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1月の歌舞伎町「よくしよう委員会」報告など [まちづくり]

 シネシティ広場改修風景

劇場街に囲まれる歌舞伎町シネシティ広場の改修工事が始まっている。新宿TOKYU MILANOビル側にあった植え込みの部分を改修し、ここをイベント等で利用できるステージ状にしようということになっている。所管は新宿区環境土木部。ステージと言っても、数年内に再開発が行われることになっている四葉会エリア(東急レクリエーション、東宝、ヒューマックス、東亜興行、コマ劇場)の中心に位置し、再開発の計画によっては位置や使い勝手も変わる可能性が高いため、あくまで一時的に予算の少ないイベント等でも使いやすいように植え込みを無くし、コンクリートでふたをする程度のものではあるが。

シネシティ広場を中心に、なるべくたくさんのイベントを実施し地域の活性化を図るのが目的であり、その内容について歌舞伎町「よくしよう委員会」でも議論が行われている。

片桐基次氏(よくしよう委員会委員長)

2007年を迎え、1月は11日と25日に「よくしよう委員会」(片桐基次委員長:歌舞伎町商店街振興組合専務理事)が行われた。歌舞伎町を良くして行こう、非常にシンプルなコンセプトをテーマに地域事業者、歌舞伎町で活動する個人・企業など歌舞伎町商店街振興組合以外も含む有志のメンバーによって形成され、歌舞伎町商店街振興組合事務局会議室において月2回程度行われている。その中で、現在インターネット放送局「新宿放送局」から提案されている「歌舞伎町スターコンテスト&エンタメ広場計画」では、4月から9月の半年間、毎週土曜日を開催日として国内及びアジアなどのスターを夢見るプロ及びアマチュアのエンターテイナーたちによる野外ステージとして活用、毎回10万円程度の予選賞金を用意してコンテストを行い、勝ち上がったものを10月を目途に開催予定の決勝大会(賞金総額300万)へとつなげていく。また優勝者をはじめ優秀者らをインターネット芸能プロダクション歌舞伎町芸能社に登録、ここでマネージメントを行い仕事を振る一方で新宿放送局をはじめとして各ローカルメディアを中心に露出をしていこうというものである。イベントとして成立するため約2,000万円程度を目標にスポンサーの獲得を目指し、また地域サポーターシステム(一人1,000円からイベント協賛費として、また各パフォーマーをサポートするための賞金等に充当など)なども検討していく。

同時に、ネーミングライツ(年間1,500万程度から歌舞伎町シネシティ広場そのものを広告媒体として活用、広告料をまちづくりのための資金とする)、歌舞伎町観光インフォメーションブースの設置なども企画としてはあるのだが、法的なハードルがあるため不安定要素があり当初は社会実験的に行える範囲にとどまらざるを得ない。その範囲がどこまでなのかをハッキリとさせるのが近々の課題だろう。

無人となっているセントラルロード入り口にある歌舞伎町交番

セントラルロード入り口にある歌舞伎町交番が機能していた時期、8割以上のニーズが道案内だったという。この交番は、歌舞伎町商店街振興組合が600万円をかけて建設、警視庁に寄付したもの。ニーズの高さ、24時間対応の必要性から常時6~8人体制が必要であったが、当時オウム・サリン事件によって人員の手配が付かなくなり、その後閉鎖されそのままになっている。現在は東京都公安委員会の所有物となっている。交番である以上、法的には民間人だけでここを利用(活用)することが出来ない。

たとえばシネシティ広場にインフォメーションブースを設置するなり、あるいはこのセントラルロードにある交番を地域活性化のために活用できないかという議論がある。前者の場合は道路という法的な問題によって常設物の設置にハードルがある。社会実験の名のもとにどこまで柔軟に出来るかという課題がある。後者、セントラルロードの交番については公安委員会から買い戻すという手法があるが、寄付したものを買い戻すということ自体どうなのか、また買い戻した場合、再び交番に戻すことが不可能。したがって買い戻すという選択肢は無いだろう。一時的賃借、または壁面や空間などの案内版的な活用などを模索している。現実的には、↓モア4番街オープンカフェのように歩道上を利用して給排水設備を設けた常設ブースの例があり、インフォメーションブースのシネシティ広場はだめ、オープンカフェのモア4番街はいい、というわけではないので法的な議論をどうクリアし社会実験をしていくのかという技術論において行政側が若干逃げ腰なのは否めない。

 

■違法駐輪・バイクの違法駐車問題

2月1日までで、歌舞伎町二丁目にあるハイジアの横に設置されている駐輪スペースが撤去になる。花道通りから交番を右折しこのハイジア脇を抜けていくルートが客を拾うタクシーの回遊コースとなっており、またハイジア脇はこの狭さで相互通行が可能になっている関係や、駐輪場であるにもかかわらず中・大型のバイクが違法駐車していることから地域(歌舞伎町二丁目)から駐輪スペース撤去の声が上がっていたことによる。

歌舞伎町一丁目的には花道通りを歩行者優先、もしくは歩行者専用道路にすれば問題は解決できそうな話なのだが、一丁目と異なり二丁目は「自動車優先」の意見が強い。特に、二丁目には歌舞伎町二丁目町会ともう一つ二丁目商興会(ホテルヴィンテージ小泉社長が現会長)という組織があり、商興会は先ごろまで会長だった赤迫氏(AK会館等経営)の代に、二丁目町会と一緒になってたとえばホームレス対策として大久保公園を閉鎖したり(現在はホームレスが減ってきたことによって時間帯で開けるようになった)駐輪対策を行政にねじ込んだりしてきた。

現在駐輪スペースとして利用されているハイジア脇の車道スペースは2月1日に廃止に。

「ハイジア脇のスペースは一丁目で働いている人たち」ということが事実なら、このスペースが無くなることで歌舞伎町一丁目内に更に違法駐輪が増えるということを意味する。

セントラルロードなど歩道にスペースがあるところは、違法駐車・駐輪の自転車やバイクの姿が非常に目に付く。靖国通り沿いは自転車が置けるようになっているが、かなりの台数のバイク(目測で約1割強が違法駐車の自動二輪)も置かれている。

 

現在新宿区では、歌舞伎町で言うと花道通りの明治通り付近南側側歩道の一部(サブウェイ付近)や靖国通り沿いの西武新宿駅から区役所までの歩道部分を駐輪場としているが、すでに満杯状態。あらたな駐輪スペースとして職安通りの歩道を活用するという案もでているが、いずれにせよ自転車や50cc以下のバイクの置くスペースは不足している。当然路上や広めの歩道等に置かれることになるのだろうが、花道通りの歩道拡幅工事が近々に迫る中でまたも一丁目・二丁目間の意見の違いによる火種になりそうな予感。

■東京マラソン2007における歌舞伎町地区応援イベント

2月18日に開催される東京マラソン2007(都庁前スタート~ビッグサイトゴール)ではスタート直後の9時から10時の間、マラソン選手が靖国通りを走る。歌舞伎町では、これにあわせセントラルロード入り口付近で「東京六大学応援団による応援合戦)を行う。

↓東京マラソン2007コース概要

 

参加ランナーが約3万人ということで、沿道にも多数の応援が予想される。しかしながら日曜の朝9時ということもあって、歌舞伎町の一番ゴミが多い時間帯ということもあってこの日は早朝からゴミ拾い等を行う必要があると思われ、歌舞伎町商店街振興組合をはじめ他のボランティア組織などにも声を掛けていく。

↓毎年10月に行われる歌舞伎町まつりでの「東京六大学応援合戦」の様子(関連記事


よくしよう委員会では今後のイベントとそれに関連する制作物等に関する議論がおこなわれる一方、街の状況や課題整理、情報交換なども話し合われる。一昨年、「歌舞伎町公式マップ」というのを発行したのもここでの議論からであった。制作は自分が行ったわけだが、その際に「キャバクラ」のデーター等が60件ほど掲載されていたことが新宿区議会で問題になり(共産党の笠井つやこ議員の質問から)、当初置かれていた行政施設からの撤去が余儀なくされた経緯がある。「歌舞伎町るねっさんす」の名が冠され、そこに風俗店のデーターが掲載されていたことがいわば突っ込みどころにされたわけだが、このときに中山区長がこれを認め行政施設から撤去させたことが一つの既成事実となり、以降「歌舞伎町ルネッサンス活動」と「風俗」は相反するものとして扱われることになった。

「よくしよう委員会」の委員長として片桐基次氏は、この経緯については今でも納得していない。根底は何かと言えば、合法と違法の区別、風俗と一言で言っても「社交飲食業」と「性風俗」との間には明確な一線があり、それを一言で「風俗」はダメ的な議論になったことを当時覆せなかったことにある。その後、何度も区長や行政とはこの議論をし、「新宿全体の街の品格、風格のある、まさに日本、東京の新都心としての新宿を思い描いたときに、もっと21世紀は、人々がわくわくするような娯楽、文化、そういうのが大事になって、そして大人の街も必要とされると、ここはそれだけのポテンシャルをもてる場所でもあるのだから・・・」(中山弘子新宿区長に聞く~より)と、表現は柔らかいがやや柔軟な方向への兆しの中で、片桐氏自身はなんとか合法な社交飲食業(クラブ・スナックからキャバクラ、ホストクラブ)までが一緒になって街づくりに関われる環境を作ろうとしている。

社交飲食業は歌舞伎町における最大のキラーコンテンツでありポテンシャルでもある。しかも、ニーズも高い。しかしながら暴力団のミカジメ料等の資金源になりやすいことから行政的には認められない。主に時間外営業や宣伝等風適法上の違法性が内在することが暴力団の資金源となる土壌であるのだが、このうち特に時間外営業に関しては客も事業者もほとんど罪悪感も無い上にどこにも被害者がいない、また生活パターンの多様化が進み「仕事後の憩い」の時間帯が人によってバラバラであり、そもそも「不夜城」が歌舞伎町のキーワードである以上営業時間規制そのものが存在すること自体不自然ということで、とくに「よくしよう委員会」では歌舞伎町の社交飲食業の営業時間規制撤廃をいかに実現するかが議論されている。極端に言えば、今あるものをそのまま認めるだけで暴力団がミカジメ料を要求する隙間がなくなるという考え方だ。適正化を図る上では景観的配慮や客引き、それ以上に深刻な不動産仲介(また貸し等)・コンサル名目などの暴力団インフラを徹底的に排除する規制強化と営業時間の緩和をあわせて歌舞伎町の経済活性化の礎としようというのが目標である。

まだまだ、戦略的な部分も含め100%コンセンサスが取れているとまでは言いにくい状況も無いわけではないが、たとえば「深夜の賑わいがあれば、歌舞伎町の映画や劇場の活性化にも繋がる」と四葉会側も基本的には賛成にあるので、いずれは実現したいところだ。

もっとも自分にしてみれば、違法が溢れざるを得ない繁華街を今の法律体系で自治すること事態無理がある。マーケットがあり、ニーズがあるものをまず認めようよ、そこからもう一度法律を作り直して適正化のための規制をすればいい、そのためにはまず風適法そのものをリセットするべきだ。マーケットやニーズを無視してそこを破壊し、そもそもおかしな法律の存在によってグレーゾーンが溢れ、かえって暴力団の懐を肥やす、つまり法律そのものが暴力団に味方しているような状態があること自体がまさに公害。歌舞伎町の繁華街自治のあり方が、日本中、あるいは中国などのアジアの繁華街からも注目され、我々がうまくいったこと、失敗したり、あるべき姿を実現できないで苦しんでいることそれぞれが活かされつつあるという。たとえば中国、とくに上海などが注目しており、繁華街自治の新たな形を模索するなかで歌舞伎町は非常に参考になるという。「日本は今ある法律などそこから変えていかないといけない。しかし、あるものを変えるほうが一から作るより難しい気がする」とよく話すのだが、実際に「アジア一の繁華街」と言われたこの歌舞伎町も、上海などの繁華街がここに学んで自治を成功したら、もはや歌舞伎町だけでなく日本中の繁華街が沈む。そんな危惧がある。だからこそ、今、このときが重要なのだ。

※次回よくしよう委員会スケジュールは2月8日(木)15時より歌舞伎町商店街振興組合事務局会議室にて開催予定


2007年は選挙イヤーでもある。東京都知事選・新宿区議会議員選挙はそれぞれ4月に行われる。1月に入って組合等の新年会や各団体の賀詞交歓会などに顔を出すと本当にいろいろな政治家に会うことができる。新年の挨拶を兼ねて名前を売り、顔を売るチャンスなんだろう。また政治家たちと各種団体との関係もある程度知ることが出来る。そしてその多くが、やはりそれぞれ政党色があるのも事実。

こうして見ると、各地域町会や振興組合、各種団体というのは一種の集票システムに組み込まれており、これに支えられる地方議員がさらに都議を支え、さらに国会議員を支えるという構造がある。国政においてなんでも反対する野党よりも具体的な政策を組み立てている政権党の方が議論のしがいもあるし実現になお近いことは明白。しかし、地方政治のように政治が生活に密着している場合は、むしろ国政における政党政治が邪魔し各議員の政策能力が活かされていないように思うときがある。もちろん政策能力があるのなないのかわからない人たちも多分にいるが。しかし、一方で民間をみると各種団体や振興組合の幹部クラスに特に感じるのだが、単に「自分達の我侭を聞いてくれそうな議員を応援している」に過ぎない空気がそこにある。自分がそれを言えば、「事実そうだ」と応える幹部は多い。

そもそもそれでいいのだろうか?

各種団体や振興組合というものが、むしろ政策を提言し、各議員や候補者たちと議論、現実的に政策を構築し実現に結び付けていくのが本来の姿なのではないか。あるいは、政策の方向性が合うと思える議員を応援し、当選させ、というのが本来の姿ではないのか。しかし、どうだろう。各種団体や振興組合のご老人達にそんなことが出来るのか?まぁ無理だろう。となると、ほとんど何も考えずに「仲が良い」「親父さんに世話になった」「だから無理を聞いてくれそう」な議員だけを応援している。各新年会や賀詞交歓会に顔を出し、いろいろな方々と話をするとこんな現実がはっきりと見えてきてしまう。意外と末席に座っている人たちの方が気づいていて、中心にいる人たちが気にもしていない。先日、国会の自民党の人間と話したときに「いやぁ~、支持率下がっちゃって大変だよ。」という言葉の背景はこんなところにあるのではないか?

外から見ていてもなかなか見えない内部のアンバランスは徐々に進んでいる。そして、これも一種の既得権と言えるのかもしれないが、それに対する諦めが選挙の都度に報道される「投票率の低さ」、つまり若い世代やマイノリティ側(といっても決して少数ではない)の政治に対する無関心へと繋がっているのかもしれない。今の政治は、つまり「少数派の多数」で成立している見かけの民主主義と言えるのではないか。

4月に新宿区議選がやってくる。そしてこれは4年に一度しか来ない。これを過ぎたら4年も待たなければやってこないのだ。どんな候補者が立つのか、再選を狙う現職区議の一人一人がどういう政治家なのか、考え方、政策を持っているのか。十分精査し、情報を収集し投票行動に結び付けて欲しい。

新宿区食品衛生協会で挨拶する中山弘子新宿区長。区長ともなると一体いくつぐらいの新年会を回るのかな。お疲れかも、とついファインダー越しに感じたりも。確かに既存の地盤組織の支援というのも民主主義なんだが、逆に仮に一切の既存組織の支援を受けずに当選出来たら年末年始だけ見てもどれだけ政策に打ち込めることだろうか。時間はどうにかなるかもしれないが、体力的にはけっこう堪えるんじゃないかな。

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ついで、で申し訳ないが新宿消防関係5団体の賀詞交歓会に顔を出したときに団長の木村さん(歌舞伎町商店街振興組合副理事長)から「最近消防団員が少なくなっちゃってねぇ。」と言うことなので、消防団員募集のリンクを貼って置きます。

新宿消防団消防団員募集ページ

昨年6月に開催された新宿消防団消防操法大会

ある意味、ボランティア活動の草分け的存在ともいえる消防団。確かに、地方と比較すると消防団の存在意義は日常と言うよりむしろ大災害時(震災等)消防署の対応が追いつかない時に限って機能することにプライオリティがあるといえる。年間および出動時の若干の報酬もあるので、もしよかったらどうぞ^^(歌舞伎町は第一分団)

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15から夜の街で生きてきたあるコの話φ....

彼女は15の時、東京にやってきた。母子家庭に育ち、学校にもまともに行かず、とくに母親と仲たがいしていたわけではなく、しかし15の時に彼女は自分の育った街を出て東京にやってきた。東京に来て、その見てくれがそれなりに可愛かったこともあってプロダクションにスカウトされる。当時は渋谷のプロダクションだった。しかし、そこでアダルトまがいの仕事をさせられたり、また食べていくために歌舞伎町のキャバクラでも働いていた。

18になり、ある小さなプロダクションの社長と出会う。そのプロダクションは弱小で、社長もどこか頼りない感じの人。しかし、彼が歌舞伎町ルネッサンスの活動に関わるある人と繋がっていたことから、その人を介して自分も彼女と知り合うことになる。初めて会った時の印象は、所謂ヤンキーあがり、決して話も面白いわけじゃないし、なにか飛びぬけた才能を感じたわけでもなかったが、まめにボイストレーニングにも通い「アーチストとしてやっていきたい。」と言う話を聞かされた。しかし、18歳の女の子。母親も生活保護を受けてたりで、仕事がそれほどあるわけでもなく、となると食べていく上でアルバイトをどうするのか、とか「家賃が払えない~;」といった切実な状況でもあり、といって彼女の持つやや危なっかしい部分がアルバイトを探してあげるのを躊躇させ、結局、その後キャバクラでバイトすることを黙認するに至った。

それからしばらくして、彼女が問題を起こした。彼女の周囲にいた未成年をキャバクラに紹介して働かせ、彼女も含めてだが未成年でありながら店で酒を飲み、タバコを吸い、安易に他店から友達を呼び(引き抜き行為)、また彼氏がいたのだが、その彼氏が暴力団関係者で警察に厄介になるなど一つのトラブルからボロボロと彼女の持っていた「影」の部分が露呈してくることに。

別に、どこにでもある話である。17や18の時にはよくある話。しかし、彼女が置かれている「歌舞伎町ルネッサンス」という大人たちの世界の中では非常に微妙なところに彼女は追い込まれることになった。人を介しての出会いとはいえ、自分にしてみれば十分考えられる彼女の行動である。まして、彼女が生きていくために持っている資質が他に無いとは言い切れないが、少なくとも「夜の世界」以外に選択肢が見つかりにくかったことは誰からの目でも明らかだろう。

しかし、彼女の「影」が一部関係者にとっては波紋になって、当然のように「切捨て」の方向に動かざるを得ない現実もわからないでもない。彼女自身が「どこが悪いの?」と開き直っていることが「大人」達の気持ちを逆なでしている部分もあるが、「更正」という観点から考えればほかに選択肢が無いわけでもなかった。「大人の話」に知らずと巻き込まれた彼女自身の困惑も今思えば早かれ遅かれ露呈するだろうことだったのかもしれない。

16や17で夜の街に働くようになるコたちは実際は非常に多い。事実、歌舞伎町の夜に働くコたち一人ひとりに話を聞くと、大体が「16から」とか「17から」と聞かされる。そのコたちの全てがそうだとは言い切れないが、やはりそれなりに理由があって働き始めたコたちは多い。法的には違法、雇用する側も違法ではあるが、では16や17で世の中に飛び出して、生活していけるだけの収入を得られる仕事が他にどこにあるのか?普通の会社員という選択肢はありえない。ほとんどの企業がまず雇わない。バイトでさえ保証人が必要になる場合がほとんど。結局、自分の親に頼れない事情があれば、生きていくためには他の大人か、もしくは違法でも偽装書類などで未成年を雇ってくれる「夜」の世界しか生きていける場所は無いのが実情である。少なくとも自分も17から一人で生きてきたのでよく知っているつもりだ。16や17で、もちろんそれより幼くても社会に飛び出さざるを得ない事情はありうるし、そういう事情を潰していくのは本来の姿であるが、それはともかく、では飛び出さざるを得なかった人たちをどうするのか?社会で、大人と同じ世界に生きていかざるを得ないのなら、やはり大人と同じように自由に働ける権利とそれにあわせて義務を課すのが当たり前ではないだろうか。また、そういう環境を作ることが必要なのではないか?というのが持論ではある。しかし、コレもまた現行法上(たとえば風適法など)違法、ってことになり、なかなかそれを認めるわけにはいかない。

彼女に対して何が出来るか、何も出来ないのか・・・彼女自身のスタンスにも依るだろうし、また周囲の問題もあり今はなんとも言えないが、しかし、少なくとも「未成年」「18歳」「16歳」・・大人と子供を分ける線と、その環境や矛盾と言う意味で、今後も考えていかなくてはいけないテーマだとは感じている。


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