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荒川祐二(あらかわゆうじ)君からの手紙~2008年3月30日 [人]

荒川祐二(あらかわゆうじ)君からの手紙~

arakawayuji_答え.jpg荒川祐二作「答え」

大学4年間、ご縁を頂き、支えてくださいました皆様一人ひとりに、心からの感謝の気持ちでいっぱいです。
未熟な若者であったにも関わらず、丁寧に優しく、多くのものを教えてくれた皆様、
失礼な事もたくさんした事と思います。
皆様とのご縁があってこそ、今私は心底幸せを感じながら生活をさせて頂いております。

本当に、本当にありがとうございます。

私は、2006年11月から新宿駅東口の清掃活動を始め、多くの方々に支えて頂いたお陰さまで、今日まで何とか続けてくる事が出来ました。
今回報告させて頂きますのは、大学卒業という節目を迎えるに当たりまして、今日まで続けてきた新宿駅東口の掃除も共に卒業させて頂きますという事です。
私の今後の進路は、就職はせずに、自らの「書」と「詩」を主体とした創作活動を通して、アーティストとして道を歩んでいく決意を致しました。
約1年4ヶ月前より掃除を始め、ただゴミを拾う中で、たくさんの事を経験させて頂き、気付けば若輩者でありながら、教育機関を中心とした人様の前で講演をさせて頂く形になりました。

しかし、講演をする中で、子どもたちの顔が余りにも暗いことに気付きました。
その時、「この子達は誉められてなさ過ぎる!!」と感じ、「じゃあ、自分が少しでも、その子達にとってプラスになる言葉を贈ればいいんだ!!」という思いの下、『あなたの目を見て、インスピレーションで言葉を書きます』という活動を始めました。
やがて、その活動も皆様に支えて頂いたお陰で、自らの生計を立てる事が出来る水準に達し、今日、その道で自分の人生を表現していこうという思いに至りました。
今後は拠点を東京に留まらず、全国を中心に活動をしていく事もあり、新宿駅東口を離れる決意を致しました。
当然、それと同時に清掃活動自体も終わりにする訳ではありません。

これからは場所に関係なく、全国各地で清掃活動を継続させて頂きます。
当然ながら、東京にいる時は、新宿駅東口に行かせて頂きます。

まだ新宿駅東口にはゴミが大量にありますし、跡に引き継いでくれる人間がいる訳ではありません。
そういう意味では、自分自身の力が及ばなかった事への悔やみ、これから定期的に続けることの出来ないジレンマはあります。

今まで支えてくださった皆様には、本当に申し訳ない気持ちです。

私は4月1日から日本縦断の旅に出ます。
「今、この目で日本という国を見てみたい。」
そういう思いで、路上詩人として人様に言葉を書かせて頂きながら47都道府県全てを回ろうと決意致しました。
当然、北海道から沖縄まで南下する中で、各都道府県で清掃活動もさせて頂きます。

「日本全国の方に言葉を書かせて頂く事」
「日本全国のゴミを拾う事」

そして、
「この目で日本を見てまわる事」
がこの旅の目的です。

新宿駅東口の毎朝の清掃は形上卒業する事になりましたが、僕自身の気持ちは何も変わったつもりはありません。
まだまだ未熟者ですが、どうかこれからもよろしくお願い致します。
心からの感謝を込めて。

荒川祐二拝

758576061_215.jpg路上で書き下ろしをする荒川クン。これも神出鬼没に原宿他いろんなところで活動を続けている彼の姿。

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一昨年の11月、朝の6時、新宿駅東口駅前の広場にガチャピンのかぶり物を着て、ダンボールに書いた「一緒に掃除してくださる方募集」というプラカードをぶら下げ、ゴミを拾う一人の青年が現われた。彼の名は荒川祐二(あらかわゆうじ)君。当時上智大学経済学部の3年生の学生だった。それから雨の日は除くほぼ毎日、この場所でゴミを拾い続けた。最初は、なんか修行じみた感もなくはなかったが、「これを続けることで何かが変わる、何かを変えられる」という彼の強い信念に心を揺さぶられて、それ以来の付き合い。変わったヤツだけど、どこか突き抜けている感があって面白い男だった。

DSC06444.JPG

当初は一人で始めた彼の活動も、彼の学生仲間らが交わり、徐々に大きくなっていくかに見えたが、難しい問題も出てきたりした。新宿東口広場というとホームレスの人たちも数人いる。彼らも荒川クンの行動を見てそれに参加、だがそれがむしろ学生たちがなじみにくい状況を作ったりしてしまったということもある。

DSC04296.JPG昨年5月3日、同時多発ECOと銘打って、全国でゴミ拾いのムーブメントを起こした。新宿東口には88名が集まり、新宿駅周辺や歌舞伎町などのゴミを拾った。(関連記事

DSC02328.JPG昨年8月22日には中山弘子新宿区長も朝早く新宿駅東口広場を訪れ、荒川クンらと一緒にゴミを拾い、また荒川君からみた地域の課題や問題点について話を聞く機会があった。(関連記事)結局いまの段階で、区長が視察してくれたおかげで何か新宿東口に変化があったのか?といわれれば無いわけで。でも、そうは言っても希望は抱かしてくれた出来事ではあった。

昨年後半ぐらいからは、やはり荒川クン自身がこういった活動を通じ有名になってきた関係もあって、講演や書き下ろしなどの活動などが随分と忙しくなってきていた様子だった。「後進を育ててよ。」という自分に対し、「それは難しいです。今の子たちは、なかなか継続できない。」なんて漏らしてたなぁ。その荒川クン、当初はNHKの就職をしようとして落ち^^;、で環境コンサル系企業に就職ってことで決まった様子だったのだが、「やっぱやめました。」って話を聞いたのはつい最近のこと、「書き下ろしのアーティストとしてやっていきます!」と。

上智を卒業してフリーですか、でもついその話を聞いた時に「おめでと。」って言ってしまった自分がいた。自分もかれこれ17年ほどフリーでやってきたので、なんとなく仲間を得た気がしたり。「いや、ぶっちゃけ、結構(書き下ろしの)仕事があるんですよ。」ということだった。ラーメン店の看板を書いてほしいとか、メニューを書いてくれとか、あるいは警察から依頼されて講演してくれとか。まぁ、でも同じクリエイティブの世界の人間として活躍してくれることを素直に嬉しいと思う。「新宿東口広場のゴミもまだまだ減ってなくて心残りもいっぱいありますが、新宿でのことは、本当に感謝でいっぱいです。」とそう言ってくれたことが心にしみた。

arakawa_心.jpg荒川祐二作「心」

明後日4月1日に東京を出発し、全国書き下ろしの旅に出る荒川クン(旅日記はこちらで)、とりあえず3か月ほどで東京の戻り、そのあとのことはまだ何も決まっていないという。荒川祐二君の人生はいよいよこれからが本番、彼の門出を祝し、また皆さんもどこかで彼を見かけたら、ぜひ声をかけてあげてくださいね^^

★荒川祐二オフィシャルウェブサイト
★「誰にでもできることが 世界を変えるということを伝えたい。」荒川祐二オフィシャルブログ『日本縦断旅日記


3月29日(土)第一回デジタルショートアワード本選開催~新宿TOKYU MILANOにて

2003年の東京国際ファンタスティック映画祭よりスタートし、過去3回開催されてきたこのデジタルショートアワード。ソニー・ミュージックとニッポン放送がサポートし、次世代の映像クリエイターを発掘すべく、「600秒」、つまり上映時間がジャスト10分の短篇映像作品のコンペティションとして行われている。グランプリ作品には80万円の賞金、各部門(笑い・泣き・驚き)の優秀賞には20万円の賞金が贈られる。なお、グランプリ受賞者には翌年のデジタルショートアワードに秒数を問わない招待作品としての枠が与えられるほか、主催者側から各アーティストの才能にあわせそれぞれサポートを行っていく。

DSC01804.JPG審査委員長のいとうせいこう氏。 「600秒、10分間、つまり600秒ジャストのデジタルショートが本コンペの対象です。600秒はあらゆる可能性を秘めた時間です。アイデア一発ではもたないので構成力が必要となり、反対に長い作品では見えにくくなる『コンセプトのキレ』『編集力』が如実になるからです。長編へと変化していく可能性と、ショートという分野それ自体を突き詰める可能性。その双方を我々は作り手に見出したいと考えます。グランプリ受賞者が作る次回作を、自動的に翌年の秒数を問わない招待作品とするのも、新しい才能の可能性のためです。」

作品は昨年末、2007年12月31日を〆切として一次選考(事務局)→二次選考(事務局・審査員)を経て本選出品ノミネート作品(各部門5作品、計15作品)を決定、今回の本選において観客と審査員の総合投票で各部門優秀賞とグランプリを決定。

第一回デジタルショートアワード本選ノミネート作品.jpgDSC01775.JPG

★各部門優秀賞

秘仏.jpg【笑い】部門グランプリ:『秘仏』 モッカモッカ

黄金.jpg【泣き】部門グランプリ:『黄金』 永野宗典

Tokyo Street.jpg【驚き】部門グランプリ:『TOKYO STREET』 岡村裕太

DSC01793.JPG『黄金』でグランプリを受賞した永野宗典監督「感無量ですねぇ・・・といいつつ、賞金の使い道で頭がいっぱいです。僕の作った作品は、映画史の中でもそんなに新しいこともやってないし、もっと新しいものを見たかったんじゃないかなと思ってたんですが、でも僕に票をいただけたのはすごくうれしいんですけれども、これからも俳優業やアニメ界でも、また何か新しいことでも頑張っていきたいと思います。」

黄金.jpgグランプリ作品:『黄金』 永野宗典監督:「黄金クライミング」という山登りイベントに参加することになった男が、賞品である黄金の山の権利を手に入れるために奮闘、自問自答する姿を描いた山岳ヒューマンドラマ。

かつてより東京国際ファンタスティック映画祭で開催され、昨年は一時休止になっていたこのイベント。現実にはライブドア騒動のときにニッポン放送が赤字事業からの撤退を余儀なくされた際に東京国際ファンタスティック映画祭は休止(のちに東京国際シネシティフェスティバルとして再スタート)、同時にこのデジタルショートアワードも休止となった。しかし、本音として聞こえてくる声として「映画祭はもはやその意味を失っているが、このデジタルショートアワードの継続には意味がある。」ということもあって、今回の第一回開催に向けニッポン放送とソニー・ミュージックがこれを支えたという経緯はある。実際、東京国際映画祭にしてもシネフェスにしても、映画祭とはいうものの、実態は有料試写会にすぎない。かつてのような有望な才能を発掘するコンペといった色合いは失われ、イベント開催期に合わせての興業側の単なる宣伝の場になり下がっている。かつてより何度か映画祭でオフィシャルのスタッフとしてかかわっている自分が言うのもなんだが、カンヌやサンダンスのようなものこそが映画祭であって、今ある「映画祭」は実質有料試写会。。そこが非常に残念でもある。

たしかに、こういったデジタルショートアワードのようなコンペティション主体の映画イベントは集客が難しいし発信力も少ない。イベント主催側にしてれば苦しいという側面もある。だが、自分も映像クリエイターの一員として、やはりクリエイターが広くプレゼンする機会があることは、優秀なクリエイターが育つためにも、また才能を探しているプロデュース側にしても必要なことだし、やはりあり続けてほしいと思う。これだけ自主制作映画(映像)を作る機会や環境がそろいつつある現在、すそ野の広がりはあるものの、安かろう=悪かろうな作品がまだまだ多い。だが、一方で、こういった厳正なコンペと世に出るチャンスがあってこそ、すそ野の広がりの意味を与え、才能の開花を促す。「来年(デジタルショートアワードは)あるの?」という問いかけに対し返事に難しそうな顔をするイベント主催側に、自分としてもなんとなく複雑な心境ではあった。


【告知】higaco photo exhibition/#0 Identity Crisis

identity crisis_higaco at colors.jpg DSC01744.JPG

2008/3/30 sun.-4/13 sun. CAFE*BAR COLORS
新宿区歌舞伎町1-1-9ゴールデン街G2通り2F
Mon-Sat 19:00-Last/Sun 15:00-23:00
Drink¥500~+Charg¥700

新宿ゴールデン街にあるギャラリー・カフェバーのCOLORS(カラーズ)で、写真家higcoの個展が今日から始まったようです。開催期間は3/30より4/13まで。higacoは、何というか不思議な空気感を持った作品を撮る人です。(参考:彼女の作品)ちなみに、このCOLORS、友人の玲(あきら)さんのお店でもあるんですが、時折こうして店内のギャラリースペース(3F)にこれからっていうようなアーティストの作品の展示をしてます。よかったらお立ちよりください^^自分は月曜あたり顔出す予定です。


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台湾人

台湾の新聞で彼の記事が載っていたので彼のことを知りました。

日本は清潔感と衛生面では世界の最高クラスなので、ずっと昔からすごく感心しています。
by 台湾人 (2010-08-08 17:43) 

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