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歌舞伎町シネシティ広場における活性化とホームレス問題 [まちづくり]

10月13日から歌舞伎町の新宿ミラノ座では東京国際ファンタスティック映画祭が始まった。開催は16日までで、昨年同様「韓流vsタイ道」路線。くはしくはhttp://tokyofanta.com で~。

今開催で21回目になるのだが、歌舞伎町で開催されるのはまだ4回目である。それ以前はご存知渋谷パンテオン(ミラノ座と同じ東急レクリエーションの映画館)で行われていた。渋谷パンテオンの入っていた渋谷東急文化会館の建物の老朽化と渋谷駅周辺の整備・再開発計画、および地下鉄13号線工事との関連により取り壊しとなったことにより、ファンタは新宿歌舞伎町に引っ越してきた。(渋谷パンテオンのあった跡地は今地下鉄工事の残土・資材置き場になっているのだが、ここも数年内に高層ビルが建つ計画がある。)

ここ最近やっと歌舞伎町に定着してきた感がなきにしもあらずのファンタではあるが、新宿区として、また歌舞伎町のまちづくりというなかでこのファンタというキーワードの重要性は大きい。当初、「歌舞伎町を映画の街に~」という歌舞伎町ルネッサンスの発想の原点はここにあるからだ。また映画祭のチーフ・プロデューサーであるいとうせいこう氏も歌舞伎町ルネッサンス推進協議会の委員であるという点もポイントであろう。

映画祭については毎度ニッポン放送+東急レクリエーションのタッグで運営されているのだが、渋谷時代と比較して冠スポンサーがつきにくい事情もあり運営のための資金繰りは決して楽ではないようだ。今年の春のホリエモン騒動でニッポン放送がゆれにゆれたこともあって本年のファンタはできるのかできないのかなんて話もあったという。そもそも実行可か不可かなんて話は毎年のことで、そういう意味では「映画・文化の発信」というキーワードのうえで歌舞伎町ルネッサンスにこれだけ貢献しているファンタスティック映画祭を、新宿区または歌舞伎町が今後どう支えていくのかは見届けていきたい。歌舞伎町商店街振興組合は決して多額ではないが今年初めてまったくの紐ナシでの協賛をしているが、すくなくともいまの時点で新宿区はこの映画祭に予算を割いているわけではない。

ところで、この歌舞伎町におけるイベントに冠スポンサーがつきにくいという事情である街のマイナスイメージの一つ、ホームレス問題について少し書いておく。

歌舞伎町においてホームレスといえば、まずシネシティ広場周辺・コマ劇場やミラノ座軒下、そして大久保公園ということになるだろう。そして、大久保公園については先日より完全閉鎖となった。これは主として歌舞伎町2丁目地域住民による区への要請によるもの。公園前に美容学校があるのだが、ホームレスが目の前にいることが入学者数に直接的に響き、まさに学校の死活問題になっていたという。

大久保公園にいたホームレスの一部は、広場周辺に流れてきたようで、間接的にではあるが歌舞伎町1丁目でもホームレス問題はさらに深刻になりつつある。対策としては周辺映画館では毎日3時に水撒きをふくめた広場清掃を行っている。また区の監察が適時まわっていたり、また各映画館における警備の強化を今後行っていくという。自立支援のためのシェルターを区は用意しているようだが、彼らはなかなかそこには行かない実情がある。広場でもなるべく多くのイベントを歌舞伎町商店街振興組合を中心におこない、ホームレスがいにくい雰囲気をつくろうとはしているが、それも実際毎日やれるわけではないので効果がでにくい。ホームレスを助長する構造もこの地域にはある。朝早くパチンコ店の開店時にくばっている整理券をホームレスが並び、それの仕切りやとよばれる連中(主に暴力団が関与)が買い取り、行列におくれてくる客に売るという実態がある。パチンコ整理券ダフ屋ともいうような連中の下請けにホームレスが従事しているということだ。ホームレス社会には縄張り構造が存在し、たとえば今夜寝る場所すら手配する連中がいたりするという。

 

ミラノ座前にいつもあるホームレスの荷物。シネシティ広場の植え込み裏は格好の寝場所になっている。これが、雨の夜ともなると、いっせいにミラノ座の軒下にホームレスが集団で寝ていたりする。植え込みをなくすというのも含めて広場改修の計画が現在検討中。

 深夜コマ劇場のチケット売り場前はいつもこんな感じ。私有地なのだが・・。今後夜間警備に力をいれていくという。

それなりに秩序をもっている彼らではあり、当然の人権もあってデリケートな問題ではあるが、街の活性化を目指している側にとって見れば迷惑という部分と、地域の美観を損なうという問題、暴力団の存在が見え隠れするという点、そしてシネシティという地域の核であるはず場所の機能不全になりかねないという深刻さがここにはある。

24時間、とはいはないがそれに近い営業店舗があれば彼らは寄り付きにくくなる。だが、採算面からいって難しい。歌舞伎町は24時間眠らない街であるはずだが、シネシティ広場周辺の各劇場・映画館は22時も過ぎれば多くがシャッターを閉じ、ネオンが消えていく。

広場は法的に道路であり、「交通の円滑な流動を妨げればそれを排除できる」が、もともと車の通る場所ではないのでこの理屈は通用しない。

向かいにあるCODEというクラブに集まる若者たちや、週末ともなれば酔っ払いが広場にたむろし、ホームレスとやっていることの境目がなくなってしまう。

広場で常設的にオープンカフェ的な出店をしてはどうか?というアイディアがあるが、資金面や運営スタッフ等の問題、オープンカフェ形式では冬場営業にならないのではないか、とか大きなイベントが入ってきたときの対応をどうするか、周辺店舗との競合など懸念あり。

等々、コレダという決定的な策がなかなかでてこないだけに、今後もこの問題は大きな課題といえる。とはいえ、早急に手を打たねばならない問題でもある。

 


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