否定はできない。さて、問題は企業としてのコスト感覚。仮に、CXとの提携、新劇場建設、そういった話が本当にあった場合、これを発表する方が得か損かとなると、完成までの4年以上の間実質的に「コマ・スタジアム」は低空飛行の経営を強いられる。また、CXとの提携となれば、マンパワーを自社で保持する必要はあまりないかもしれない。となれば、コマの人員整理は必須であり、当然首を切り易くするためには国内最有力メディアとの提携、あるいは新劇場建設などの「夢のある」話は今は邪魔ということになる。故に、「オフィス、ホテル、物販、飲食、こういったところの複合ビルという表現」に尽きる。

まぁ、裏は無いのであくまで個人的な憶測でもあるし、あるいは自分が経営者であればこういう選択をとるかもしれないなとも思う。

昨年12月25日、歌舞伎町商店街振興組合は東宝に対し以下のような要望書を提出した。

新宿コマ劇場並びに新宿東宝会館建替に関する事業計画・工事計画についての要望書

東宝株式会社

拝啓 貴社には日頃より歌舞伎町のまちづくりに関してご協力を賜り、誠にありがとうございます。
私共、歌舞伎町商店街振興組合は、東宝(株)を含め、組合員のために必要な共同事業を行う事で、組合員事業の健全な発展に寄与する事はもちろん、地区内周辺環境の整備・改善を図る事業を推進してまいりました。
また、四葉会会員の皆様と共に、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会のもと、新しい歌舞伎町を創出すべく理念の議論を重ねてもまいりました。
そもそも歌舞伎町は戦後、昭和20年代に鈴木喜兵衛氏をはじめ民間の努力により、道義的繁華街として形成され、その後、様々な社会的、経済的背景により、現在のように世界一とも形容される繁華街に変貌してきております。
新宿コマ劇場は、貴社の小林一三氏が鈴木氏の働きかけと志に応えて英断され、区画整備された土地に斬新なアイディアのもと建設されたもので、その後、いかなるまちの変化があろうと、半世紀に亘り歌舞伎町の名前を体現できた中心、シンボルとしてあり続けてきました。
今般、貴社より新施設ビル建設計画の報に接し、共に過去歩んできた者として、新計画に際し、以下のとおり要望いたします。

① 土地有効活用、テナント誘致について
これからも半世紀以上、歌舞伎町のシンボルとしてあり続け得る施設の導入。具体的には、演劇場、多目的ホールなど、エンターテイメントとして歌舞伎町に相応しい大衆娯楽、文化施設の導入により、新たに計画される施設につきましても、これからのまちをリードしていく観点でご検討いただきたいと思います。

②工事期間中の治安・活性化対策について
工事期間中は、まちの時間が止まってしまい、賑わいが失われてしまいます。その期間と空間を生かす工夫、具体的には仮囲い面の照度を上げ、無機質な壁面をデザイン化して、通行者の注目を集める事、四葉会各社との連携によるシネシテイ広場でのイベントなど、貴社の歌舞伎町における使命を発信していただきたいと存じます。

貴社の計画につきましては、地元である我々も大いに期待しておりますので、是非この期待に応えていただきます様お願い申し上げます。
最後に歌舞伎町の発展のためにも、組合として協力を惜しまない所存ですので、工事車両の経路、工事時間等も含め、今後継続して協議の場を設定していただければと存じます。

平成20年12月25日

歌舞伎町商店街振興組合

この要望書作成にあたっての経緯としての議論については、11月26日(水)よくしよう委員会-コマ劇場跡地再開発についてなど-にあるような流れであったが、要望書を読むとこれがかなりフィルターのかかったものになっていることが理解できると思う。この要望書について、たとえば「劇場を残してほしい」だのといった強い内容にするべきという意見も多数あったのは事実。確かにコマ劇場が歌舞伎町という街の発展に寄与してきたその重さを考えれば当然と言えば当然なのではあるが、今要望書はそこまで踏み込んでいない。中には、署名活動までして東宝にコマ劇場存続を促そうとするものもいたが、これらを制してこういった柔らかい内容に落とし込んだ理由は、一言でいえば「東宝も歌舞伎町の一員」であるからである。上記要望書前文にあるように「歌舞伎町商店街振興組合は、東宝(株)を含め、組合員のために必要な共同事業を行う事で・・云々」、つまり東宝さん、お宅も組合の一員なんですよ、あるいは組合は組合員の利益のために存在している以上決して足を引っ張るようなまねはしませんから、だからこそ一緒に街全体の利益のために力を合わせましょう・・・ということに最も力点を置いたものであり、それ以下は要望書の体裁はとっているものの、はっきり言えば具体的な内容皆無の文面。

言いかえれば、商店街振興組合は事実上歌舞伎町の民意を担保する組織である上で、歌舞伎町設立以来古人の最大の功績でもあり街としての最大の資源でもある東宝をこの街から決して逃がしてはならない使命を持っている。だからこそ、強い要望を心のうちに秘めていたとしても、お互いの利益のためには譲歩もします、だけど一緒に街全体を見てくださいということにした。商店街がとるべき選択としてこれは正しい。

しかし、一方でこれこそ商店街振興組合の限界であり、「街」を語るものの「街」をコントロールすることなど決して出来ない証明でもある。歌舞伎町は変幻自在である。仮にコマ劇場跡地に何ができようと、歌舞伎町は歌舞伎町らしく変容し、ただひたすら利益を追求し続ける。非常に分かりやすい。しかし、その分かりやすいなかで、何をどう目指すかを思う時に、コマ劇場跡地がどうなるかなど、いわば街の「核」の変化がヒントを与えてくれる。それが伝われば、この街の住人はあっという間に衣を着替えてしまうだろう。街づくりとはたぶんそういうことなんだろう。

街をどうするか、なんてことはそもそも不可能だしありえない。あくまで、その「核」になる部分にのみベクトルを働かせ、干渉し、情報をとり、発信をする。そして、いかに「儲かる」道を示すかで街は黙っていても変化をするだろう。だからこそ、あえて柔らかい表現をとることで東宝と街の間のチャンネルを不活性化しないようにすることが大事であり、メッセージは一つ、「これからも半世紀以上、歌舞伎町のシンボルとしてあり続け得る施設の導入」に尽きる。これはコマ劇場だけに限ったことではない。三菱信託から東京都への償還期が近づくハイジア然り、西武新宿駅や新宿TOKYU MILANOの今後についても同じことが言える。歌舞伎町ルネッサンスは2005年に始まったが、警察の暴力団対策を除き、結果として何もできていない。はっきり言えば、ただ、歌舞伎町の可視化と各社の財布事情や個々の企業アイデンティティがつかめたにすぎない。だが、何もできなかったからと言ってこれを否定する必要はない。むしろ、全体的な可視化が進んだことこそが何よりも重要なことで、だからこそ目に映る変化はこれからということだ。2009年、歌舞伎町はダイナミックな変化がいよいよ始まろうとしている。これは間違いない。

 

2009年 元旦

これからもよろしくお願いします。

てらたにこういち


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MADOKA

明けましておめでとうございます☆彡
日の出写真、綺麗ですね~♪
昨年は色々とお世話になりました!
今年も、よろしくお願いしますヽ(^◇^*)/
by MADOKA (2009-01-01 12:52) 

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