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デリヘル規制の改正風営法11月7日に正式公布、施行は来年5月か。 [まちづくり]

閣法第13号  
閣議決定日 :平成17年10月4日
国会提出日 :平成17年10月4日
衆議院  

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案

 最近における風俗営業及び性風俗関連特殊営業等の実情にかんがみ、人身売買の罪等を風俗営業の許可の欠格事由に加え、接待飲食等営業及び店舗型性風俗特殊営業を営む者等に接客従業者の在留資格等の確認義務を課し、違法営業行に対する罰則を強化するほか、少年指導委員の職務に関する規定その他所要の規定を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

2005年11月7日に法律番号119番として正式に公布されました。施行日は公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日からとなります。

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風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案について

概要 http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan14/gaiyo.pdf 

条文 http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan14/jyobun.pdf 

新旧対照条文 http://www.npa.go.jp/safetylife/seikan14/sinkyu.pdf

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郵政民営化法案の騒動で春の162回国会では審査未了になったものが、今度の秋の163回国会で可決、公布は11月7日。今度の改正の主な点は、ずばりデリバリーヘルスに対する規制といっていいと思う。

通称デリバリーヘルスは、無店舗型性風俗特殊営業の第一号営業。サービス内容は基本的には店舗型2号のファッションヘルスとほぼ同じとされているが、実質売春(本番行為)が横行していることは周知の事実。

もともと新規参入が難しかったかずの性風俗業界において、これも過去の風営法改正によるものだが店舗型の許可制とは異なり届出制で開業できる無店舗型性風俗というのは、無店舗であるがゆえに禁止区域の規制を受けず(どこでも開業可能)設備投資が最小限で済むということで、近年爆発的に増加してきた。

デリヘルオフィスといえば、たいていマンションなどの一室にパソコンに電話とファックス、受付や問い合わせ対応のスタッフが1名、それに出勤表と奥の部屋に数名のサービス嬢が待機。宣伝はたいていWEBと一部掲載可能な風俗情報誌、WEB情報誌あたり。と、店舗型に比較していかに手軽に開業できるかがわかると思う。

一方、無店舗型であるがゆえに、一般的なサービス場所はラブホテルやレンタルルーム、自宅出張となるため、たいていの場合ドライバースタッフなりがいて車で近くまで宅配(ゆえにデリバリー・近所なら車は使わないだろうが)、サービスはファッションヘルスと同じく本番手前までとなっているが、実際のところ本番が横行しやすい。これは店舗型と異なりボディガード役が近くにいないために客側が求めやすい(交渉がしやすい、または強要しやすい)という側面と、サービスする側の問題(フェラチオなどに比べて本番のほうが実際ラクだという、と、当然小遣い稼ぎにもなる)がともに大きな原因。経営する店側も当然それと知りつつも管理売春をおこなうわけには行かないので黙認、ということになろう。

だが、サービス嬢は、同時に密室にハダカで見ず知らずの男性と2人きりになるわけで、これは常に危険と恐怖がつきまとう。これについて、無店舗型とはいえ、サービスルームになる場所と提携または直営することにより監視体制をつくることが求められていたことが、現状よくあるレンタルルームやラブホテルをフロアごとまたは一軒まるごと賃貸してしまい、そこでしかサービスを行わない店が増加、歌舞伎町にも多々ある。

無店舗型の性風俗店は従来WEB宣伝に頼ってきたが、実際効果は薄く宣伝面で弱点を抱えていた。かつて無料風俗案内所のはしりだった花道通りのマンゾクワールドではグループ風俗情報誌と連動してキャバクラやヘルス、各種風俗店のサービスチケットを配布、店に置くには広告料をもらっていた。これに着目、なんどとなく足を運び研究していたのがいまや池袋や歌舞伎町で風俗全体を凌駕するいきおいの森下グループの森下氏。彼は、おそらくここで自分の店または自分の会社の系列・傘下のデリヘル店舗のみを宣伝する「無料案内所」のアイディアを考え、前記ホテル直営型の今の経営体系に至ったと思われる。実質この形が大きく成功、類似型の経営をする店も一時は増えたが圧倒的な資金による宣伝力の差によって実質森下グループの一本勝ちの状況が現在ある。

もともと日本の法律は、性風俗にはある程度寛大で、道徳的な観念を持って営業してもらえば取り締まりをしなくても良いように、非常に曖昧な取り決めしかしていなかったのがこれまでのスタイルだった。だが、むしろ地域や各自治体(とくに性風俗に縁のない一般市民)にとってはここ最近の状況は景観的にも公序良俗的にも目に余るものと強く感じるに至ったことが昨今の性風俗に対する風当たりが強くなってきた原因と思われます。

そして現況からいってどう規制をかけていけば性風俗が目立たなくなるか、と同時に暴力団の資金源になる部分を排除させようとしているように思われます。

規制の骨子は、デリヘルの受付所・サービス嬢の待合所を店舗型性風俗特殊営業の営業所とみなすことで現状ある受付所型無料案内所と近接する待合所を禁止区域から排除するというのが一点。歌舞伎町、というか東京都内では吉原の一部地域をのぞき全域禁止区域ですから待機場所も受付場所も設置不可能なはずです。

問題は、無料案内所を受付所と立証できるかどうかということかもしれませんが規制の視野にははいっているはずです。ここは個人的な意見ですが、無許可・脱法型性風俗営業は本来プレイルーム自体がなければ営業できないわけですから、実質プレイルームとなっているレンタルルームやラブホテルについて「用途の不適格」に対する規制をかけたほうがいいのでは?とか思います。ビルオーナーに対するぼったくり条例と同じく、ホテル・レンタルルームの営業者や所有者に管理責任を直罰化する規制の仕方も抑止力をうむとおもうのですが。。

第二に、広告宣伝に関する禁止区域内規制および直罰。これは法律の運用をみないとなんともいえませんが、広告看板や捨て看・ビラはもちろん対照でしょうが風俗情報誌掲載の広告物については規制方向にあると見ています。店舗側が宣伝することももちろんですが、それを掲載した媒体、それと無料案内所内看板というのをどう見るのか。解釈や運用基準はやや流動的だった部分が今後どうなるか。

第三に、風俗営業等する場合の欠格事項に人身売買が加わった点。人身売買は一般的にアジアのどこかの国から少女を売春や風俗営業を目的にブローカーする、といった認識があります。もちろんこれに国際的な犯罪組織が関与していることは疑う余地がありませんが、と同時に日本女性の人身売買は国内でも暴力団が介在して一般的に行われているという実態があります。人身売買、といわずに風俗嬢ブローカーといえばわかりやすいかもしれません。性風俗店にはオープン屋的な開業時に嬢を手配、そろえる連中とかバンス(借金)の取立て集団、借金の内容次第では系列のソープだのAVだのにアルバイトさせる連中、いわゆる裏職安的な連中がウヨウヨいます。これらを規制するのは別の法でしょうが、こういった過去の犯罪歴が風俗営業を行おうとするものに対する欠格事項になる、つまり人身売買(いうなれば労働基準法違反になるような雇用形態とかそれにかかわる求人や広告も含めて)に関する徹底的な規制・摘発が今後さらに強くなるということでしょうか。

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ざくっと書いてみましたが、正確な解釈はご自身でPDFなりをダウンロードしてよく読んでください。

性風俗産業の恩恵を受ける方々というのは実態で人口のどのくらいの割合なんでしょうね。その割合は、歴史からみて決してそう少なくはなさそうだし、またなくなることのないものです。とはいえ、先ほども書きましたが、いつの世にも地域住民や自治体に目の敵にされ法の規制とスレスレの線である意味戦ってきた業種です。

性風俗業界というのは、経営者にいわせれば「決して前に出ることはない、つねに遠慮深く粛々と」なものでした。それゆえ、政治団体もなく発言力が弱く、いわば政治的弱者であるといっていいと思います。いわば警察そのものがある意味保護者だったのかもしれません。

売春について、声高に合法論をぶつ方もいます。たしかに売春が合法化されたらいまのヘンテコリンな風俗営業店舗の経営体系は淘汰されることでしょうし、合法なわけですから暴力団が介在しにくくなるという側面もあるでしょう。売春をベースに高級化やお洒落化がすすみまったく違った営業形態になることでしょう。現在既得権であるソープランドでは売春が実質的に行われてますが、それが許され、他が許されないというねじれ現象も解決されるでしょう。

歌舞伎町をみていると、つくづくおもうのが古くなった風俗店の建物。いつかは朽ちてしまうのかもしれませんがそれらは既得権ですからいつまでも残ろうとし、改築・移転ができない以上そうせざるおえない。ペンシルビルの小さなワンフロアが風営法営業店舗である限りビルの改築は不可能、つまり地域の再生には足かせになってしまうという点があります。既得権は経営譲渡を認めていないため、たいてい会社形態にして株主変更や会社売買におってオーナーがかわったりまた貸ししているのですが、ここにも暴力団や関係金融などが介在している場合もあります。

古くなった建造物はいろんな意味で危険ということもり、今後これらをも意識して、おそらく消防法などでさらに規制がかかっていくかもしれません。歌舞伎町において、性風俗を観光資源と見る向きと、他の選択肢をなくさせてる足かせとみる向きもありますが、すくなくとも今の方向性は後者でしょう。暴力団のインフラにさえならないようにできれば、せめて等価交換による移転とかを認めるとかゾーイングを可能にするような法改正、なんどかいろんな人に話してきましたが難しいんですよね。

関連記事:速報

11月16日午後5時半、森下系無料案内所の路上看板を強制撤去。(歌舞伎町元かに道楽の場所)

11月19日、警視庁 無料風俗案内所規制条例を都議会に提出


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風俗24時

はじめまして、風俗24時と申します。
突然のコメントで恐れ入りますが、
相互リンクをご検討頂けないでしょうか?
よろしくお願いします。
BlogURL:http://huuzoku.6.dtiblog.com/
by 風俗24時 (2005-12-01 17:54) 

Tera

申し訳ありません、相互リンクという形は考えていません。
by Tera (2005-12-03 03:19) 

☆aiko☆

でも、引用文にはちゃんとリンク付けましょうね☆
by ☆aiko☆ (2005-12-18 03:59) 

☆aiko☆

このブログの参考記事(元ネタページ)↓
http://www.heartful-angel.com/law.html
なんかチョットくやしぃので自分でリンク付けてみました。。。
☆aiko☆
by ☆aiko☆ (2006-01-13 20:45) 

barao

よく発見したよね^^。↑
by barao (2006-01-22 03:48) 

☆aiko☆

てらたにこういち様
2006年1月に、自サイトに掲載した文章の一節をコピーしてまるまるググッたら、このページが出てきました。
しかし、その後に(このページ内の)文章を変更されているようですので、上記の2006年1月13日および今回のコメントは削除していただいて結構です。

歌舞伎町も大きく様変わりしているようですね。
今後も頑張ってください。
by ☆aiko☆ (2008-12-26 00:37) 

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