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東京都社交飲食業生活衛生同業組合にブロック制がスタート、9月27日城西ブロック発足記念パーティより [まちづくり]

9月27日(土)、歌舞伎町2丁目風林会館6Fのロータリークラブにおいて、東京都社交飲食生活衛生同業組合(岩堀親弥理事長)城西ブロック協議会の設立記念パーティが催された。

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社交飲食業界を取り巻く環境は厳しい。不況による客数減だけでなく、経営者の高齢化と後継者難などが重なり、各地域の店舗数も、またそれにしたがい組合員数も減少の一途をたどっている。そこで、東京都内をいくつかのブロックに分け、それぞれの地域にあった社交飲食業組合を統合し、ブロックごとに体力を増強し、組合としての活動を全うできる体制にするというアイディアが出てきたのは約1年前。それから協議を重ね、いくつかの反対意見や組合化の話などもあったようだが、結局東京都内を6つのブロックに分け、組合ではなくブロック協議会という連携の形に落ち着いた。歌舞伎町の社交飲食業店舗などが加盟する新宿社交料理飲食業連合会(SRI、関矢多嘉夫会長)は新宿・中野・杉並・千代田・文京の各区内にあるそれぞれの社交飲食業・酒場飲食業の組合と合流し、城西ブロックとなった。城西ブロックのブロック長には新宿社交料理飲食業連合会の関矢会長が選ばれ9月3日に発足。この9月27日に行われた城西ブロック発足の記念パーティはいわば、各地域の組合関係者の顔合わせといったもの。

DSC09813.JPG東京都社交飲食業生活衛生同業組合城西ブロック長の関矢多嘉夫氏

「昨今の経済状況は非常に厳しいものがある。また、街の安心・安全の問題であるとか、われわれに関係のあります食に関しては偽装問題だとか毒ギョーザの問題だとか、あるいは汚染米の問題だとか、最近では工業用のメラミン混入の乳製品の問題だとか、大変な問題が数々あるなかで、我々の業界のお店が段々と少なくなってきている。我々の組合の組合員数も少なくなってきている。今まで300・400あったのが100位になってしまったり、50店舗60店舗あった組合が15とか20とかといった状況になっている。これをブロック制にし、みんなで集まって共同して事業やイベントをやり、あるいは官公庁との連携もとっていきたい。」(関矢ブロック長挨拶より)

東京都社交飲食業生活衛生同業組合では、先日9月5日、東京都議会に対しホステス所得控除額の引き上げや、銀座地区のタクシー乗り場時間規制撤廃などの要望を提出するなどの活動を行っている。このホステスの所得控除引き上げについては、昭和50年以来33年間5千円(日給ベース)と据え置かれてきた所得控除額を最低でも1万円まで引き上げてほしいというもの。この33年で消費者物価指数は約3倍になっているにもかかわらず、また近年のホステス基本給は最低でも1万円であり消費生活における必要経費の実態からも控除額は1万円に引き上げられるべきというのが要望の趣旨。

こういった対行政・対政治などの活動、あるいはセミナーやイベントの開催などを行うにしても、地域組合によっては10名程度しかいないケースなどもあり、実質地域ごとには活動が困難な状況になっていたこともあって、今回のブロック制になった。城西ブロックの役員は、新宿社交料理飲食業連合会会長の関矢多嘉夫氏をブロック長(会長)に、副ブロック長として反保耕二氏(高田馬場社交飲食)、三宅敏弘氏(西武沿線社交飲食)、久田見正二郎氏(新宿酒場飲食)、稲垣政子氏(中野社交飲食)、桜井義晋氏(高井戸支部)、堀竹志氏(中野南社交飲食)。


社交飲食業の取り巻く状況は厳しい。よく話に出るのは、特に若い客、おもに40代以下の世代が少なくなったという。酒屋に聞いてもウィスキーの売上が格段に下がっている(一部プレミアム系だけは伸びている)。つまりキャバクラはともかく、スナックやクラブの状況が極めて厳しい。「酒の飲み方が変わった」という話もあるが、ならばそれに合わせた酒を用意すればいいというものでもない。2000年ごろのホステスの人件費高騰も重くのしかかっていて、その上にこの不況となれば、やはり「なくていいもの」、つまり余暇の部分から削られていくのは明らかで、そういった中で体力のない店舗は営業スタイルの変化もできずにもがいている。一方居酒屋など、とくにチェーン系の大型店舗はインターネットや携帯サイト、とくにグルナビなどによる集客比率がどんどん上がっていて、歌舞伎町などにチェーンを持つ居酒屋などで、かつては外販(客引き)に集客を頼っていたところが昨今の取り締まり強化でネットなどの宣伝にシフトしたところ、集客の8割という比率になってきているという。団体客は概ねネットによる予約で、売上に占める比率も高い。とはいえ、ネットによる集客はどうしても受身でコントロールが効かない。満員の時に来られてもどうしようもないし、閑古鳥が鳴いているからといってどうにかしようとしても簡単にはいかない。外販(客引き)はその点で、今5人欲しいとか、逆に今はいらないとかそのあたりのコントロールが効いてフレキシブルであり、人件費はかかるもののやはり営業上の意義はそれなりに大きかったようである。

さて、新宿東口の四商店街振興組合は近く防犯協会などと連名で新宿警察署に対し「新宿駅東口周辺、および歌舞伎町における客引き・勧誘・迷惑行為の徹底撲滅に関する要望」を提出することになっている。趣旨としては、風俗店のみならず居酒屋やコンタクトレンズやメガネ店などの路上勧誘・客引き行為に対しての取り締まり強化とチラシ配布などでの道路使用許可を出さないようにというものである。(原文は依頼を受けて自分が作成)これについて、各商店街が要望を出す上で、単に違法だからダメだ、取締りを強化せよというよりは、むしろ現実的な落とし所はどこに行くのかというところが重要だと自分は考えている。

現状の街の状況、とくに新宿駅東口駅前広場周辺などの客引き・キャッチ行為の無法状態を考えれば、取締り強化のベクトルが強くなるのはやむを得ない。しかしながら、現実にこれまでと同様恒久的な取締り強化が可能かといえばおそらくそれは無理。そこで何かしら落とし所が必要になってくる。例えば、ほかの都市の商店街のケースであるが、道路使用許可を警察が出すに際し、商店街の許可も同時に必要となるといった例が実際にある。実際に、商店街がこういった煩雑な業務をこなせるかどうか、あるいは無許可の者に対する監視機能が継続的に実行できるかどうかという意味では課題も多いが、若干の財源とマンパワーがあればこれは可能かもしれないし、ある程度路上における勧誘・客引きの活動をコントロール出来る可能性もある。ただ、システムだけ残っても志が失われてしまったら有名無実化してしまう恐れもあるが。

DSC01260.JPGセントラルロード入口にたむろするキャバクラ系の客引き。すでに店舗やグループ名、暴力団との背後関係についての観察はできてきており、これも警察に提出

客引き行為は違法で目ざわり、だが一方で非常に有効な集客手段であることは間違いない。だからいくら取り締まってもなくならない。では、一番いいのは何かといえば、これはあくまで個人的な意見だが、認めて、その上で人数なり場所なりで許可権限を持ってコントロールすることだと思っている。そんなことは行政にも警察にも出来ないが、パトロールを継続的に続けてきたことの延長で民間なりのやり方でコントロールすることにチャレンジするのも一つの手かなと。そこで、今回の要望書の行方でどういった落とし所に向かうかが重要になってくる。

規制強化ばかりでは街の経済状態は決して良くならない。サブプライムローン問題によるアメリカを中心とした金融不況の余波、そして何よりも一番大きいのは年間20兆円という日本の資金の海外流出を食い止めるすべがないこと。国策的にこれを何とかするに一番今求められているのは、国内に投資が向かうように内需拡大とそれを誘因する規制緩和的な施策である。繁華街の経済状況はまさにその底辺部分であり、状況を映し出すバロメーター。こういったところでの消費行動が拡大していくことが内需拡大の裾野を広げていく。そういった意味も踏まえ、且つ地域の更新につなげるべくポテンシャルアップのための唯一の方策としてこれまでも歌舞伎町「24時間特区」(何業も営業時間の規制を受けない経済特区)の実現を目指して来ているが、もうひとつ、言葉は悪いが「客引き」の一部合法化なんてのも歌舞伎町だったら出来るかもしれない。前にも書いたことがあるが、「歌舞伎町コンシェルジュ」、つまり来街者をもてなす案内人、マナーと秩序を守り迷惑行為の無い合法的な客引き、そんなことができれば街の経済活動と来街者のニーズに両方マッチする、そんな思いはある。

上記「新宿駅東口周辺、および歌舞伎町における客引き・勧誘・迷惑行為の徹底撲滅に関する要望」提出に関する記事について、一部誤りがあったので訂正をさせていただきます。「新宿駅東口周辺、および歌舞伎町における客引き・勧誘・迷惑行為の徹底撲滅に関する要望」に関して、新宿防犯協会はその内容と提出について承認をしていないにも関わらず、あたかも同意をし要望書が提出されると断定的とも思われる表現を用いたことは誤りであり、ここに訂正をさせていただきます。なお、新宿東口四商店街振興組合等連名による「新宿駅東口周辺、および歌舞伎町における客引き・勧誘・迷惑行為の徹底撲滅に関する要望」は、現段階(10月3日時点)では提出未定。
新宿防犯協会、ならびに新宿東口各商店街振興組合関係者に対しご迷惑をおかけいたしたことに関しここにお詫びを申し上げます。


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