SSブログ

世界のゴミから見るセカイ-南極から歌舞伎町まで-杉山文野君と、5月30日(土)グリーンバード「ゴミゼロ全国一斉掃除」における歌舞伎町チームの活動より [人]

5月30日(土)、グリーンバードでは、「5/30ゴミゼロの日」にちなんで全国一斉そうじを開催。都内チームの表参道や渋谷、歌舞伎町をはじめ、北は札幌から南は沖縄チーム、それに海外にも飛んでパリチームはエッフェル塔周辺を、スリランカチームはスプートニク交流会館から仏教の聖地アヌラーダプラまでと30チーム約1,000人がワールドワイドなゴミ拾い活動を展開。歌舞伎町チームは先月やっと日本に帰国したチームリーダーの杉山文野クンが掃除後、1年4か月50ヶ国(+南極)のバックパッカーの旅の報告会『世界のゴミから見るセカイ』を開催した。

green birdとは、「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに誕生した原宿表参道発信のプロジェクト。
「ゴミやタバコをポイ捨てしない。」と< 宣言 >すれば、誰もがgreen birdのメンバーです。
主な活動は、「街のそうじ」。でもこれは強制じゃありません。
「街を汚すことはカッコ悪いことだ。」という気持ちを持つだけでいいのです。
個人をはじめ、ショップスタッフや企業・団体など、
ただ今、プロモーションの輪はどんどん拡がっています。

合言葉は“KEEP CLEAN. KEEP GREEN”

自分たちが住む街をもっとキレイで、もっとカッコイイ街にするために。
ひとりでも多くの参加を、お待ちしています。

DSC08450.JPGこの日の参加者は24birds、ゴミ拾い後にシネシティ広場で集合写真。

DSC08315.JPG DSC08321.JPG

DSC08329.JPG DSC08516.JPG今年からグリーンバードサポーターにコカ・コーラが参加。ビブスやゴミ袋、飲料などを提供してくれている。全国で発売されてるコカ・コーラの缶には「コカ・コーラはグリーンバードの清掃活動を応援しています」という文字とグリーンバードロゴが入れらている。

DSC08339.JPG新宿東口駅前広場にて、ポケット灰皿を配る杉山文野クン。あっという間に配りきってしまいます。もらってる側もそう悪い気はしないと思う。この新宿東口駅前広場はとにかくいつもすごいポイ捨ての場所です。死角の多い構造的な問題もある。ポイ捨てをなくすために灰皿やゴミ箱はあったほうがいい面もあるが、ある場所ほど汚れるという現実。

DSC08365.JPG DSC08369.JPG DSC08374.JPG

▲途中クレープの匂いにつられてモア4番街のマリオンに寄り道。女子大生二人組は仲良くシェア、ハーフ組は彼女たちより若干がっつき気味^^;?▼ゴールデン街も通りました。普段見慣れない集団のゴミ拾いながらの通過に小次郎(ゴールデン街の名物ネコ)がキョドってました。

DSC08410.JPG DSC08401.JPG

DSC08418.JPG DSC08421.JPGおっと、文野と悠子(二人ともチームリーダー、幼稚園から高校まで一緒の幼馴染)がホテルに!(この時間だと休憩3時間かな、歌舞伎町2丁目にて)

DSC08434.JPG男子チームはキャバクラの看板前で、「オレこのコがいい」とか。そーいう好奇心って大事^^

さて、ここからが本題。歌舞伎町チームは2006年8月6日に杉山文野クンが立ち上げ、それから約一年文野が率いてやってきたのだが、突然留学するって話になって、2007年の9月からは文野クンの幼馴染の砂押悠子がチームを率いてゴミ拾い活動(&お掃除後の呑みも)を続けてきた。当初イギリス・ケンブリッジに語学留学ってことで半年、そのあと少し世界とか周りたいな~なんて言ってはいたものの、で結局本当にそれから今年の3月まで文野君はバックパッカーで50ヶ国を、そしていわゆるエデュケーションプログラムを含め南極に二回行くことに。(さらに先月はタイに『チチ』を取りにいって無事帰ってきたわけですが。。)

DSC08474.JPG2007年9月から先月帰国するまで文野の留守中チームを率いてきたチームリーダーの砂押悠子。歌舞伎町チームは悠子と文野、そして手塚真輝の3人のトリプルリーダー制をとっている。

このゴミゼロ全国一斉清掃における歌舞伎町チームの活動後、いつも使ってるネパール料理のティハールにて「世界のゴミから見るセカイ」と題した報告会。


「世界のゴミから見るセカイ-南極から歌舞伎町まで-」 於:ネパール料理ティハール(歌舞伎町第二東亜会館屋上アジア横町内)

DSC08487.JPGゴミ拾い後の呑みでよく使うティハールにて。プロジェクターでスクリーンに文野クンが世界を巡って撮ってきた美しい・汚いをスライドで見せながら報告会(スライドに映る写真はロンドン・バッキンガム宮殿前の広場でのもの)

「最初はゴミ拾いをしようとかゴミの写真を撮りためようなんて全然思ってなかった。(歌舞伎町チームを)やりま~すと言って(海外に)行ってきま~すと離れている自分に少し後ろめたさというか後ろ髪を引かれるというかそういうのがあったから、外(海外)にいるときもなんかしようと。で、ロンドンについて三日目くらいにバッキンガム宮殿の前の広場で掃除をしようかと見ていたら人が集まるところというのは普通にゴミがあって、世界中同じなんだなと。拾えばすぐゴミがいっぱいにたまって。

IMGP0381.JPG(c)Sugiyama Fumino スペイン・サクラダファミリアにて

その時もゴミを拾おうなんてまだそんなに思ってなかっただけど、その当時、このゴミ拾いで一緒にひろったかわいい彼女と付き合ってて、で12月にクリスマスホリデーがあったから、彼女が遊びに来てくれたんですよ。スペインで合流して、実はそこで別れたんだけども・・;、でまぁ、せっかくだから一緒にスペイン行こうかってことで、サクラダファミリア、ガウディの建築物・・・魚介類とかめちゃくちゃおいしくて・・・そんなスペインでゴミを拾いました。なぜかというと、ビックリなんだけどギャグじゃなくていろんなところがやっぱり汚くて、じゃ、掃除すっかと。この頃から世界中のゴミってどんなんだろうなと思うようになった。それでゴミを拾いながら、世界中の綺麗・汚いを撮ってまわろうかと。」と文野クン。

最初は2007年9月留学先だったイギリス、そしてクリスマスホリデーではスペインへ、翌年の春に留学先を卒業、そのままアフリカへバックパッカーの旅はスタート。

まずスペインからモロッコ(タンジェ)へ

モロッコ・ラバト、大西洋に沈む夕日.jpg(c)Sugiyama Fumino モロッコ首都・ラバトにて。大西洋に沈む最高にキレイな夕日が悲しいほどに汚い海岸のゴミ。

・エジプト

P4070064.JPG(c)Sugiyama Fumino 「ラクダ、もちろん乗ったらお金を払うまでおろしてくれません。人によっては馬鹿みたいに一万円も払ったヤツがいるっていう。ピラミッドの中は入ってみたけど、臭くて暗くて何にもない。あっちこっち汚いけど、なぜか地下鉄は綺麗。」

P4080002.JPG P4080014.JPG(c)Sugiyama Fumino

・南アフリカ共和国

P4190010.JPG(c)Sugiyama Fumino おもてなしにビールのようなお酒、あーまちがいなく腹壊すなと思いつつ、案の上お腹壊れっぱなしでした^^;

「ケープポイント、テーブルマウンテンはホントに素晴らしい。アパルトヘイトが終わったといえども、黒人の居住区、隔離政策の名残というのはひどいです。欧米みたいな綺麗な町もある、そのすぐ横で黒人だけが隔離された場所、今はそこに住まなくちゃいけないわけではないけど、まだ沢山そこに住んでる。バラック小屋に人々は生活してる。そりゃ暴動もおきるわけだっていう感じ。」

・ナミビア

ナミビア・サンドボード.jpg(c)Sugiyama Fumino 「ナミビアといえばナミブ砂丘、ふかふか過ぎて何しても大丈夫、でもサンドボードやって頭撃って死にそうになりました^^;

IMG_1292.jpg(c)Sugiyama Fumino ナミブ砂丘に緑が・・

ナミブ砂丘に少し緑があって、こんなところに緑があるんだって言ったら、気候変動・異常気象でこんなに緑が見えたことはこれまでなかったんだって。それからヒンバ族のビレッジに行きました。いまだに体中に赤土を塗って、でここの人たち、産まれてから死ぬまで一度も風呂に入らないらしいです。なんだかスモークするんだって。水とかお湯で体を洗うという概念はないらしく、体をスモークして清める。別に汚いわけでもなく臭いわけでもない。」

P4290054.JPG(c)Sugiyama Fumino ヒンバ族のビレッジにて

IMG_1629.jpg IMG_1804.jpg

アフリカを無事脱出してヨーロッパに。フランス(パリ、パリではグリーンバード・パリチームと合流してゴミ拾い)

P3150439.JPG(c)Sugiyama Fumino グリーンバード・パリチームと。

ルーヴル、モンサンミシェル)→スウェーデン(ストックホルム、マルメ)、デンマーク(コペンハーゲン)、チェコスロバキア(プラハ)、クロアチア、ドブロクニク(アドリア海の真珠といわれてる)、ボスニア(サラエボ)などを巡る。

P6070478.JPG(c)Sugiyama Fumino スウェーデンにて、北欧ってきれいだと思うでしょ?こんな美しい景色のわきにはこんなゴミが。女の子も落ちてました^^;・・スゥエーデンの人はパーティ好きということで、こんな景色はよくあるそうです。

P6070531.JPG P6080583.JPG P6080574.JPG

P5200030.JPG P5200038.JPG(c)Sugiyama Fumino ボスニア、女子供といえど動くものはすべて撃ち殺されたというスナイパー通りも今では親子が釣りをしてるような景色、丘の上には墓地が。

「サラエボでは変なおばさんに襲われそうになったりとかいろいろあったけど、街は結構ワイワイしてたりするけど、建物とか見ると弾丸がバリバリ撃ち込まれてます。爆弾の爆破された跡とか。ちょっと小高い丘に登ってみるともうお墓だらけ。墓石に刻まれてる年数は、自分より後に生まれてきたコたちが自分より先に死んじゃってるんだっていう、ほんとに何とも感慨深い思いがしました。
スナイパー通りも弾丸の跡がバリバリ、それでも今は親子が平日の昼間から釣りをするようなのんびりした雰囲気もあるんですけど、橋の下を見れば、ペットボトルにビン・・」(文野談)

P5250091.JPG(c)Sugiyama Fumino トルコ・ブルーモスク

美しい景色、そしてそのわきにはゴミ。人の集まる場所はだいたいこんなもの。

P5250090.JPG P5260102.JPG

ボスニアを後にし、ヘルツゴビナ、セルビアモンテネグロ、マケドニア、アルバニア、ブルガリアを経てトルコ入り。トルコといえばアヤソフィア宮殿、ブルーモスクが素晴らしかったとか。「一緒に写真を撮ってくださいとかって女の子とかに言われたり、なんだか分からないけどトルコはすごい親日だった。」(文野談)

一旦帰国、再度バックパックに荷物を詰め込み出発するも成田で足止め。なんでもチケットの手配ミスだったらしい。再度準備して出発。まずはシンガポールへ。

P7130077.JPG P7130080.JPG(c)Sugiyama Fumino シンガポールにて。「シンガポール、綺麗だと思うでしょ?」と文野クン。「シンガポール、とにかくびっくりするほど普通に汚い^^;」とか。シンガポールではドミトリ(一泊1500円くらいに泊ってた。ちなみにドミトリはインドだと一泊300円から400円くらい、スイスとか行くと安くて4000円くらい。その後、タイからカンボジアへ。
「国境を越えると急に雰囲気が変わって、道も悪くなって、そしてゴミだらけ。子供たちに好かれて『オカマ、オカマ!』って寄ってこられて、『オナベだよ』って言っても『オカマ、オカマ』って。どうやらオカマは市民権を得ているようです。」そしてベトナム(古都フエ)からラオス(ルアンパバン)へ。

P7310143.JPG(c)Sugiyama Fumino ラオスで飛び入りで日本語先生に。

「ラオスでは、若者が独学で日本語を勉強して子供たちに教えている寺子屋にたまたま発見して、これが素敵なのは、旅の指さし会話帳っていうのを川沿いで拾ってそれをきっかけに日本語をはじめたんだって。この国は貧しいけど日本語を覚え、日本語が出来るってことはこれから友好的になれるってことで、自分が勉強し子供たちに教えている。飛び込みで先生をやらせてもらったりしました。」

8月、中国。北京でオリンピック観戦、元々文野クンは女子のフェンシング日本代表、「太田雄貴がメダルをとったのも見ました」と。そういや太田選手がメダルを取ったときに文野がNHKのインタビューに出たらしい。(自分は見逃したが)かなり先輩ずらしたらしく平安高校(太田選手の出身校)のOB代払えとか言われたとか^^

・モンゴル
P8240214.JPG(c)Sugiyama Fumino 「ゲルで生活したり。みんな朝青竜みたいな顔してました。子供たちに好かれて、そんなコ達とサッカーをするんですけど、無数に散らばるウンコトラップにやられたりしながら。。とにかく食べ物は羊、羊、朝から晩まで羊。で、食べ終わったらその辺に捨てちゃうみたいな。
感慨深かったのは近代化に対応できていないのだろうなと。動物の骨と一緒にビンやペットボトルとかもそのまま捨てちゃってる。それがそこらじゅうにモンゴルの砂漠に拡がってた。」

・インド(ゴミと言えばインドってくらいすごいらしい^^;)

P9130151.JPG(c)Sugiyama Fumino タージマハールにて

「素晴らしかったのがタージマハール、いろんな建築物を見たけどホントに素敵だったのがスペインのガウディ建築とこのタージマハールとトルコのブルーモスク、アヤソフィア宮殿。タージマハールは、昔の王様が世界中の大理石を集めて建てた、お妃さんのお墓。自分の嫁が死んじゃって、どれだけ嫁を愛してたかっていうのを表現しようとして王様がこのお墓を建てるんですが、自分はタージマハールの裏にある川に橋を架けて、その向こうにブラック・タージマハールを建ててそこに眠りにつこうと思った。ただ、あまりにもバカ殿過ぎて、これを建ててお金が無くなっちゃって、国が傾き、息子に幽閉されるというなんともバカ殿っていう、それだけに愛しい王様だなと。」

P9130165.JPG(c)Sugiyama Fumino タージマハール インドはエピソードが多い。「やっぱり足元には結構ゴミとか落ちてて、その王様がブラック・タージマハールを建てようと思った場所の先はスラムになってると。
ここの子供たちがウケるのが、インドのコたちはすごいマネーマネーって言ってくるんだけど、カネがなかったからボールペン持ってるからっていったらボールペンほしいって。あげなかったんだけど、一緒にいたバックパッカーがしょうがないなってボールペンをあげて、最初5分ぐらいそれで遊んでて、楽しんだと思ったらそのあとすぐ20ルピー20ルピーって自分がもらったボールペンを売りつけてくるみたいな、そんなガキどもです、最高^^」

P9140179.JPG(c)Sugiyama Fumino 車窓の景色、見えにくいが線路沿いはゴミだらけ。こんな景色がずっと続いた。

「電車で移動したのだが、窓から見える景色は線路わき全部ゴミ。なんでかって言うと、ご飯とか電車の中で食べるでしょ。終わったら、当たり前のように窓を開けてバッと捨てるんです。」

P9150211.JPG P9150219.JPG(c)Sugiyama Fumino ガンジスのほとりで祈る人 「それでたどり着いた聖地ガンジス川、みんなが身を清めてるすぎわきでは死体を燃やしてその灰を流し、その横で人々が生活してる。インドに行くと生死感が変わるとか言われてたんだけど、デリーで丁度テロとかもあってそっちのが怖いなと、ガンジス川そうでもないなって思いながら小舟でプカプカ揺られてたら、ぱっと見たらドザエモンが流れてて、青とも緑とも言えない赤ちゃん・・やっぱすげーと思いました。ただ隣で死体を燃やしてその横で生活してるってことに関しては、結局人間も自然のものじゃないっすか。だから自然に戻るって意味で燃やされて川に戻るっていうのは汚いとは思わなかったんだけど、ただ川の横ってのはとにかくゴミで汚かったです。

P9280474.JPG(c)Sugiyama Fumino インドにて。ゴミと一緒に寝ている犬

P9290512.JPG(c)Sugiyama Fumino そのあとカルカッタ、マザーテレサハウスで一週間ボランティア。でも街はとにかく汚い。しかし、なぜか地下鉄は綺麗、そしてなぜか地下鉄駅に体重計とかあったり。」マザーテレサハウスでの日記(文野クンの前のブログ)で、「自分の国の中、自分の中にコルカタを探してください。」と最後にシスターに言われたことが書いてあった。文野クン「僕にとってのコルカタは歌舞伎町だな。」ってのが印象に残ってる。

・ネパール
P9240411.JPG(c)Sugiyama Fumino ヒマラヤをのぞむ(ネパールにて) インド・バナナシからネパールの国境までが12時間、国境からカトマンズまで12時間、計24時間バス。ネパールは、インド人と雰囲気は似ているが急に人が優しくなる感じだったとか。丁度年一回のクマリ祭のときで、その祭りで何か?あったらしく翌日暴動が起きて何もできず、やむなく旅疲れを癒しにティハールの店主のサービの家にお世話になった。

P9190317.JPG P9250433.JPG(c)Sugiyama Fumino ネパール・クマリ祭、お世話になったサービの姉妹たち

・スリランカ
「こんな美味しいバナナ食べたことないってバナナ食べました。」分別という概念はまだないらしい。グリーンバードにはスリランカチームがあるので、そこと合流し一緒にゴミ拾い活動を行った。

PA050659.JPG PA050699.JPG(c)Sugiyama Fumino グリーンバード・スリランカチームと

その後帰国、2008年の冬、再びアメリカに出発。LAから入ってサンディエゴからメキシコ・ラパスへ。中米から南米ペルー・アルゼンチン、ウシュアイアから初めての南極へ。二週間ほどの観光だったらしいが、その後帰国(2009年2月)するとすぐに「もう一度南極へ行って来い」的な話がグリーンバード代表ハセベケン氏から。まるで南極にとんぼ帰りか^^;ってことで3月中旬再度南極へ。

南極へ

南極には1900年代の初頭から結構盛んに行われてた捕鯨基地が使われなくなってそのまま残ってたり、各国の基地が出す産業廃棄物がいっぱいある。それを探検家のロバート・スワンが7年間かけて全部手作業で解体して船でウルグアイに運び再利用した。
2002年にその産業廃棄物や基地の残骸だらけだった浜辺に初めてペンギンが上陸した、というニュースをグリーンバード代表のハセベ・ケンが見つけたらしく、ってことでグリーンバードは杉山文野を南極に送り出すことになったとか。

DSC_0911.JPG(c)Sugiyama Fumino Inspire Antarctic Expedition 主催のロバート・スワンと。

「今回参加したプログラムはInspire Antarctic Expedition 2009というので、ロバートが主催し世界中の若者を集めてリーダーを育成しよう、というのは持続可能な社会をつくるために、環境問題に取り組んでいる人だけじゃなくいろんな分野で環境を視野に入れたリーダーをつくっていこうとい南極合宿のようなもの。なぜ南極なのかというと、南極というのは地球上で唯一国境のない大陸、世界が共有している大陸。だから、環境問題のように国境のない地球全体としての問題を考えるのは一番いい場所なんじゃないかということで、ゴミを拾うのが目的じゃないんだけどロバートがゴミを回収したような場所を見たり、船の中で気候変動やいろんな社会問題をディスカッションをしてきた。」と文野クン。若干補足すると、もともと気象条件の厳しい南極はかつては未踏の地であったわけだが、1900年初頭にイギリスなどが領土主張をするようになると、従来の領土主張根拠である先占ではなくいわゆる定住困難な場所故のセクター主義が主張されるようになる。しかし、科学技術の進歩により先占という実効支配も可能な状況になり、領土獲得競争が激しくなることが予想され、世界が南緯60度以南の氷棚を含む地域を共有し平和のための利用をすることを定める条約を1959年に締結、これを南極条約という。南極条約は1961年より効力が発生し有効期限は30年だった。30年経った1991年新たに南極条約議定書(マドリッド議定書)が採択された。この議定書では南極地域における鉱物資源採取の禁止、在来動植物の採捕・有害干渉の禁止、非在来種の持ちこみ禁止、廃棄物の適正処理、あらゆる活動に関する環境影響評価の実施等を定めている。現在日本を含む33ヶ国が締約しており、その失効は2041年となっている。Inspire Antarctic Expedition 2009の上部サイトは2041.comとなっているが、つまりは来るべき2041年を前に環境保護面で未来のリーダーを育てていこう、そのステージとして南極があることがうかがえる。Inspire Antarctic Expeditionは、コカ・コーラがサポートカンパニーになっていて、ちょうど今年からグリーンバードのサポートカンパニーにコカ・コーラが参加するようになった縁も重なり、実現したようです。

南極へは、オーストラリアやニュージーランドから船で行くのと、もうひとつはアルゼンチンの"End of the world,biginning of everything"と言われる街、ウシュアイアという港町があってそこから船で行く。参加者は全18カ国、85人の参加。日本人はフミノだけだったそうだ。アジアで言うと中国が10人くらい、あと欧米の人が多かったとか。ビーグル水道から世界で一番波が荒いというドレイク海峡を2daysで南極へ。

DSC_0324.JPG DSC_0423.JPG(c)Sugiyama Fumino 南極に新種を持ち込んで生態系を破壊しないようにということで、体中に掃除機。靴も洗います。

DSC_0322.JPG DSC_0413.JPG(c)Sugiyama Fumino そして南極大陸へ。

「南極につくと、基本的には船で寝泊まりするのだが、一日だけ上陸してキャンプをしました。雪を固めて塀をつくったり、テントを建てたりしたんですけど、なぜか外で寝ました。人数が80人くらいいたわけですよ。本当はテントの数からいうと二日間にわけてキャンプをするはずだったんだけど、翌日の天候が分からないと、天気が悪くなりそうだったからもしかしたら半分行けるけど半分無理かもしれない、だったら今日やってしまえってことで一日で80人のキャンプをすることに。だったらテントが足りない、じゃ外で寝ろってことになって、せっかく南極で外で寝るなんて人生で一回だけだと思って外で寝ましたけどもう、そこは宇宙でした。
めちゃくちゃ寒いんだけど、最初天気が悪くて見えなかったんだけど、寒すぎて目が覚めたら、もう満天の星空ですよ。あそこで口説いたらまちがいなく落ちるw
天の川なんてもちろん肉眼で見えるし、サテライトも動いてるのが見えるし、流れ星なんかばんばんだし、もう、宇宙なわけですよ。
そんなとこでこんなキャンプをして幸せ者です^^ありがとうございます!!」という具合だったよう。

DSC_0401.JPG DSC_0507.JPG(c)Sugiyama Fumino 「南極では、夏は11月から3月くらいまでで、その期間、自分らが行ってたころはマイナス5℃からマイナス10℃くらいだった。手つかずの自然ってこういうのを言うんだなって、本当に天国みたいに素晴らしい景色でした。アザラシ、ペンギン、クジラ・・・と。

2041 09-184.JPG(c)Sugiyama Fumino

2041 09-160.JPG(c)Sugiyama Fumino

DSC_1347.JPG(c)Sugiyama Fumino E-baseは再生可能なエネルギーだけで稼働

南極は国単位でしか建物を建てたりできないんだけど、ロバートはゴミを回収したという実績が認められて建てたE-baseという場所をもっている。以前ロバートは環境問題のトピックをゴミとかにおいていたんだけど、今はエネルギーの問題に一番力を入れている。どうやってそういった再生可能なエネルギーを利用していくか、それで生活していくかってことで、E-baseは全部風力発電とかソーラーパネルといった再生可能なエネルギーで賄っている。1500tのゴミを回収はしたが、そうは言ってもまだ細かいゴミもたくさん落ちていた。ということで、掃除をしました。」

DSC_1371.JPG(c)Sugiyama Fumino

ここで本題・・・「ゴミを拾ったわけです。でもゴミ拾いがメインなわけじゃないんで、拾っても拾ってもきりがないと。拾えばすぐゴミは集まるんですけど、ゴミってのは一人で手に負えるものじゃない。今回のメインはデセプションアイランド、ゴミ・ゴミ・ゴミ・・・。

DSC_0080.JPG(c)Sugiyama Fumino 『ここは南極にとって重要文化財です』・・・・・

デセプションアイランドはもともと捕鯨基地として使われてたんだけど、ここは火山なんですよ。火山の影響もあり、捕鯨を本当は続けたかったんだけど断念しました、っていう言訳で未だにゴミ、廃棄物、残骸、美しい自然の傍らこんなところがいっぱいあるんです。ここが変だよ南極っていうのは、廃墟のプレートに書いてあるのは『ここは南極にとって重要文化財です、だから撤去もせずに残してるんです』と。でも、ただのゴミなんですよ。ただ、自分たちが回収できなかっただけ。南極は全部で100くらい各国の基地がある。もちろん新しく基地を建てるのも大変、だけどそれ以上に維持したり撤去したりするのが大変ってことで、いつかかたずけるよとか、そういう理由のもとにゴミを不法投棄したままになってます。

DSC_0119.JPG DSC_0224.JPG DSC_0048.JPG(c)Sugiyama Fumino デセプションアイランドの捕鯨基地の残骸

キャタピラ、タイヤ、鯨油を抽出してたときのタンク・・・これが南極の現状です。
イギリスが基地として使ってた場所があって、生活した頃のそのまま遺してあって、それが博物館ですよって言い方をしてる。自分たちが撤去できなかっただけなのに。
今ある基地では、それぞれ気象学、天文学、生物学などといった研究をしている。地球上で唯一国境の無い大陸って言ったけど、南極での観測とか研究は、その情報も共有されているとか。地球のために情報を共有していこうって。だけど、この前までアルゼンチンの救助隊の基地があって、自分が行くちょうど2カ月くらい前に大きい台風みたいなものが来て壊れちゃったと。それが何も撤去も撤収もされずにそのまま放置されていた。レスキューだからか、薬品とか針とか電気機材とか、放置されて捨てられてる。こういうのが南極の生態系に影響しないわけがない。」

DSC_0983.JPG DSC_0989.JPG(c)Sugiyama Fumino 放置された医療廃棄物、薬品の数々。こんなのが放置されて生態系に影響ないわけがない。

DSC_1001.JPGペンギンもやってられないと・・・(c)Sugiyama Fumino

"Think global, Act local"

最後に杉山文野クン、「こういう会を開いて、だから何?ってことなんですけど、別に今日落とし所も何もない。ただ、一番問題なのはこういう事実があるっていうことを知らないっていうのが問題なんだなと。だから、事実を知っていただいて、よく言われてますけど"Think global,Act local"(シンクグローバル、アクトローカル)っていう、世界規模で考えてやることは足元から、っていうのは本当だなと思っていて。環境問題とか社会のことを考え始めると、あまりに自分の無力さを感じ何もできないと思うんだけど、やれることは自分たちの足元からやろう、だから自分の足元のゴミを拾う、というのもいいかと思うんですけど、でもやっぱり世界規模地球規模で考えると、こんなことが起きてるんだっていう視点も持ってたらいいなと。で、そういう情報を共有できたらいいなということで、今回はやらせてもらいました。皆さん、歌舞伎町から一年半くらい離れましたけど、本当にご迷惑をおかけしてスンませんでした。これからもよろしくお願いします。」

DSC_0219.JPG(c)Sugiyama Fumino 南極にて。手つかずの自然と隣り合わせに廃墟や残骸、それが南極の現実

自分がどうこうコメントするのは邪魔だね、杉山文野君が言ってたように落とし所がどうとかじゃなく、あくまで彼が見てきた“世界のゴミからみるセカイ”-もちろんそれは世界の“ある部分”であるかもしれない。そこにあった彼が感じた見てきた事実、おそらくこれから講演などをするのだろうけど、まずは一足早くざくっとだがアウトプットだけさせてもらった。※口述書き取りのため若干ちぐはぐや不適切な表現があったかもしれませんがご了承ください。

P4070043.JPG(c)Sugiyama Fumino

杉山文野ホームページ:1981年8月10日生まれ、グリーンバード歌舞伎町チームリーダー。歌舞伎町をこよなく愛する27歳。最近ホームページをリニューアル、写真など随時アップしていくとのこと。


nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 1

コメント 1

ディスカヴァーいしばし

てらたにさま
お久ぶりです。ディスカヴァー編集部の石橋
この、世界のゴミから見るセカイ〜の会、
おもしろそうですね!行きたかった……。
なんて、ゴミ拾いにぜんぜん参加できていなくて
すみません。。。ゴミ拾いやイベントなど
またご一緒できますと幸いです、
よろしくお願い申し上げます。

ディスカヴァー 石橋
by ディスカヴァーいしばし (2009-06-16 18:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0