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平成二十七年 元旦 ―歌舞伎町より謹賀新年、年越し雑景 [季節]

送信者 Shinjuku,Kabukicho 2015

2015.1.1 なかなか昇らない朝日がやっと顔をだしたam7:45。歌舞伎町より地上100mからの平成27年初日の出

さて、いよいよ2015年を迎えました。
歌舞伎町の“飛車”と“角”とでも言えばいいか、2,000人を収容した“昭和演歌の殿堂”新宿コマ劇場と新宿ミラノ座、そのコマ劇場が閉館したのが2008年でしたが、ここに今年、いよいよ新宿東宝ビル(地上130m、31階)が竣工、開業します。そしてこれと入れ替わるように、ほぼ時を同じくして、もう一方の核、日本最大の既存館型映画館として賑わってきた新宿ミラノ座が2014年末で閉館、これからここが一旦更地化などを経て再開発(2020年頃にかけて?)へと動き始めます。
2014年12月31日で閉館した、既存館型では日本最大の映画館・新宿ミラノ座。更地化して、3年くらいの間に具体的な再開発計画へと向かうと思われます。

・2014.12月新宿ミラノ座閉館
・2015年春 セントラルロード改修工事完了
・2015.4月 新宿東宝ビル開業
・2016年春 シネシティ広場改修工事完了

個人的にも、「歌舞伎町ルネッサンス」という、この街の、主として中心街区(劇場街)再開発及び街づくりというものに関わって10年、飛車と角が欠け続けてきた歌舞伎町、その両者が新しい姿でお目見えするにはまだまだ、あと5年以上はかかるのかもしれません。
ここ数年、特筆すべきは、街の“観光地化”(観光拠点化)が極めて加速したことでしょう。そしてこれはこれからも更に進む。“観光地化”というのは、良かれ悪しかれな部分はあるのですが、これは「選択」なのではなく、そうなっていくことを、如何に歌舞伎町といえども受け入れざるを得ない。暴力団排除、に続いての観光地化、この、否が応でも受け入れざるを得ない時代の要請というか、流れを受け止めつつ、さて、これから歌舞伎町はどう変化していくのかと。

一方で、「街」という目線で歌舞伎町を見てきた自分のある種の答えというか、ハードがどう新しく綺麗に変わって行ったとしても、歌舞伎町の“住人たち”は変わらない、という事実。これも良かれ悪しかれなのかもしれませんが、少なくとも、ここが歌舞伎町のアイデンティティの源であり、街の個性。綺麗な言葉で言えば“エンターティンメント”ということなのですが、ある種の、これもなかなか如何ともし難いヒエラルキーの働きで、もう少し土臭い、要は、傾く(かぶく)街、説明的な言葉で言えば、“非現実感”を提供して対価を得ることで成り立つ街、というDNAが、様々な時代の要請に翻弄されつつも、この「街」が“歌舞伎町”としてあり続けるということに生きている。

2014年はウクライナのクーデターから始まり、ソ連崩壊以来再興したロシアとアメリカの対立軸が顕在化した一年でした。ただ、かつての二極化した米ソ冷戦の時代とは違い、現代は米露に中国を加えた、三極の宗主国による対抗の時代です。拮抗による冷戦では最早なく、三極は、どちらが2を取るか、いわば中国がロシア側なのかアメリカ側なのかで世界の情勢は大きく変わることになる。世界情勢のキャスティングボードは、今や、そもそもが不安定な存在である「中国」にあるというこの“現実”を如何に理解し、2015年は、そういう“不安定”に“不安定”が重なる中で、では日本はどう生き抜けるのか、次の時代の要請はこうしたところから再び生まれるのだろうし、こういう遠くの違うスケールの出来事もバイアスとして社会生活に影響を与えることになる。

日本の閉塞感というのは、ザクッと言えば、IT化等によって労働が合理化効率化され、これで不要となった労働力の適正な“移動”がうまくいってないことに起因している。片方では、労働なくして高収入を得る“既得権”の固着・執着、もう一方で、ヒエラルキー的な思想が足かせとなって、生身の人対人が欠かせない観光やサービス産業に労働移動がなかなか進まないこと。この両者と、加え、労働の合理化効率化に伴って当然起こるべき労働単価の向上が起きなかったことが合わさって、日本の経済をダメにしている。つまり、経済再興と繁華街の活性化というのは、実は異床同夢であったりもするわけで。

などということを考えながら、なかなか上らない2015年最初の日の出を、歌舞伎町の地上100mから待ちわびつつ迎えた今年の元旦でした。

2015.1.1 am1時頃。花園神社初詣風景

こちらは歌舞伎町二丁目の鬼王神社、am0:15頃の初詣参拝風景

今年は、4月の新宿東宝ビル開業の時期に合わせて発行する予定の公式の歌舞伎町ガイドブックをつくる予定です。それを越えたら、歌舞伎町に映画のロケを誘致したり、とくに歌舞伎町1丁目で可能にするための道筋づくりというのを考えていこうと思ってます。

皆さんにとって、良き一年となりますように。
本年も、よろしくお願いいたします。

寺谷公一(てらたにこういち)


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