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2018年6月29日 新・歌舞伎町商店街振興組合ビル竣工 [まちづくり]


平成30年6月29日、地鎮祭を行ったのが平成29年2月だったので、工期は約1年5ヵ月を経て、新・歌舞伎町商店街振興組合ビルが竣工しました。6月29日の竣工式では、歌舞伎町商店街振興組合の組合の方々をはじめ、新宿駅周辺のまちづくりをけん引する地域の各商店街振興組合の方々、並びに日々、歌舞伎町のまちづくりに関わる、あるいはかかわってきた多くの方々、約250名がお祝いに駆けつけていただきました。


片桐基次理事長挨拶より
「歌舞伎町商店街振興組合のビルは、昭和38年だったかと思いますが、我々の先達の方々がこの地を購入し、ビルを建てて、ここに新宿警察署の歌舞伎町交番を1階に入っていただき、また公衆トイレを設けるなど、街のためになるビルとしていろいろな形でやってきまして、また新宿の、我々歌舞伎町としては、繁栄をともに分かち合ったビルとして、本当に先達の方々には、御礼申し上げたいと思います。
その後、コマ劇場の閉館や、当時、映画館等が17館あったのですけれど、そのほとんどの映画館が閉館していった中で、私の三代前の小松理事長が、なんとか、このビルを新しいビルに建て替えようとはじまったのがこの計画でした。
町田理事長、新村理事長が本当にご努力いただきまして、おかげさまでこのようなビルが建ちました。このビルをどうやって使おうかという中で、私どもは、歌舞伎町の安全・安心というのが一番大事、それに、歌舞伎町の活性化、もっともっと多くのお客様が来ていただくためにどうしたらいいんだと、組合の執行部を中心にいろいろな形でやっておりますし、これからも続けてまいります。インバウンドの方々に対して優しいまちづくり、また、歌舞伎町に、遊びに来る、食事をしにくるお客様に対しても優しい街づくりをしていかなければだめだという危機感を持ってます。
新宿駅周辺においても、歌舞伎町をかわいがっていただいてありがたいとおもいますけど、新宿駅が良くなって大勢のお客様が来ていただけなければ歌舞伎町も成り立っていきませんので、我々歌舞伎町としても駅周辺のまちづくりに対しては精一杯努力してまいります。」

来賓として吉住健一新宿区長も挨拶に登壇、「歌舞伎町は、平成27年、新宿東宝ビルがオープンし、現在は東急ミラノ座跡地の開発計画と補助72号線の整備がすすめられています。これらの整備は、歌舞伎町がさらに発展を遂げる原動力となると考えています。今後も、区といたしましては、地元の皆様と力を合わせながら、世界のエンターティメントシティ・歌舞伎町の実現を目指して全力で取り組んでまいります。」と引き続き新宿・歌舞伎町への行政としてのバックアップへの意欲を語りました。


総工費約4億6,000万円。
地下2階地上9階建て(高さ34m)延べ床面積 約1033㎡
なお、工事期間中ハイジア地下に一時移設していた歌舞伎町商店街振興組合事務局は、竣工にともない新ビル9階に開設されましたのでお知らせさせていただきます。

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(新)歌舞伎町商店街振興組合ビル竣工に伴う、組合事務局移転のお知らせ


旧組合ビルは昭和39年に完成、まちのコントロールタワーとして、当初、交番、公衆トイレを併設、また、飲食店テナントからの収益は組合活動の大きな財源となっておりました。
当時の先達のまちにかける想いが伝わってまいります。時代の流れと共にビルの老朽化が進み、また、組合としての役割も大きく変化している昨今、永久不滅のまちを次世代に引き継ぐためにも、今ここで新ビル建設という大きな事業に着手、更なるまちの発展を見守る灯台の役割を持つことが今後の組合の使命だと考え、平成30年6月、(新)歌舞伎町商店街振興組合ビルが竣工いたしました。
今後ともご指導ご鞭撻賜りたく、お願い申し上げご挨拶にかえさせていただきます。



歌舞伎町商店街振興組合
理事長 片桐 基次

歌舞伎町商店街振興組合事務局
〒160-0021 新宿区歌舞伎町1-19-3 歌舞伎町商店街振興組合ビル9F
Tel 03-3209-9291
Fax 03-3209-9188

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第二次大戦後、焼け野原になった歌舞伎町において、当時、鈴木喜兵衛氏を中心とした民間主導の復興を担った「新宿第一復興土地区画整理事業組合」が、昭和23年の区画整理後、自費で公衆トイレと派出所を建設したうえで東京都に寄付した場所がこの42坪の土地だったそうです。社会貢献としてのバーターで行政からのその後の計画(劇場街を中心とした大衆娯楽の街)への協力を得るためだったと見受けられます。
その後、約13年後、すでに老朽化が進んだ派出所と公衆トイレの建替え計画がでてきた中で、それならばその土地を利用して街の集会所を作ろうという機運が生まれ、現組合の前身である協同組合歌舞伎町振興会の組合員らの出資によって、都に寄付したこの42坪を再び払い下げを申請、取得(当時、1500万円、坪当たり35万7千円で取得との記録)、ここでも新ビルに公衆トイレと派出所を設置することがバーターされたようだが、東京オリンピック開催時に合わせ、都内で最初の振興組合ビルとして竣工したのが昭和39年12月のことでした。

昭和39年竣工から半世紀、再び老朽化という問題と、隣接する東宝のコマ劇場・東宝会館の再開発に伴い、一時、東宝との合築や売却も協議されたことがあったようですが、またもや、これも半世紀ぶりにやってくる東京オリンピック・パラリンピックを2020年に迎えようという今、再び、歌舞伎町商店街振興組合の新ビルが建設されたわけです。

繁華な、「かぶき者」の集まる街にあって、にもかかわらず、むしろ常々「安全・安心」を掲げ、行政の協力を得ながら街のバランスを保とうとしてきた歌舞伎町商店街振興組合の歴史がここに表れていると思います。
旧コマ劇場、17もあった映画館の閉館は、バランスを失わせた、それはまさに街の危機的状況だったと思います。そういう状況下においても奮闘してきた商店街の存在感が投資を誘引し、今は観光拠点の街として街の資産価値を高め、現在の活況を下支えしてきたと言っても過言ではないと思います。観光拠点の街としてイグニッションは、新宿東宝ビルでした。そして、次のステージ、東急ミラノ跡地の再開発計画は、コンテンツ、エンターティメントの街への、新たなフェーズへの導火線となるでしょう。商店街振興組合がその存在感を発揮して描いた道筋、インフラ、安全・安心、そしてその先へ、いよいよ歌舞伎町は「中身」が試される時期に入ろうとしています。


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平成30年5月30日 歌舞伎町商店街振興組合 第57回通常総会開催 [まちづくり]


5月30日(木)、新宿プリンスホテルにて、歌舞伎町商店街振興組合の平成30年度第57回通常総会が開催されました。
総会では、平成29年度の事業報告並びに決算報告、平成30年度の事業計画並びに予算案が上程され、可決しました。組合代表理事(理事長)および役員(任期2年)の改選はありません。(次年度改選)


平成29年度事業報告(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
設立以来13年目を迎えた歌舞伎町ルネッサンス推進協議会が目指したまちづくりが形となって見えて、街がよみがえった事が実感できる1年でした。組合として、まちのの活性化とは投資を誘引する事と位置づけた活動が、東宝ビル完成後見事に実現でき、考え方が正しかった事が証明できました。
東京オリンピック・パラリンピックを3年後に控え、これを目的とした計画があらゆる分野で立てられています。その中にあっても歌舞伎町は更にその先を目指した活動を展開してまいりました。旧組合ビルの解体、新ビル用の基礎工事も終わり、5月1日付の契約でいよいよ本体工事に着手致しました。竣工は当初の予定通り本年6月となります。
新ビル建設計画、工事中は予算面で皆様にはご不便、ご迷惑をおかけしてまいりましたが、既に半数のテナント入居も済ませ、今後の組合活動には支障のない事担保しております。
東京都及び新宿区の商店街支援事業を活用し、本年は地域内全ての商店街街路灯がLED化され、環境問題対策ではクリアされました。更にさくら通りのアーチ改修、平和会街路灯の新設での活性化対策により来街者の回遊性が高まり、
特に新宿東宝ビル東側道路には歩道が新設され違法駐車も無くなり、歩きやすいまちに変身しました。
11月には東急レクリエーション。東京急行鉄道による旧ミラノ座跡地の開発計画が発表され、この中には長年の懸案であった空港直結のリムジンバスの運行が計画されています。

平成30年度事業計画(自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日)
本組合は、組合員の相互扶助の精神に基づき、組合員の事業並びに歌舞伎町の健全な発展に貢献することを目的とした必要な共同事業を行い、また、周辺環境の整備を促進するとともに、街の環境および公共の福祉に留意した事業に取組んでまいります。
組合ビル建替え事業は本年6月末に竣工し、事務局も仮事務所から新ビルに移転し7月2日より業務を再開します。新ビルはまちの活性化の中心として灯台の役割を担う様思いを込めてデザインしたものです。末永くまちの発展を見守ってまいります。テナント募集も当初の目論見通り進捗しており、この状況が続けば4~5年の間に累積赤字は償却出来る見通しとなっています。
本年度は東急再開発に向けての事前準備が大きな課題でありますが、組合としての活性化対策の本筋であります、投資の誘引という命題に答えられるべく取り組んでまいります。
資金的にも見通しがついた中、治安(防犯)対策、コンシェルジュ対策に昨年以上の予算を講じ、更なる活性化を図ってまいります。


事業計画(74,560,000) ※括弧内は項目ごとの予算額
(1)共同宣伝事業(7,480,000)
 ①地域活性化に関する事業
 ・外国人観光客に対するコンシェルジュ事業
 ・大型バス導入対策
 ・TMO主催イベントの後援・協力
 ②ホームページ(ポータルサイト)の更新管理

(2)環境浄化・美化事業(6,190,000)
 ①地域安全・安心に関する事業
 ・地域安全安心ステーションの維持・管理
 ・防犯パトロールの実施(悪質客引きの撲滅)
 ・違法看板の是正指導(合同監察への参加)
 ・消防地域協定に基づく防火防災意識の向上を求める活動
 (合同防火訓練、地域防災活動)
 ・美化推進活動(定期的な清掃活動)
 ・その他参画各種協議会への協力活動
 ②食品衛生管理活動

(3)福利厚生事業(330,000)
 ・勉強会、親睦会などの実施

(4)振興事業(1,000,000)
 ①各町会活動促進に対する支援協力活動
 ②部会並びに委員会活動の促進
 ③関係各団体への支援協力活動

(5)組合ビル管理(18,600,000)
(6)弁天堂維持事業(1,630,000)
 ・弁天堂ならびに弁財天ビルの維持管理

その他、一般管理費(人件費、業務費等 25,990,000)、事業外費用(支払利息 6,000,000)、組合ビル建替事業(落成式等 1,000,000) 、予備費(6,340,000)


平成30年3月31日時点で、組合員数209名、本総会出席者数46名・委任状数82名 合計128名。よって、本総会は過半数を越え、議決の決定数を満たしました。



第57回総会後、懇親会冒頭にて片桐基次理事長のあいさつより。(8′03″)
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歌舞伎町商店街振興組合は設立当初に組合員からの出資によってまず資産形成をし、その事業収益によって組合活動の予算の大半を賄ってきました。組合が掲げたまちづくりの活性化の根本思想である『投資の誘引』のための活動は、結果として組合資産も高め、新ビル竣工は、そういう意味でも街の活性化実現の象徴になるのではないでしょうか。
新宿東宝ビル竣工(2015年)が街再生のイグニッションとして大きな役割を果たし、時代の後押しもあって一気に観光地化がすすんでいます。
だが、片桐理事長の言う「歌舞伎町の灯台」という思いは、それ以上に、未来に向いています。まだまだ歌舞伎町は繁栄を続けていかなくてはならない、その道先案内の役を担い続けていきたいという思いかと。組合ビルの竣工は、その実務のみならず組合内部においても合意形成から困難に次ぐ困難であったようですが、ようやくそれを乗り越え、次の段階として、2022年竣工を目指すミラノ座跡地再開発を手掛ける東急レクリエーション・東急電鉄、並びにそれらを所管する行政への協力へと注力しているのが今の組合の姿勢と言えるでしょうか。
そういう意味では、エンターティメントの街としての伸びしろはまだまだ大きいと思います。が、もう一つの大事な顔、『歓楽街』としての部分はどうでしょう。理事長は『歓楽街』と言葉を選んで発言していますが、要は、社交飲食業(風俗)や性風俗産業の未来、ここを考えると、まだまだ課題は多い。とくに性風俗に関しては、風適法の既得権益として構造変更等が行えない分、老朽化が進み、お店のみならず入居する建物への投資に対してどうしても足かせになりやすい。外国人来街者が伸びる中で、日本人の高齢化や人口減少は否が応でも内需が小さくなっていく、という予想も含め、当然、日本全体で見れば社交飲食業(風俗)や性風俗産業の未来は今のままでは厳しい。
歌舞伎町コンシェルジュ委員会は、歌舞伎町の「窓」は第一にホテルであると考え、彼らと連携して来街者の満足度向上のための情報サポートが主であるが、歓楽街・歌舞伎町の「顔」としての社交飲食業(風俗)や性風俗産業が外国人観光客にも目を向け、今でもすでにあるその需要の受け皿になれるよう促していくことも重要だと考えています。ナイトエコノミーの充実、そのためには、いくつか、求められる改革というのもあります。その改革の牽引役としての商店街振興組合の活動をぜひ期待したいと思います。

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