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3月26日(金)「夜のルール」にもう黙らない-キャバクラユニオン in 歌舞伎町「ちゃんとしないと、飛ぶぞ」デモ [その他]

「パワハラ反対!」「ギョウカイ改善!」

3月26日(金)、週末の金曜日18時、人ごみでごった返す新宿アルタ前は騒然としていた。先導するトラックは爆音を轟かせながら奇声をあげ、拡声器からは「パワハラ反対!」「ギョーカイ改善!」とシュプレキコール、「キャバクラユニオン」と言っているわりにはデモ参加者の大半は実際そういう業種とは客としてもさほど縁のなさそうな人たち、さらにデモ参加者数を上回る警備の警察官たち、そしていかにも芸能・文化系の記者たちだなと一目で分かるようなマスコミが群がる。フリーター全般労働組合の分会として昨年12月22日に、水商売で働く人の労働環境改善を求める活動として発足したキャバクラユニオン(代表:桜井凜さん(仮名) 新宿区西新宿)によるデモ、『キャバクラユニオンin歌舞伎町「ちゃんとしないと、飛ぶぞ!」デモ』が行われた。

夜のルールにもう黙らない

私たち「キャバクラユニオン」は水商売で働く人のユニオンです。
巨額の罰金やノルマ、天引き、ナゾの賃金控除、暴力・セクハラ・脅しも常識化、
雇用契約書さえもらえず、メール一本で解雇・・・

全部労働基準法違反!
「昼のルールを夜のルールに持ち込むな」という店長や経営者がいるが、働くことに昼も夜も関係ない。
キャストも、ボーイも、夜の世界で働くみんな、労働者。
不当な扱いにノーと言うぞ。
働いたぶんの賃金を払え。
不当な天引きや罰金をやめろ。
セクハラも暴力もやめろ。
安全に働ける環境を!

主催:フリーター全般労働組合キャバクラユニオン
連絡先:新宿区西新宿4-16-13MKビル2F
tel:03-3373-0180
mail:
union@freeter-union.org
blog: http://ameblo.jp/cabauni/

キャバクラ、スナック、その他もろもろ水商売ではたらく人々のための組合です。暴力やセクハラに悩んでいるひと。意味不明の天引きや罰金でお給料がなくなってしまうっていう人。辞めたいと言ったら給料なしと言われた。というか払われてない! いろんな問題を仲間と解決していこう。

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キャバクラユニオン趣意書

わたし達には守らなくてはいけない物がある。一人の人間として尊厳を持ち働くために、声を上げ、共に働く場所を築いていかなければいけない。
キャバクラのイメージは、マスメディアの取り上げ方により大きく変化してきている。多くの少女達が、煌びやかで華やかな世界で、高額の賃金を得られるというイメージを持ち、いまや憧れの職業のひとつとも言えるような状態になりつつある。実際に、新卒で就業を希望することも増えてきているという。だが現状は<夜の世界の常識>という名のもとに、不法な労働条件が横行し続け、高額の罰金や、不透明な天引き、給料の未払いなどが発生し、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントが行われても、多くの従業員が、それを訴えるすべも場所も奪われ続けていた。その一方で、経営者達は、わたしたちからかすめとったもので、また一台、高級外車を購入する。水商売という仕事に、多くの差別と偏見を受け続け、誇りを持ち働く人々でも、その尊厳を傷つけ奪うような<声>が蔓延し、守られるべき権利を主張する事も阻まれてきた。ひとつの働く場として、持つべき権利と義務を、意識し考えるきっかけを作りたい。不法な労働条件や求人に対し、ともに声をあげてほしい。
キャバクラユニオンは、安心して働ける場を作るために、経営者側にも誠意を持ち対応する事を求める。また、これから働こうとする人にも、先行するイメージだけでなく、働く場の現状を伝えなければいけないと考えている。

共に働く女性が、傷つけられ、使い捨てられる姿を眼にしてきた。
このことが<夜の世界の常識>ならば、わたし達はここに、声をあげる。

水商売のひとのための労働組合「キャバクラユニオン」blogより転載)

デモ行進は18時新宿駅東口駅前広場からスタート、靖国通りに向かい歌舞伎町へ。区役所通りを経て花道通り~さくら通り~再び靖国通りから明治通り~新宿通りからスタート地点に戻って終了。デモ終了は予定時刻を過ぎ、19時30分。


 

フリーター全般労働組合キャバクラユニオン、彼らの目的はある意味達成されただろう。歌舞伎町という『日本一の繁華街』(彼らが言う言葉によれば)をステージとし、活動の認知を図る、通りすがりの来街者らも「何事ですか?」と聞いてくるほど注目は浴びていた。それはデモそのもの以上に、芸能・文化部的なスポーツ新聞・週刊誌の加熱とも思える取材の数、そしておそらくデモ参加者数を上回る警備の警察官の数。警察官の数は見た目約100名、デモ参加者数は主催者側発表によると150名ということではあったが、自分の目には、警察官の数の方がはるかに多く見えた。

いわゆる風俗営業店舗で働くキャスト、スタッフ、扱いとしてはフリーターにカテゴライズされるのは事実。昨今の派遣切りや非正規雇用者に対する労働・雇用環境の問題がクローズアップされる中で、フリーター全般労組の着目した「水商売」も、確かに彼らが言うような不当な解雇、賃金不払い、等々のトラブルは確かにある。実際に、いくつかの相談を受けたケースは自分もあるが、比較的小型店舗や新規店でトラブルは多い傾向にあると感じる。また、キャバクラに限らずホストにしても、かつて100%暴力団が絡んでいたような世界が一般化し、"カタギ”の資本が入り、どこにでもいるようなコたちが働く、ある意味その一般化によって、そこかしこにある雇用・労働環境の問題を、いつまでも当たり前のように「夜の常識」とは言えない時代になってきている。彼らの着目した問題は、分からないではないし、そういうトラブル時における弱者側の駆け込み寺的なものを目指そうということに意味はあろう。

だがしかし・・・

正直まったく感情移入は出来ない。少なくとも今回のデモについては。

「キャバ嬢らがつくった労働組合」と言うが・・キャバ嬢不在、実態は単なるデモフリーク集団の印象

まず第一に、歌舞伎町で働くコがそこに1人でもいたのだろうか?そうは見えなかった。そして、来街者が「楽しむ」ために集まる週末の18時過ぎ、来街者の回遊を遮断し、横断歩道や区役所通りは交通渋滞、トラックから流れる爆音はうるさいだけ、モールになっている(車両進入禁止)夕刻の歌舞伎町1丁目で歩行者を遮り、デモが優先されるという不自然さ。歌舞伎町の"正義"とは何か。来街者の自由と楽しみを提供し、喜んで帰ってもらう。その対価としてお金が落ちる街。自分はそう思っている。その来街者の行動を抑制させるいかなる活動も、例えその活動に少々意味があったとしても、これはない。そして、ユニオン側のある男性が「お祭りみたいなもの。」と言ってたこと。彼は、デモの中央で仮装して踊っていた人だが、普段は何やっているのか?と聞けば、「いろんなデモに参加して騒いでます。」と・・・。彼らは、こういう騒ぎ方が楽しいようだ、それは一種のストレス発散のように映る。仮に、歌舞伎町で働くコたちが、あるいは本当にキャバ嬢らが自分たちの権利獲得のためにシュプレキコールをあげるというのなら、それこそ応援もしたくなる。しかし、歌舞伎町で働くコはそこに誰一人と見つけられない。そして、多くはデモ・フリーク?ただのニート?という印象。なるほど・・「キャバ嬢」「歌舞伎町」、実態はその真逆の人たちが、あるいは少々水商売をかじったかくらいか、だとすれば、いずれにせよそのワードを利用しているということかと。普段、パトロールなどでうっとうしい客引きを排除する活動をしている自分ではあるが、そんな客引きたちだって、あるいは歌舞伎町で働く夜のコたちは必死で、むき出しの弱肉強食、資本主義の中で堂々と渡り合って生きている。少々やんちゃや悪さがあったとしても、結果主義、品行方正なら平等なんてのはありえない、良くも悪くも歌舞伎町はそういう街。働く前に権利、人権、平等、そういう思想は、歌舞伎町ではむしろヤクザ側の思想。

デモは歌舞伎町を出て新宿3丁目を回って新宿駅前へ、「歌舞伎町の連中が騒いでるんだろう。」と新宿の来街者の人たちにはそう目に映っているらしく、そのことも残念だった。キャバクラユニオンは「キャバ嬢」らが作った労働組合を語り、メディアはそう報じる。警官に悪態をつき、煙草を吸いながらデモをしている男性もいる。しかし、一般目線ではキャバ嬢らが某弱無人にデモをしているという印象はぬぐえない。そんなのでは全くないのにだ。

加えてだが、デモ活動は法に許容され、警察は届け出を出されれば許可をせざるを得ない。2007年の参院選で泡沫候補が歌舞伎町で選挙活動の名目で騒いでいたときも書いたが、あるいは客引きを目的としたメンキャバのチラシ配りに対し警察が道路使用許可を出す件、一方で学生の卒業制作のような自主制作映画はおろか、ジャッキー・チェンでも映画の撮影などでは歌舞伎町内で道路使用許可が出ない、しかし“選挙”や“デモ”なら来街者に迷惑であっても許可される、等々。道路使用許可の件で以前このブログ上でも問題にし、「お前の顔は二度と見たくない」とまで前々署長には言われたが、だからこそ、今回のデモはやっぱり自分にとっては苦い。彼らにはそういう意図はないかもしれないが、法を逆手に取られたというか・・歌舞伎町のような歓楽街では、合法であっても許容できないもの、逆に違法であっても寛容出来るもの、そういうものが存在すると思う。警察に求めたいのは、道路使用許可の在り方をもう少し考えてもらいたい。何が適切で、不適切なのか。

歌舞伎町に限ることではないが、『歓楽街』には、自由と秩序の再適正化が求められている。もっと自由であるべき部分もあれば、逆に規制を強めた方がいい部分などを適正化するためには『特区』としての思考、施策がどうしても必要である。風適法であれ迷惑防止条例であれ、道交法もだが、等々現行法では足りない、あるいは邪魔、もしくは機能不全の化石法。それよりも上位法としての歓楽街自治『特区』が最も有効で近道でもある、と考える。


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