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10月23日(月) 第4回 歌舞伎町ルネッサンス推進協議会 開催 [会議議事録] [まちづくり]

10月23日、新宿区役所5F大会議室において、第4回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会(会長:中山弘子新宿区長)が開催された。

協議会会長である中山弘子新宿区長

歌舞伎町ルネッサンス推進協議会は、昨年の1月27日に第1回の協議会からスタート、歌舞伎町から新たな文化を創造し、発信していくことにより、誰もが安心して楽しめる安全な街として歌舞伎町を再生することを目的とした歌舞伎町のまちづくりを推進する協議会。中山弘子新宿区長を会長に繁華街対策・再生に関わる国・東京都・区の各機関、地元事業者と商店街振興組合、そして大学教授等の有識者らによって構成されている。

今回新たに委員になった、作家の堺屋太一氏や警視庁生活安全局長の竹花豊氏、新宿警察署長、地元商店街、歌舞伎町再生の核とされているシネシティ広場周辺興行各社(通称四葉会)、新宿警察署長、有識者として早稲田大学名誉教授の戸沼幸市氏、早稲田大学特命教授の伊藤滋氏らが発言、「歌舞伎町のまりづくり」をメインテーマに、歌舞伎町の将来ビジョン、まちづくりの誘導方針などの課題を中心に歌舞伎町の再生を検討した。

今回の協議会の目玉としては、10月17日に発足した「まちづくりプロジェクト」について。歌舞伎町の主としてハード面での再生を誘導、歌舞伎町の現況調査とまちづくり誘導方針の策定などを目的としている。参考:10月17日(火) 第1回歌舞伎町まちづくりプロジェクト

まちづくり誘導方針案(たたき台)の概要説明

会議は、委員の紹介や17年度の活動報告・決算報告の後、区事務局から「歌舞伎町まちづくり誘導方針(案)」の中間報告が行われた。最後にこの方針について、各委員から意見をもらった。(株)創造開発研究所所長の高橋誠氏は「変わりつつある歌舞伎町をどう広報するか。歌舞伎町をポジティブに変えていく必要がある」、(株)ヒューマックス代表取締役の林瑞祥氏は「いろいろなものが入った総合複合施設はインパクトがある。大きいものを作ってイメージを一新しなくてはいけないのではないか」と提言した。各委員からの意見を参考にして、今後も引き続きまちづくりを推進していく。

以下、会議議事

1023日(月) 第4回 歌舞伎町ルネッサンス推進協議会

日時:新宿区役所5F大会議室 14:30~16:30

会長(中山弘子新宿区長)挨拶
この歌舞伎町ルネッサンス推進協議会でございますけど、二年目となりました。各プロジェクトを通じて地元事業者、関係行政機関が一体となった歌舞伎町のまちづくりを着実に進めております。
クリーン作戦プロジェクトでは、警察・消防・入管をはじめとした関係者の多大なご尽力を戴きまして、地元・ボランティアを含めたの力の結集により大きな成果を挙げております。また区が強く要望いたしました性風俗等の案内所の規制条例が施行されるなど、安心安全のまちづくりがさらに一歩前進し、街が変わり始めた、以前と比べてすっきりしてきたという声も多く聞こえてくるようになりました。
また、地域活性化プロジェクトでは、鈴木喜兵衛氏を題材にした移動演劇「夢~歌舞伎町物語」が上演されて話題を呼びました。歌舞伎町の音楽祭、ライブミュージックプロムナードにおいては区役所玄関前でのジャズカルテットの定期演奏が開始されるなど多彩なイベントが実施され歌舞伎町に多くの人を呼び込むようになりました。365日、歌舞伎町のイベントカレンダーをというような形で取り組んできましたが、365日とまでは行ってませんけれども、かなりの日数、歌舞伎町に行けば何か楽しいことがあるというところまで、今、なってきております。また、歌舞伎町の新たな担い手を誘致する喜兵衛プロジェクトを今年の2月6日に設立いたしました。7月にはインターネット放送局「新宿放送局」がサテライトスタジオを開局するなど、歌舞伎町のDNAを創造した鈴木喜兵衛氏の理想である道義的繁華街に向けて一歩ずつ歩みを進めております。
このように、歌舞伎町では、地元や事業者、関係機関等多くの方々がそれぞれの立場からこのルネッサンスを担い、誰もが365日楽しめる街への再生に向けた取組を進めております。そして今回、「まちづくりプロジェクト」を正式に発足いたしました。現在、昨年度に行いました歌舞伎町の現況調査に基づき、街の方向性を示す「まちづくり誘導方針」の策定を目指しております。本日、この調査の概要を報告したいと考えております。まちづくり誘導方針では、劇場街を中心に、この街のDNAである映画や音楽、演劇といった大衆文化の企画・生産・消費の拠点を目指し、活発な経済活動を行う街の姿をお示ししていきたいと考えております。
本日は、委員の皆様に歌舞伎町ルネッサンス憲章の精神のもと、歌舞伎町のまちづくりの方向性と街の持続的な再生・活性化を担う仕組みづくりについて、ご意見、ご提言を賜りますようお願いを申し上げます。

■ 委員人事
・ いとうせいこう氏委員辞職
・ 作家の堺屋太一氏、東洋大学教授 根本祐二氏 が委員として参加
※ 堺屋太一委員
日本万博博覧会や沖縄海洋博覧会などの国家プロジェクトに関り、また1998年7月から2000年12月までは経済企画庁長官として国政に携わった。現在は、日本経済新聞朝刊に連載されている連載小説「世界を創った男 チンギス・ハーン」など作家としても活躍。
※ 根本祐二委員
日本政策投資銀行で長年にわたり、各地の地域開発プロジェクトの企画・支援にあたり、これまでも、その立場から本協議会の委員でもあった。また、空き室のSOHOコンバージョンによる地域再生を行う家守事業の第一人者として活躍。現在は東洋大学教授として「公民連携」をテーマに研究を進めている。さらにミュージカルなどのエンターティナー産業にも精通している。

■ 人事異動などで新たに委員になったもの
・ ㈱コマ・スタジアム代表取締役 乗岡永記氏
・ 日本政策投資銀行理事 多賀啓二氏
・ 新宿消防署署長 高田茂氏
・ 東京入国管理局新宿出張所所長 後藤正直氏

新任委員を代表して堺屋太一委員の挨拶

堺屋太一委員(作家)
20年来新宿の愛住町に住所があったのですが、最近、㈱堺屋太一事務所のオフィスになりまして、住所は渋谷区に移りましたが、主要な事業点は新宿になります。歌舞伎町という街は、大変興味のある場所だと思います。新宿は、世界一のハブナーでございます。そして、歌舞伎町は、そのシンボルのような場所だと思っています。
歌舞伎町が、どういう性格をもつかということが、大きく言えば日本の将来に非常に大きく関わるところだと思っています。単にここに、大小の劇場がある、というだけではまだまだ不十分でございまして、やはりニューヨークのロックフェラーセンターとかパリのバンドームに匹敵する世界的な象徴となるような場所にしたいと思います。そういう、目標をきちんと立てまして、ビジョンをつくり、それにあわせてコンセプトを確立していく。
日本のテーマパークは何百と出来ましたが、ほとんど失敗でした。それは、最初のビジョンが本音とあっていない、みなさん、ビジョンというときれい事をならべていくので、本音と大きく外れていく。とくに、次の具体性を持った概念、コンセプトを創るときに、テーマと混同してしまう。この失敗があらゆるところに見られます。まちづくり、観光開発にいたるまでこういったことが大きかったのではないかと思います。この歌舞伎町においては、本当にみなさんの、あるいはそれを利用するお客さんのしたいと思うことを実現できるようなものを作れる、そういうビジョンとコンセプトをつくらないといけない。とくに、劇場街が近く新しくなるという話を聞いておりますが、これは、歌舞伎町の、そして東京の顔である新宿のそのまた中核となるところですので、本当に象徴的なものができないかと考えているところであります。歌舞伎町の空間的な限界、非常に限られた空間でございますので、きわめて高度な情報空間を作る、そういったところを一つのビジョンにするなり、それにどれだけ接近できるかというようなことを考えたらどうかなと思っております。そこでの行事や演出は、全国、全世界の話題に必ずなるとゆうようなことを、はじめから意図してはどうか。どうも、日本の街づくり、どこでもそうですが、少しずつ変わるんでございますが、全体的な象徴、シンボルがない。これは、コンセプト実現のシナリオを書くときには、みなさん、参加する人たちがなかなかコンセプトなんか読んでくれません。それで、そこからはずれないように、こういうシンボルがあって、そのイメージが強烈でございますと、誰でも、あれがあるんならこれにしよう、ウチもこうしようとか、お客さんがうんとくるならこうしようとか、いうような利益と理想とが一致するわけですね。こういうものをきちんとつくらなければならない。それが出来ていると、テーマパークでも博覧会でも観光施設でも大抵成功している。それができなかったら、ほとんど全て、確実に失敗している。そういうことを実現していきたいと思っております。私は、そういうことを実際に何回もやってまいりまして、それが出来たら必ず成功するという経験と信念をもっております。そういうシンボル空間の運営は、次に大事なことでございますけど、やはり実質意的な運営が可能になるように、たとえば情報発信を有料化するようなことによりまして、経済的に自立・自転していくような仕掛けをつくらなくてはいけない。そういう条件のもとに、この歌舞伎町の象徴をまず考えてみたら、そうするとかなり、今後の方向性が明らかになってくるんではないか。そして、良貨が悪貨を駆逐するような仕掛けをつくらなくてはいけない。取締りによって悪貨をなくするというのは、非常に悪い潜在性・潜伏性を持つ。経済的・商業的に良貨が悪貨を駆逐するような仕組み、つまり良いと思われるようなところが理想とコンセプトにあっているようなものが、より経済的にも有利で、どんどんとそういうものが増えていく。そして、悪いものが引き合わないよになってでていく。そういう仕組みを作るのが理想であり、現実的だと思います。是非、そういう意味で、この会で皆様方の英知と勇気が結集されることを期待したいと思っております。

■ 報告事項:17年度活動決算計画、18年度の活動計画・予算いついて承認(略)

■歌舞伎町対策の今後の展開について(議事)

会長(中山弘子新宿区長)

歌舞伎町対策の今後の展開について、皆さんのご意見を戴きまして、議論を深めてまいりたいと思います。はじめに、歌舞伎町の安全・安心と地域活性化について、次にまちづくりについての順に皆様の意見を戴きたいと思います。ご意見を戴く前に、関係機関と事務局から、今日までの取組と課題についての報告をうけ、議論の素材にしていただきたいと思います。それでは、歌舞伎町の安全安心、地域活性化について。

■ クリーン作戦プロジェクトについて

柗木義人新宿警察署長

歌舞伎町対策の取組につきましては、平成16年の4月以降、警視庁の最大重点というなかで、組織を挙げて取り組みを行ってまいりました。その取り締まり状況、とくに違法個室マッサージ、わいせつビデオ店、アングラカジノ店、こういったことを中心に進めてまいりまして、大多数の店は廃業に追い込んでおります。ただ、いまだに取締りの目を逃れまして、脱法あるいはアングラ的な営業を行っている店があります。これらにつきましては、今後も改正条例等によりまして引き続き取り締まりを続けていきたいと考えております。実は、先般も歌舞伎町二丁目のアングラカジノの摘発、それから昨日も、昼間から夜にかけてわいせつビデオ店数十店舗摘発をしております。

※参考:歌舞伎町のビデオ村にガサ入れ、14人逮捕:警視庁保安課などは24日までに、東京都新宿区歌舞伎町のわいせつDVD店を一斉摘発、わいせつ図画販売容疑で新宿区北新宿、販売店店長坂本達也容疑者(31)ら8人を逮捕、同販売目的所持の現行犯で店員の男ら6人を逮捕した。摘発したのは、わいせつDVD店が集中する通称「ビデオ村」と呼ばれる一画の10店舗で、1カ月の売り上げが約1200万円に上る店もあったという。同課は、各店舗や保管していた3つの倉庫からわいせつDVD計約3万7000枚を押収した。調べでは、坂本容疑者らは9月から10月にかけ、歌舞伎町の販売店でわいせつDVD計80枚を計6万9000円で販売するなどした疑い。(ソース:日刊スポーツ)

今後の重点課題でありますけれども、やはりまずは地域の方々からも取り締まりの要請が非常に強いホストクラブ等を含めた違法風俗店等の取り締まりを強化してまいりたいと考えております。まず、8月からですね、新宿署を中心に実体調査を実施しました。その結果、歌舞伎町のみ(1丁目・2丁目)で135店舗のホストクラブの把握をしております。その営業実体でありますけど、一部には午前4時頃から開店をしまして、その日の午前中、客の入りによっては午後2時頃まで営業しているものがありました。さらには、その営業方法ですけれども、同じ店舗で前半には風俗営業許可をもらった許可店舗で運営するのですが、そのあと、まったく別個の無許可のホストクラブ等を営業するという、そういった悪質な店舗もございました。これらにつきましては、さっそく一斉取締りをやりまして、5店舗について摘発をしまして、9人のものを逮捕しました。さらに、取締りの要請がありますところの、ホストクラブ等の悪質な客引き関係でございますが、9月10月に連続して摘発をしておりまして、客引きをしたホストの取調べから経営者らを逮捕しております。これら悪質な店舗につきましては、今後さらに行政処分という営業停止、あるいは廃業等を含めた厳しい対応をしてまいりたいと考えておりまして、このような取締りを引き続き体制を強化して進めてまいりたいと考えております。

次に、歌舞伎町ルネッサンス最大の障害であります、暴力団対策であります。取り締まりと排除対策の両面作戦を同時並行で進めているところでございます。今日、お見えになっています竹花警察庁生安局長の方から、今後の取組ということで、ミカジメ料の不払い運動の協議会を立ち上げたらどうか、というご提案を戴いておりまして、これにつきましては管内有志の方々のご賛同を戴きながら、ミカジメ料不払い促進の委員会を立ち上げますとともに、新宿署内にプロジェクトを発足させまして、さっそく暴排ローラー作戦を展開するなど、今年度12月の、ミカジメ料不払い宣言大会開催に向けて準備をすすめているところです。ご支援のほど、よろしくお願いします。それから、先ほど申し上げましたホストクラブのほとんどの店には、暴力団が、いわゆるケツもちと称しまして、入っている。毎月ミカジメ料を取っているというのが実態でございます。今後は、こういったミカジメ料などの資金源の遮断をしてまいりたいと考えております。街の繁栄に暴力団は不要だと考えております。

交通対策でございますが、昨年に引き続きまして、警視庁交通部との歌舞伎町地区集中取締りを継続しますとともに、道路環境のための道路不正使用取締を強化していく方針でおります。とくに、交通事故、交通渋滞の原因となります迷惑駐車に対しましては、本年6月より施行していますところの新たな違法駐車対策制度の違法駐車監視員を歌舞伎町地区に集中的大量的に導入し、二輪車を含めて既に3千件ほどの取り締まりを実施しております。暴力団、あるいは客待ちタクシーなど、運転者が乗車している悪質、迷惑性の高い、さらには非放置の駐車違反も検挙しているところでございまして、違法駐車対策のみならず暴力団対策上もきわめて効果的でありますところの花道通りの狭隘化につきましては、歩道拡幅により、本実施されることになっている。平成19年の2月に文字通り、歌舞伎町の花道として、これが完成することを大いに期待しているところであります。

今後も新宿署および、警視庁挙げてですけれども、皆様方との連携を密にしながら歌舞伎町の環境浄化を後戻りさせない決意で取締りを継続していきたい。引き続き、ご支援ご協力をお願いいたします。

新宿消防署長谷川予防課長(高田滋署長の代理として出席)

本日10月23日は、例の中越地震からまる2年でございますけど、運よく新宿はまだ襲われていないという意味ではいいと思います。13年9月1日、44名の死者が亡くなった明星56ビル火災がありました。これが、今年の夏、取り壊されまして更地になったという次第でございまして、9月1日には一斉査察を再度実施した次第であります。参考記事:9月1日 44名の死者をだした歌舞伎町ビル火災から5年目

明星56ビル跡地9月1日の一斉査察明星56ビル前にて新宿消防署員黙祷

まず消火活動につきまして、歌舞伎町についてはほぼ横ばいでございます。17年度、歌舞伎町の火災件数は30件ということでございますが、今年大分減ってきておりまして、14件ということで火災は減りつつあるのかなと思います。とくに、一番の心配である放火火災は非常に少なくなってきている。この傾向が続くことが安心につながるかなと思っています。つぎに救急活動についてでございます。救急件数について申し上げれば、徐々に増えておりました。ただ、今年度について申し上げますと、非常に適正需要というのか、安全になってきたのか、歌舞伎町についておきましても救急で運ばれる件数というのは非常に減っております。このままでいけば、10年来最低になるのかなと思われる次第でございます。なお、外国人傷病者発生件数も今年は非常に少ないという状態です。災害があったときに出て行くわけですが、災害がないように、というのが私ども予防の方の部門です。立ち入り検査ということでやらせていただいてます。15年から立ち入り検査は増えています。これについて申し上げれば、歌舞伎町1・2丁目一斉に立ち入り検査を行うようにしたことがありまして、約6百棟につきまして一斉に行っている次第でございます。本年度は、歌舞伎町対策の本部をつくりましたので、昨年よりは今年はもっと伸びるかなと思います。

違反是正の徹底については、16年がピークでございまして、それ以降減ってきている、消防違反についても減ってきているのかなという次第でございます。防火管理の徹底は、みなさん、事業者にいろいろやっていただいているのが増えている次第でございます。東京消防庁におきましても、さきの6月22日、歌舞伎町の専従班ということで東京消防庁新宿歌舞伎町防火安全対策本部というものを開設させていただきました。総人員、今のところ8名で専従で毎日査察・立ち入り等行っています。なお、6月22日に歌舞伎町の一斉ということで一斉立ち入り検査を実施しました。歌舞伎町防火安全対策本部の実績としましては、6月22日に立ち上げ9月30日まで、すべてのテナントを一斉に立ち入り検査をしているということで、クリーン作戦その他のものと比べれば違反が見つかる率が高くなっている次第でございますが、なお、これについても是正の方が動いてますので、安全に向かっていると思われます。

平成18年3月31日に火災予防条例が改正され、「優良防火対象物認定表示制度」、俗にマル優マークと申しておりますが、これは消防法上、あるいは建築法上適法にしているだけじゃなくて、自分達の方が安全ですよと、特別につけなくても構わないものをつけているとか、AEDという救急のための器具を持っているとか、いうものについて、このビルは安心だよ、という意味でつけているものです。歌舞伎町ではまだ、認定はされていませんが、東京消防庁で申し上げますとこの18日から始まりました。東京消防庁全体で29戸、新宿消防署管内で3棟が、このマル優マークが認定されたということで、今後これが増えていけば、歌舞伎町も含めて安全に向かっていくのではないかなと思います。

後藤正直東京入国管理局新宿出張所所長

対処方針としましては、歌舞伎町および周辺地区、大久保・百人町等における不法滞在及び不法就労外国人の積極的な摘発、摘発を通じまして国外退去を求める、新たな流入・定着の抑止、こういったところで対応している。摘発実施体制は、警視庁組織犯罪対策一課及び新宿警察署等との合同摘発、密接な情報交換を含めてすすめている。摘発実施状況としては、新宿区内の摘発状況でございますが、本年1月から9月にかけて、摘発箇所244箇所、この中には居宅、風俗店、事業所、あるいは路上等での職質などによるものもあります。違反形態については、不法入国、不法残留、資格外活動等、資格外活動というのは観光とか留学生とか本来働けないものが違法に働くというものでございます。
出動人員をみますと、3,609名、内、入管が1,008名、警察亜2,601名となっています。それから問題であります被摘発者については、307人、男151人と女156人、国籍別に見ると中国が89人、男43人、女46人、約30%を占める。ついで、韓国が79人、内男28人、女51人で約26%ということになっています。それから、つぎがミャンマー43人、マレーシア38人、フィリピン13人、ネパール9人、タイ7人、インドネシア5人等々、被摘発者の国籍・地域をみますとトータルで22カ国にわたっている。歌舞伎町地区の摘発状況を見ますと、摘発箇所16箇所、内訳はスナック等8、カジノ・居宅・路上が各2、ホテル・サウナが各1、被摘発者数は57人、うち男25人、女32人となっています。出張所開設以来の新宿区内の摘発状況は、平成15年が801人103箇所、16年が525人83箇所、17年が466人160箇所、本年18年は1月から9月30日までですが307人244箇所、数字的には減っています。数字が減っているということは、どういうことかと申しますと、やはり当出張所は歌舞伎町の真ん中に設置されました。そういった存在であるとか、警察の方々のご協力を得て積極的に摘発をした、その結果、この周辺地区から外国人が移動している、こういった現象だと私は理解しています。それから、摘発箇所と摘発人数が反比例しているんですけど、平成15年には一箇所当たり7.8人いました。平成18年、今年ですが一箇所あたり1.6人、非常に小口化していおる。集住している、まとまっているということが無くなっているということを示していると思います。
摘発の効果につきましては、まず歌舞伎町地区及び百人町・大久保地区等における集団居住事案、街娼事案問題がほぼ解消し、周辺住民の苦情や不安が顕著に減少していると理解している。第二に、外国人女性を雇用し猥褻な行為により接客する風俗店が総体的に減少し、風紀の乱れが改善していると考えています。第三に、中国人等不法滞在外国人の減少に伴い、暴力団との抗争事件等、不法滞在外国人が関与する凶悪事件が減少、犯罪の多い危険な街という歌舞伎町のイメージが改善してきているということだろう。当出張所開設前に、治安・風紀の悪化を憂慮していた住民・自治体関係者から「体感治安の改善」について謝意が表明、街が安全になって喜んでいるということだと思います。今後の対応については、まず、不法滞在・不法就労外国人に関する情報への迅速かつ適切な対応、これは警察当局の協力がなくては出来ないわけですが、警察との一層の連携で速やかに対応していきたい。二つ目として、治安悪化の一要因と指摘されている不法滞在外国人の歌舞伎町地区からの排除、この点についてはかなり排除できたなと思っておりますけど、ちょっと油断すると次から次へとまた入ってくる。そういったことが考えられますもので、新たな流入と定着の阻止に向けた一層の努力をしてまいりたいと考えています。三つ目は、地元商店街、つまり地元の方々に是非お願いしたいということなんですけども、不法滞在者情報等の積極的な提供を、つまり地元と連携して摘発活動を進めていきたい、ご理解・ご協力をお願いしたいと思います。

会長(中山新宿区長)
地元の歌舞伎町商店街振興組合の片桐専務理事から地域活性化プロジェクトのご報告をお願いします。

片桐基次氏(歌舞伎町地域活性化プロジェクト座長、歌舞伎町商店街振興組合専務理事)
 
歌舞伎町地域活性化プロジェクトを代表させていただきまして、一言報告させていただきます。
歌舞伎町を明るく楽しい街にするため、活性化プロジェクトとしてシネシティ広場を中心に多くのイベントをおこなってまいりました。劇団ギンガ堂の「夢~歌舞伎町物語」、イベントへの参加や東京六大学による応援合戦とパレードを中心にした歌舞伎町まつりの開催、先週行われました石黒望さんによるファッションンショーなどたくさんのイベントを行い、歌舞伎町の活性化を図ってまいりました。

 夢~歌舞伎町物語:参考記事:東京ギンガ堂公演「夢~歌舞伎町物語」は興行成績も良好![アフタートークダイジェスト] 

 

 

歌舞伎町まつり(東京六大学応援合戦) 2007 Nozomi Ishiguro spring & summer collection

今後も、街の各業界、劇場街と親密に連携し、警察・区・消防と関係機関のますますのご支援をいただき、いろいろな事業にも取り組んでいきたいと考えております。とくに、文化・芸術の発信の街として、歌舞伎町全体をフィルム・コミッションとしての映画撮影の出来る街、またタウン・マネジメントの立ち上げにあたっては、シネシティ広場のネーミングライツ、フラッグの掲載、オープンカフェなど収益を図り、自主警備・清掃等行っていく街になることを考えております。歌舞伎町は、映画・演劇、ライブハウスや飲食業の深夜営業でいつも賑わいのある街であり、また、観光の街であります。街を訪れる方、外国の方に優しい街として、歌舞伎町商店街振興組合が主導しての総合観光案内所の開設や、外国語表記の案内板、などこれらにの事業を実行していきたいと考えています。今、現在、これらの事業を行うに当たって、未だ街のイメージを悪くしているホスト等を含む悪質な客引きとシネシティ広場にはびこる質の悪いホームレスをどうしてもなくさなければ、街の活性化や企業の繁栄・成功はおぼつかなく、商店街として全力で取り組んでまいりますが、関係機関のお力を借りなければ排除することは出来ません。なにとぞ、ご理解を戴き、なお一層のご協力をお願い申し上げます。歌舞伎町商店街振興組合を中心に、街全体を明るく楽しいまちづくりを行ってまいりますので、どうかよろしくお願いします。

イベント時、常にシネシティ広場のホームレスとはトラブルが付きまとう。

会長(中山新宿区長)
歌舞伎町の安全・安心、地域活性化の報告がありました。これから委員の皆様方から、安全・安心、地域活性化についてのご意見を戴きたいと思います。はじめに、歌舞伎町のまちづくりでは、安全・安心ということがベースにあると思います。この安全・安心のまちづくりと歌舞伎町の体制につきまして、国のオブザーバーで、この協議会の元委員でもあられます警察庁の竹花生活安全局長からご意見を戴きたいとおもいます。

 

竹花豊委員(警察庁生活安全局長)
 
東京都が、東京の治安再生を目指したのが15年の8月でございます。それから3年を経て、歌舞伎町も大きく改善をされてきたと思います。その、大きな柱が新宿・渋谷・池袋等繁華街の対策をしっかり進める、とりわけ新宿歌舞伎町という、この治安のシンボルともいうべき、この街の安全・安心を築くということは緊急の課題でありました。この取組に、地元の方々、新宿区役所もちろんでありますけど、警察署、警視庁、消防署を含めてさまざまな方々が力を合わせて取組を進めてきたわけでありますけど、まず新宿区がそういった力を結集する仕組みとして17年の1月にこの協議会を立ち上げられて、いよいよ歌舞伎町のまちづくりが後に引けない、成功するまでは終われない、そうした舞台になったと思います。その後も、さまざまな取組が行われてきたところでありまして、非常に順調にこの取組が進められてきている。もちろん、難しい課題は多々あるわけですけども、多くの関係者の方々が情熱を失わずにそれぞれの立場の中で努力を継続されていると聞き及んでいます。たいへんうれしいことだと思います。警察庁といたしましても、この新宿の動きを全国に拡げようと、全国の16の都市・繁華街を歌舞伎町をモデルにし、繁華街対策を進めようというそうした動きが進められていております。その意味で、歌舞伎町にはしっかりがんばっていただきませんと他の繁華街対策が拠り所を失いますので、これからも警察庁としてもよろしくお願いしたいと思います。
私からは、今後の展開について、さきほど柗木新宿警察署長からもお話がありましたが、街のイメージを最も暗くしている歌舞伎町に巣食う暴力団の排除について新しい展開をもたらしたらどうかということを意見として申し上げたいと存じます。違法風俗の取り締まりを中心にして暴力団対策は進んできたと思います。公然と行われていた地回りも、もうめっきり、どこに行ったかと言う状況であろうし、それから暴力団の我が物顔の違法駐車についても影を潜めているという状況だろう。その中で、暴力団が資金を獲得できる仕組みを多少少なくしているだろう、したがって事務所の数もいくつか減ってきている。暴力団員の数も多少は減ってきているという傾向はあると聞いておりますけど、しかしそれは、たとえば2百あった組事務所が百になったとかそういうオーダーの話ではなくて、2百あった事務所が10くらい減ったかな、そういう状況にあるという事実もしっかりと見ておかないといけないだろうと思います。そういたしますと、私ども繁華街対策を進める立場としては、もう一歩、この街に巣食っている暴力団にダメージを与えるような新たな取組を立ち上げる必要があるのではないかということでございます。

7月11日に行われた第三回新宿繁華街犯罪組織排除協議会において壇上で話す竹花豊警察庁生活安全局長 記事:7月11日 第3回新宿繁華街犯罪組織排除協議会総会

先般7月に行われました新宿の暴力団排除の協議会にお招きいただきまして、その席で私は新宿・歌舞伎町に巣食う暴力団にもたらせているミカジメ料の問題について本格的な取組を開始したらどうだろうという問題提起をさせていただいたところでありますけれども、その後、その準備が着実に進んでいる、いよいよこの問題に本格的に取り組むということになってきたと聞き及んでおりまして、たいへんうれしく思っております。

思い返せば16年2月、歌舞伎町商店街振興組合の方々と区長さんも一緒に、振興組合の事務所で、いったいこの街をどうするのか、2時間以上にわたって熱い議論をしたことを思い出します。あの席で、私が振興組合の方々に言われたことが、一つは暴力団の地回りをやめさせて欲しい、違法駐車をやめさせて欲しい、客引きを無くして欲しい、この三つをなんとかしてくれという情報に対して、私は、これは表面的なことだと、これはなんとかなるでしょう、たとえばこのもとになる彼らに金をもたらしているミカジメ料という存在にもう一歩踏み込んでみませんかと申し上げた。当時、その会議で、そこは大事だけれども、とりあえずまず、地回り等やめさせてくださいというお話でおさまったという経緯がございます。今、地回りも違法駐車も、警視庁等の努力がありましておさまっております。その中で、いよいよ本格的な動きが始められるという、そういう時期を迎えたということであります。本当に、この点について多くの街の方々の努力も含めて、この協議会の大きな力を結集する仕組みを、この存在も含めて、歌舞伎町の安全安心のまちづくりが進められてきている証だと思っているわけです。警察庁としても、警視庁・新宿署はもちろんですが、全国的にバックアップしながら、血をみないようにしっかりと、みんなでやれば怖くない、誰か一人が頑張ると酷い目にあう、そういった仕掛けをつくることでもう一歩新たな展開が踏み出せるということを強く期待をしていますし、私どもも力になれればと思っています。

会長(中山新宿区長)
力を結集すること、それぞれが覚悟をしてというご意見であったかと思います。次に、地元や事業者を中心に、今、映画や演劇、音楽などのイベント交流のソフトの面でのまちづくりも非常に活発に進められております。この、地域活性化の今後の展開について以前から歌舞伎町商店街振興組合や歌舞伎町にも深く関わっていらっしゃる廣江委員からご意見を戴きたいと思います。

廣江彰委員(立教大学ビジネスデザイン研究科教授)
 
歌舞伎町商店街振興組合が、歌舞伎町をなんとかしなければいけないという、その最初から立ち会っておりましたので、最近ちょっとご無沙汰しておりまして申し訳ないのですが、という立場からお話をさせていただきたいと思います。先ほど、商店街振興組合の片桐氏が歌舞伎町地域活性化をされました。そこで判るように、現在はさまざまなイベントがむしろ持ち込みということでやりたいというようになってきています。商店街振興組合が最初になんとかしなければと思ったときには、まだ何が出来るかわからなかったし、出来ることもそう多くはありませんでした。ただ、地の利といいますか、新宿区のご好意を得てシネシティ広場をうまく活用することによって動きが非常に変わってきた。これは、大変いいことだと思う。最初、片桐さんとも語り合ったのは、なにかそこでやるというイベント広場にするだけではなくて、そこから生まれていくものを作りたい、これは区長も言われておりまして、何かが消費される街というのが新宿の特色なんですけども、逆に歌舞伎町と言う街の特性を活かしまして生まれるものを創っていきたい。おそらくこれが目標だと思う。
生まれるものを創っていくためには、いくつかの要素が必要なんですが、たゆまず努力する、兎に角地道な努力を続けていこうということでやってきましたけれども、それが新しい変化に達するだろうと思います。こういう、たくさん集まってくる新しいものを整理しながら、商店街振興組合の皆さんも、四葉会の皆さんも一緒になってどういう方向に歌舞伎町を変えていくのかという目標を明確にしていく必要がある。目標が具体化してくると、そこに至る道を整理しなくてはいけない。至る道を何と言うかと言うと、通常戦略と呼ぶ。いままで活動してきた中で非常に欠けているのが、戦術を考える人だと思う。歌舞伎町をなんとかしなければいけないと思う人、これは新宿区にとっても大変な資源、資産だと思うが、もう一歩、具体化していくためには戦略・戦術を考える人だと思う。これをどうするか。
そういうときに二つありまして、やはり外部の方、たとえばこういう場での意見の交換だとか、それから具体的に歌舞伎町商店街振興組合の中でとうとうと協力をして具体的なことをやっていく、専門的な立場から力を発揮できる、もう一つは、今まで集まってきた商店街振興組合のよくしよう委員会というのがありますが、その中でいろいろ考えてきて、地元の状況が良くわかっていて地域を代表して戦術を考えられる人。この両方がかみ合っていく必要がある。ここに達していく必要があり、どういう目標を描くのか、そこに至る道をどう整理していくかという戦略・戦術を描いていく、これをうまくやっていかないと、まだまだたくさんやることべきことがあるでしょうし、先ほどお名前をだしました片桐さんが夢として語っていた何か新しいものを生み出す基にしたい。たくさんのイベントが出来るということになってきましたので、そこから次にどう進むかという今の段階ではあると思う。そういう努力を、これから私も含めてやっていく必要があるだろうと考えている。

会長(中山新宿区長)
次に、まちづくりについて、みなさんに意見を戴きたいと思っております。先に、まちづくりプロジェクト・喜兵衛プロジェクトからの報告を受けまして皆さんからのご意見を承りたいと思います。まちづくりプロジェクトは、昨年5月に準備会が発足しまして歌舞伎町の現況調査を行ってきました。現在、この調査に基づく街づくり誘導方針の検討を進めております。この度、まちづくり誘導方針案の中間報告にあたりまして10月17日に正式なプロジェクトとして発足したところです。

まちづくりプロジェクト事務局報告(折戸課長)
 
平成17年5月に準備会議を立ち上げて活動してまいりましたが、今月の10月17日に商店街振興組合や町会をはじめ、JR東日本や西武鉄道などまちづくりに携わる関係者が一同に介しまして正式に発足いたしました。この間の活動でございますが、平成17年度は歌舞伎町現況調査につきましてアドバイスを戴きながら行ってきました。今年度は、歌舞伎町まちづくり誘導方針案につきましてご意見を伺いながら進めてまいりたいと考えています。
まちづくりプロジェクトの組織でございますが、歌舞伎町1丁目、2丁目、劇場街と異なる三つの特性をもつ地域におきまして部会を設けました。その三つの部会を取りまとめる形で2丁目部会の代表であります長会長の井上氏に代表をお願いすることになりました。今後でございますが、ハード・ソフトの両面からまちづくり憲章が目指す歌舞伎町のまちづくりを、具体的な整備を念頭に置きながら考えていきたいと思います。

 
歌舞伎町のまちづくりの進め方でございますが、平成17年度に土地や建物の現況調査を行いまして、街の問題点や課題につきましてまとめてまいりました。それに基づき、今年度につきましてはまちづくり誘導方針を策定いたします。今回でございますが、誘導方針の策定に向けた将来ビジョン、まちづくりの方向性をお示しいたしまして議論の素材とするものです。本日も、皆さん方のご意見を伺いながらこれをブラッシュアップしながら年度内に案をまとめていきたいと考えております。

歌舞伎町の将来イメージについてでございますが、平成17年度に地元が中心になって策定いたしました歌舞伎町ルネッサンス憲章、これが基本になっております。憲章は三つの特徴を持っています。
第一には多文化共生の街、二つ目は大衆文化の企画・生産・消費・発表の街、そして最後が観光・回遊の街でございます。
現在の歌舞伎町でございますが、映画館・劇場などの大衆文化の消費、発表する場所はありますが、企画と生産拠点と言うものは非常に少ないというのが現実でございます。今後、この辺をどのように誘導していくのかが課題になると考えています。
 

大衆文化の企画・生産・消費を誘導するための施設のイメージをどのようなものかということでございます。図の左から右に時系列的に企画・生産・発表・消費、そういう形で軸を取りました。縦軸でございますが、エンターティンメントの領域として、どういう領域をカバーするか縦軸に表示しました。薄く色がついているのは、現在在る施設でございます。白い囲みが今は無い施設でございますので、今後白い施設をどう誘致していくか課題になってくるということでございます。
 

今お話しました現在ある大衆文化芸術の発表と言う局面をどのように充実させるかという観点に立ったときの機能について整理いたしました。
 
このような具体的なことから、具体的な再生計画のイメージについてのご提案でございます。仮称でございますが、歌舞伎町の街につきましてはエンターティメント・ランドというネーミングをかぶせて地域の方向性を明示いたしました。これは、一つに歌舞伎町の再生はやはり劇場街を中心にしたまちづくりであるというコンセプトが第一であります。その上で、課題といたしましては安全安心の確保でありますとか、アクセス改善、劇場街の再生、回遊性の確保、地区内居住の5つをあげました。

 
 

街全体のコンセプトでございますが、劇場街を街のシンボルとして整備いたします。そのシンボルにいたる導入路をメインストリートとして確保いたします。また、新宿駅でありますとか職安通りなどから歌舞伎町へのアクセスも整備したいと思います。コンセプトのイメージですが、現在の劇場街周辺をエンタメゾーンとし、街全体が舞台という設定にしました。
 

建物利用のイメージですが、当初は2丁目の方はホテルのコンバージョンなどいろいろあると考えましたけど、街全体のコンセプトが劇場街を中心にした土地利用ということでございますので、劇場街を中心にしてエンタメ関連のサービス、ホテル、住宅、飲食カフェ、物販、学校と言うような劇場街を囲んだ形での土地利用ができるのが歌舞伎町の特徴かという風に思います。
 

居住の推進でございますが、どのような人たちに住んでいただくかということでございますが、都市を楽しむライフスタイルの人たちを誘致しようというものでございます。歌舞伎町は駅に近く、交通は便利でございますし、職住の近接ということで、余暇時間が十分に活用できます。そのためには、まずセキュリティの確保が大事だということでございまして、複合用途の建物、上層階をセキュリティの十分行き届いた住居、中層階には事務所、低層階には店舗というように複合的な居住の街といったイメージを創っていくことも大事かと考えてございます。
 

街を楽しく歩くということでは、回遊性に富んだ歩行者ネットワークが絶対に必要でございます。現在の地区内の道路は車と歩行者が混然一体化し、それぞれのネットワークが機能しておりません。これを解決するため、主要な幹線道路を除きまして歩行者優先の道路を指定しネットワークを形成し回遊性の確保を図ってまいります。すでに歌舞伎町1丁目と2丁目の間の花道通りにつきましては、今年度「から来年度にかけて整備が予定されております。
 

具体的な建て替えによる街の更新をどのように誘導するかということでございますが、歌舞伎町には老朽化した建物も多く、建て替え時期を迎えているものも多くございます。街区ごとの共同建替誘導をしたり、あるいは共同化を誘導することによりまして比較的に大きなビルを建てるということでございます。現在調査によりますと、比較的小さなビルに違法な風俗などが営業しているということもございますので、大きなビルにすることによって、これらの違法な風俗等を入りにくくするという効果もございますし、合わせて土地の有効利用やビジネス環境の改善にもつながっていくと考えております。
このようにいたしまして、ハードとソフトの両面から歌舞伎町のまちづくりを誘導していきたいと考えておりますが、ソフトにつきましてはこの後続けて発表してまいりたいと考えておりますが、これらは誘導方針の策定に向けた議論の素材としてお示ししておりますので活発なご議論をお願いいたします。

平井歌舞伎町対策副参事(喜兵衛プロジェクト事務局)
喜兵衛プロジェクトにつきましては、空き室空きビル対策ということで今年度2月発足いたしまして、風林会館でのイベントによる情報・発信活動などを続けてまいりました。そして、先ほど区長からのお話もありましたように7月15日、喜兵衛プロジェクト第一号としてインターネット放送局「新宿放送局」が歌舞伎町にサテライトスタジオを開局いたしております。これは㈱東急レクリエーションから同プロジェクトの賛同を得まして新宿TOKYU MILANO1Fの情報コーナーを新宿放送局が曜日・時間を限ってスタジオにしようという運びになったものでございます。
    
 

↑サテライトスタジオの様子、8月6日には新宿放送局主催で第一回歌舞伎町スター公開オーディションも開催された。参考記事:7月15日(土) 喜兵衛プロジェクト1号物件「新宿放送局 歌舞伎町サテライトスタジオ」開局記念公開収録 8月6日(日) 第一回 歌舞伎町スター公開オーディション決勝大会開催&グリーンバード歌舞伎町の活動がスタート!

さらに、現在、歌舞伎町の進出希望者と空き室のマッチングも準備しており今後も期待されております。喜兵衛プロジェクトでは、これらに加えましてソフトのまちづくりまで範囲を拡げて、現在タウンマネジメントの検討を進めてございます。
先ほど、まちづくり誘導方針ではハードの面のまちづくりが示されました。みなさん、ご存知のように言うまでもありませんけれども、まちづくりというのはハード・ソフトの両面から進めていかなければなりません。
 
そういった意味で、ソフトの面から歌舞伎町の課題を見た場合、3点が浮かび上がります。一点目はやはり、安全安心して楽しめる歌舞伎町、二点目が地域活性化・新たな文化の創造・発信、最後にまちづくり・エンターテイメント・ランド歌舞伎町、先ほどまちづくり誘導方針でも示されていましたけれども、こういったものを確立していくことでございます。こういった課題の解決につきましては、やはり地域全体として総合的に取り組んでいくタウンマネジメントの考え方が必要になってきます。
 
では、歌舞伎町のタウンマネジメントとその方向性を考えたときにどういったものかと申し上げますと、一つは考え方なんですけれど、まず地元主体の継続的なまちの管理・運営ということでございます。これは収益事業などを基に街の管理・運営など一環して行うというものでございます。二点目が街の安全安心・地域活性化・まちづくりに向けて、多様な事業を実施していくもの。そして、最後に繁華街地域における「地域自治」の一つのモデルという考えでございます。そして、こういったものを歌舞伎町に必要な役割・機能としてもたらすためには、タウンマネジメントの組織の検討が必要であると考えております。では、タウンマネジメントは何をやるのかということでございますけど、タウンマネジメントの活動事例として以下にあげております。

まず、はじめに「まちの維持管理」安全・安心ということで、たとえば防犯パトロール、路上清掃、放置自転車整理等が考えられます。次に、地域活性化ということで先ほどお話に出てきましたけれどもシネシティ広場を活用してイベント・オープンカフェ、あるいは集いの場といったものが出来ないか。まちづくりとして、家守事業、テナント紹介事業等、こういったものもできないか、最後に情報発信として現在でもやっていますけどホームページ事業・タウン誌事業・歌舞伎町をプロモーションしていこう、こういった事業ができないか、こういったものが考えられます。
 
歌舞伎町タウンマネジメントの課題としては3点が考えられます。まず、一つは自主財源です。これは、全国的に多く展開されているTMO等をみますと、行政からの補助金ですとか行政に依存したものが多くてそういったものが減少して立ち行かなくなっているケースが多く見られます。そういったことから、安定的な事業収益確立に向けた仕組みづくり、補助金からの脱却、そういった仕組みを歌舞伎町でも作っていかなくてはならない、という点が一点、それから組織づくりですが、先ほど申し上げましたように歌舞伎町版タウンマネジメントというのは繁華街地域における地域自治の一つのモデルと考えております。そういった意味から地元町会・住民の方、商店街、事業者を含めた地域全体で取り組んでいくものですよ、という考えです。最後に運営組織の形態ですけども、これはこれからいろいろ考えていくわけですが、NPO、㈱、LLC(合同会社)、中間法人等さまざまな形態がございますので、こういった課題もございます。
 
歌舞伎町版タウンマネジメント検討の流れについて、現在まちづくり誘導方針でも将来ビジョンが示されております。こういったものを明確化していく、現況調査・課題の整理、これは地元の商店街振興組合のほうでも始めております。そういったことを含めまして、今年度につきましてはマネージメントメニューの検討、方向性を確立していくということと、歌舞伎町にふさわしいマネージメントのあり方、組織のあり方を検討してまいります。そして、来年度に向けましてはタウンマネジメントの組織設立を検討しまして、20年度を目途に組織の設立を予定しております。

会長(中山新宿区長)
今、まちづくりについての現在の調査・検討の状況を報告いただきました。本日、国の関係機関からもオブザーバーとしてご出席をいただいておりますので、歌舞伎町のまちづくりに関するご発言を戴きたいと思います。はじめに、内閣官房の都市再生本部松葉事務局次長からお願いいたします。

松葉桂文内閣官房都市再生本部事務局次長
 
まず、ハードのまちづくり誘導方針案、エンターテイメント・ランドということで、最初に進むべき方向を見据えて、ある種のコンセプトが示されたということは非常に大切なことだと思います。私ども、歌舞伎町を含む新宿駅周辺地域を緊急整備地域に指定をさせていただいておりますけれども、平成14年7月に指定をさせていただいて、商業文化などの集積によって多様な魅力を備えた回遊性のある観光・文化交流拠点、こういう整備を進めさせていただいてます。まさに、地域整備の方針に沿ったものではないかと思っているわけでございます。非常に心強く感じた次第でございます。
具体的に、このテーマについてさらにご議論をされて地域の合意を図っていくとは非常に大切であると思っております。都市再生の議論をさせていただく際、もちろんハードの話も大切なんでございますけれども、昨今ハードだけではなくて、それを支える担い手の重要性ということを申し上げるのでございます。あわせて、そのソフトな活動に合間っての地域価値の向上ということは大切ではないか、こういうことを申しております。先ほど、タウンマネジメントの話をいただきました。タウンマネジメントはご紹介がございましたように、自立的に、経営としてうまく成り立つのかどうか大変なところがあると思います。補助金からの脱却という議論がございましたが、場所によっては指定管理者ということで業務をするいことで、その収益をあてるというようなことをされているところもございますけど、ご趣旨はさらに離れて自立したというと、なかなか難しいと思いますけど、過渡的にはそういうような補助とは言わないまでも、ある種の管理を委託してというようなことを十分考えられるのではないか。
三点目でありますけど、これはまちづくりということにその前段に安全安心が付くというのに少し関連させていただきますと、少しご紹介をさせていただきたいと思います。歌舞伎町の事例というのは、まさに全国の先進事例でございます。私どもが前回もご紹介させていただきましたけれども、この事例をモデルにさせていただいて、各地繁華街に同様のことができないかということをさせていただいてます。関係11都市区域の連絡調整会議などもさせていただいてます。関係者のメーリングリストをつくったり、今週も警察庁のご協力をさせていただいて、担当者に集まっていただき、情報を共有する場を設けたりしたいと思っています。いずれにしても、防犯対策とまちづくりというのは車の両輪でございますので、地域の多様な担い手の方々と警察の方々、自治体の方々一体となった取り組みを進めるよう、私ども微力ではございますけれども努力をしてまいりたいと思っています。

 

会長(中山新宿区長)
今後とも、いろいろご支援をお願いしたいと思います。次に、国土交通省の由木地域整備局都市計画課長からご意見お願いいあたします。

由木文彦国土交通省・地域整備局都市計画課長
 
昨年の5月19日、前総理の小泉さんが歌舞伎町を夕方、視察をしました。私、前職、小泉さんの下で働いておりまして、実は私も随行させていただいてまして、歌舞伎町を見せていただきました。その際、中山区長と小泉総理が風俗営業の案内所の中ににずかずかと入っていったりして、後ろにいて非常にドキドキして見ていたことを思い出しますが、本日久しぶりにお話をうかがわせて戴いて、大分進んできたんだなぁというのが本当に正直な実感でございます。警察・消防・入管等の取組がそうとう成果を挙げてきているなあという気がします。それから、先ほど見せていただいたまちづくり誘導方針もかなり具体的なところの検討に踏み込んできているなという印象を持っております。とくに、今後国土交通省の関係で申しますと、この街全体を舞台として、どのような機能をどのあたりに中心的にかんでいくのかという問題や、それからとくにご提案を頂いていますような複合用途の建物を作っていく場合には、やはり敷地が小さいとなかなか難しいものがございまして、小さい敷地をどのように共同化して、より良い建物にしていくのか、そういう誘導の方策とか、あるいは最後に歩行者ネットワークの拡充創出ということで、回遊性の確保、歩車分流でございますですとか、あるいは、たとえば地下鉄とのアクセスの問題ですとか、いろいろご提案を戴き、また進むべき方向が示されているなあと思っています。
私ども、従来は縦割りで補助金を流しておりまして、それぞれ非常に使い勝手が悪いとかご批判を戴いておりましたが、まちづくり交付金という交付金制度をつくりまして、従来のハードだけではなくて、今の歌舞伎町2丁目地区においては、喜兵衛プロジェクトなどのソフトなどにも交付金を充当していけるような仕組みを作っております。そういった形で、地域の方でまさにどうするのかをきちんと考えていただいて、それを国の方でしっかり応援するという形に出来る限り制度を変えてきているところでございます。まだ、不十分な点があれば、おっしゃっていただければどんどん変えていきたいと考えていますので、引き続きこういった方向で、進むべき方向性をよくご議論いただいて私どもは出来る支援は最大限ご協力をさせていただくと考えております。

会長(中山新宿区長)
これからもご支援よろしくお願いします。それでは、歌舞伎町のまちづくりについて、いろいろ今の状況を皆さんで共有できたかと思いますので、ご意見を戴きたいと思います。はじめに、根本委員から歌舞伎町再生の将来ビジョンですとかコンセプトといったところについていろいろあったかと思いますので、その点についてお話いただけますでしょうか。

根本祐二委員(東洋大学教授)
堺屋委員の方から、利益と理想を一致させるという話がありまして、あぁなるほどなあと思っていました。理想と言うのは、その街の遺伝子が向いている方向を実現するということだと思います。遺伝子が向いていれば、当然競争力がある、その競争力に基づいて利益が出せるということなんですけど、往々にしてそれがずれるということが、よくまちづくりに起こる。劇場街とか、エンターテイメントというのは、まさにその利益と理想を一致させる唯一の道かと思いますので、これを選択するというのは当然のことかなという風に思っております。仮に、劇場街の無い歌舞伎町を想定した場合、少なくとも外部から見るとあまり魅力がない、堺屋先生の表現を借りると、良貨が入ってこないということになってしまう、これは非常にもったいないと思います。もちろん、物理的に劇場街だけを指しているわけではなくて、劇場にくる人たちだとか、劇場を支えるお店とか人々とか歌舞伎町全体が劇場と言う大きなくくりの中に含まれてくる、一つは劇場街に選択をするというのが一点目です。
それから、二点目は集中ということなんですけども、先ほどまちづくり誘導方針にもあった地域資源と可能性と並んで方策というのが出ておりまして、コンバージョンであるとか都市再生であるとか共同利用施設、空間の提供ですとか、容積割増、規制緩和、これ以外にもアクセスの整備ですとかいろいろあるわけですけど、こういったインセンティブの集中した選択した分野に集中的に投入するという必要があると思います。ばら撒きをすると結局アブ蜂取らずになってしまうということですので、劇場街、またエンターテイメントに絞るのであれば、その一点に集中させるというつもりで、これは主として区の仕事となると思いますので、区長の強いリーダーシップを期待したいと思いますし、それから都もしくは国のご支援を戴きたいなと、ご理解も戴きたいと思います。
それから最後三点目なんですけども、先ほど堺屋先生がシンボルという話をされていまして、ちょっと今まで私の頭の中に、あまりハード的なシンボルというイメージは正直ございませんでした。確かに、コンセプトは読んでくれないので、一目瞭然のシンボルがあることによって理解をしてもらいやすいというのはおっしゃる通りかなと思っています。具体的にどういうものが必要なのかというのは、これからご議論の中で決まっていくのだと思いますけど、一つはハード的なシンボルではなくてですね、空間に来る人たちの人の集まる場をつくったときに、今、歌舞伎町には残念ながら無いと思うんですけれども、劇場があると必ず登場する人たちというのが、いわゆる業界用語でいう出待ち・入り待ちということなんですが、タレントさんが劇場に入ったり出たりするときにずうっと待っている人たちがいるわけです。何百人もいると、その人たちが一つの産業を形成する、賑わいのみならずその後、お茶を飲んだり映画を観たり、観覧をしたりそういった市場が形成されるんですけど、これはやはり安全・安心が前提であり、なおかつ綺麗な空間でないとなかなか成立しないということです。これは、コマスタジアムさんの方で、大分ご尽力やっておられて、従来演歌からWE WILL ROCK YOUですとかハロープロジェクトですとか冬ソナですとか、あるいは来年はエイザベートのウィーン版が来るということで、大変期待をしたいところなんですけども、それぞれ客層が異なっておりまして今までに無い歌舞伎町を知らなかった人たちが大量に来て、なおかつけっこう所得が高い人たちの層だということでして、こうした人たちが安心して歌舞伎町に来れるというような空間づくりというのをイメージすると、おのずとシンボル性というのが見えてくるんじゃないかなと言う風に思いました。

会長(中山新宿区長)
戸沼先生、いま根本さんから歌舞伎町の将来ビジョンについてご意見を戴いたところですけども、先生から見て歌舞伎町の方向性についてご意見をいただけますでしょうか。

戸沼幸市委員(早稲田大学名誉教授)
 
先ほどから、歌舞伎町のこれからのイメージということをどうつかむか、と言うことで議論されているわけですが、たとえば劇場街中心の、アメリカで言えばブロードウェイ型と言うようなものがあると思うんですね。かなり、インパクトのある劇場街で、そのほかにもいろいろあると。もう一つ、繁華街から歓楽街になる傾向を歌舞伎町は取ったわけですね。歓楽街、性風俗など、たとえばアメリカで言えばラスベガス型みたいな、やや博打みたいなものを含んで、つまりホテル・博打系ですね、だから、どっちへ向くのか。はっきりブロードウェイ型でいくよというのか、あるいはもう一つ、最近の傾向でいうとなんとかヒルズのようなもの、あれを見てますと文化性みたいなものがコンセプトの中心にあって、たとえば美術館みたいなものが入るんですね。歌舞伎町では、出てくる演目がなぜか演劇とか音楽とかはいっぱいあるんですけど、美術館とかそういうものが、成り立たないのかあまり入ってこないですね。
美術館でも、新宿に関するいいろんな情報の中で、写真誌は非常にたくさんある。非常に、人間が生々しく生きている姿を大勢の人が写真集などでいっぱい撮っているんですけど、絵画を含めた非常に前衛的な作品を紹介する美術館というものが、だれか、あるいは街区はいっぱいありますからそこにとか、あるいは2丁目でもいいんでしょうけど、そういうやや健全な芸術もあってもいい。
ご存知でしょうけど、鈴木喜兵衛が戦後焼け野原に創ったときは、彼も見ているといろいろ悩んでいるんですね。劇場を中心に盛り場を作ろうと、当時は店と住まいなんですが、歌舞伎町2丁目についてはどうも迷ったような感じなんですね。作り方がまるで違う。だから三業地にしたほうがいいんじゃないか、待合があって、つまり色街的な風に作ろうかというのを出したんですね。だから、その色街の方は自然発生的に新宿をこういう目にしてしまった、鈴木喜兵衛はこの街を創ったあと10年ぐらいで身引くんですが、あそこにかかわった人たちで私達の先輩である石川栄耀さんと言う人が独特なまちづくりをして、街の作り方が1丁目2丁目がまるで違うんです。2丁目は碁盤の目で切っているんですけども、歌舞伎町1丁目は全部Tの字になっている。T字路で行き止まりなんですね。消防は困るというのかもしれないが、一種の迷路性を持っている空間なんです。これが、この街の空間的な象徴、それこそシンボルだと思います。この懐の深い迷路性が、ちょっと謎があって人を惹きつけたと街の図面を見ながら私は思います。そういった、いろんな振り方を、世の中の動きと待ち屋の問題が一つ目途がついたとすれば、博打系・ホテル系というのもあるかと。見ていると、たくさんのホテルが土地を支配している。かつてのラブホテルと違って、全部入り口をオープンにして、これが最近の様変わりなんですね。
もう一つ、今度大きな話題で、ゴールデン街が非常に情報発信力があるんですね。ゴールデン街は、ご存知のように戦後すぐの新宿駅のフリーマッケットを集めた、短冊形ですが3階建てで2坪や3坪半くらいの小さな空間です。そこが、今、すごく頑張っているんですね。(下:10月15日第一回ゴールデン街フリーマッケットの様子 
記事:10月15日(日) 飲酒運転させないTOKYOキャンペーンの下の部分

  
    
この前も、日曜日にフリーマッケットをやってて、大勢来ていました。あそこは、ある人に言わせると文化財だ、残したらどうだ?と言うんです。ただ、老朽化が激しいんでそうはいかないだろうし、ゴールデン街商業組合と三光商店街振興組合にわかれているんだが、建て替えの議論をするところとそうじゃないほうがあったり、しかし、あれは戦後日本の街の中でのエアポケットであって非常にユニークな空間なんですね。私なんかは、外国人の方が東京を見に来て、その後あそこに行って、小空間で隣に一杯人がいると安心するんですね。何か、人間的な暖かさというか、小空間の持っている良さみたいなものがこの街にはある。
上から見て図面書いてこう、と言うんじゃなくて、歌舞伎町の持っている地べたのそういう感じを消すのか、もう少し違うものにするのか。空間と言う話が先ほどから出ているが、その辺の基本的な姿勢からもう少し考えたほうがいいのでは。
文化というのは、いわばどういう人を輩出したのか、ということです。ゴールデン街で巣食った非常に多くの小説家、戦後、理科系が威張って文科系が押さえ込まれた時に、歌舞伎町に集まってこれからは文化だよということで、あの場所には目一杯、写真家もいれば、新しい文化活動を発信していった功績は非常に大なんで、しかもあそこに小さな40席の劇場を作る人が出てきて長嶺ヤス子に目一杯フラメンコを躍らせる、ああいうのは新宿の懐の深いところで、国家プロジェクトもさることながら、地べたに這う人たちの生き様みたいなものを私は非常に共感するんで、そういうものに対してどういう姿勢でこのルネッサンスなるものが、もう準備ができあがってて、焼き払うかのようにゼロから街を作り直すものなのか、あるいは地の声に耳を傾けてどうつくるというのか。
私は新宿学というので、ここで地霊の声を聞く会というのをしようと思っているんですが、非常に懐が深いこのプロジェクトは大変興味深い。

会長(中山新宿区長)
ある意味で歌舞伎町のDNAをどう読むのか、というところでお話いただいたと思います。それでは、地元から見た歌舞伎町のまちづくりの方向ということについて、町田委員お願いします。

町田靖之委員(歌舞伎町商店街振興組合理事長)
 
まちづくりプロジェクトの中間報告について申し上げます。まず、まちづくり誘導方針のつくりかたについて、振興組合ではこれまで誘導方針について討議を重ねてきました。これからも、幅広く討議を続けていただきたいと考えております。将来、このたたき台が実現するようお願いいたします。もう一つは、このまちづくり誘導方針は街全体の構想です。地権者の方々に理解していただくよう、建替えモデルを提案させていただきたいと思っております。今後は多少時間がかかるかも知れませんが、劇場街の将来像を含め、数箇所の建替えモデルを検討していただきたいと思います。また、先ほど、片桐さんからご発言がありました商店街振興組合をはじめ、地元のイベント開催など地域活性化に向かって頑張っておりますが、やはり限界があります。歌舞伎町地域活性化をもう一歩先に進めていくためには、なにか大きな動きが必要ではないかと思われます。そこで、旧四谷第五小学校の活用ができないかと考えております。旧四谷第五小学校は、歌舞伎町にも隣接しており、歌舞伎町ルネッサンスへの活用が大いに期待されるところです。まちづくり誘導方針には、エンターテイメント・ランド歌舞伎町とあります。たとえば歌舞伎町の活性化を実施する業者の誘致をしていかないといけないでしょう。また、地元の活性化のために、なにか活用できないでしょうか。是非、歌舞伎町ルネッサンスの成功のためにお考え戴きたいと思います。

会長(中山新宿区長)
ただいま、町田委員から旧四谷第五小学校の活用というお話がありました。旧四谷第五小学校は、花園神社の北側に面したところにありまして、平成7年3月31日を持って学校適正配置によって閉校となっているところでございます。現在は、敷地内に区役所の第二文庁舎としても活用しております。地域活性化に、その旧四谷第五小学校を活用、そこにエンターテイメント関連の事業者を誘致、というようなことですけれども、この点につてエンターテイメント産業に詳しい根本委員、なにか具体的な事例等、なにかご意見ありましたらお聞かせください。

根本祐二委員(東洋大学教授)
廃校舎の利用というのは、全国に大量にあるんですけども、だいたい公的な利用といいますか、官が自ら利用する形態が多くございます。そういう意味では、民間が借り受けて自由な発想で利用するというケースは今の所そんなには無いようですが、いくつか成功事例は出てきておりますので、そういう方向でご検討いただければいいと思います。たとえば、世田谷区では世田谷ものづくり学校というのを作りまして、デザイナーズビレッジといえばいいんでしょうか、ものづくり・工業系デザイナーの中核としてのSOHOとしてであるとか、あるいは豊島区の方では西巣鴨創造館、これは演劇の稽古場で、体育館を再利用している。いろんな民の智恵をうまく入るような仕組みというのは可能でありますし、十分進めていけるのではと思います。

会長(中山新宿区長)
実は、新宿でも西新宿にある廃校となった小学校を、芸能花伝舎というようなところで色んな活動をしていただいたりしてますので、私も、こういったことを検討していくのが歌舞伎町ルネッサンスの力になっていくのかと思います。
それでは、まちづくり誘導方針案ではエンターテイメントゾーンが謳われているわけですけども、この点について㈱東急レクリエーションの佐藤代表取締役会長、㈱ヒューマックスの代表取締役社長に、シネシティ広場の活性化と周辺のまちづくりについて、是非ご意見を戴きたいと思います。

シネシティ広場周辺、四葉会のエリア

佐藤進委員(㈱東急レクリエーション代表取締役会長)
 
実は、今日はいろんな話をしよう、いろんな報告をしようと思って満を持してここに座っておりました。区長をはじめ、堺屋先生、ほかの先生方、国土交通省の方、それから区の折戸事務局長の話を聞いて、これはおちおち出来ないぞ、皆さん、異口同音にですねこの協議会のまちづくりの中心課題は劇場街だということでございます。
私は、ご紹介いただきましたように東急レクリエーションの現在会長をしております。私の隣にいるのが東宝㈱の専務の山田氏、それから㈱ヒューマックスの林代表取締役、それから東亜興行㈱の今日は社長がお見えになってませんが伊藤常務、それから新委員として紹介がありましたコマ劇場の乗岡社長です。実は、シネシティの映画館等はこの5社で経営しております。従来は、東宝とコマ劇場は一緒でございました。ということで、四社、四葉会ということでスタートして、現在も会の名称は四葉会でやっておりますけど、実質はコマ劇場も入っておりますので五社でございます。先ほど来、いろいろお話を聞いて、この歌舞伎町ルネッサンス推進協議会のいわゆる本質、まちづくり、とくにハードの問題でございます。やはり、我々がもっとしっかりしなくてはダメだなと。
実は我々も、先般ご案内しましたとおり2004年3月でございますが、東宝の松岡会長、ヒューマックスの林会長、東亜の大谷社長、それから私とが出席しまして、ここ歌舞伎町に持っている我々の会社を再開発しようではないかということが四社で一致しました。それでスタートしまして、この歌舞伎町ルネッサンス推進協議会は先ほど区長からお話がありましたとおり2005年の1月に発足いたしました。したがって、私ども四社のシネシティの開発は、それよりさかのぼったところの10ヶ月くらい前に四社だけで合意をしておりました。そして、2005年になりまして、四社の間で若干意見の相違が出てまいりまして、その調整に若干暇をとりました。しかし、現在では、ある種の事業スキームを5社に提案しまして、これを真剣に検討していこう段階になっております。したがいまして、私としては、11月12月中に5社のオーナー会議を開いて、この事業スキームについて慎重に検討してある程度の合意を得たいという風に考えております。
先ほど、折戸事務局長からお話がありましたとおり、だいたい2009年ごろを目標にやっていきたい。私どもは当然それは考えております。従いまして現在、この間も区長をお会いしまして、佐藤さんあなたなにをモタモタしてるんですか?あんたのところが一番遅れてますよ、というお叱りを受けまして(笑)私は一言も弁解をしませんでした。区長、任せてください、予定通りやりますから。いうことでご回答いたしております。そして、先ほど、歌舞伎町版タウンマネジメントの課題(自主財源、組織づくり、運営組織の形態など)というのがありましたが、私は、我々5社にとって、これが一番大事なことだなと思っています。そして、地元町会、住民、商店街、事業者を含めた地域全体での取組む姿勢が必要じゃないだろうか。もう一回、原点に返って、我々シネシティを経営する5社が、先ほど申し上げました代表者会議において、この辺も合意点としてしっかりと私が提言してまいりたいという風に思っております。先般、区長に「何してんですか」とお叱りを受けまして、まかしてください、ということを私の報告にさせていただきます。

会長(中山新宿区長)
たいへん、力強いご決意を表明していただき、心強く思っております。それでは、林社長お願いします。

林瑞祥委員(㈱ヒューマックス代表取締役)
 
私どもヒューマックスは、戦後の混乱期から始まりまして、歌舞伎町で約60年間いろんなことをやってきました。劇場、映画館、ゲームセンター、ホテル、飲食店、健康ランド、コンサートホール、本当にいろんなことをやってまいりました。その間、いろんなことを見てきました。歌舞伎町の変遷も。
昨年には、中山区長、それから堺屋さんにお話もいただいて新宿FACEという、今のビルの上でいろんな興行場も行っておりまして、一周年記念も行ったところで、今の所順調にそれも進んでおります。
私事で恐縮なんですが、先般ニューヨークに出張する機会がございまして、最近といいましても2003年でございますけど、完成したというコロンブス・サークル、ご存知かも知れませんけどセントラルパークの南西の角にあるタイム・ワーナーセンターというのが出来ました。そこの開発をした社長にお会いしまして、またご案内もしていただき中も見せていただいた。そのとき、いろんなことを伺いましたけれど、開発規模といたしましては土地が約5千5百坪くらいで建物の面積が7万5千坪くらい。かなり大きいですね。これは、タイム・ワーナーセンターと言うだけあって、タイム・ワーナーが入っているんですね。これが、一番すごいインパクトがあるのですけれども、いずれにしましても、その巨大企業が入っているだけじゃなく、私が申し上げたことは、それが入って、そしてそれ以外に、マンション、それも高級なマンションですね。今まで、そこはそんな高級な場所じゃなかった、ところがそれができたおかげで、ものすごく立派な高級マンションをつくりまして、当初、皆売れないだろうと思ったら、高い値段で売れて皆驚いている。周りがそれを見習って、マンションが続々建っています。私も驚いたんですけれども。
そのほかに、もちろん色んな、面白いと思いましたのは複合商業施設もあるんですけれども、なんと1Fにですねオーガニックのものすごく大きなスーパーマーケットがあるんですね。これにはビックリしました。こんなとこでこんなのが流行るんですかと聞いたら、一緒にアメリカの銀行の人と話をしてたんですが、その銀行の人と一緒に食事をしながら開発者の方の自宅でお話をしてたんですが、いや、食料品売っているとお客様は週に何回きますか?と、ファッションじゃ月に一回しか来ませんよと。それを見て銀行は支店を出しましたって言ってました。へえと思って感心してたんですが、先ほど言った高級住宅とそういうオーガニックスーパーとかレストランとか物販とか家電、サムソンのショールームがございました。それから最高級のホテルであるマンダリンホテルが201室、ビルの中に入っているんです。そして、地下はものすごく大きなアスレティッククラブでした。それからみなさんご承知のように上の方にはリンカーンセンターが経営しておりますジャズクラブが二つありまして、これらは大変すばらしい施設でした。そんなようなことで、つくづく思ったのですが、やはりなんといっても、その位やって、いろいろなものが入ったテナントミックスで形成されておりまして、それだけのものがあるからインパクトがあるということで、やはりそういう複合施設だからこそインパクトが出来ていると思ったわけなんです。
先ほど、堺屋先生の話にもありましたように、良貨が悪貨を駆逐する、まったくその通りですね。私は、たとえば住宅は、当然逆に変なものは作ってはいけない。よくニューヨークではコープという方式で、入居者を制限、買う人を審査するやりかたもある。これが、いいかどうか私はわかりませんが、そのぐらいのことをやってもいいかなと思うぐらい場所は便利なところですから、それから事務所もですね、皆さんご承知のように今、都庁の近辺は、私も新聞でしか読んでないんですけど、一坪3万円4万円といわれているそうです。歌舞伎町は、ちなみに関係者の方もいらっしゃるでしょうけど、1万5千円でも苦労するんじゃないかと思うところなんですね。これは、なにが違うかといえば、イメージが違うだけです。距離的には、全然同じですよ。やっぱり、それだけ大きなものをつくってですね、本当にインパクトを強くしてイメージを一新しなければいけないんじゃないかと思っております。
そういう意味では、四葉会という五社の会議をやってますけれども、これは区長にもお願いしているのですが新宿区も東京都も、大久保公園や大久保病院、それから立派なオフィスビルもありますし、ですが大変苦労されている。こういうものも全部含めて、その後ろの方には、実は職安通りに向かってハローワーク、となりが新宿区の清掃事務所です。歌舞伎町は、駅からすごく来やすいんですね、歩いてこられます。それから西武新宿も可能性は高いと思います。しかし、残念ながら車のアクセスはすごく悪いです。劇場つくっても、ではどうやって入るんだという感じなんですね。私は、区長に申し上げてるんだけれども、せっかくやるんであれば、そういうものを全部まとめて大きなプロジェクトにして、職安通りからも入るようにしたらどうですかと、そういうぐらいのプロジェクトにすると初めてインパクトが出来てきてですね、立派な施設として本当に牽引力のある、まわりが公益を与えられるようなものになっていくんじゃないかと思っています。

図の地区Aをまとめ一気に再開発をするべきという林委員の案(地区Bはサブナード延伸に伴い合同建替えや、ゴールデン街再開発の議論の場所)

先ほどお話に出ましたように、今まで皆さんいろいろな方がお話をしていただきました。もちろん、小泉さん、安倍さん、それから国土交通省におられた北側さんもお見えになりました。区長が大変ご尽力されたと思いますけど、私如きがでしゃばっていろいろ説明させていただいたのを覚えておりますけど、そのくらい、中央の政府も興味を持っていただいております。事業をするのに大事なことは、天の時、地の利、人の和と、なります。これがそろっているのは今じゃないかと思います。5社が力を合わせようといっているわけです。そして、天の時は、今、お話がでましたように区の方も、区も都も国も応援してくださろう、そう仰っているわけです。地の利、世界でこんなに人の集まる駅はありません。よくアメリカ人を連れて行くんですけど、びっくりします。1日260万の人が通り、一つの駅に線が13本も交差しているところなんかほかにないですね。ここから歩いて至近距離、5分、そこに今までのような状態では大変もったいないということを私、つくづく感じておりまして、5社皆で力を合わせてやろうと思っておりますけれども、我々だけではもちろんとりまく周辺の商店街だとか地域の皆様、そして新宿区東京都を主体とした官の皆様の絶大な支援がなくてはこれは成り立たないと思います。是非、これを皆で力を合わせて、世界に発信の出来るプロジェクトに進めていくべきだと思いますので、これからも一つよろしくお願いします。


会長(中山新宿区長)
本当に思いを語っていただきまして、今、まちづくりをして行く、まさに私たちがここで地道な努力をし、粘り強く、且つ離陸をするという、そういうことであろうかと思います。歌舞伎町の再生の担い手について、これまで来街者のターゲットの見直しとか、クリエイティブなクラスの誘致ということを高橋委員から前回ご意見を戴きましたけれど、今のいろいろなご意見を聞いてですね、事業者誘致の話もありましたけれど、ご意見いただけたらと思います。


高橋誠委員(㈱創造開発研究所所長)
 
今まで、我々どちらかと言うと、ネガティブを通しそれをどう消すかということをやってきたと思うので、そろそろポジティブをどう外に向けていくか。どうしても、たとえば女性達に話をすると汚いとか、きわどいとか3Kばかり出てくるわけで、今そろそろ変えていかなくていけないかなと思っています。そういった意味で、区長のお話と少し脱線して申し訳ないのですが、今日は定住プロジェクトに関しては喜兵衛プロジェクトがありますので、しょっちゅう来る、定訪プロジェクトということについて一言だけ申し上げます。
一つは、まず歌舞伎町の広報部隊をきっちりと、区の広報ははっきりしているわけですが、歌舞伎町の広報をどうするかということで、もう少し担当者をはっきり決めるなんていうこともあっていいんじゃないかと思います。残念ながら、テレビ局、放送局は新宿からいなくなってしまいましたけれども、そういう意味では新宿放送局という新しいメディアであるインターネット放送局が始まりました。しかしながら、私自身がいろいろ見ている限りにおいては歌舞伎町自体についてそれほど広報されているわけではない。もっともっと外に向けて、こんなに変わったよということを、是非売り込んでいくべきではないかと思う。目玉の一つで、新宿の日というのを歌舞伎町につけたらどうかと。新宿の日は、4月19日、シンジュクで駄洒落でございますが、419は新宿の日でございますので、是非たとえばそこに根本委員がおっしゃったように集中して、たとえば世界盛り場サミットをやるとか、集中してやるというそういったことも一つのアプローチとして考えられるのではないか。というような意味で、歌舞伎町は今変わりつつある、変わりつつあるというのは今すぐ伝えていかないと遅いです。たとえば、スキー場は雪がないと二年間客がきません。翌年もあんな所はダメだといわれる、と同じように歌舞伎町はあそこはちょっと酷いよ、汚いよというイメージでずうっと来てますから、そろそろ反転して責める姿勢に行くべきでないか。そういった意味で、居住・共生・回遊の3K、いい意味での3Kということで新宿歌舞伎町をポジティブに変えていくことをそろそろ考えられたらいかがかと思います。

会長(中山新宿区長)
とても今、私たちここで、メッセージを高く上げなければ、居住・共生・回遊の3Kというようなことで、ご意見を戴きました。最後に、伊藤先生から、今までみなさんのご議論を聞かれて、また先生が常々考えていらっしゃるようなまちづくり全般、歌舞伎町の再生について、ご意見お願いいたします。

伊藤滋委員(早稲田大学特命教授)
 
三つ申し上げます。一つは、30年後に東京に大地震が来るということが言われています。そのときに、みなさんの歌舞伎町にお作りになった小さい建物は、ほとんど半壊すると思います。そのときに歌舞伎町は、地震に対してどう対応するのかというのは、本当にこれは大変な話でございまして、お客さんがいる夜中に風俗のところで地震が起きて、半分ぶっつぶれて、従業員はどうするのかなんていう話題はそうとうリアリティがある話です。西暦2030年に東京北部地震が起きる発生確率は70%であるってことはあちこちで言っているのですけど、他人事じゃない。そういう話題もあって欲しいなと思います。
それから、二番目は戸沼先生がおっしゃったゴールデン街、ああいう町は残すべきだと思いました。私は、低層型の二階建てくらいの店が出来ればいいかなと思ってるんですね。そのためにはどうするかってことなんですけど、大久保公園のところを全部オフィスビルなり、ちゃんとしたビルを建てちまったらどうか。大久保公園の公園は東京都に文句言いますと、私国有財産をやってますんで、国有財産の公務員宿舎はかなりありますから、それを少し安い値段で(笑)。それで公園面積において新宿区内で帳尻があうんじゃないかと思うんですね。
私、林さんの案に大賛成ですね。歌舞伎町を直すのはいろんなやり方、内科療法的には戸沼先生のようなやり方を絶対やらなくてはいけないんです。しかし、外科療法もやらなくてはいけないんですね。そうすると、職安通りまで新宿駅から30メートルプロムナードで並木があって、そういうところをまっすぐ歩いて行く途中に洒落た映画館あり、余韻があり、マンダリンホテルがあり、高級マンションがあり。そして、職安も国有財産ですから場合によっては売ります。清掃事務所と一緒になれば、あそこに非常に洒落た台湾人や韓国人が社交する、デラックスクラブで、そこでクラブ風にしゃべってるとかですね。それ、思い切ったズバッとした案があれば作れそうなんですよね。じゃあ、一体大久保公園どうするかと言ったとき、もう一つ乱暴なことを言いますと、私たちまちづくりをいろんな外科療法的の中で、容積率の委譲というのがあって、ですから、区役所前の8F建てのビルを壊して8Fにしないで2Fにして、6F分は大久保公園に積み上げれば高層ビルが建つことになる。結果としてその高層ビルが5百メートルでもいいと思ってます。だって台北5百メートルありましたし、上海5百メートルもありますしね。なんでも5百メートルあっちこっち建てられるんじゃなくて、まさに歌舞伎町をよくするために5百メートルにする。まぁ、段々話半分で3百50メートルになってしまうかもしれませんが。しかし、そういう大きい資本を持ってくる。今、坪1万5千円なんていうのはとんでもない値段ですね。価値が上がって、そういうプロジェクトをやることで坪3万の床単価で地主さん、覚悟してやれるっていうなら、多分いろんなお金が千億2千億と入ってくると思います。
そういう外科療法と、それから戸沼さんが言った、僕もゴールデン街に昔行ってたんですけど、非常に味わいの深いというところがありまして、そしてその街は2030年の地震で絶対大丈夫で、避難民も安心するし、風俗の従業員も訓練しててお客さんに安全安心を与える。そういう三つの話がくっついたら面白いかと思っています。

会長(中山新宿区長)
 
どうも有難うございました。今日はみなさんからご意見を戴いたあと、本当はみなさんフリーディスカッションというようなことができれば、一番良かったのですけども、今回まちづくりについて多様なご意見を戴けたと思います。これから、先ほどビジョン、コンセプトというようなお話ありましたけども、私たち皆様方とビジョン・コンセプトづくりをして、そして志を共有して歌舞伎町の街がまさにここで話されたような方向性で、シンボル性をもってメッセージを発信できるような、そういったまちづくりに取り掛かってきている。しかしながら、まちづくりを成功させるには安全安心な街であるということで、警察や消防や多くの関係者のみなさんが地道に取り組んで頂いてくれているからこそであるというところで、これからも多くの皆様の力をこの歌舞伎町に結集していただく、そういうことが、新宿歌舞伎町だけでなく、新宿の街全体、東京全体、日本全体というような、そういったいい街をつくっていくところにつながるというような想いで、皆様方の力を戴きたいと思います。本日は長時間、本当にありがとうございました。これからも、どうかよろしくお願いします。

 


“歌舞伎町るねっさんす Live” in Ruido K4

昨年11月に歌舞伎町にやってきたライブハウスRuidoK4、ここを舞台に10月23日の夜、「歌舞伎町るねっさんすLive」と銘うったライブイベントがあった。第3回の歌舞伎町ライブミュージックプロムナードにも出演した中澤京子さんの事務所IQGの小西氏が中心になってブッキング、この日はアコースティックギターデュオのOTOLOGY中澤京子さん、MADOKA、そして根食真美(ねじきまみ)さんの4組の出演。

OTOLOGYは本格的なアコースティックデュオ。ややブルースっぽい雰囲気のオリジナル曲。クオリティは高い。音路地(おとろじ)っていうのがちょっと洒落てるね。

  

中澤京子さん。「新宿一人暮らし」なんていうBlogも書き始めたよう。「哀愁デイト」でコロンビアからデビューしている。

 

MADOKAさん、先日は時間が合わず彼女の歌は聞けなかったので、今回初めてステージを見せてもらった。R&B、ブルース、ポップスからフラメンコ風の曲もこなす多彩多様。この日はファンもけっこう多かった。

根食真美さん、メジャーデビューしているらしい。って、全然知らないんだが、どうやら国民的美少女コンテストで上戸彩がグランプリを取った1997年、そのときの音楽部門賞だそうで、なるほどかなり歌いなれている雰囲気。やや濃い追っかけもいるようだ。

小さなイベントではあったが、それでもやや狭いRuidoK4がほぼ満員、オールスタンディングで200人ってところかな。歌舞伎町ライブミュージックプロムナードから派生したロック・ポップス系のムーブメント。もともと新宿LOFTなど歌舞伎町には10件を超えるライブハウスがあるが、それらに加えて先日のゴールデン街劇場でのライブといい、地からはじまるムーブメントが徐々にだが芽吹いてきている。「好きだから」から「伝えたい」にかわり、それがやがて新たな文化になっていくように支えて行ければいいと思う。


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