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5月27日(日) チャリティライブ-イラクの子どもたちは今 vol.2-新宿ライブたかのやにて開催 [映画・演劇・ライブ]

5月27日(日)、厚生年金会館のすぐ隣にあるライブハウスたかのやにて、「チャリティライブ-イラクの子どもたちは今 vol.2-」が開催された。MCの加藤望さん(のんきち)に声をかけられたので、顔をだしてみた。主催は木嶋康晃氏、2010年日本武道館でのイベント開催を目指す『武道館への道』を主催するアーティスト及プレイング・マネージャー。今回のイベントはNPO法人PEACE ONEとJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)の各協力によって開催されている。

↓JIM-NETの支援で設置された現地院内学級(ヨルダン・アンマン)の子どもたち。アラビア語(国語)や算数を教えるなど、子ども達とその家族の精神的なバックアップもしている。

 

Sabreen(サブリーン)は12・3歳。誕生日がよくわからない子どもたちも多いという。彼女は目のガンで右目を失っている。もともと勉強をしたことが無く絵を描いたこともなかったとか。父親は戦争で亡くなっている。

 

Duaa(ドゥア)は9歳、花の絵が大好きな女の子。今年の1月に亡くなってしまった。写真は亡くなるほんの数日前のもの。

PEACE ON :相澤恭行代表。国境、民族、宗教、人種、政治、思想、信条、言語などあらゆる差異にとらわれることなく経輪的手段で国際協力活動を行うNGO。寄付金は全額支援活動、あるいは文化交流に、また講演や取材費・原稿料・物販収益によって団体活動・事務経費に充てている。PEACE ONでは、現在もっとも支援の行き届きにくいイラクの学校(主に障害者施設)にスクールバスを援助して子どもたちの基本である学校教育を守るなどの支援活動を進めている。1台スクールバスは日本円で約40万円で寄贈できる。また、現在はイラク国外避難民の中で家庭の事情・経済的理由などでやむを得ず避難先の学校に通えない子どもたちを対象に無料で学ぶ機会を提供しようと、小さな学び舎、いわば寺子屋を作ってみようという支援計画を企画中。

JIM-NET(Japan Iraq Medical Network=日本イラク医療支援ネットワーク):イラクでは湾岸戦争以降、白血病の子どもたちが激増しており、しかし経済制裁(現在は解除)や治安悪化、ODA(政府開発援助)の滞りなどで十分な治療を受けられないまま多くの命が失われているという。日本では、JVC(日本国際ボランティアセンター)、アラブの子どもたちとなかよくする会などいくつかのNGO団体が医薬品支援を行ってきた。日本での小児白血病治癒率80%以上という医療技術を生かし、子ども達が完治するまで、過不足無い効果的な支援を各団体が連携し継続して行うために2004年7月、日本のNGO団体と日本・イラク両国の医師(有志)らが集まってJIM-NETが誕生した。①日本の医療技術を提供②現地医師との協力体制③現地院外学級の設置を活動の柱とし、イラクの小児ガン(主に白血病)の医療支援に取り組んでいる。

佐藤真紀氏:JIM-NET事務局長。早稲田大学理工学部卒業後ブリジストンに入社、1994年からイエメンで協力隊に参加するが内戦のため避難。2002年からイラク事業を立ち上げ、2003年に帰国してイラクの小児ガン・白血病支援のためのネットワークJIM-NETを設立、2005年から事務局長に。著書に「戦争なんてもうやめて!」「子どもたちのイラク」(岩波ブックレット)など。

相澤恭行:NPO法人PEACE ON 代表、共著「いまを問い直す『自己責任論』」。音楽活動、アイルランド留学を通じて国際交流に力を注ぐようになった。2003年2月イラク国際市民調査団、3~4月イラク攻撃の最中"HUMAN SHIEDS"(人間の盾)に参加、2003年10月にNPO法人PEACE ONを設立、代表理事に就任。バグダードの現地スタッフとともに、障害児スクールへのスクールバス支援や文化交流活動を始めた。

今回5月27日の新宿たかのやにて開催されたチャリティライブ-イラクの子どもたちは今-は、このイベントの趣旨に賛同し、集まったアーティストらによって行われた。イベント収益は、NPO法人PEACE ONEとJIM-NETを通じてイラクの子どもたちへの支援に使われることになっている。参加アーティストは深町純さん(ピアノ)、myuさん(ヴォーカル、ヒーリングシンガー)、渡辺真希さん(ピアノ弾き語り)、ノブ遠山さん(ピアノ)、福井淳さん(パーカッション)、木嶋康晃さん(ヴォーカル&ピアノ)、伊藤智行さん(フルート)、加藤健二郎さん(パグパイプ)、加藤望さん(MCとして参加、シンガーソングライター)。

ピアノ弾き語りをする渡辺真希さん。

渡辺真希「優しい歌を歌いたい」

深町純さんのピアノ即興演奏。

myuさんは世界のいろいろな言語でアメージング・グレイスを歌っているヒーリング・シンガー。今回のイベントではアラビア語で。軍事ジャーナリストの加藤健二郎さんがパグパイプ奏者として参加。ピアノはノブ遠山、パーカッションに福井淳。

最後は、出演者や主催者らがそろってステージに上がり、このイベントのテーマ曲であるチャリティソング「青い空と白い鳩-Save me and my country-」を歌った。

青い空と白い鳩-Save me and my country- 作詞:アスラール・ジバール、myu 作曲:木嶋康晃

世界ではいろんな事が起こっている。
イラクでの戦争もその一つだった。
今、テレビでも雑誌でもほとんど見なくなった彼らの生活。
私たち外国人にとって過去になったとしても、彼らには、それが日常であり現実で生活なのだ。
その現実を生きている子ども達がいる。
えんぴつを握るはずの手。
走りぬくための足。
素敵な景色をみる目。
まだ出会ってない世界のどこかの音楽を聴くはずの耳。
愛する人と抱き合う未来。
その可能性を少しでも残せるとしたら・・・。
そう、忘れかけられている今だからこそ、今、できる事をしていきたい。
大きな事でなくていい。自分にできる小さくて暖かい何かを。
命は奇跡をまっている。 by myu


昨日、このイベントの記事を書き始めたころ、松岡利勝農相(62)の自殺というショッキングなニュースが入ってきた。「政治と金」の問題で安倍内閣と国民の板ばさみになって苦しんだ挙句の自殺、ということなんだろう。松岡農相はリビングのドア(高さ2メートル超)のちょうつがいに布製のひもをかけ、パジャマ姿で首をつっていた。近くに高さ約30センチの脚立が置かれており、踏み台に使ったのではないかと。以前、自分は身内を同じく首吊り自殺で失っている。「リビングのドア(高さ2メートル超)のちょうつがいに布製のひもをかけ」はまさにそのときの姿を思い浮かべるものであった。首吊りの自殺は、すぐに死ねない。苦しんで苦しんで、大抵胸をかきむしった跡が残っているものだ。つまり、かきむしった間は生きているのだ。それがどれほどの時間かはわからないが、その苦しみを想像すると、苦しみゆえにこうした死の選択をしたことを後悔しながら死んでいったのではないかと思える。戦後政治家の自殺はこれが7人目だそうだ。しかし閣僚の自殺となるとまさに初めてのことらしい。遺された7通の遺書、そのうち「探さないで欲しい」と奥さんにしか知らせていない遺書が1通。この遺書に書かれている内情の「何か」がなんであるかは知る由も無いが、命を絶つくらいならもっと「無責任」に閣僚なり議員を辞職できなかったものだろうか。松岡農相の死は、全部が全部ではないが、せめて「政治と金」に汚れた日本の政治の、あるいは疲弊し腐敗しきった国家の構造の終わりの始まりになって欲しいと、思う。

松岡農相の人生は、少なくとも彼自身のための人生ではなかったのだろう。自民党のため?安倍内閣のため?あるいは後援組織や利害をともにした周辺やそれに支えられた家族のため?いずれにせよ、「自分」のためには生きていなかったのではないか。日本では年間約3万3,000人の自殺者がいる。1日100人、いわば国家の形を成さない治安劣悪、平和とはほど遠いイラクの死者数とほとんど変わらない。「平和」に見えるこの日本で、戦時下ともいえるイラクと同数の自殺者が存在する、なんとも不可思議なこの国。イラクの人たちは必至で生きようとしている。それは、必至あなくては生きていけないからだろうが、それに対し日本という国はいったいどうしちゃっているんだろうかと思わざるを得ない。それは何か、この国の人たちは自分のために生きるということを忘れてしまっているのではないか。組織や会社、あるいは自分以外の何かのためにしか生きられない、それほど自己が希薄で自分でも自分が何者なのか掴めない、単に社会やコミュニティ、会社に依存した生き方しか出来なくなっているのかもしれない。そして、何かあってその依存した世界から拒絶なり遊離せざるを得ない状況になった時に人生の意味を見つけられなくなってしまう、そんな人たちが多すぎるような気がしてならない。イラクの子どもたちへの人道支援のイベントではあったが、支援というよりもっと、平和とは何か、豊かさと貧困の社会構造、命とは、生きるということは何なのか、いろいろ考えさせられた。


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