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平成22年 歌舞伎町商店街振興組合“新年の集い”より [季節]

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1月7日(木)17時より、平成22年歌舞伎町商店街振興組合“新年の集い”が歌舞伎町・割烹料理店車屋にて開催された。毎年恒例の商店街の新年会である。参加者数は組合員および来賓をあわせて104名。

さて、今年度(平成21年度)より歌舞伎町商店街振興組合の理事長の就任した片桐基次氏が、理事長として迎える最初の正月。まずは片桐理事長の年初の挨拶。

DSC_3060.JPG片桐基次氏・歌舞伎町商店街振興組合理事長

「昨年は、わが国では大きな不況の風が吹き荒れ、先行きの不安が渦巻いている中、当組合では、執行部が新しく誕生いたしまして、新しく創出した経営企画会議のメンバーとともに、街の活性化や、中長期を見据えた街づくりに議論を重ねてまいりました。本年は、これらの案件につきまして、実現を目指し、行動をしてまいる所存でございます。
具体的には、美化・美観については、佐藤環境衛生部長のもと、歌舞伎町ゴミ処理一元化事業を、これは大変なことと思いますけど、取り組んでまいります。
また、杉山専務理事が率いる歌舞伎町未来会議においては、歌舞伎町の街を、観光の街として位置づけ、新たな観光資源の掘り起こしを行い、外国人観光客も含めた究極のおもてなしを、街づくりとして推進してまいります。また、銀聯カード、これは中国のほうで発行しています、中国の方たちが、お金をたくさん使っていただけると思いますけど、その銀聯カードを積極的な取り入れも行い、それがTMOを受け皿にし、振興組合が中心になって取り組んでまいります。
魅力あふれる、賑わいのある『眠らない街・歌舞伎町』を目指し、各業界や団体の皆さんとともに、秩序ある歓楽街を取り戻し、安心で楽しい街を創ってまいりたいと思います。
御臨席を賜りました、区長さんをはじめ、諸先生方のご理解とご協力を何とぞよろしく申し上げたいと思ってます。また、新宿駅周辺商店街の皆さまとは、運命共同体といたしまして、新宿繁華街の繁栄のため、歌舞伎町としての役割を果たしていこうと考えております。御指導のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。真の街づくりは、自らの手で行われなければ成功しないと私は確信していますので、何卒、本日ご出席の組合員の皆さま、御企業の皆さま、何卒ご協力よろしくお願いします。」

DSC_3103.JPG平成21年度の組合人事により執行部が総入れ替えになったわけだが、その面々、左から片桐理事長(酒屋の丸石、セントラルロードの持ちビルなど)、副理事長の今宮達三氏(酒屋の水野屋など)、副理事長の麻生茂氏(割烹あそうなど)、専務理事の下村治生氏(下村第一ビル、ちょうちん下村ほか、新宿区議・自民党)、専務理事の杉山元茂氏(杉山ビル、とんかつ茶漬けのすずやほか)。

歌舞伎町商店街振興組合は、この平成22年、理事長の挨拶にもあったように一つはゴミ処理の問題への着手を目指している。これは、そもそもではあるが、商店街における町会構造の疲弊を食い止め、立て直し、あるいは再編を含む組み換えなどを念頭に、町会が機能しやすい、またちゃんと存在価値のある町会ネットワークをつくり、これを振興組合が連携していくことが街づくり、また地域活動に不可欠という考えに基づいている。町会の機能強化とゴミ処理問題の課題解決は構造的に連携が可能で、まずはここから着手をしていく。歌舞伎町未来会議というのは、組合外のメンバーも参加した、以前で言う『よくしよう委員会』の発展的解消により新たに創出された会議帯で、自分も参加しているが、主として活性化事業や発信事業、パトロール活動、あるいはその他の既定の部会に所属しない様々な活動や参加メンバーの独自企画による活動の支援を行う。銀聯カードの歌舞伎町における普及も未来会議からの発案で、これに商店街が率先して関わることは中国系観光客誘致につながる礎になると判断した。振興組合の旧体制では組合の中枢幹部の会議を“執行部会”と呼んだが、平成21年度からは経営企画会議として名称を変更、理事長を筆頭に副理事長・専務理事・そのほか組合理事らが連なる組合の運営意思決定機関となっている。

振興組合は長年組合員を増員してこなかったことで組合活動のポテンシャルが下がってきた。そこで、町会ネットワークを手始めに足元から構造の厚みを増し、さらに組合の賛助会員的な増員を図っていくことで、いわば街の中心からマンパワー的にもネットワークとしても地力を底上げしていくことが旧来からの課題となっている。しかし、現実には組合自体の活動を支えてきた資金の源泉である資産があるという点が足かせにもなってきてなどあり、その課題克服を旧執行部はとれなかった。新体制が目指したこの古くて新しい取り組みは、いわば、これこそが商店街の経営であり、組合の経営、ということから新執行部を“経営企画会議”という命名にした。未来会議とは対照的なのは、街の全体を外から押し上げるのが未来会議ならば、経営企画会議は組合の中心から街を押し上げる、力の向くべき方向が違うことにある。というか・・本来そうあるべきだったわけだが・・、若干批判にはなってしまうが、内側からの底上げが遅々として進まないもどかしさが時々そこから逃げるように街全体視線になってしまうきらいがあって、やむを得ぬところもあるが、構造的あるいは役割的な差分をもう少し理解されたほうがよい、と思う部分もある。というのは、街の内部者には利害関係やしがらみの問題で、街を全体的にみる視点が持ちづらいはずで、だからこそ未来会議が外部のメンバーを積極的に入れているわけで、そこらへんがややどうなのかなということだが、まぁ、新体制で1年弱、これからといえばこれからか。

杉山専務理事はこんなことを言っていた。「振興組合が必要のない、そういう街にしたい。」と。グリーンバード歌舞伎町チームを立ち上げた杉山文野クンのお父さんらしい言い方だ。グリーンバードはゴミを拾うボランティア活動だが、拾うゴミが無くなり、することが無くなってしまうことこそが一番だという設立の想いがある。ちょっとその辺が似ているなと。組合や町会が疲弊したのは志を失い、世代交代や引き継ぎがうまくいかなかったからだけではない。一つは、それでも歌舞伎町は繁栄してきたからだ。組合や町会がその存在感を示す必要もなく街は繁栄していた。そのかつての幻想に胡坐をかいた、まるで自民党のようだが、組合活動に昨年から関わるようになった杉山氏らしく、組合が組合本来の役割をまず目指そうというあたり、そしてそれが必要のない、それが無くても繁栄のある街にする、その理念は美しい。

だが、一方で、これは客観的な意見であるが、現状の組合という組織が“街”を語ることには今でも違和感を感じるし、また、街の方向付けに組合が現実的に果たせる役割はその能力的構造的に、あるいは限られた時間の中でどうだろう、、可能なのかどうか。お手伝いはもちろんします。だが、一方で、組合が本来の組合としての役割をちゃんと果たしていたら、そこには“街”としての正当性が自然と生まれ、よって“外部”の“有能”あるいは“有力”なものは“それぞれの利”を得うる街を創る正当性を依存しにそこにまさに自然と集まることにつながるだろう。その集約された能力や資本を活かす、正当性を持った組合には、そこに仮に能力も資本も無いとしても、その時こそ“街”の利に最も近いものを選ぶ選択権だけはある。それでこそ、結果としてよりよい街になる。結果として、これが肝なのだ。自分も“外部”の一員だからこそ痛感することなのだが、街をよりよいものに創るのであれば、本来あるべき組合らしい姿にまずはなってもらえたらと思うのはそこにある。だが、組合が本来あるべき姿になるのを待っていられるほど悠長に構えているわけにもいかない、時間軸の中にはもう少し切実な歌舞伎町の現実があるから、その美しい理念を単純に拍手というわけにはいかない

話題を変えて・・

平成22年の組合新年会、歌舞伎町商店街振興組合は内部区議がいるほど自民党支持組織だったわけだが、その自民党が国政において野党に転落し、民主党政権になったことで、新年会にどちらを呼ぶのかが注目の点ではあったわけだが、結局民主党の海江田万里氏と自民党与謝野薫氏の両衆議院議員を呼ぶことになった。結果的には与謝野氏は都合で出席できず(秘書の池田氏が代理出席)、海江田万里氏は出席。なお、政治家の来賓はほかに例年通り中山弘子新宿区長、野原新宿消防署長、深沢区議会議長、自民党都議会議員の吉住健一氏。

DSC_3085.JPG衆議院議員・海江田万里氏「政権が変わりましたけど、政権交代が景気後退にならないようにしっかりと頑張っていきたいと思います。」と挨拶は短め。組合が昨年の衆議院選挙で推薦状を出す出さないでもめたことが少し気になっていたのか、挨拶はシンプルに、という感じだった。

DSC_3093.JPG中山弘子新宿区長「歌舞伎町についてですね、今、映画館が閉館したりということで、少し来街者が少なくなったとか、いろいろ聴かれますけど、皆さん、こういう時こそ、皆さんと心を合わせて、この街は、なんといっても日本全国、外国の皆さんにも知っていただいている、こんなに有名な街はありません。そして、戦後から、大衆文化・大衆娯楽を発信してきました。
タウンマネジメントと、皆さん方、地元の皆さんが熱い心で一体となって、この街から文化・娯楽を発信できることを願っています。
そういう意味では、シネシティ広場にシネシティカフェもオープンして賑わいも創り出していますし、また、大久保公園では、昨年テント公演で70日間、1万4,000人もの方々においでいただきまして、それを街全体でイベントとしていただけたと思います。今年も、大久保公園は、御存じのとおり工事をしておりまして、よりバージョンアップした、シアターパーク、イベント公園として、この街の元気を、皆さんとともに、タウンマネジメントとそれから街の方々、なんといっても皆さん方の熱意こそが、この街を、立派ないい街にしていくと思います。頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。」

今年は秋に新宿区長選挙が控えるわけだが、さて中山さんはどうされるのでしょうかね、多分出られる、と思いますが。歌舞伎町のこと、とくにこんな風なやりかけではあまり恰好よくないのでは。とはいえ、言葉の節々に“歌舞伎町よりもっと大変な地域はたくさんある、この街は他の街にはない地力があるんだから自分たちの街は自分たちでしっかりやってください、甘えないで!”的なトーンに聞こえてしまうのは気のせいでしょうか・・・^^;

DSC_3100.JPG自民党・吉住健一都議。与謝野さんが来られなかったこともあってか、今年の参院選を控え、自民党の応援を一人一人の席をお酌をしながら回っていた姿が印象的ではあった。吉住氏自身、とても人柄が柔らかい好人物ではあるが、個人的にいえば個性が弱い。まだまだ都議1年生、これからなのかもしれないが、「(寺谷さんが唱えている)地下鉄24時間賛成です、頑張りましょうね」と言ってくれる辺りがなんとなく“いいヤツ”な感じを受けてしまう。ちょっと気になるのは、東京一区における自民党の与謝野氏後継はどうするつもりなのかな、という点。今年中に解散~ということなら与謝野氏ももう一回出ることもあろうが、来年、あるいは任期いっぱいの再来年くらいに総選挙となれば、もう与謝野氏の後継をどうするかは現実的な問題となる。「吉住君、行けば?」「いえいえ~ボクなんか。」・・・花の一区、そんな単純な話になるわけもないか。だが、そもそも、来年春の統一地方選挙、もし自民党が議席を大量に落とすようなことにでもなれば、自民党が社民党化していくような予感があったりもします。現自民党の議員は口には出さないけど、どうするのでしょうかね。


新年会が続くこの時期、どこへ行っても「お客が減った」「コマはどうなるの?」などといった言葉や問いかけばかり。ある旧執行部の方が言っていたが「皆さん、この状況をなんでもかんでも人のせいにしすぎじゃないか。」と。前者の気持ちは分からないでもないが、全体として足元を見失っている感はどこかにある。まず自分の商売を充実させる、その余力で組合などの公共性のあることに精を出すのならまだしも、はたしてその部分はどうだろうか、という意図の彼の言葉だった。あくまで個々の創意工夫や努力があって、そして個々のビジネスがうまくいき、更にそれが積み重なり、結果として街は賑わいと活気を取り戻す。まずそれを足場に、それではできないことをのみ組織で、あるいは公共として活動するべき、足場もできていなければ公私の整理もおぼつかない・・的を得ている感はある。

とはいえ、シネシティの廃墟感、あるいは物件の売り物があっても買い手がつきにくい現状、地上げが入りかけてるところもあるがいくつかの大きい土地や物件の売却がなかなかまとまらない状況の中で土地価格の下落。それでも止まない売り気配・・、個々の企業にも語れない本音がちらほら・・。さらに、一番気になるのが、確かに歌舞伎町は様々な活動においてステージではあるが、フリーターや派遣切り、ホームレスなどの問題に関わる各組織等までもが歌舞伎町をステージとして見だしたという、それぞれの活動には意味がありつつも、その景色が似合ってきてしまってるというか、廃墟感を受け入れてしまって、いわばあってほしくない未来を連想させるいくつかの出来事などが、思うにいよいよ歌舞伎町に嵐が吹き始めるのはこれからだと予感させる。だが、それは“変化”であることには間違いない。変化にはリスクもあるが、新宿駅前商店街の蛭川理事長曰く「新宿は去年から大きく変化している。強いものが生き残るわけではない。賢いものが生き残るわけでもない。変化に対応できるものこそが生き残る。」・・変化を耐え春を迎えるまでひたすら我慢をするのか、あるいは変化を捉え自らも動いて対応し、波に乗ろうとするのか、いずれにしても今年からは明らかに目に見えてそういう時期に入った。

自分は、というと・・・この街に、愛する人たちに、できるだけ“幸運”をもたらしたい、一言でいえばそんなような想いです。漠然とした、それこそきれいすぎる言葉ではあるが、一番近い。すでにいくつか決めてやっている事が、そういう結果につながる“仕事”になれば、と思ってます。


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