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2月16日 喜兵衛プロジェクト(歌舞伎町家守事業) 幹事会より [KIHEI]

1月27日に開催された第3回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会において正式承認された歌舞伎町の空きビル、空きテナント対策を推進する組織、「喜兵衛プロジェクト」の幹事会議が2月16日16:00より新宿区役所庁議室にて行われた。

出席メンバーはプロジェクト座長の新村氏(歌舞伎町商店街振興組合副理事長、とんかつ「にいむら」会長)、折戸課長(新宿区都市計画部)、香西副参事(新宿区環境土木部、歌舞伎町担当)、日本政策投資銀行首都圏企画室大西課長、コマ劇場小林支配人、東急レクリエーション佐藤常務、林氏(歌舞伎町2丁目町会、風林会館)、アフタヌーンソサエティ清水社長(喜兵衛プロジェクト コンサルタントとして新宿区が発注)以上幹事。なお、オブザーバーとして下村氏(新宿区議、二丁目町会副会長)、東急レクリエーションの横田統括支配人。

1月13日に実施された喜兵衛プロジェクトのキックオフ・パーティ「Club FR」以来、暫定的に問い合わせ先になっている新宿区環境土木部の香西副参事あてに多くの企画持ち込みがある。多くは風林会館を使っての一時的なイベント使用であるが、中にはいくつか、実際に事業を立ち上げて歌舞伎町の空き物件を使いたい旨(例:70/80年代ディス企画、ミニシアター)のものもある。

今回の会議では、こういった持込に対し喜兵衛プロジェクトがどう対応していくかを含め、課題の整理をした。歌舞伎町ルネッサンスのフィルターの中で、まちづくりのベクトルにあうものであれば喜兵衛プロジェクトとしては空き物件とのマッチングを試みていく、という方針ではあるが、喜兵衛プロジェクト=内閣府認定の地域再生計画、つまり日本政策投資銀行の低利融資が受けらる、つまり公的資金を期待しての傾向が強い。内閣府の地域再生計画では「SOHO等に対し日本政策投資銀行の低利融資」とあるわけだが、この「SOHO等」の「等」についてどう考えるかをもうすこし明確にする必要がある。

日本政策投資銀行の大西氏は「政府系金融機関ですから、ではディスコに融資できるかといえば無理です。」と言う。また、仮に保証金や家賃を幾分下げてマッチングさせるとしても、事業計画はどうなのか、投資とリターンはどうなのか、ビジネスの判定をどう行っていくのかが課題になる。

もっとも、喜兵衛プロジェクトは融資ありきのものではない。いわば、事業を立ち上げたい側と空いているテナント・ビルとのお見合い機関である。官民協働の喜兵衛プロジェクトというフィルターによって「歌舞伎町で事業を興したい」という企業・個人に対し信用を与え、それならばということでビルオーナーに通常よりも若干でもハードルの低い条件を引き出しマッチングをするのが主たる業務。そこで、そういった一定の信用を与える基準、また申し込んでくる側に要望の大きい融資についての手法と基準をまとめあげるのが必要。ただ、与信機関として喜兵衛プロジェクトが機能できるのかどうかという問題もある。

現在、申し込みや問い合わせの中心が風林会館を使用したイベントなのであるが、これについても、「いくらイベントの申し込みがあっても実にならない」という意見と、「そういうものをたくさん、できれば拠点化して進めていくうちに必ず実質契約にむすびつく転換期がくるはず」という意見とがあった。会議の中で、やはり先だっての吉本興業が歌舞伎町に興味をもってくれているという話に期待が大きく、「大きな企業、核になる事業を誘致することを重点的に進め、核が成立すれば自然と関連する人たちやまわりがやってくるはずで、それが空きビル・空きテナント対策に最も有効なのではないか。」という意見もでた。

個々の案件を現実的に成立させていく上で、喜兵衛プロジェクトを実行していく会社を組織化、その場合、出資をつのるべきかどうなのか、そんな区からの提案があった。これも課題。

これらの課題を整理し、次回は喜兵衛プロジェクトの本会議で議論をすすめていくことになる。

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日本政策投資銀行の低利融資が受けられない、事業の内容によってはある意味当たり前であるが、そこで、じゃぁ「喜兵衛プロジェクトっていっても民間でやることとなにもかわらないんじゃないか?」という意見もある。ただ、官民組織がフィルターとなることで一種の与信機能を果たせるのではないかという区の意向が成立するのであればこのプロジェクトの存在理由なんだろう。だから、事業を立ち上げたい側と空いているテナント・ビルとのお見合いをより有効にすすめることにのみ徹底すればいい、というのが自分の意見。

だが、キックオフパーティなどの記事でも書いたが、どうしてそこまで区があせるのか。最近、さまざまな会議で、とにもかくにもあらゆる案件について喜兵衛プロジェクトに関連付けしようとする行政の姿勢はどうかと思う。仮に、さらに踏み込んで、融資だのファンドだのあるいは資金を集めて会社設立し、そこで資金を使って事業運営なんていう意向が区にはあるようだが、正直、それで簡単に成立するとしたらあくまで性善説だと思う。逆側からの入り込み、不本意であっても事業がうまくいかなかったときの責任所在、たとえば短期でも低家賃で賃貸を成立させた時の相手が居座ったり、出てった後の内装が転用できればいいができないときのビルオーナーへの保証、また貸し、そういったケースの時に資金のない喜兵衛プロジェクトがどう対応するつもりなのか?契約成立1号をあせる行政の気持ちもわからないわけではないが、喜兵衛プロジェクトができることってなんなのか、もうすこし冷静に考えるべきだ。公共資産である四五小や大久保公園、ハイジア等の有効活用も喜兵衛プロジェクトですすめようとしているようだが、それって空きテナント対策じゃないですよ。空きビル、空き室が増えて困ってるビルオーナー、それにともなう地域経済の停滞があるから、ということで喜兵衛プロジェクトを立ち上げたわけだから、四五小なんて区の物件じゃないか。だいたい、耐震だって0.3くらいじゃなかったかな、そんな建物はさっさとつぶして更地にするなり他の有効活用考えるなりすべきだと。

歌舞伎町で事業を立ち上げたい側と空いているテナント・ビルとのお見合いをより有効にすすめることにのみ徹底すればいい、そのためにはたとえば空き物件情報のポータルサイトの充実とプロモーション、どうしても条件がマッチングできないものについてのみ、事業性を精査した上で通常の空き物件以外のスペースレンタル(その中には大久保公園とかも含まれるが)を探すとか、アイディアをだせばいい。区はちょっと前のめりすぎかと思う。さらに言えば、この程度の仕事に年間500万の予算をつけてコンサルタントを発注している理由がよくわからない。

連日問題提起ばかりで新宿区には申し訳ないが、よくよく考えるべき。

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この日、14:00から同じ新宿区役所の3F庁議室にて歌舞伎町活性化プロジェクトが行われた。議事内容は、2月14日 歌舞伎町商店街振興組合にて「よくしよう委員会」にほとんどかぶるのでそこは省略するが、NHKエンタープライズの契約スタッフが歌舞伎町内で暴力団フロント企業とおもわれるビルオーナーにみかじめ料を払ってドラマロケを行ったというニュースについての話題になった。

毎日新聞ソースより:NHKの番組制作などを手がける子会社「NHKエンタープライズ」(NEP、板谷駿一社長)は15日、東京・新宿の歌舞伎町で今年1月に行ったロケを巡り、暴力団関係と疑われる企業に撮影協力費名目で現金10万円が渡った可能性があることを明らかにした。業務委託した外部のスタッフが支払ったもので、16日発売の週刊誌はみかじめ料だったと報じる。NEPによると、NHK総合テレビで3月放送予定のドラマ「繋(つな)がれた明日(あす)」のロケを1月18日に、歌舞伎町内の路上で行った。翌日、ロケ地設定を担当した外部スタッフが、撮影場所近くのビル関係者とみられる男性に撮影協力費10万円を渡し、NEPをあて名にした企業名の領収書を受け取った。このスタッフは撮影前、NEPの番組担当プロデューサーに「歌舞伎町で安全かつ円滑に撮影をするには、しかるべき事務所にそれなりの金を払う必要がある」と持ちかけ、拒否されていたという。NEPは支払先について「外部スタッフは『暴力団かもしれないという疑念は抱いていた』としているが、領収書を出した会社と撮影場所近くのビルとの関係などがはっきりせず、どういう企業なのか特定できていない」と釈明。10万円は経費として認めず、スタッフが自己負担するという。ドラマは予定通り放送するが、問題のロケシーンは放送しない方針。

歌舞伎町の話題を扱っているサイト、裏新宿さんや実録!歌舞伎町NEWSさんでもこの件について記事がかかれてます。

NHKといえば、社会部や首都圏のスタッフがしょっちゅう歌舞伎町に出入りし、地域がいかに暴力団排除に本気で取り組んでいるということをご存知なはず。あくまで、上記報道が事実であるならいくらエンプラが関連会社で、出入りの契約スタッフだからとはいえ、どうして一回くらい組合なり区なりに相談に来なかったのかと。

イベントをいくつもやってきたが、これまで一度たりともそんな「ミカジメ」なんて話でたことなんかない。ルネッサンスをやる以前、個人的にはドラマやCF撮影で歌舞伎町を使ったことはあるが、それでもそんなことはなかった。確かに、芸プロ関係なんかで暴力団系企業があって(かなり有名なタレントがいるところでも)マネージャーなんかに言わせると、そういう仲介に入って金で処理したとか話では聞いたことがあるが。ネゴ料っていうのは海外ロケではよくある話だし、歌舞伎町でも場所によっては連中が言いがかりつけてきそうなところはあるが、とはいえ、組合とか区、ましてロケなら警察に道路使用許可から警備計画など提出して許可を得ればありえない話。

もっとも、そういった処理に対するエネルギーと時間を考えると金で処理したほうが早いというのもわからないではない。撮影についての、また暴力団関係といわれたビルオーナーの特定など詳細はまだ説明を得られていないが、少なくとも「はぁ~??」とあきれるニュースだった。

実は、これも大分以前からであるが歌舞伎町フィルム・コミッションの組織化についてはアイディアとしてでている。だが、専任で1~2名は必要だろうということと、警察との話し合いでルール等についてもう少し時間をかけてにつめたい、なにより専任を雇用する経費をどうするか、など課題があってすすんでいなかった。現実には、歌舞伎町商店街振興組合の事務局が限られたマンパワーで可能な範囲で対応しているのが実体であり、また同じノウハウであるイベントは内容を「よくしよう委員会」で揉んだ上で実施してきている。それでも、警備が必要であれば組合の関係者が黄色いジャンパーをきて協力したりしてきた。

たしかにエンプラが悪いわけじゃないが、報道が事実ならNHKがミカジメを払ったわけじゃないにせよ、契約スタッフが勝手に払ったと言い訳することより、歌舞伎町自身が民間主導でミカジメをなくそう、暴力団を排除しようとやってるときに、せめてその契約スタッフに組合なりに相談にきてほしかったと思う。確かに、企画内容に注文をつけることはありうるが、仮に暴力団にミカジメをはらわなきゃ撮れないような企画ならハナからその企画はまちがってる。

だが、一方でこういった問題がでてくるのであれば、マンパワーと資金不足で止まっているフィルム・コミッションの実現を急ぐ必要性も感じる。収益は生みにくい事業であるが、暴力団インフラ排除に直接的につながるのが証明されたようなものだからこそ、区の予算や、その他の助成金についても道路と清掃ばかりでなく、こういうソフト分野にもつけてほしいと思うのだが。


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コメント 4

tx

歌舞伎町を是とするものだけしか扱わないフィルムコミッションだったら、普通には役に立たないと思いますよ(今回のみたいなケースでは役立つでしょうけど)。
by tx (2006-02-19 00:24) 

akira

暴力団も社会の一員として機能しているので、排除することは不可能です、歌舞伎町をどうにかしても、どうにかした量がどこかに移動するだけ、むしろ見えなくなることの方が問題なわけで、自分んとこの庭を掃除して、ゴミは他の庭にやるような局所的なことをしても意味ないです。できることからやる的な、近視眼的な目標を実現することの罪を自覚すべき。

っていうか・・石原の自慰行為手伝って楽しい?表面的なそういう活動から利害を得るきったねー奴らの方を問題としたほーがいいよ。
by akira (2006-02-19 02:13) 

美神 先生(みかみ さきお)

>txさん、akiraさん
の仰られるとおりです。
表向きだけの体裁を繕い、潤っている輩達が問題。
by 美神 先生(みかみ さきお) (2006-02-20 02:12) 

Tera

コメントありがとうございます。皆様のおっしゃること、一理あると思います。歌舞伎町ルネッサンスの活動も、いろいろ突っ込みどころはあります、確かに・・。
>暴力団も社会の一員として機能している、
地方都市とかにいくと、如実にそういった背景をかんじますね。土建業や雇用対策からみで介在し、ある部分行政のサポート的役割すらしてる場合もあります。これは、東京のような中心都市でも例外ではありません。ただ、1万円のものを1万円で売ってるのならそれは利権ではないでしょう、あたりまえの経済活動です。山口組などは、足抜けのための施策として表の仕事を持つことを奨励してると聞きます。そういう意味で、全否定するつもりありません。
ですが、ミカジメとか振り込め詐欺と人身売買とか、その他さまざまな違法行為など排除すべきものもたくさんあります。歌舞伎町内でなにができるか、できることを模索しながら進めていくのは重要かと。
>歌舞伎町をどうにかしても、どうにかした量がどこかに移動するだけ、むしろ見えなくなることの方が問題なわけで、自分んとこの庭を掃除して、ゴミは他の庭にやるような局所的なことをしても意味ないです。
その通りです。ですから、全国で同じような活動が展開されているわけです。東京都も、今では四地区(池袋、六本木、新宿、渋谷)にこの活動が拡がってます。歌舞伎町対策は、全国の治安対策の先駆的施策としてとらえられていますから、歌舞伎町でいろいろなことをやって、うまくいったりうまくいかなかったり、そういう経験が全国の治安対策に生かされていけばいいかと思います。

>歌舞伎町を是とするものだけしか扱わないフィルムコミッションだったら、普通には役に立たないと思いますよ
以前、PS2の「龍が如く」の制作協力を組合事務局が依頼されたことがあったようです。ですが、内容が内容ということで、断ったようですね。これはゲームですが、映画にせよドラマにせよ、歌舞伎町を面白おかしく描く中で、いわゆる「負の遺産」も資源になっている場合は多いです。悪いニュースほど発信力を産むのは事実ですし。
まず、基本的なルールの範囲を決め、その上であれば「ロケやイベントには街は絶対的に協力する」といった姿勢を打ち出すのが重要であり、切り口が負の部分であってもアリだと個人的には思っています。文化とか芸術というのは、そういう反社会的な色合いはあるものです。しかし、まだまだこの部分はコンセンサスが難しいところもあり、だからこそ独立した形で「フィルムコミッション」とか「ロケーションボックス」的なものがほしいなと感じています。
「安全のために自由を奪うものは、そのどちらも得ることはできない」といったのは今年生誕300年を迎えるベンジャミン・フランクリンの言葉です。露骨な資本主義がまかりとおる自由な気風も歌舞伎町の魅力です。また、だからこそ軋轢も生まれるんでしょうが。
なにもないより、ずっと面白い街だと思います。どちらのベクトルに向かおうが、おそらく両方とも「より活気のあふれるワクワクする街」にしたいという考え方は一緒でしょうし。
by Tera (2006-02-20 11:49) 

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