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歌舞伎町の不動産投資、実勢価格がここ1年で約倍か。 [まちづくり]

耐震データ偽造問題のニュースを見ていて、誰もが思うことは「これは他人事ではない問題」ということだろうか。いま住んでいるマンションは大ジョブ?と心配になったことだろう。

歌舞伎町などの商業地における建築物の耐震構造について問題になることはあまりない。では耐震構造が大丈夫だということなのか、いや、そんなことはない。ヒューザーの件は偽造度が過ぎているとはいえ、「一般的に耐震構造について、基本が100だとしたら70とか80なんていうのはザラでしょう。」という。建築主がコストを最小限にしたい、出来上がったらたとえばテナントとして貸しにくい柱だの梁だのはなるべくはずしたい、というのは当たり前だろう。しかし、その反面ビルオーナーが建設会社にビルを発注する際、信用するのは「会社名」とかであってデータを読めるわけでもないし、まして偽造されたデーターを見抜けるわけはない。ようは建設会社なり設計会社の良心に頼るしかない。

たとえば商業地のテナントビルで、仮に耐震基準が足りないビルがあったとしよう。では、耐震構造が足りないからテナントに補償額を払って出てもらって、高い工事をして・・・なんてやってたらとてもじゃないがビルオーナーはもつわけがない。耐震検査をX線などを使って検査するコストも大きい。また、仮にやろうとしても果たして民間の金融機関がお金を貸すか?つまり、偽造があろうとなかろうと、空っぽでもない限り建ててしまってからではどうにもならないのだ。そういう意味で、偽造データを見逃した責任は思い。建設業界のこういった構造的問題は、いくら「小さい政府」を目指しているとは言え安全を守る責任のある行政ががんばるしかないはず。

行政がここでがんばるかどうか、にかかってたりするのかもしれないが、ここ最近の不動産価格はややバブルの気配を帯びている。一般的に、銀座から始まるといわれる不動産高騰の動きから若干タイムラグをおいて歌舞伎町や池袋にはじまっている。

歌舞伎町ではつい最近まで坪当たり300~500万といわれていたものが600~700万へ、花道通り沿いで1000万、一丁目内とかならもっと高い値段が付くといわれている。底値がたぶんここ1年くらい前、天井まではまだ2~3年あるといわれている。だが少なくともここ1年で倍は十分バブルの予感。

投資は、多くが外資・国内問わず不動産ファンドによるものが多い。歌舞伎町をターゲットに不動産購入欲は高く「10億20億でも出す、利回りで7%あればいい」という話がザラにある。この7%を支えるのは家賃収入であり、歌舞伎町においてはまだまだビルを買って一年後に売っても利益の出る物件がゴロゴロあるという。もっとも、転売転売では街は良くならないのだが・・・・。ビルをきれいにして中をコンバージョンしたり改装したりというとテナント保障などの問題が絡んでコストが膨らむため、やむおえないとは思うが。ある時期を迎えると、ビルオーナーの判断でテナントを強制的に追い出せるシステムとかルールをつくらないと、この問題はすべての繁華街再生のための足かせになっているとは思う。

もともと、歌舞伎町のビルに対して一般の金融機関は非常に辛い。とくにニューカマーの韓国人に日本の金融機関が貸さないため、彼らは韓国内からの融資で事業を拡大するしかない。日本人オーナーであっても「歌舞伎町」という地名だけで国内の金融機関は投資・融資を拒む空気があった。理由はビルオーナーに直接でなくとも、テナントにかかわる暴力団の存在が大きい。しかし、商業地のビルは家賃収入が高いため利回りがよく、ここに目をつけ「ファンド」を経由してあくまで間接的に歌舞伎町のような繁華街に資金が流れ込む仕組み。(もっとも暴力団にしても同じで直接名義で不動産を売買するわけにはいかない故、間接的にファンド的なものを立ち上げて資金を流し込む、歌舞伎町の某関西系ラーメン店の土地建物は一例といえるかも)。逮捕されたが、森下グループも同じような読みがあったといえる。非合法ではあったが無料案内所は仮使用、レンタルルームは簡易宿泊所としてのデリヘル経営は空きテナントの家守事業の一種の形といえなくもない。空きテナントを小さな投資で有効活用、サテライトがあっちこっちの無料案内所、コアが上高地ビルや元かに道楽とか白鳳ビルオフィスという形。この事業がたとえトントンでも(実際はこれでも十分利益を生んでたが)いずれまとまった土地にして再開発もしくは転売という狙いで十分利益を生む環境がある。

歌舞伎町ルネッサンスの一つの柱に、「地域の資産価値を高め投資を誘導する」という趣旨がある。

無料案内所が1階路面店で約5~10万という家賃を払っている現状は今までの浄化作戦と今後の規制からいってもう続かないだろう。とくに1階路面店の家賃は下げざるおえないだろう。それでいて逆に資産価値があがるという現象がおきているのがなんとも妙。1階路面店の家賃相場がどう適正になっていくかでこのネジレ現象は消えていくとは思うが。

現状のビルオーナーにとっては、家賃収入が下がる一方、資産価値は上がり固定資産税は上がる傾向とやや苦しい状況に向かう可能性が強い。(というか、今まで如何に歌舞伎町のビル経営は旨かったかということかもしれない。それが証拠に歌舞伎町にはまた貸しが当たり前のように横行し、その利益を享受してきた連中が山ほどいる。これらも今あぶり出し作戦中)

家守事業は、そんな時に低利で融資して最小限の改装や事業を起こすなどによってしのいでもらう。いずれ建て直しするときに容積緩和やまたは再開発のときの容積委譲(床売買、周辺の余った容積を一箇所に集積して巨大なビルを建てる手法)へと結び付けていくことになる。耐震データ偽造問題が特に海外からの不動産投資熱に水を差すかどうかはまだわからないが、歌舞伎町におけるいまどきの不動産話を書いてみた。


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コメント 2

美神 先生(みかみ さきお)

>つい最近まで坪当たり300~・・・。
倍位になっていたんですね、凄い驚きました!
最後は、地価が暴落し国が買い占めて、開発するという”オチ”があったら面白いです。
結局、風俗店位しか借り手がいなくて又、法改正(条例改正)が、あったら更に面白いです。
そんな事にならないように頑張ってほしいです。
by 美神 先生(みかみ さきお) (2005-12-01 21:36) 

Tera

シャレと受け止めておきます^^
by Tera (2005-12-03 03:08) 

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