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3月20日 第3回歌舞伎町喜兵衛プロジェクト会議報告 [KIHEI]

3月20日、新宿区役所3F庁議室において、15時より歌舞伎町喜兵衛プロジェクト(座長:新村雅彦氏 歌舞伎町商店街振興組合副理事長 とんかつにいむら会長)の第三回会議が行われた。

この喜兵衛プロジェクトも昨年9月の準備会から始まり、1月27日の第三回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会において正式承認され、それからこれが3回目の会議となった。会議には、座長の新村氏、新宿区役所企画政策部(歌舞伎町担当副参事)の香西氏、二丁目町会の林氏(風林会館)と下村区議、日本政策投資銀行首都圏企画室の大西氏、四葉会からは東急レクリエーション(新宿ミラノ座)の横田統括支配人をはじめ東亜興行、コマ劇場から、アフタヌーンソサエティからは清水社長と橘氏・西願氏などが参加した。

歌舞伎町喜兵衛プロジェクトの事業紹介

歌舞伎町の浄化作戦に伴う、違法風俗・暴力団関係などの排除によって、またそれに付随しての経済活動の低下による空き室・空きビル対策を、歌舞伎町ルネッサンスにおける大衆文化・娯楽の企画・生産・消費といった街のDNAを再生、そういった企業・事業者・人材をいかに誘致していくかということを目的に立ち上がったプロジェクトで、内閣府認定の都市再生計画に認定を受け、まちづくりのビジョンにあう事業者・事業計画に対し、日本政策投資銀行の低利融資が可能(要審査)というものである。

また、平成17年度の事業総括(といっても具体的成果はまだまだ乏しい、実際のところ途についたばかりという実体はある)という意味で、今までの活動の経過報告、今後の課題などを整理する議事となった。

1月13日に風林会館で行われたキックオフイベント以降、寄せられた問い合わせなどについて、その多くがイベントなどの企画であり、それはそれで歌舞伎町進出を検討するきっかけにはなりうるものの、空き室・空きビルとのマッチングになかなか結びついていないという現状から、新年度以降、いかに賃貸契約の成約など実質的な結果に結び付けていくかが課題となっている。しかし一方で、清水氏は「喜兵衛プロジェクトの家守事業について、空き室対策事業と狭い意味で受け取られやすいが、それなら不動産業者とかわらない。我々の考える家守事業というのは、性風俗に偏った都市型産業の集積がこの街にあるとするならば、それに変わる持続可能な新しい都市型産業を歌舞伎町に根付かせ長続きさせるか、あるいは呼び込み育てていくことをしないと根本的な空室対策にはならない。すでに、大きな主体としては歌舞伎町商店街振興組合、四葉会、新宿区、それ以外にもビルオーナーやテナントがそれぞれの考え方でまちづくりにむけて活動を行う機運は生まれつつあるが、微妙にそのベクトルが異なってるように見受けられる。これらのベクトルをなるべく一つに集約させ、またそれを主体的に推し進める組織の形成といったものが次年度のポイントではないか。マーケティング的にみて、今集まってくる人、客層に対し、あらたにどういった層にアピールしていく街にするのか、居住人口はきわめて少ないが、この点についてバランス回復したほうがいいのかどうか、また何をこの街に付加させ、街の構造をバランスよく、ブランド化し、経済を活性化をさせ、長続きする街にしていくか、まちづくりのビジョンを共有しての継続的な活動とともに、活動母体の形成と機運の醸成といった気の長いものもあわせて次年度の活動を進めていったほうがいいのではないか。」

 アフタヌーンソサエティの清水氏。

サルサ教室、および関連イベント等については進出の計画はあるものの適当なテナントがみつからないという状況。ディスコ復活構想については、資金的な問題などが出てきて頓挫の気配などあったが、ミニシアター構想を持ち込んだグループに対しては、あわせて今後のその他の歌舞伎町進出以前の拠点になるオフィス需要があるという可能性に対し風林会館の2階3階一部をSOHO化する計画がコスト、採算面などの面から検討されている。「SOHOについては、飲食店の1/5程度のコストで内装が組め、しかも賃貸の坪単価は子割りにして貸す分通常より上がる可能性もある。ウチでできないか検討を進める一方で、他のビルオーナーにもやってみないかと進めてみたりしている。」(風林会館 林氏)

 風林会館の林氏。

具体的な案件としてもっとも可能性が高そうなものは、インターネットTV放送の新宿放送局が歌舞伎町の中心部にサテライトスタジオがほしいという案件に対し、新宿ミラノ座(東急レクリエーション)内に候補スペースがあるということで、現在条件など現場で調整を行っている。両者とも基本的には前向きであり、実質的な結果という意味で可能性が高い。

「歌舞伎町ルネッサンスがはじまる前から、歌舞伎町商店街振興組合ではよくしよう委員会というのがあって街を良くしていこうと活動してきた。当初、なかなか組合内部でも他の理事方から賛同を得られず中心になっていた片桐氏も苦労してきたが、それも徐々に理解を得られるようになり、そういった機運の醸成と活性化をしながら空き室を埋める誘引材料をそろえていく。」という新村会長。

毎月第三月曜の17時から(新宿区役所1Fロビー集合)歌舞伎町空き物件ツアーを行ってきた。これは地域の王手不動産屋で喜兵衛プロジェクトの会議にも参加している株式会社スペーストラスト(藤田支店長)の主導で進められてきており、すでに4回開催された。参加者にはアンケートをお願いし、それを回収、今後の課題としてそれらを整理し、メールマガジン的に喜兵衛側からも常に情報を発信できないか、現在webによる案内は歌舞伎町商店街振興組合HP内にぶら下がっているのだが、今後これらのリニューアルやバージョンアップなども課題になっている。

とくに喜兵衛プロジェクトの正式発足以降、マスコミの注目が喜兵衛一号物件がいつでるのか?といった点に注目が高くなっている。「物件ツアーからはじまり、その後、どういう課程で一号、さらに2号、3号物件と成約に結びついていくのか、そのプロセスを撮りたいという思いが強い。今後、喜兵衛プロジェクトとしてもどうこの姿をみせていくのか考えていかないといけないと思っている。」と香西氏。今でも時折悪いニュースが発信される歌舞伎町、20日の朝も覚せい剤所持の現行犯逮捕があった。そういったもの以外にも、たとえば民放がゴールデンタイムにホストの番組を放映してたりと、街の人たちはそういったあまり道義的とはいえない話題を面白おかしくとりあげるニュースや番組のあり方にマスコミ不信感を抱いている。それを払拭するためにも、ルネッサンス側にしてみれば、その成果を積み上げながら積極的に効率的に発信できる材料をそろえていかねばなるまい。

提案として、たとえば四葉会の映画館や劇場のオールナイト興行をできないか?という話がでた。法的には可能であるが、映画料や人件費、その他のコストなど採算面を理由に現状では行われていない。しかし、深夜の歌舞伎町は、今でもそこそこ賑わいはあるものの、歌舞伎町ルネッサンスの方向性とはかみ合わない側の賑わいが主である。たとえば、四葉会やその他の劇場、ライブハウスなどがオールナイト興行を行った場合、結果として飲食店などにも波及し、24時以降朝までの経済が活性化する可能性がある。また、風俗営業店舗の深夜営業は違法であるのに対し、映画や劇場、ライブハウスなどやや規制があるのしてもそれらを開放することは歌舞伎町ルネッサンスの目指すエンタメ産業を中心とした産業構造を押し上げることもでき、全体の産業バランスの改善を促すのではないかというものだ。六本木ヒルズから表参道ヒルズとヒルズの話が最近話題だが、これらはいわゆる観光地型の土日中心のまちづくりであるが、歌舞伎町の場合はむしろ目的を持った人たちが集まる街で、平日のポテンシャルをいかに高めるかに力点を置くべきではないか、そしてまたそういった街である。

これにあたっては、当初興行側のコスト負担が大きく、それを四葉会に負担してもらうのも街としては都合よすぎるし、街が負担するというものでもないだろう。だが、一方で深夜の雇用創出に結びつくということでたとえば補助を出すのは区だけに限らず、厚労省などにもアプローチできるのではないか、仮に補助が可能であれば、事業者もやってみようという話になる可能性があるのではないか。

エリアマネジメントの機運の醸成や合意形成、また構造的にも行政が内部で関わる喜兵衛プロジェクトであるからこそ、こういった戦略こそがこのプロジェクトの存在価値になるのではないか、という提案に対しこれは先につながる話だし、今後の会議で論点をつめていこうということになった。

現状の歌舞伎町の延長線上でなにができるかという議論が主だが、一方で「他の自治体、地域も、たとえば渋谷や池袋にしてもみなさん芸術だとか文化といったビジョンをかかげ企業・人材誘致に血眼になっている。歌舞伎町はその部分が欠けている。」(大西氏)「四葉会以外にも、そういった大衆文化や娯楽産業の中で著名な企業をなにか一つ誘致したい。タイムズスクエアでいうディズニーのような起爆剤になる企業誘致を積極的にすすめよう。我々自身も、また四葉会にしてもライバル産業が増えるというのはあるかもしれないが、それぞれのチャンネルやルートで今までの歌舞伎町になかった産業・企業を誘致できないかというのが喜兵衛プロジェクトのまさに基本だ。」(下村氏)と、とにかく誘致に対してのプライオリティを訴えた。

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風林会館の5Fについて、現状240坪がかつてのグランドキャバレーの内装で空きテナントになっているが、ここの暫定活用として、17日の朝から夕方にかけビジュアル系ロックバンド「蜉蝣(かげろう)」のプロモーションビデオの撮影に貸し出された。料金は15万円。

エキストラを約10名ほど配置、昔のグランドキャバレーの場面演出がされていた。これ以外にも、5月17日から21日までシアターアプルにて公演がきまっている「夢・歌舞伎町物語」(東京ギンガ堂 脚本・演出 品川能正)の稽古場として4月4日から公演直前まで使用することになっている。


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