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5月15日 平成18年度第2回喜兵衛プロジェクト 会議報告 [KIHEI]

5月15日、18年度になってから第二回目(正式発足から第5回目)の喜兵衛プロジェクトの会議が新宿区役所301会議室において行われた。

まず、喜兵衛プロジェクトに問い合わせのあった案件についての討議として2件。一つはスリランカの人からで歌舞伎町にスリランカの紅茶ショップ、それに並行して観光紹介、海外投資や語学・文化交流などを推進する組織の拠点として物件はないか?というもの。1F路面店で家賃は10万円程度を希望という話であった。そのほか風林会館5Fを使ってのイベント企画の持ち込みなどもあり。

歌舞伎町において、1丁目と2丁目、また場所等によって条件は異なるが、通常1F路面店の家賃相場は坪単価4万~8万程度。喜兵衛プロジェクト事務局への問い合わせは、概ね10万円程度の家賃でできるチャレンジショップの需要が高い。しかし、現状歌舞伎町にはこうしたチャレンジショップにつかえそうなインフラがほとんどない。(完全にないわけではないが、かなり希少物件・・)

こうした状況に対し、喜兵衛プロジェクトとしては空きビル・空き室情報の提供を地域ビルオーナーや不動産事業者に対し求めている。また、現在歌舞伎町商店街振興組合のホームページ@GEHA喜兵衛プロジェクトのページを置いているが、さらに歌舞伎町の空き室・空き物件情報の詳細についての発信をしていくことになっている。

現在進行中の案件としては、「新宿放送局の歌舞伎町サテライトスタジオ」(7月中に稼動予定か)「風林会館3FのSOHO化またはミニシアター化」(SOHOはやや頓挫気味、ミニシアターに企画の方が現実的だという報告)などがある一方、「歌舞伎町BBプロジェクト」(仮称)なる企画がアフタヌーンソサエティと風林会館の林オーナーから持ち込まれた。現在空きテナントになっているバー・クラブを1日単位で貸し出そうというもの。バー・クラブ等を1日限定でイベントやミニライブ会場に、一夜限りのバーマスターを演じるもよし、料金設定は個々のバー空間ごとにそれぞれ条件が変わってくる場合も考えられるが、原則10坪1日2万円くらいでどうだろうかということだった。「歌舞伎町全域を同条件で出来ないか?」という意見と、「1丁目と2丁目は異なる。同条件では無理だが、工夫次第でいろいろ方法はあるかもしれない。」といった意見もでていた。


さて、喜兵衛プロジェクトも約半年、正式発足して以来5回目になるわけだが、そろそろ成果なり出していかないと白けつつある。というか、実体としては行政主導でプラス日本政策投資銀行とアフタヌーンソサエティありきではじめたこの喜兵衛プロジェクト。前にも書いたが、歌舞伎町浄化作戦の煽りで、空き室・空きテナントが増加したことに対し、悪循環をどうにかしてくいとめようと「歌舞伎町ルネッサンスのまちづくりに合致する事業展開を志す企業・人材を誘致していこう、さらに内容によっては日本政策投資銀行の融資も可能」ということで喜兵衛プロジェクトが立ち上がった。だが、実際は、歌舞伎町のビルオーナーや不動産事業者はこのプロジェクトに積極的には関与せず、またチャレンジションプ的ニーズに対してのインフラがまったくないに等しい、その上、日本政策投資銀行の融資はほとんどありえないのが実情。したがって、問いあわせはあるにもかかわらず空回り、会議出席者が「あまりに不毛、滅入ります」と。

原因はどこにあるのか?個人的に思うことを書いておく。

①歌舞伎町浄化作戦はまだまだ途上、したがって企業・人材誘致をしたかったら、完璧な地域浄化を実行後に行うのが筋ではないか。たとえば、歌舞伎町2丁目はいまでも暴力団のインフラが根付き、山口組系暴力団の売春組織の摘発、2・3日前あたりには裏ビデオショップの摘発があったが、実体としては名義人を変えて数日後には復活して再び違法な事業を展開しているケースも。また、客引き行為に対し摘発を徹底していない。悪質なホストの客引き行為一つみても、ほとんどが歌舞伎町2丁目から出てきている。これほど客引きが氾濫する街に、堂々と企業・人材の誘致をしようという正義はどこにあるのか?

②歌舞伎町1・2丁目を一くくりに対策を進めようとする行政側の問題。暴力団インフラの排除具合、あるいは暴力団依存度、空き室数、床面積、坪単価についてあまりにも違いが大きい。また歌舞伎町1丁目内であっても区役所通り・あずま通り側と中央通り・一番街とは状況が大きく異なる。ニーズの高いチャレンジショップの事業形態に対して、インフラ開発をプロジェクト自体が街に出て動くべきにもかかわらず、実体はスペーストラスト一社におんぶに抱っこ状態。

③アイディアは上がってきたとしても、それを実務・法務的に精査するスタッフがいない。通常、行政担当者がこれを行う予定だったが、消防・警察からの参加者はなく、区の担当者は知識が足りない。つまり、そうした最低限の人材確保をおろそかにしてきた。これは、事務局が機能していないという点も大きい。現在平井副参事と井内氏が事務局に常駐しているが、作業的に二人ではこなせていない。

④重要なのは、だれもリスクをとろうとしない。行政然り、組合然り、あるいは町会然り。誰も一円も出さずに物事を進めようとしている。ボランティアには限度がある一方で、一円でも出すなら、誰もがリターンを考えて当然。つまり事業であれば利益ありき。利益を生み出すシステムが出来ていない。事業ルールや考え方について個々に考え方がバラバラ。

⑤日本政策投資銀行の存在意義が不明瞭になりつつある。現段階で、日本政策投資銀行のメニューは提示すべきではなかったかもしれない。歌舞伎町ファンドなりTMOなりといった官民共同組織の立ち上げを待ち、これを受け皿に日本政策投資銀行が投融資を行うことになるというのが大筋になりつつある。つまり、まず組織立ち上げを主軸におくべきであり、またこの組織についても行政主導ではなく民間主導による利益の出るようなものにしていく必要がある。ここは実体として、これまで常に綱引きがあったが、行政主導で仕込んだ組織がどう機能してきたか見れば明らか。

⑥区から委託を受けコンサルタントとして関与しているアフタヌーンソサエティの存在について、コンセンサス無し。アフタヌーンソサエティは半年たって、いまだに歌舞伎町についてシロウト。アフタヌーンソサエティについて弁護するとすれば、彼らが持っているノウハウがかみ合うような状況が生まれていないという点はあるだろう。つまり使いこなせていないともいえる。

など、辛らつとは思ったが、個人的な意見として書いておく。個人として、喜兵衛プロジェクトを支援する立場ではあるが、上記課題を一つづつつぶしていけるのか、あるいは機能しないと踏んだらひとまず解散という方法もあるという意見を言う委員もいる。以前香西氏とは何度も話したが、個人的には「地域浄化を推進している今、その途上にあって喜兵衛プロジェクトの稼動そのものはまだ早いのではないか?」実際、これ以外に歌舞伎町商店街振興組合には「よくしよう委員会」、公式な組織として「歌舞伎町地域活性化プロジェクト」が存在し、これらはなんだかんだ言っても機能している。喜兵衛プロジェクトの論議は「よくしよう委員会」や「活性化プロジェクト」でも議論はあるし、メンバーは正直ほとんど金太郎飴でしょ?違いは何か、言わなくてもわかりそうなもんだが。


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コメント 4

太郎

イベントで1日貸しはよい試みかと。
しかし、このプロジェクトに警察が係っていないのが
難点かも。
少し変わったイベントをしていると
 いつも通りのイチャモン付けで
「おい貴様、風適法違反だ」なんてことも有りですから。
警察手帳も提示せず、偉そうな勘違いをしている方の
多い団体ですので。
その辺のリスクを誰が負うのかを明確にしないと
なかなかうまくいかないかと。
by 太郎 (2006-05-16 20:55) 

Tera

おっしゃることはよくわかります。企画をもちこんだ方たちを批判するわけではないが、なにをどう担保しなければいけないかを戦略として持たずにただアイディアをだすだけなら素人でもできます。
そこを言いたいんですよね。まぁ、今アプルの演劇で「夢~歌舞伎町物語」をやってますから、そういうのでも見て四角い頭を丸くしてもらいたいなと。
by Tera (2006-05-18 13:57) 

T.S

今の歌舞伎町を考えるに、ヤクザやホストの問題などは優先課題ではく、むしろ黒社会の排除が最優先課題だと考えます。暴力団対策法などにより、ヤクザが地下組織化して表向きは姿を消し、また警察によるマーク・取り締まりの強化によって、ヤクザという民間人が街をある意味守ってきたのが、それが法律により機能しなくなりました。その隙を狙って、黒社会がどんどん歌舞伎町に進出してくるようになり、それら黒社会とヤクザが手を組むという構図が出来上がってしまったと思われます。
10年以上毎日で歌舞伎町に親しんでいる者としては、暴力団対策法が歌舞伎町では逆に黒社会を進出しやすくさせ、その頃から徐々にただの危険な街になっていった気がします。今の歌舞伎町での脅威は黒社会です。ホストなどのキャッチの類いは、ウザイけれどもウザイで済むことでもありますが、黒社会はウザイでは済まないので警察力で浄化してほしいものです。
喜兵衛プロジェクトは、それらの脅威がなくなれば少しは機能するかもしれません。区やプロジェクトメンバーの方々はそういうことをも視野に入れて議論しているのか疑問です。
by T.S (2006-05-18 14:51) 

Tera

ちょっと触れにくい話題なんですが、実際にいくつか事例を見てきています。拠点的なものは歌舞伎町1丁目内にはないように思いますが、すぐ外の近くにあるという話を聞いたことがあります。詐欺系などが全国に蔓延し、彼らの動き方は常に予想するべきだと私も思います。完全な犯罪集団ですから、警察に頼る以外方法はありませんけどね。プロジェクトのメンバーはみなさんカチカチのカタギですからおおよそそのことは知らないでしょうが、しかし完全排除と警戒を怠らないようにする以外ないわけで、議論以前の問題かと。本当に100%排除なら最初からこんなことは無用、ということなんです。そうではなくて、批判している業種にも街の資源として有用な部分もあるからこそ、永く商売ができる形への改革が必要だと思っています。
あと、暴対法等の問題ですが、これは国家的な問題ですね。歌舞伎町の歴史が物語っていますが、今でも尾津組のことを悪く言う人は一人としていません。警察や行政と「ヤクザ」の関係や歴史、仕事の役割分担をここで書くまでもありませんが、ただ、いえるのはすべき仕事の量に対し警察官が少なすぎるのではないかということですね。時代に逆らうかもしれませんが、今の5倍くらいいても良いとおもいますよ。警察内不祥事が多少増えたりしてしまうかもしれませんが、それ以上に何百倍も犯罪も減るはずだし、すくなくとも、雇用対策にもなるんじゃないかと。
by Tera (2006-05-19 04:28) 

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