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歌舞伎町地区まちづくり誘導方針案(たたき台)概要について [まちづくり]

新宿区の歌舞伎町ルネッサンスの推進に於いて具体的にどういった街づくりを目指すのか、平成18年度の作業として「歌舞伎町地区まちづくり誘導方針」の作成というのがある。10月23日(月)に開催が予定されている第4回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会に発表される予定のこの作業が、現在新宿区都市計画部地区計画課によって進められている。これについて、行政側がら地域各事業者・組合・町会に「たたき台」としての案が示された。あくまで新宿区が地域に対して示す議論の一素材であって、これをもとに四葉会(シネシティ広場周辺興行4社)、歌舞伎町商店街振興組合、歌舞伎町二丁目町会などに対してヒアリング、あるいは討議を行っている。

↓平成17年度歌舞伎町現況調査より流出入人口動向

以下、歌舞伎町まちづくり誘導方針(たたき台)をまとめる。

■歌舞伎町地区まちづくり誘導方針案(たたき台)※討議資料

まちづくりコンセプト:エンターテイメント・ランド 歌舞伎町(特別な場所)

誘導プロジェクト:①ゲート整備②シンボル建設③ゾーニング④建替え誘導

①ゲート整備

特別な場所「ランド」に入るためにゲート「門」を整備 例)メインゲート:セントラルロード サブゲート:スカイウォーク 一番街 花道通りなど

②シンボル建設

劇場街の再生によってシンボルを建設。イメージは城、24時間の不夜城とする。シネマコンプレックス+大人・子供も楽しめる遊び

③ランドのゾーニング

A,エンターテイメント・ゾーン:劇場街⇔セントラルロード⇔靖国通り(文化・イベントの発信等)

B,文化国際交流ゾーン:2丁目ホテル街

C,多文化共生ゾーン:2丁目

飲食ゾーン①ファミリーの飲食:一番街②スナック・バー等大人の飲食:区役所通り③アジア飲食:職安通り、2丁目

  • 歌舞伎町のシンボル「まち」を支える「魅力・拠点」

①劇場街:大規模再開発(数街区)、個別建替え(街区)②1丁目③2丁目→街区、数軒共同、個別建替え

新たな魅力・拠点、10の再生・創出(シンボルの再生を誘導)

  • 魅力・拠点

①新宿コマ劇場②シネシティ広場・劇場街③ゴールデン街④新宿区役所⑤風林会館

  • 東西・南北軸

⑥JR・西武新宿駅スカイウォーク⑦一番街・セントラルロード⑧ハイジア・大久保公園⑨区役所通り・東通り⑩花道通り

  • 劇場街再生の内容(制度の活用)

「再生」にふさわしい公共施設の整備

  1. バス・自動車アクセス改善
  2. 歩行者アクセス改善
  3. シネシティ広場再生
  4. 駐車場整備:概算規模1.3万㎡延床11.7万㎡→付置義務390台(1台/床300㎡)
  • 安心・安全、シンボルの創出(規制緩和)
  1. 道路統廃合・再配置
  2. シネシティ広場再配置
  3. 敷地統合・再配置
  4. 駐車場計画配置・整備(駐輪場計画配置・整備)

■まちづくり誘導方針建替えモデル(たたき台)再生コンセプト

  1. 劇場街:文化・イベントの発信→数街区再編誘導
  2. 1・2丁目:文化・イベント等関連の魅力創出→街区再編、共同建替え

(誘導手順)建替えモデル→実現の為の提案⇔規制緩和、公的支援

建替えモデルの誘導策としての提案

規模・用途・壁面指定等

  1. 複数敷地の一体利用(基本一敷地一建物)
  2. 土地の有効活用:高度利用地区(200㎡以上)
  3. ビルオーナー自前管理(建物用途制限)

建替えモデル(規制緩和・公的支援)

  1. 余剰容積率の活用(指定容積率活用)
  2. フーゾクビルの排除(零細ビルの共同建替え)
  3. 「街区一体型」建替えの推進(1丁目区有通路の付替え)

  • 街区一体型建替えの推進(区有通路の活用・公的支援等)
  1. 区有通路の活用:道路の付け替え、または宅地化
  2. 市街地再開発事業の活用:公的支援(補助、派遣、協議・調整)※駐車場付置義務など
  3. 違法風俗等の排除:地区計画で用途制限⇔「衛生法」との連携活用
  4. クリーン作戦の実施:警察連携、NPO活動

■安心・安全まちづくり「10年プロジェクト」

  • 歌舞伎町1丁目→安心・安全:10年後に人口10倍3000人居住
  1. 「エンタメ関連・都心利便志向・24時間活動」⇔安心安全・都心居住
  2. 建物の自治運営組織:ビルオーナー組織(TMOと連携)
  • 歌舞伎町2丁目→活性化:10年後に交流人口倍増30万人
  1. 大久保公園活用:劇場街再生と協調イベント開催
  2. 地元で公園管理:イベント活用の管理委託組織設立
  • 劇場街→シンボルの再生:大規模再開発で劇場街再生
  1. 車・歩行者改善で売上倍増
  2. 構想→計画→事業計画→建設

歌舞伎町2丁目地区についての誘導方針の中で討議されているのは、主としてラブホテル街のコンバージョンである。ラブホテルを、上図のように下層階に商業施設、中層階に事務所、上層階には住居を、あるいはシティホテル・ビジネスホテルへのコンバージョンを提案。


歌舞伎町再生のためのまちづくり誘導方針の中心にあるのは、やはりなんといってもシネシティ広場周辺の興行4社(四葉会)の大規模再開発にある。公共貢献(駐車場やバスターミナル設置など、あるいはそのほかの選択肢もありうるが)を条件に特区として容積率等の規制緩和をすることで、より経済価値を高めることを検討。しかし、現実には歌舞伎町1丁目地域は歩行者優先のまちづくりを進める方向にコンセンサスがある。ハイジア・サブナード等の駐車場の利用率も決して高くは無い。ともにアクセス面で問題があるので、たとえば地上面は四葉会再開発とJR・西武新宿駅からのスカイウォークなどによる歩行者の回遊性向上、地下面でサブナード・ハイジアを四葉会地下で中継して連続性を持たせ、地下街・地下駐車場を一体整備、となっていく可能性もある。ただ、地下面の整備には多額のコストがかかり、負担割合などハードルは高い。

もう一つの軸は、これは行政提案について地域がどう考えるかではあるが、街区ごとの建替え誘導である。歌舞伎町は、築35年を越えた建物が60%といわれ、建替え時期が迫っている。しかし、1丁目はとくに20坪程度のペンシルビルが多い上に、道路幅等の問題で容積率を十分に使えなないでいる事情がある。これを街区、あるいは数軒単位で共同建替えを行う場合に、建物ごとの間にある区有通路(背割り道路)を払い下げ、または付け替えなどを行い、容積率を基準値まで使える状態に、または緩和をすることで高度利用を進めるという提案。地域地権者が興味を持たなければ絵に描いた餅で終わることになるが、街区によっては興味を持ち、具体的にケーススタディを進めていこうという動きが生まれれば将来的に歌舞伎町の全体的な再生につながっていくかもしれない。

現在、この行政提案について歌舞伎町の地域事業者、歌舞伎町商店街振興組合、二丁目町会などにヒアリングを行い、それぞれの意見・要望を取り入れつつ修正し、第4回ルネッサンス推進協議会までにはまとめていく作業段階にある。

いろいろ突っ込みどころはあるが、まず「エンターテイメント・ランド」というよりは、歌舞伎町は「アミューズメントシティ」とか「歓楽街」とかの方がふさわしいように思うのだが。それと、歌舞伎町の人口十倍計画という提案があるが、これは不要だと思われる。現実に歌舞伎町・及び大久保エリアを中心に中国・韓国人の人口比率は上昇傾向にあるが、先日多文化共生の問題点として教育崩壊の件を書いたが、つまり家族で子育てをする街にはなり得ない。いわば、老人や独身で特徴的なライフスタイルを持った人が住むことに限られる。トランプタワーにクリントンが住むように超高級マンションが一丁目の高層ビルの上階に、、みたいなことが無いとは言い切れないし、選択肢を無くす必要は無いが、あえてこれを誘導する必然性がどこにあるのか、さらにクリーン作戦の途上にあって、上図歌舞伎町の人口分布図と歌舞伎町暴力団事務所分布の位置関係がほぼ同じであることは見る人が見ればわかるでしょう^^;つまり、そういう街なんですよね。共同建替えで15F建てが立つとして、現実的に飲食店がそれをすべて埋めるということは難しいだろう。その場合中層以上の床をどういった業種、あるいは構成が適しているのか、個々に考えるべき問題であるが、といってこれはっ^^!っていうアイディアも無く、ただ住居と言っているようにしか感じられない。

最後に、歌舞伎町にカジノを。という声がけっこう強いということもヒアリングの結果わかったことだ。中には「ハイジアの地下をカジノにしたらどうか?」とか「四葉会にはカジノつきのホテルを」なんて声も出ている。まだ、まったくコンセンサスの無い話であるが、これも一つの選択肢として無視してはいけない声ではないか。

 


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